◇トップページ > FFプレイ日誌 > ボス戦タイムアタック > No.39
ボス戦タイムアタック
私の青春を駆け抜けていったゲームたちだった |
前回の38話にて、半年を費やしてロングイを倒し、ついに「ボス戦タイムアタック」も完結に導くことができた。今回は、あとがき的な内容である。
…やれ、プレイ全体の感想としては、今回もとにかく大変であった。この日誌の連載開始は2020年2月であり、開始の理由は、4月に発売を控えていた「FF7リメイク(第1弾)」までの穴埋めというものである。驚くべきことに、当初は手軽なプレイとして始めたつもりだった。実際、序盤戦は連日で日誌を更新できるようなことも多く、途中で「画面上で直接選択+△ボタン決定」による全バトルのやり直しという事態があったにも関わらず(【第15話】)、7リメイク第1弾までの2ヶ月で、ゲームのターニングポイントである「バルトアンデルス(1回目)」戦までを終わらせることができた。
――しかしながら、その後の戦いは地獄そのものであった。11章に入った後は、1つのバトルに対して、それだけで成長の全やり直しが要求されるようなことも増え、戦略性や運要素も桁違いに増加していった。一戦一戦が、やり込みゲーマーとしての全労力を費やす死闘となったのだ。その象徴が、ラストのロングイ戦である。私の、13年におけるFF13との戦いの中でも、最高クラスの難関であったことに、もはや何の疑うべき要素もない。
だが、それだけに、私にとって今回は、これまで以上にFF13をやり込めるプレイであった。
…やれ、上にも書いた通り、FF13も既に10年以上昔のゲームとなった。PSハードについても、PS3から既に2世代後のPS5が発売されているはずであり、現行機で復刻されていないFF13は、過去のゲームとなりつつある。そんな中で、これほどまでに輝くプレイを楽しめるとは、私としても予想外であった。単純なタイム更新もそうであるが、プレイ面においても、様々に新たな発見があり、未だにFF13には掘り下げる余地があることが分かった。
――ということで。この「ボス戦タイムアタック」は、過去の「クリスタリウムなしクリアー」「オプティマ変更なしクリアー」「最強キャラ決定戦」などといった、名プレイたちと比べても、全く劣ってはおらず、当時と変わらないFF13の魅力を見せてくれた。いやむしろ、FF13が“最新ゲーム”という枠から外れた今だからこそ、より豊かな輝きに満ちているようにさえ思えるのだ。
ちなみに。当プレイで記録した全37戦(※9章の襲撃騎カラヴィンカを2戦とカウントする)のタイムは、この日誌を書いている時点で、全てが最速というわけではない。ご存じの通り、正念場の1つであった「オーファン(第1形態)」戦において、私が出した51秒よりも速い49秒という記録を、FF13ガチ勢のRial氏が出している(【第29話】)。先駆者兄貴が出した記録を10秒も更新した私の画期的な戦いが、なんと1ヶ月も経たないうちに旧記録となったことについて、当時の私はなかなかショックを受けたものだった。
…しかし。今となっては、これは非常に喜ばしいことだと思うのだ。何故なら、私の出したタイムも、まだまだ更新の余地があると証明されたからである。私個人は一線を退くが、FF13には、間違いなくこれから先も輝かしい歴史が待っていることだろう。私の記録を踏み台として、更にFF13を進化させていってほしい。光速の異名ですら遅すぎるというくらいに、FF13やり込みを、新たな次元へと導いてほしいのだ。
――そして。全くの余談であるが、本プレイ日誌が記録した「39話」という話数も、私のサイト運営歴:22年の中で執筆した全てのプレイ日誌の中で最大である。39という数字自体も、“サンキュー”(Thank You)と読めるものであり、13×3ということで、FF13シリーズの三部作を象徴しているとも言える。まさに、本プレイは、私のFF13シリーズ攻略の集大成と言える作品だったのだ(意味不明)。
みんな楽しそうに笑ってたよ。セラも、姉さんも… |
