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◇トップページ > 管理人の日記 > 2024年4月29日の記事
管理人の日記
とりあえず攻略本を買って、2周目のHARDモードを進めますね…
もはやリメイク第3弾ですらこれを超えられるか怪しい |
◆関連:【「FF7リメイク(第1弾)」の感想記事】
というわけで。発売日から遊んでいた「FF7リバース」のクリア後感想を書いてみたいと思う。間違いなく、FFシリーズ最高傑作と言える作品だ。
…やれ、これを読んで、「シリーズ最高傑作とは大きく出たな」と思う方も居るだろう。しかし、今の若い人は知らないだろうが、かつてのFFシリーズにおいては、新作が出るたびに最高傑作が更新されるというのは当然のことだった。SFC/PS1/PS2といったハードの性能を作品ごとに引き出していき、単純にグラフィックが良くなるのはもちろんとして、斬新なバトルシステムを取り入れ、独創的なストーリーで毎回楽しませてくれた。あの頃のナンバリングFFは、出るたびに全てが、最高傑作だったのだ。
――それが、最近では、FFナンバリング作品の発売間隔がかなり伸びているうえに、「これだ!」と言える作品が出なくなった。例えば、私はFFシリーズの中では『13』が一番好きだが、まあ、一般層にはあまり人気の無い作品だろうなというのは分かる。その前の『12』も、今でこそガンビットによる自動戦闘というシステムが受け入れられているものの、発売当時は、「放置バトルの何が楽しいんだ」「戦闘BGMが無いのが寂しい」「主人公が空気」などと、非難轟々であった。さらに、ちょうどその辺りの時代に、他社製ゲームとの競争や、携帯電話の台頭によって、娯楽の多様化が激しくなった。かくして、FFシリーズは、かつての圧倒的な立場から没落していったのである。
しかしながら、今回の「FF7リバース」は、少なくとも作品の内容として、久しぶりに「これだ!」と言えるFFである。あの、“最高傑作が毎回更新されていた頃のFF”が、やっと帰ってきてくれた。ファンならば遊ばない手は無いと、ハッキリ断言できる。
ちなみに。プレイ時間としては、エンディング終了時点で87時間17分というものであった。「ミニゲームの最高ランク」と「高難易度系の一部の戦闘ミッション」は諦め、複雑な探索要素などでは部分的に攻略サイトを解禁していったものの、それ以外の要素については、あらかた自分で収集していった。
…ちなみに、2020年に発売した「FF7リメイク(第1弾)」の1周目については、戦闘系のミッションを全て制覇したうえで、32時間であった(【日記:2020/4/20】)。そのため、本作は2倍以上…いや、もはや3倍に近いような時間が掛かったということになる。実際のプレイ感覚としてもその通りであり、普通のRPG作品はもちろん、FFシリーズ本編として考えても、圧倒的なまでのボリュームを誇るゲームだった。これで、水増し感を覚えさせるどころか、むしろ逆で、メインもサブも大満足のゲームプレイを提供しているのだから驚きだ。大丈夫?
エンドフェイズに爆発したりしない?
