. . |
◇トップページ > 管理人の日記 > 2020年4月21日の記事
管理人の日記
縛りプレイはどんなのが主流なんだろ。低レベル系はシステム的にやりづらいのかな?
確かに分作だ。確かに新作ではなくリメイクだ。でも、それでも面白いのだ |
先日、“7リメイク第1弾”こと、「ファイナルファンタジー7:リメイク」をクリアしたので、その感想を書いてみたいと思います。関連する内容として、今回は発売前日から頻繁に更新をしている(【2020/4/9】から【2020/4/20】)ので、必要に応じてそちらもご覧ください。結論を先に言うと、「久しぶりに本気で楽しめるFFの新作が出てくれたので、未プレイの方には是非やってほしい」というものです。
さて。まず、今作に至るまでの経緯を説明すると、PS4で発売された一応の前作である“某15”は、まったくもって悲惨すぎる出来であり、私は1回プレイして無かったことにした(関連:【2016/12/27】など)。また、その他のFF作品についても、「FF12:ザ・ゾディアック・エイジ」や「ワールド・オブ・ファイナルファンタジー」など、移植やスピンオフが出た程度であった。一方で、業界全体に目を向けると、海外の制作会社が数多くの大作で高評価を集める中、日本メーカーもそれぞれの強みを活かした作品で人気を博しており、PS4時代でFFだけが不在という、ファンにとっては悲しすぎる状況であった。当サイトの【FFプレイ日誌】においても、未だに最新作が13シリーズで止まっているということから、この時代のいびつさが察せるというものだろう。
――そして。今回の7リメイク第1弾に関しても、私の中での前印象は最悪というほか無かった。当初、シリーズ屈指の人気作がPS4で完全リメイクされると聞いて狂喜したものの、その後に発売された15が最低の駄作であったうえ、7リメイクに関しても発表から年単位でまともな情報が出なかったからである。大きく流れが変わったのは、今年3月の体験版配信であり、クオリティがちゃんとPS4の大作クラスであるうえに、バトルシステムが非常に楽しく、これなら本編を楽しみにできると思うことができた。一方で、「ストーリーが完結せず分作である」「所詮は新作でなくリメイクである」という部分の不安は払拭されず、その辺りを考慮に入れたうえで、どういう作品になってくるかということが気になっていた。
そんなわけで。先日、32時間で初回プレイを終えた私の感想を述べると、「やっとFFが帰ってきてくれた!
是非やるべき!!」というものである。
…まず、本作で最も印象的なバトルシステムについて述べると、アクションとRPGの融合という感じで、メリハリの効いたバランスとなっており、FF12や13とも比較できるほど完成度が高くなっている。「操作キャラクターを入れ替えながら、溜まったATBゲージを使用する」「弱点攻撃や特定の手順によって相手を『バースト』させ、その隙に大ダメージを与える」という辺り、最も近いと言えるのは『ライトニングリターンズ』であろうか。
――また、今回は難易度選択が最初から導入されており、やりごたえのある「ノーマルモード」の他にも、簡単な「イージーモード」と操作が簡略化される「クラシックモード」を選ぶことが可能であり、いつでも自由に変更できる。そして、エンディング後には、チャプターセレクト限定で成長させたキャラを使って高難易度バトルが楽しめる「ハードモード」が用意されており、ライトユーザーからやり込み層まで様々なユーザーに配慮が為されている。また、戦闘で敗北した場合にもその場でリスタートできるなど、13シリーズの良いところはしっかり引き継がれているのもポイントである。
そして。ゲーム進行に関しては、基本的には『13』のような感じで、一本道でバトルとシナリオをこなしていく形式となっているが、あれほど極端な一本道とはなっておらず、物語中で複数箇所「サブクエストを受注して遊べる拠点」が登場する。また、各拠点はそれぞれ雰囲気が異なっているため、初代13のように「ひたすらイベントシーンとバトルを繰り返すだけ」というようにはなっていない。もっとも、本作はバトルが面白いので、「いいからさっさと戦わせろ」という逆の不満点も微妙に発生していたりするのだが…。そして、上に書いた通り、クリア後はチャプターセレクトで好きな章を遊べるため、取り逃しも気にすることは無い。本作では、基本部分を一本道形式としつつも、『13』でよく言われていた問題の大半が解消されており、より多くの人が親しみやすい構成となっている。特に、「クリア後は好きな章で遊べる&敵強化でやり込み度アップ」という点は、今後の一本道RPGの基準となりうるくらいに優秀なシステムではないだろうか。