では、いつものように、まずはプレイ基本情報をまとめていくことにしよう。と言っても、今回は、いつものようなストーリーの通しプレイではなく、ボス戦や強敵攻略を単品として取り扱っていったスタイルであるため、書き方が少し異なってくることは、お許しいただきたい。
というわけで、今回の「ボス戦タイムアタック」のまとめは、こんな感じである。
…まず、このプレイの途中で、PCを「VAIOpro13(2014)」から「VAIO
SX14(2020)」へと買い替えた(【日記:2020/5/25】)。それにより、17話のレインズ戦から、環境が大きく変わっている。具体的には、Wordのバージョンが2007→2019とジャンプアップして「ワードアート」の性能が増したこと、そしてレイヤー機能付きのペイントソフトである「ペイント3D」が登場してくれ、謎画像をこれまでより遥かに簡単に生産できるようになった。
――また、本体の処理性能にも余裕ができたため、ゲーム動画をリアルタイムにMP4形式へと圧縮し、これまでと同等以上の動画&静止画画質を実現しながら、容量を40%程度にまで抑えられるようになった。通しプレイなど、莫大な長さの動画ファイルを扱う私にとっては、非常に嬉しい改善である。
そして。今回の「参考文献」としては、動画チャンネルを運営している方々が多く並んでいる。FF13が発売した2009年には、既に十分にインターネットや動画サイトが普及をしており、タイムアタックは動画で発表をする時代となっていた。そして、FF13のタイムアタックが盛り上がったのは、発売初期のことであり、私が競争相手とした記録の多くも、既に10年以上前の成果である。だが、10年前だからと言って、そう簡単に乗り越えられるというわけではない。いずれも、良き好敵手となってくれた。先駆者兄貴&姉貴たちの記録があったからこそ、それを乗り越えてやろうと頑張れたのだ。
――その一方で、くらた氏・ソテツ氏といった、タイムアタックではない、他の制限プレイで活躍した方々の名前も並んでいる。彼らの発見した、「グライフ戦でのクエイク」「危機だと威力UPの活用」「無限挑発バグ」といった要素が、タイムアタックでも役立ってくれたのだ。ならば、その逆も然りである。今回のタイムアタックを通して見つかったテクニックが、その他のFF13プレイに役立てられるのである。これらの知識を前提としたうえで、新たなFF13の通しプレイを始めれば、また更なる偉業を成し遂げることができるだろう。名作であるFF13の進化に、終わりなど無いのだ。
魔力最強だが、モーションの遅さが致命的で、「ラストリゾート」のみの活躍となった |
では、ここからは、いつものように、「キャラクター評価」に行ってみることにしよう。しかしながら、ただのキャラクター評価では面白くない。そこで今回は、“最強キャラ決定戦“ばりに、キャラにランキングを付けてみたい。
…そして、その評価基準は、「自由なメンバーチェンジが可能となった後の、戦闘への参加回数」である。今回プレイのような、極限の条件下での戦いでバトルメンバーに選ばれるということは、それだけキャラクター性能が優れているということに他ならない。やれ、「最強キャラ決定戦」は、単騎での戦闘に焦点を当てた企画であったが、今回は逆に、チームへの貢献度を測るランキングということになる。
――具体的な評価対象となるバトルの数についてだが、まず序盤は完全にパーティメンバーが固定であるため、集計から除外する。また、9章のバルトアンデルス(1回目)戦は、ライトニングをリーダーから外せないため、これも取り除くことにしよう。よって、それよりも後…つまり、10章のレインズ戦から、召喚獣戦を除いてのバトル、全19戦で競ってもらう。なお、参戦回数が同値の場合は、「リーダーとして選ばれた回数」が多いほうを優先する。ちなみに、細かい点であるが、13章のヴラディスラウス戦は、3パターンの攻略(ブロウ作戦、サンダガ作戦、オーディンを召喚します作戦)を行ったため、表示タイムおよび実時間がともに最短となった「ブロウ作戦」の編成をカウントすることにした。それでは、行ってみよう!