でも、連携アクション(画像は連携「アビリティ」)は、強さが良く分からなかった… |
では、今作の何がそんなに良かったのかと言うと、基本的に全てが良かった。まず、バトルについては、リメイク第1弾と同じく、アクションとRPGの良いとこ取りをしたような感じである。13シリーズのチェーン&ブレイクを受け継いだ「バースト」というシステムが、爽快感バツグンだ。
…さらに、今作においては、新たに加わった3人の仲間(レッドXIII、ユフィ、ケット・シー)について、それぞれ操作感が独特であり、新鮮なプレイ感覚を提供してくれる。その他、連携アビリティといった今作からの新要素も、ほぼ全てがゲーム性を高めることに寄与している。7人それぞれに強みがあるうえに、それぞれ操作していて違った面白さが存在する。凄まじすぎるバランス調整だ。
――ちなみに、今作の新キャラにおいて、バトル面で私が最も気に入ったのは、ケット・シーである。物語中では、折り返しのあたりでの仲間化となり、当初はトンチンカンな戦い方をしていた(【日記:2024/3/27】)ものの、デブモーグリ召喚からの□ボタン長押しによるパワフルな打撃でATBゲージを素早く補充できるうえ、「モーグリ召喚術」(一時的に召喚獣を呼び出して、強力な技を使わせる。使用するたびに詠唱時間が伸びる)などの個性的な技が多く存在し、人物像としても気に入っていることもあって、瞬く間にスタメン入りを果たした(【日記:2024/4/3】)。まあ、正直、開幕の「ATBブースト」→「モーグリコール」→「ラッキーガールorモーグリ召喚術」が儀式化(※アクションゲームで、毎回必ず同じ動作が必要となること)していた感は否めないが…。
ちなみに。バトルの難易度としては、NORMALモードで攻略を行ったが、寄り道要素を回収しながら進めたこともあって、物語上の敵には、“ある程度の苦戦をしつつも、ゴリ押しで勝てる”という感じで、初回プレイの体験として、程よい難しさになっていた。そう、12章ラストの彼を除いて…。
…結局、ストーリー中では、あの敵がぶっちぎりで最強であったように思う。内容としても、リメイク第1弾の二番煎じなうえに、睡眠・ストップ・毒といった弱点が徹底的に潰され、まるで愛嬌が無くなってしまった。細かく攻略をするにも、連戦の2戦目という扱いであり、リスタートをするたびに、“1戦目を終えた時”に編成が戻されてしまう(【日記:2024/4/21】)。正直なところ、私は、あの戦闘を導入したのは失敗だったと思っている。再登場するにしても、もう少し新ネタを用意するべきでしょう…。
――その他、終盤で解禁された高難易度系のミッションはクリアしていないほか、意外なところとして、チャドリーミッションの「一陣の魔風」も未だに残っている。柔らかいうえに自爆する使い魔を残したまま、硬い硬いマインドフレアを先に倒すという内容であるが、仲間が勝手に使い魔を倒してしまったり、本体をロックオンしているにも関わらず、ワープ移動でターゲットが外れて使い魔を攻撃してしまったりと、ちょっぴり理不尽な内容だ(【日記:2024/4/1】)。覚えとけ、思いっきりキャラを育てまくったあとに瞬殺したるわ。
マリオカートっぽい…のか? |
また、7リメイク第1弾では、ミッドガルのみを1本のゲームにまとめたからか、はたまた当時はあれが限界だったからか、FF13のように、一本道感の強い内容であった。それでも、「サブクエストを受注して遊べる拠点」が何度か登場したり、「チャプターセレクト」「ハードモード」といった新感覚の周回要素を取り入れたりするなど、13が批判されていた部分を何とかしようという意欲も感じられ、好印象を感じたものだった。
…だが、第2弾となる7リバースでは、外の世界に出るということで、一気に探索要素が増えた。それは、もはやオープンワールドと表現しても過言ではないくらいであり、多彩なクエストや収集要素で、大いに探索を楽しむことができる。そして、そのようなオープンワールド風マップは、全部で6つも存在し、尋常では無いボリュームを誇っている。やれ、FFで収集要素の多い作品と言えば『12』だが、今作はあれすら超えているのではないだろうか…。