――加えて、FF7は「ゴールドソーサー」で知られるように、原作の時点でミニゲームが豊富であったため、このリメイク版においても、多くのミニゲーム的要素が導入されている。私は、この手の遊び要素には正直言って悪い印象しか持っていなかったのだが、本作のそれは非常にクオリティが高く、バトルの息抜きや物語の演出として、とても良く機能している。その頂点が、蜜蜂の館における某イベントであろう。あれについては、多くは語らないので、是非ともプレイして体感してみてほしい。あんなの笑うだろ。
細かいところを言うと、不満は結構ある(それでも面白い) |
それでは、ここまで良いところばかりを書いてきたが、逆に悪いと思った点についても書いてみることにしよう。
…まず、最大の問題がUI(画面デザインなどを含めた総合的な操作性)であり、これについてはハッキリ悪いと言える。本作では、何故かメンバー名が「CLOUD」「AERITH」となっており、メニューの文字も「MATERIA &
EQUIPMENT」「UPGRADE WEAPONS」などとアルファベット表記が多く、とても読みづらい。また、ロックオンに関連する機能がイマイチで、ターゲットを思うように操作できないことが頻発する。その他、上の画像のように戦闘中にミニマップが表示されないため、敵が何体いるか、画面上のどこにいるか、といった基本的な情報が分からない・または分かりづらい。
――また、単純なボタン関連の操作性という意味でも今ひとつな点は多く、例えば「メンバーを入れ替える際は十字キーの↑・↓でできるが、メンバーに行動を指示する時はL2・R2を使わなければならない」という謎仕様を筆頭に、「『ケアルなど回復魔法&アイテムの連続使用』『ミニマップの表示』などが隠し機能のような扱いになっている」「コマンドの深部からウィンドウをまとめて閉じるボタンが無い」「バトル中にカメラを操作キャラの真後ろに移動させるボタンが無い」「『カメラ操作時にターゲットを変更しない』『道端で喋っているキャラのセリフを字幕付きで表示する』と言った基本的機能をコンフィグで設定しなければならない」など、正直言って出来が良いとは言い難いような内容である。さすがにPS4も終盤となって、この操作性はつらい。特に、本作はアクションゲーム的な要素も持ち、操作性が面白さや爽快感へと繋がっていくので、なおさらである。
そして、13シリーズをベースとしたバトルにしても、確かに面白いのであるが、細かいところを言うなら、こちらも問題が無いというわけではない。
…まず、私が最もイラつかされたのが、敵の攻撃によって大きくひるまされることである。本作は、アクションゲームのような見た目であるものの、敵の攻撃を位置取りで回避することが難しく、「基本はHPで受けて、たまにガードもする」という感じになっている。が、敵の攻撃には吹き飛ばしや転倒によってこちらを妨害するものがあり、ガードが不可能な技も多い。そして、強敵であればあるほど、その手の大技を連発してくるので、なかなか思うような行動ができない。そのくせ、敵は操作キャラクターばかりを狙う傾向が強いのだ。しかも、こちらが技を構えている最中にひるみ効果のある攻撃を受けると、技が中断されることはもちろんとし、入力したぶんのATBゲージとMPも戻って来ないという鬼仕様になっており、詠唱の長いガ系魔法や発生が遅い技の使い勝手が悲惨となっている。完全アクションなら、それも含めたバランス調整と言えるのだろうが、本作はあくまでアクションRPGなのだ。