さて。早速の最下位として登場するのは、「最強キャラ決定戦」シリーズでも下位が板に付いていたホープである。
…まず、ホープ自体は、初心者お勧めのキャラである。登場直後は防御型のENHであるものの、最終的には「ブレイブ」「フェイス」「ヘイスト」も覚え、万能の強化要員となる。また、HLRでは、回復量の大きな「ケアルア」「ケアルダ」を覚えるため、メイン回復役として活躍できる。そして、魔力が全キャラクターの中で最強という特性もあり、BLAやATKにすれば、その火力を十二分に活かせる。さすが、至高神が依り代として選んだだけのことはある。
しかしながら、これらの特性のほとんどは、今回の「ボス戦タイムアタック」では役立たなかった。
…まず、ENHについては、防御魔法は基本的に不要であり、火力UPに直結するステータスだけを発動させるため、ホープの「バトルを安定させる」というENHは、ただの一度も出番が無かった。これについて、ストーリー攻略の多くではスモークを使っていたから…という指摘もあるだろうが、恐らくスモークを封印していても結果は同じであっただろう。HLRも、他キャラまで含めても、ごく僅かなHP調整(バルトアンデルス1回目戦のスモークなし攻略、オーファン第1形態戦のポーションなし攻略、アダマンタイマイ戦での転倒時の死亡回避)を除いて登場はせず、ホープの過剰な回復力は、HP戦術を壊してしまう可能性すらあった。
――そして、魔力最強という魅力も、モーション速度の遅さにより掻き消されてしまった。例えば、最終段階において、魔力特化の武器を装備し、2個の「マギステルクレストLv.★」を付けたホープの魔力は、3417である。対して、同じ条件だと、ライトニング3023・スノウ2850・ファング2841である。だが、これらのキャラは、全てモーション速度が速いうえ、3人で速さがほぼ同じであるため、組み合わせて用いると非常に強力という性質を持つ。その中にホープを加えてしまうと、連携が乱れてしまって、チームとしては強くなれないのだ。いくら単発火力が高くとも、スピードを含めた総合力で上回らなければ意味が無い…FF13の、複雑なゲーム性を考えさせられる一面である。
しかし、そんなホープが参戦した2つのバトルは、両方とも“ホープならでは”という戦いになった。
…具体名を挙げると、それは「プラウド・クラッド(2回目)」戦と、「決戦騎ティアマット」戦である。どちらの敵も、全属性半減によってBLAに高い抵抗力を持つうえ、「ウィーク」を無効化し(そもそも全ステータス異常が効かない)、最大HPまで高いため、そう簡単には倒せない強敵である。そういった敵との戦いで、固有技の「ラストリゾート」が活躍してくれた。BLA固有技は、無属性のため、敵の属性耐性を気にせずチェーンボーナスを増やせるのだ。そのBLA固有技を持つのは、ライトニング・サッズ・ホープの3名であるが、その中で、最もモーションが短いホープが活躍してくれたのだ。
――というわけで。ホープは、このタイムアタックプレイにおいて、最も登場回数の少ないキャラクターであったものの、参戦したバトルでは、しっかりとした活躍を見せてくれたように思う。ちなみに、リーダー率の2/2、つまり100%は、全キャラクターで最多タイである。ホープ以外にも居たのだよ、参加した全てのバトルで、リーダーとなったキャラクターが…!