――さらに。PS5の性能を活かして、そのオープンワールドマップを、スムーズに探索していける。ロード時間は、世界の端から端まで移動したとしても、最長で5秒である。今作は、ファストトラベルを多用するゲームデザインのため、ロードが短いというのは非常に快適だ。ちなみに、PS4での7リメイク第1弾は、たかだか戦闘でリスタートを行うだけで、20〜30秒という長いロードが要求され、ややバランス感覚に問題を感じるゲームだった。
さらに。今作では、遊び要素の幅が、極めて多彩である。
…例えば、上で書いたオープンワールドマップでの探索要素は、単純なアイテム収集や戦闘というわけではなく、様々な遊び要素に満ちている。例えば戦闘ならば、「敵をバーストさせて倒す」などといったミッション形式が用意されたり、ゲストキャラクターとの共闘だったりと、ただ敵を倒して終わりとならないように工夫されている。また、各ポイントを訪問するタイプの収集要素についても、簡単なコマンド入力を求められたりなど、ちょっとしたミニゲーム要素が用意されている。それらが順番に現れるため、作業感を覚えづらくなっているのだ。
――さらに。今回は、原作でもミニゲームが豊富だった「ゴールドソーサー」を訪問することができ、作品の目玉として期待していた人も多いだろう。だが、それ以外の場所でも、莫大な量のミニゲームが用意されている。内容は、どれも個性的で、ゲーム進行に彩りを与えてくれる。もっとも、最高ランクで制覇するとなると、高難易度だったり理不尽だったりするため、その辺りは心地よく思わない人が出てくるかもしれない。しかしながら、私はバトル要素以外はコンプリートをするつもりは無いし、過去作で批判されてきたように、「最強武器を作るためにミニゲームを制覇しなければならない」ということも無い(武器は、少し遅れたとしても、最終的に全て店売りされる。また、最強育成に必要なスキルブックについても、戦闘以外のミニゲームの最高ランク商品としては用意されていない)。よって私は、ミニゲームについては、ゲーム進行を制限しない程度で、楽しく遊んでいくことができたように思う。
ちなみに。数あるミニゲームの中で、私が最も好きだったのは、もちろん「クイーンズ・ブラッド」である。FF9以来、久々に登場したカードゲームであり、単純な陣取りゲームから始まって、カードの強化&弱体化や、味方カードを上書きしながら配置するカードなど、様々なルールで楽しませてくれた。また、異様に個性的なデュエリストたち(“バウター”)に加えて、寄り道要素としては強めのストーリーが有ったのも楽しめた。
…その他、ゴールドソーサーについては、ミニゲームを遊ぶ施設というだけでなく、単純にロケーションとして魅力的であった。各種のイベント演出やミニゲームがパワーアップしていることはもちろんとし、BGMについてもデートをするキャラごとにアレンジが存在するなどと、もはや「豪華」などという使い古した言葉では形容しきれない。これ1本で、余裕でゲームとして成立するくらいの、とんでもない力量が掛けられているのだ。
――そして、グラフィックとしても、キラキラした非日常感が魅力だ。恐らく、ディズニーランドだとかUSJだとか、そういう実在テーマパークを、かなり研究したのだろう。そういうわけで、ゴールドソーサーは、FF7リバースに数あるマップの中でも、最も印象に残る場所であった。ああいう遊園地を、意中の人と歩けたのなら、それはもう、一生の思い出となるだろう。私もケット・シーとデートをしたかった…。
ちなみに。書く場所が無かったのでここに書くのだが、今回の「管理人の日記」枠を使った、FF7リバースの初回日誌を連載している最中に、「生涯の思い出となる」(【日記:2024/3/24】)だとか、「愛する人が目の前で死んでいく」(【日記:2024/3/29】)などと、その手の表現がやたら目立ったのは、もちろん、FF7リバースの結末を予見してのことである。