――また、本作では敵を「バースト」というFF13でいうブレイクのような状態にしてダメージを増やすことが重要となるのだが、そのために「弱点属性の魔法を当てる」という動作が要求される場合が多く、もしその属性魔法のマテリアを装備していない場合は、リスタートしてやり直さなければならない。しかしながら、本作のリスタート時のロード時間は、約20秒となかなか長くなっている。この値をどう評価するかだが、似たようなシステムの『13』は約5秒、一方で『13-2』ではボス戦のリスタートなど時計グルグルの長いロードが増えたが、それがちょうど20秒くらいである。FF7リメイクでは、全てのリスタートが、13-2の時計グルグルロードと同じくらいの時間が掛かるということだ。一応、PS4pro&SSD換装済みでコレである。
気合の入ったムービーの数々は必見 |
そんなわけで。上の段落では批判的なことを書いたものの、それは良く出来ているからこそ細かいところが気になってしまうというものであり、基本的には非常に面白く、本当に久しぶりの心から楽しめるFFとなった。初回プレイは32時間で終わったが、引き続きハードモードなどのクリア後要素をプレイしていき、その後に更に可能ならば、「縛りプレイ」という領域にまで進めていきたいと思っている。
そして。最後に、本作で最も物議を醸し出している「分作」という形式であるが、個人的には致命的な問題にはなっていないと考える。
…まず、本作1個のボリュームとしては、そこまで気にする必要は無い。まあ、本当に「分作でもFF作品1本分のボリューム」かどうかと訊かれると、それは誇張気味であり、実際には過去の正統ナンバリング作と比べ、体感だが2/3という程度である。それでも、シナリオだけで30時間と十分に遊べるうえ、クリア後のやり込み要素が豊富であるため、本作だけでもボリューム不足を感じることは無い。また、ミッドガルをゲーム1本に引き伸ばしたことについても、個々の要素はしっかりと肉付けされて見ごたえのある内容となっており、新キャラクターたちも魅力的である。それらを考え、原作を前提とした場合の異様なシナリオ進行の遅さを別とすれば、そこまで水増しという雰囲気を感じることは無かった。
――また、物語展開については、残念ながら原作のこの時点よりはマシという程度であり、やはり「古代種」「約束の地」「ジェノバ」「セフィロス」などと言ったキーワードは、少し語られる程度で終わってしまう。ただ、この辺りは、「次回作がどれくらいのペースで出るか」「何作で完結させるか」によっても評価が違ってくるだろう。例えば、13シリーズと同じく、「2年後ごとに発表し全3作で完結」というくらいなら、この分作形式もそこまで気にならないが、これが5年ごと・全7作などであれば、批判の声のほうが遥かに大きくなるだろう。ということで、次の情報は早く出して欲しいものである。
最後に。物語のラストについてであるが、配信禁止区間となっていた最終章〜エンディングでは、原作に全く無かった展開が訪れる。一言で表現すると電波である。まあ、想像や考察の余地はいろいろとあるのだが、個人的には初めてFF13のラスボス戦のイベントを見た時と同じような気持ちになってしまった。まさか、最終章でいきなり意味不明になるとは…。とはいえ、それにより、「次回作がどうなるか」ということが、更に気になってしまった。あのFF13のエンディングも、今では感慨深い名シーンとなっているし、この7リメイク第1弾のラストも、これから考察をしていきたいものだ。
そんなわけで。この“7リメイク第1弾”こと「FF7リメイク」は、FFシリーズにおける久しぶりの快作となった。その中には、両手を挙げて持ち上げることはできず、議論を呼ぶような内容も含まれているが、そういうところも含めてFFらしいと言えるだろう。あの、2009年のFF13から10年以上が経ち、やっとファイナルファンタジーが戻ってきてくれたのだ。きっと、ライトニングさんも喜んでいる。
――だから、もし、この作品を「分作だから」「新作でなくリメイクだから」という理由で遊ばないと決めている人が居たら、それは勿体ないと思うのだ。私自身、当初は極めて不安視をしていたものの、実際に遊んでみたら予想より、遥かに楽しむことができた。確かに、本作は分作であるし、所詮は新作でなくリメイクである。だが、それでも面白いのだ。今作は、自信を持って「遊んで欲しい」と言える作品であり、新たな世代のFFの始まりである。
(2020年4月21日)
2020年4月21日の記事を表示しています。