参加は3戦のみだが、その全てでリーダー、かつ印象的な活躍をした |
続いて、参戦数で5位となったキャラクターは、ヴァニラである。数としては、19戦のうち3戦であり、下から2番目で、決して多くは無い。
…しかしながら、ヴァニラは、参戦した3戦全てで、画期的な活躍を果たしたという功績がある。参加をしたのは、「オーファン(第2形態)」「ウェルキンゲトリクス」「ロングイ」戦である。そのどれもが、もはや解説をしなくとも思い出せるくらい、印象的な戦闘である。
――やれ、あえてそれらを述べてみるとすると、オーファン(第2形態)についてはデスによる一撃必殺、ウェルキンゲトリクスについては無限挑発バグにおけるサッズ死亡と組み合わせた「仲間戦闘不能で強化」の発動、そしてロングイ戦では「デス」による繰り返しの999999ダメージと…どれも、ヴァニラ以外では、決して実現不可能な戦い方であった。とりわけ、私にとって正念場であったロングイ戦で役立ってくれた功績は大きく、これだけでヴァニラは大金星のキャラと言える。
ちなみに、他のヴァニラの特性としては、魔力こそ高めなものの、サブロールが貧弱かつモーション速度が遅いということがあって、なかなかタイムアタックでは活躍しづらいキャラであると言える。ENHも、「ブレイダ」「フェイダ」があることは評価できるが、ヘイストやエン系は無く、防御系から先に習得するとあって、AI操作ではそれらが暴発するため、活躍場面は限られる。
――しかし、ヴァニラの切り札は、「デス」による即死効果or耐性貫通ダメージと、「仲間戦闘不能で強化」によるパラメーターアップである。参加した3戦は、ずばりこれが活躍したバトルなのだが、実は他のバトルにおいても、これらが役立たないか検討自体は行っていた。ただ、実際にタイムアタックとして採用に至ったのが、オーファン第2形態・ウェルキンゲトリクス・ロングイの3戦のみであり、他は全てボツになってしまっているという現実がある。やはり、ヴァニラのキャラクター特性は、かなり尖ったものであり、そう簡単に活かせるものではないのだ。ただ、そういったキャラクターが活躍できるからこそ、やり込みプレイは面白いのである…。
サッズ(良すぎ)! |
お次は、サッズが登場である。参戦数4回は6人中4位の成績で、リーダーは2回だ。
…さて、サッズは、FF13における最弱キャラとされることがある。最終的な基礎パラメーターは物理1000/魔法1000である。これは、どちらも全キャラクター中最低値で、高い武器性能をもってしても巻き返すことはできない。ホープの物理攻撃ですら1100あるぞ。
――また、サッズは、モーション速度が遅く、全ての行動が重々しい。この能力は、特にBLAにてデメリットとなる。パラメーターが同等に成長していく都合、AI操作で物理攻撃と魔法攻撃を交互に使ってしまうと、モーションが極めて遅くなり、ブレイク速度が重要となるBLAとしては致命的である。しかも、サッズは、火・雷・風属性の魔法しか使えない。メインロールであるが、下手をすると、全キャラで最低性能のBLAではないだろうか…。
しかし、サッズは、その後の研究が進むことで、様々に使い道のあるキャラクターであることが分かってきた。