…やれ、私は、FF7の魅力は、映画「タイタニック」に繋がるところがあると思っている。ご存じの通り、“タイタニック”は、実在した客船であったが、氷山にぶつかり、多くの命を巻き込んで、海の底へと沈んでしまった。だが、それが誰しも分かっているからこそ、映画の中では、話される言葉の一つ一つが、掛け替えのないものとなって感じられた。FF7もそれと同じであり、あの破局的な結末が広く知られているからこそ、我々の日常生活のような何気ない会話が、もう二度と訪れない、大切な時間であると感じられるのだ。そう言えば、FF7も映画タイタニックも、初登場は同じ1997年であった…。
まだプレイ中の人も多いようなので、自粛します。この先の展開は、君自身の目で確かめよう! |
さらに。ストーリーについては、先日書いたように、ラスト2コ章がアチアチになっているものの、基本的には、原作のエピソードを強化しつつ、現代の最新ゲームとして、違和感の無い出来になっている。エピソード単位だと、ダインやセトなど、正統派のパワーアップを受けたものから、レッドXIIIのアレやジュノン潜入、そしてデートイベントのハズレ回など、ヤクでも決めながら作ったようなシナリオまで、スタッフのFF愛が凄まじいというものだ。
…さて。FFシリーズは、「ムービー」に定評のある作品として知られている。その意味は、単に3Dモデルやテクスチャが美しいだけではなく、アニメ的な構図も見ごたえがあるというものだ。リメイク第1弾に引き続き、今作もスクショポイントが満載であり、カッチョいいシーンを探すだけでも楽しめる。
――その他、初代PS時代の名物だったプリレンダムービーについても、リメイク第1弾ではやや不自然であり、通常イベントシーンの高画質さも相まって、「もうプリレンダムービーは要らないのでは?」と思ってしまった。それが、今作では、細かい品質が向上したのであろう、強化版イベントとして、違和感なく楽しむことができた。デブモーグリのふっわふわ具合なんて、もう全然ちがうね。
ちなみに、昨日の最終章の感想でも書いたが、ラスト2コ章は意味不明としながらも、「この7リメイクシリーズの物語に、どういう仕掛けが用意されているのか」ということが、おぼろげながら見えてくるようになっている。しかも、そのうえで、第3弾のストーリーがどうなるかは、全く予想が付かないのだ。リメイク分作の中間作として、なかなか、上手いオチを用意したものである。
――具体的に言うと、今作のエンディングムービーについては、「美しい草原を背景に、事故を起こしたタイニーブロンコを修理して、再び空を飛べるようにし、セフィロスの元へと旅立つ」という、それだけのものである。画質は凄く綺麗だし、内容としても露骨に破綻していることは無い。そのため、先にエンディングだけを動画サイト等で見た人にとっては、「ふーん」くらいにしか思えないであろう。だが、実際にゲームをプレイしたうえでこのシーンを見ると、明らかにおかしい部分がいくつも存在するということが分かる。その違和感こそが、“7リメイク第3弾”の物語のキモとなってくることは間違いない。いやあ、本当に、この作品のスタッフは、ゲームの作り方が良く分かっているな…。
第1弾のDLCでもそうだったし、何気にユフィは年上クラッシャーなのか |
最後に、今作の意外な評価点として、BGMが存在する。FF7のBGMは、原作の時点で人気であり、リメイク版では、それが多彩な形でアレンジされているのが、まずは魅力となる。オーケストレーションされた正統派から、レッドXIIIの船上でのアレなど、編曲の幅も広い。「FF7メインテーマ(原作のフィールド曲)」や「エアリスのテーマ」など、作品を代表するような楽曲は、もう2桁単位でアレンジされているのではないだろうか?