…まず、ATKの「エリアブラスト」が7連撃であるため、図体の大きな敵には複数ヒットして強力というのは、ゲームの最初期から知られてきた。また、ENHでは、リーダーとして使う魔法を選んでいくというほかに、あえて脇道の防御系魔法…特にプロテス・シェルを覚えさせないという方法で、AI動作でも火力UP専門の強化要員として活躍可能である。また、召喚獣のブリュンヒルデは、弱い部類に入る召喚獣と思われていたが、ドライブ技の「カルトロップボム」が最大で3ヒットするため、条件次第で最高火力を叩き出せることが知られている(【Rial氏のオチュー攻略動画】)。
――そして、私のやり込みプレイでも、サッズは攻略上のキーとなってきた。まず、クリスタリウム封印プレイでは、「オーファン戦・エリクサー0個攻略」(【クリスタリウムなしクリアー:おまけ4】)や「ダハーカ戦・改造禁止攻略」(【おまけ6】)といった、当時としては最大級の正念場で、サッズのキャラクター性が活躍をしてくれた。また、「最強キャラ決定戦」では、スコア計算システムとの好相性と、単独での万能性から、『初代』と『2』の連続で1位という名誉な結果を残した。まあ、これはあくまで、単騎攻略かつスコア基準という特殊な状況ではある。しかしながら、サッズは決して弱いだけというわけではなく、様々な活用法のあるキャラクターであるということは、しっかりと証明できたはずだ。
では、そんなサッズは、今回の「ボス戦タイムアタック」でどう戦ったかというと、回数自体は少ないが、それぞれ個性的でサッズらしい活躍をした。まず、パーティ編成が可能になった直後のレインズ戦で選ばれた理由は、「召喚獣を手に入れているのでATB4、かつ武器火力が高い」というものである。珍しく、非常に普通のことしか書いていないが、もちろんこれも、サッズの立派な魅力である。
…そして、そこからかなり進んだ後のラクタヴィージャ×2戦では、鉄壁の敵を最速ブレイクする要員として参戦した。このラクタヴィージャ戦は、かつて、「エリアブラストチェンジ技」(ATKでたたかう→エリアブラストと入力し、エリアブラストをBLAなど他ロールで当てることで、「前回と違う行動を入力したボーナス」をエリアブラストの攻撃回数だけ得る技)が生まれた場所である(【最強キャラ決定戦:第4回】)。しかし、実戦では、それにすらとどまらず、「BLAの『デスペラード』を使ってDEFに変えることで、『DEFで物理攻撃を実行したボーナス』をデスペラードの攻撃回数だけ得る」という新技が発見され、2体目のラクタヴィージャを行動1セットぶんでブレイクするなどして、既存記録を大幅に更新できた。まあ、このサッズ(良すぎ)作戦は、その次のスパルタクス戦で限界が見えて終わってしまったのだが…まだサッズにこんな戦い方が隠されていたとは、アフロの深さ(※「懐の深さ」的な表現)に驚くものである。
――更に、ウェルキンゲトリクス戦においては、「無限挑発バグ」を発動させるためのDEF役として参戦し、バトル開始と同時に死亡となることで、ウェルキンゲトリクスのモードチェンジを全封印し、かつヴァニラの「仲間戦闘不能で強化」を発動させていった。やれ、死んでいるだけで役立つというとレダス様みたいな感じであるが、「命中率の高い『挑戦状』を覚え、『回避』を発動させない」「ウェルキンゲトリクスの初撃で確実に戦闘不能になれるだけの低HPでスタートできる」という条件を満たすのはサッズしか存在せず、決して誰でも良かったというわけではないのだ。
そういうわけで、今回のボス戦タイムアタックでも、やはりサッズはカッコ良かった。回数としては少ないものの、攻略のキーとしての起用が多く、忘れられない活躍を残したキャラである。やはり、FF13の6人には、全員に出番があるのだ。そうとも、み〜んな味方だぜ!
リーダー回数はぶっちぎりの1位!
この物語の主人公か…? |
続いて、上位3人の中で最初に登場するのは、参戦回数14/19という記録を残したファングである。
…さて、ファングは、サッズとは逆で、ゲーム発売直後は最強キャラだと考えられていた。物理攻撃力が全キャラクター最大のくせに、魔法も強力で、モーション速度まで速い。また、固有技の「ハイウィンド」が、使いやすさも瞬間火力も高水準であるうえ、豪快でカッコいい。ロール性能は、HLRこそイマイチであるものの、その他の全ての完成度が高く、サブロールのBLAやENHですら、他キャラのメインロールを凌ぎうる有用性を持つ。
――ただし、ファングは、最後のひと押しに欠けるというキャラでもある。例えば、ENHの強化系はダ系魔法であるため、タイムアタックでは有用なものの、そうでない戦闘では使いづらさが目立つ。また、火力のキーとなるエン系魔法を覚えないのは致命的だ。さらに、JAMにはバイオが無いため、これも強敵攻略では問題となってくる。実際、「最強キャラ決定戦」では、能力値の高さ=スコア計算式との相性の悪さと、バイオやエン系魔法が無いことが原因で、ファングは好成績を残せなかった。ファングを活かすには、漫然と投入するだけでは駄目で、他キャラと上手く協力していく必要があるのだ。
さて。今回のボス戦タイムアタックでは、ファングは「モーション速度の速さ」と「ENHのダ系使い」という特性を活かし、非常に多くのバトルに参戦した。回数の14/19というのもそうだが、リーダー起用回数の「9回」は、全キャラクター中でぶっちぎりのトップである。
…その戦い方は、まずはATKとBLAで、素早いモーションでの魔法攻撃を使っていくというものがある。これだけで、十分にファングには採用価値がある。また、ネオチューやラクタヴィージャなど、物理攻撃に特化する戦いでは、その火力を余すことなく活かしていった。
――そして、ENHでは、「ヘイスト+フェイダ」など、タイムアタックで本当に必要な魔法だけを発動させていった。この際、リーダーとしてコマンドを選ぶほか、あえて(「ベール」と)「ブレイダ」だけを覚えた状態で成長を止めることにより、AI操作で無駄なく強化をしてもらう場合もあった。
さらに、JAMでは、「デプロテ」「デシェル」「ウィーク」が全て脇道にあるため、覚えるアビリティを厳選することで、「ウィーク×3+デシェル×3」など、必要な魔法だけを使ってもらえる。これにより、最速入力のオートコマンドでも無駄の無い行動ができるようになり、「バトル冒頭で全てのステータスを発生させる」というような苦しい場面でも、成功率を上げて挑んでいくことができた。
そして、最後にもちろん、「ハイウィンド」の突撃力も健在である。プラウド・クラッド1回目戦、オーファン第1形態戦、アダマンタイマイ戦では、それぞれ豪快な大ダメージで、トドメの技となってくれた。また、ファングは、物理と魔法の二刀流を行うこともあった。物理/魔法の両方が性能が高く、かつ「ニムロッドピアス」(物理921/魔法921、ブレイク不可能)のデメリットも運用次第で回避できるゆえの芸当である。
――やれ、確かにファングは、かつて考えられたように、全バトルにおいて絶対の最強と言えるキャラクターではない。しかし、火力&スピード要員として極めて強力であり、かつリーダー特性も高い。6人の中でも、屈指の強キャラと言えるだろう。
光速の動作でエン系を自在に操る縁の下の女騎士 |
そして、2位として登場するキャラは、ライトニングである。参戦回数は17/19、もう参加しなかったバトルを書いたほうが早いな。プラウド・クラッド(2回目)戦と、スパルタクス戦を除いて、全ての戦いに参戦をした。
…まず、ライトニングのキャラクター性能は、とにかく素早いという言葉にまとめられる。物理攻撃も魔法攻撃もモーションが早く、必然的に手数が多くなるため、数値面で勝る他キャラよりも好タイムを記録しやすい。ATKでは、HP70%以上のとき火力が1.2倍になる「ハイボルテージ」が無いという弱点がよく知られているが、覚えていたら強すぎである。ライトニングはハイボルテージなしでも最高級のキャラであり、「危機だと威力UP」でそのデメリットを帳消しにした際の強さは、まさに光速の異名に恥じないと言える。