その他、アレンジではない完全新曲も用意されており、これまたゲームに合っていて、新旧入り交じった魅力が展開される。
…また、曲自体が良いのはもちろんだが、それに加えて、楽曲の数が桁外れだ。本作「7リバース」のために新規に作曲・アレンジされた曲はもちろんとし、PS5の大容量を活かして、「7リメイク(第1弾)」や「インターグレード(ユフィDLC)」のBGMも、効果的に使用されている。7リメイク第1弾のサントラがCD8枚、インターグレードが3枚、そしてリメイク第2弾も8枚であるため、合計19枚分という、空前絶後の物量が取り込まれているのだ。
――実際、ボリュームとしてはそのレベルで凄まじいものである。やれ、“短めのアクションゲームで、ボスごとに音楽が違う”というのは、恐らくは、PS2の「メタルギアソリッド3」(2004年)から始まったもので、近年では一般的な作りとなっている。だが、RPGで、しかも通常の作品よりも遥かに長い本作で、それをやってのけるというのが、尋常ではない豪華さを感じさせる。
では、そんな楽曲面で、印象に残ったものを、いくつかピックアップしてみよう。
…まず、バトル曲としては、以前にも触れたペルソナ風楽曲の「The Gus
Funk」のバトル風アレンジ(【YouTube】
※サントラ未収録!)が、もうペルソナすぎて大好きである。こんな、他ゲーならばメインを張れるクラスの楽曲を、サブクエで合計3回しか流さない(「テスト0 ×
一体」「テスト0 ×
二体」「ジョーカー」戦だけ)というのが、今作の正気ではない構成を物語っている。そして、同じくバトル曲では、ド王道と言えるが、「ジェノバLife」戦の第1楽章(【YouTube】)も好きである。原作から、絶対に逃してはいけない演出を入れてきた。
――また、植松伸夫が作曲した、主題歌の「No
Promises to Keep」(【YouTube】)は、懐かしくも新しい曲調が、「FF7の」「リメイク」という作品に合っているのはもちろんなのだが、それだけでなく、久々にストーリー上での位置付けと、内部アレンジの存在する主題歌となった。まず、物語上では、“エアリスがゴールドソーサーでの演劇のために作詞した”という設定が用意され、実際に、エアリスの歌唱楽曲として、エンディングよりも前に登場をした。このように、作中人物と関わりがある主題歌は、FF9以来である。
さらに、最終盤のとある場面では、「No
Promises to Keep」のしっとりとしたアレンジ版(【YouTube】)が流れる。内容は、中学生のデートのような感じで、穏やかそのものであるのだが、プレイヤーとしては、この先に訪れる悲劇的な運命が分かっているだけに、何気ない会話の一つ一つが、心に響いてくる。主題歌がアレンジされて別BGMとして登場するのは、FF10以来(「ユウナのテーマ」/【YouTube】など)である。そもそも、「No
Promises to Keep」自体にも、「エアリスのテーマ」のフレーズが取り入れられており、独立した楽曲ではなく、しっかりしたゲーム音楽として成り立っているのだ。
そして。流用楽曲からは、「戦う者達」「更に闘う者達」「インフィニットエンド」「忍びの末裔
Battle Edit」を挙げていきたい。闘う者達(【YouTube】)と、更に闘う者達(【YouTube】、リメイク版での楽曲名としては「エアバスター」)は、言わずと知れた、原作の通常戦闘曲&ボス戦曲であり、7リメイク第1弾でも正統派アレンジを受けて登場したが、ただ、第1弾の時点から楽曲面は非常に豪華であり、一周して、ルーチンの戦闘曲が聞ける機会が少ないという問題が存在した。それが今回では、闘う者達に「ミッション系戦闘でのBGM」、そして更に闘う者達に「オープンワールドマップの最後に登場する強敵BGM」という明確な役割が与えられ、堪能できる機会が増えた。
…また、「インフィニットエンド」(【YouTube】)は、原作アレンジではない完全新規の戦闘BGMであり、何から何まで、「あ、浜渦だ」という感じの楽曲だ(「浜渦正志」氏:FF13シリーズなどからメインで参加している作曲者)。前作でも、ネムレス&アノニマス戦、ソードダンス戦など、独創的なボス戦の雰囲気を作り出してきたが、今作では、「てきのわざ」を覚えるためのミッション戦闘曲として使用されている。あの糞ミッション「一陣の魔風」も、この曲が聞けるなら、頑張ってやろうと思えるものだ。