――また、ライトニングはアビリティも多彩である。サブロールであるJAM/ENHでは、タイムアタックに必要な魔法をピンポイントで覚えてくれるが、特に重要なのが、速モーションのファング・ライトニング・スノウのうち、「エンファイ」などのエン系魔法を使えるのはライトニングだけという点である。しかも、ENHのクリスタリウムでは、プロテス・シェルよりも先にエン系魔法が配置されているため、成長を制限すれば、不要な防御系魔法の暴発を防げる。この成長制限による高火力化(従来のプレイでは、「テトラティアラ」でプロテス+シェル+ベール+ガッツ状態を発生させることで、プロテスやシェルの暴発を防いでいるパターンが多かった。成長を制限することより、そのぶんの枠を火力に回せ、総合火力で上回れる)も、既存記録を更新する原動力の一つとなってくれた。
さらに、ライトニングの特色として、武器アビリティがタイムアタック向けということがある。通常は、魔力特化のセイバーカービン系統を使うことが多いが、「早期ブレイク」のライオンハート系統、そして「攻撃してATB回復」のアクセルブレード系統なども、バトル次第で有用である。正念場であるロングイ戦では、これら3つのうちどれを使うか、最後の最後まで悩んでいたものだった。それくらい、ライトニングの武器は優秀なのである。
ただ。そんなライトニングの泣き所と言えるのが、驚異的なリーダー適正の低さである。FF13の主人公なのに…。
…具体的に、ライトニングがリーダーとして起用されたのは1回であるが、これは全キャラクターで最低である。リーダー回数トップのファング(9回)に劣るのは仕方ないとしても、ヴァニラ(3回)、スノウ・ホープ・サッズ(それぞれ2回)にも負けており、最もリーダー向けでないキャラクターと言える。また、それとも関係する事項として、ライトニングの「シーンドライブ」は、キャラクター固有技の中で唯一、1回も発動されなかった。BLA固有技として、火力とスピードの「ラストリゾート」、攻撃回数の「デスペラード」たちと比べ、特にメリットが見いだせなかったのだ。
――ちなみに、リーダーとなったその1戦は、クリア後のジルニトラ戦である。この戦闘では、敵の攻撃によってDEFのスノウが何度も弱体化を受けるため、AI操作に任せると、「スノウに強化魔法を掛ける」→「敵の攻撃で解除される」という無駄な行動を繰り返してしまう。よって、リーダーをライトニングとし、ヘイスト+フェイス+エンファイという必要なステータスを、スノウ以外に掛けていった。
というわけで。ライトニングは多数のバトルに参加していったものの、サポート寄りであり、永遠の2番手と言える。
…ただ、あえて主張をしすぎず、他キャラの支援に回るというのは、なかなか良い立ち位置であると思う。それに、リーダー以外で起用する場面が多いということは、AI操作でも強力という意味であり、使いやすさで勝っている。ライトニングさんは、“縁の下の力持ち”的な、新しい世代の主人公なのだ。
基本は魔法の発射台だが、他にも小技的な使い所があった |
そして。ランキング1位として登場するのは、スノウである。参戦回数は17/19でライトニングと同値だが、リーダー回数が2回(レインズ戦、バンダースナッチ&ジャバウォック戦)と、僅かにライトニングを上回っての勝利となった。意外だ…こういう企画でスノウが1位になるとは…。
…ちなみに、パーティ編成が可能になってから、スノウが参戦しなかった2つのバトルは、ラクタヴィージャ×2戦と、ウェルキンゲトリクス戦である。それらのバトルでは、JAMが重要となるため、その点でスノウが外れ、ライトニングが参加をしていった。
さて。スノウの基本的な戦い方は、魔法の発射台である。スノウは、魔法モーションが素早いため、BLAとATKにすることで、スピード要員として活躍ができる。ちなみに、基本魔力の1200は下から2番目であるが、「妖魔の呪印」系統などの強力な武器を使えば、その点はかなり補っていける。また、ファング・ライトニングと組み合わせた場合、モーション速度が一致するので、ファング・ライトニング・スノウの3人での一斉魔法攻撃が、タイムアタックの基本戦術となっていた。また、魔法だけでなく、物理攻撃も速いので、そちらでも活躍が可能である。