――最後に、「忍びの末裔 Battle Edit」(【YouTube】)は、ユフィDLCでの追加楽曲だ。原作のユフィのテーマ曲といえる「忍びの末裔」(【YouTube】)を、バトル風にアレンジした楽曲であり、かわいさを残しつつ、主人公らしく勇ましい雰囲気になっている。作中では、「死の宣告回避技」の発見者であるソテツ氏(【日記:2024/4/6】)との共闘ミッション等で流れている。正直、ユフィDLCは、PS5の購入直後にプレイし、とりあえずクリアはしたのだが、時期が悪かったのか、あまり熱中することはできなかった。が、こんな素晴らしい楽曲があったのなら、改めてハードモード等もプレイし、しっかりやり込んでみようかなあとも思えた。このように、過去作の魅力を発掘してくれるのも、流用楽曲の魅力である。
やれ、FF13-2やライトニングリターンズの時は、「新曲も十分に魅力的だから、無理に過去楽曲を使う必要は無いのでは?」と思ったものだった。それが、7リメイクシリーズでは、全く違う感想になっているのである。何が違うのやら…。
へぇ〜 デートかよ。 |
というわけで。「FF7リバース」は、戦闘・ストーリー・寄り道要素・BGMなど、RPG作品に必要なポイントが全て押さえられている。これで、PS5という最新ゲーム機でまとめあげられ、かつ、他RPGの軽く数倍というボリュームが収録されている。量・質ともに、歴代の全ゲームの中でもトップクラスであり、間違いなくFFシリーズ最高傑作と呼んで良い。繰り返し述べるが、FFシリーズのファンならば、絶対に遊ぶべき作品だ。
では、ここからは、気になった部分を挙げていこう。と言っても、重箱の角をつつくような問題は、圧倒的な加点によってカバーできるため、それ以外の面とする。最大の問題は、やはりこれが、「分作リメイクの中間作」ということだ。
…やれ、繰り返し述べている通り、本作は間違いなく、FFシリーズ最高傑作と言える作品である。しかしながら、所詮は1997年に発売した「ファイナルファンタジー7」のリメイクにおける、3分作の第2作である。私としてはやはり、今回のような圧倒的な体験は、ナンバリング正統続編で味わいたかった。なお、2023年に発売した「ファイナルファンタジー16」(【日記:2023/7/3】)と、今作を比べた場合の私の感想は…まあ、うん、ご察しください。
――ちなみに、「分作」という形式については、私は問題だと思っていない。リメイク第3弾が控えていることで、今回と同等クオリティの作品を、もう1作楽しめることが分かっている。さらに、7リバースの圧倒的な質と量は、7リメイク第1弾の発売でチームが解散せず、そのまま開発が続投したからこそだ。このレベルの作品が出せるのなら、「分作」という形式も、悪いところばかりではないだろう。むしろ、7リバースも、一般的なRPGの2倍くらいのボリュームなのだから、2本に分けても良かったのでは…。
また、私くらいしか気にしていないと思うのだが、残念ながら今回の7リメイク第2弾も、「低レベルクリアー」が行いづらい作風である。回避できない強制戦闘が多いうえに、経験値を0にして敵を倒す手段が無い。また、サブクエストの報酬としても経験値が入ってしまうため、低レベルを目指すのならば、ゲーム冒頭から大半の要素を無視する必要がある。ボスも経験値を持っているため、ストーリー進行でもレベルが上がっていってしまう。そして、攻略本は未購入のため、詳細は把握していないのだが、恐らく今回も、敵レベルと防御力が連動する形式であり、相手とのレベル差によって極端に与ダメージが下がってしまう。最後に、クリア後の2周目には、入手経験値が跳ね上がり、雑魚戦でもレベルがモリモリ上がっていってしまう。
…やれ。私は、前作である7リメイク第1弾において、低レベルクリアーの日誌を連載している(【FF7R:低レベルクリアー(笑)】)。そのクリア記録は、クラウド/バレット/ティファ/エアリスで、Lv29,29,30,30であった。ふーんという感じであるが、これでも章スキップといったバグまで活用した結果である(※私のプレイ後に見つかった戦闘回避系バグも存在するため、極限値ではない…はず)。ちなみに、初回プレイは、戦闘系のミッションを全て終えたうえで、クラウドLv37でクリアしている。というわけで、低レベルプレイを目指したにも関わらず、たった7〜8しか差が出てこないのだ。あまりに中途半端である。
――そんなだから、攻略難易度としても微妙であったため、実質的なプレイ内容は「低レベル+回復禁止クリアー」となった。それでも、難関として思い出せるのは、最終章の長い長い連戦と、あとは、バグ利用で一時的にレベル差が離れており、雑魚の使い魔を巻き込んで勝手に経験値を獲得してしまうアプス(2回目)戦、あとは、こちらもバグ利用でレベル差が大きく離れていたヘリガンナー戦くらいのものであった。
さて。話を7リバースに戻すと、クリア時のクラウドのレベルは「50」という数字だったが、恐らく今作で「低レベルクリアー」を目指したとしても、40台には到達してしまうだろう。そうなると、難易度としても中途半端なため、また何かを縛る必要があるが、ただでさえ寄り道要素を削られるのに、武器やマテリアまで制限してしまうと、せっかくの7リバースの魅力が激減してしまう。結局のところ、今回も「低レベルクリアー(笑)」になってしまうのだ。
…やれ、私の中でFF13が最高傑作となっているのは、グラフィックやバトルの質が圧倒的であり、ストーリーも気に入ったという面もあるのだが、それ以上に、様々なやり込みプレイで楽しませてくれたという個人的な体験が大きい。「ムービーを視聴しつつ、一本道を前に進んで戦うだけ」というシンプルすぎる構成は、バトルゲームとして一切の無駄がない。雑魚もボスも経験値(CP)を持っているが、その利用タイミングを自由に決められるため、低レベル系の縛りが容易であり、寄り道要素も回収可能である。そして、一般的に嫌われることの多い「レベルキャップ(ストーリーの進行で成長の上限が制限される方式)」でさえ、「オプティマ変更なしクリアー」や「ボス戦タイムアタック」といったやり込みプレイに役立てていくことができた。
――やれ、7リメイク第1弾は、FF13の良くなかった点を前向きに改善した精神的続編であり、リメイク第2弾はその第1弾を全ての面で上回る大傑作だ。しかし、やり込みプレイのやりやすさというピンポイントな点では、残念ながら今回も、13を上回ることはなさそうだ。やれ、今回の7リバースでも、何か1つくらいはプレイ日誌を連載したいと思っているのだが、やっぱり「低レベルクリアー(笑)」になってしまうのかなあ…。
実は私もそう思ってたんですよ |
なお、その他の細かい点については、簡単にまとめてみたいと思う。なお、現在は、2周目ハードを少しだけ進めた状況であり、部分的にその感想も入っているので、ご了承いただきたい…。
私も、FFの魅力を多くの人に伝えられるよう、頑張ります |
というわけで。いろいろなことを書いたが、改めて述べたいことは、今作「FF7リバース」は、久方ぶりに登場した、FFシリーズ最高傑作である。質・量ともに圧倒的であり、ファンなら是非やるべきだし、FFシリーズを知らない人にとっても、安心してお勧めできる定番作となるだろう。
…ただ、唯一にして最大の問題は、今作が分作リメイクの中間作ということである。リメイク第1弾をプレイしなければ、物語は中途半端なところから始まるし、完結作は何年も先となってしまう。ひょっとしたら、リメイク第3弾は、PS6など、また新しいハードが必要とされるかもしれない。
――だが、今作の超ド級クオリティを考えれば、それですら些細な問題だ。こんな凄まじいゲームと、「ファイナルファンタジー」ブランドで、また出会えるなんて、涙が出るような思いである。私も、この作品を機に、FFの魅力を多くの人たちに伝えていけるよう、頑張っていこう。きっとだ。
(2024年4月29日)
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