…また、スノウには「ピンチにパワフル」系統の武器が存在し、これと「危機だと威力UP」を組み合わせることで、パーティ内でも最高級の火力を発揮できるようになる。もっとも、「ピンチにパワフル改」の1.4倍と「危機だと威力UP」の1.5倍は、残念ながら掛け算ではなく足し算の形で判定するため、最終火力は1.9倍にしかならない。また、「ピンチにパワフル」系統の武器は、物理602/魔法611と、物理・魔法の両方が上がってしまうため、BLAのブロウ系が暴発しやすくなるというデメリットも存在する。
――というわけで、この「ピンチにパワフル」は、思った以上に使いづらく、採用されたのはオーファン第1形態戦・ロングイ戦のみとなった。ただ、そういう極限の戦いで使われるというのは重要なことであり、亀討伐の3人目のメンバーとして、ホープではなくスノウが選ばれた最大の理由となった。いや違う、高いHPと「エリアバリア」で、全員瀕死化の成功率を高められるからだったわ。もちろん、それも重要なポイントである。
そして、スノウは、魔法発射台という以外にも、“かゆいところに手が届く”的な役割も果たしていた。
…それは例えば、バトル冒頭の微妙なゲージをENHの「ヘイスト」へと転用したり、JAMで「ダル」を相手に掛けたり、DEFでミッションモードの苛烈な攻撃から身を守ったり、などである。これらは、悪く言えば地味だが、バトルを円滑に進めるうえで、欠かせない役割である。また、固有技の「ルーラーフィスト」にも、バンダースナッチ&ジャバウォックを2連続ラッキーブレイカーで殴り倒すという活躍があった。当時は、何と言うことなく戦法を立てて、よく考えずに実行へと移していたが、字面を見てみると恐ろしいことをやっているな私…。
――ちなみに。スノウの性能は、“劣化ファング”と表現されることもある。確かに、パラメーターとアビリティを眺めていると、そういう評価もできなくもない。ただ、ファングとスノウを同時起用すれば、ファングだけに役割が集中しすぎてパーティが回らない現象を避けることができる。また、DEF適正や武器の性能など、スノウのほうが上回っている点も多い。そういった僅かな違いで、タイムアタックだと、撃破タイムが1秒変わってきたりもする。必ずしも、スノウとファングは、上下の関係では評価できないのである。そういうところをしっかりと活かすのがやり込みプレイだ。
そんなわけで。スノウは、基本的にはATK/BLAのスピード要員であるが、それ以外にも、バトルの細かいところを詰めていく役割もした。
…さて。スノウを含めた上位勢の3人は、基本的には「モーション速度」が採用の決め手となった。だが、さらに言うと、「ファングのダ系」「ライトニングのエン系」「スノウのヘイスト」などと、組み合わせた場合の強さも折り紙付きである。とりわけ、「ファングリーダー/ライトニング/スノウ」という3人組は、集計対象の19戦闘のうち、9戦という半数近いバトルで使用されている。
――やれ、一時期は、タイムアタックが全て、上記のパーティを使って魔法で殴るだけとなっており、ここから酷く単調なプレイになるのではないかと危惧していたくらいであった。それくらいの、強さと安定感を誇るパーティである。そして、スノウも、その最速パーティの一角を担い続けた、強力キャラクターなのである。男なんだろう?
グズグズするなよ(パンパン!)。
6人のバトル面での魅力が光るプレイだった! |
そんなわけで、キャラ評価もまとまったところで、今回の「ボス戦タイムアタック」は終わりである。
…いやあ、上のほうでも書いたが、このプレイは、本当に気軽な気持ちで始めたものだった。それは、【第1話】の最初のほうに書いた、『今回は「ボスごとのタイムアタック」という軽めの内容』という言葉にも現れている。これのどこが軽めの内容なんだ…!?
――まあ、それだけに、私の中では、「クリスタリウムなしクリアー」「オプティマ変更なしクリアー」「最強キャラ決定戦」に続く、第4のFF13やり込みにできたように思う。タイム更新という記録面ではもちろんとし、内容面でも、これまでの様々なやり込みプレイを受け継いで、更に発展させていくようなものにできた。いや、本当に、FF13というゲームは底が見えない。ここから先も、まだまだ進化する余地があるだろう。
そして。私としては、今回もやりごたえがあった…を通り越して、やりごたえが有りすぎたため、FF13関連では完全に燃え尽きてしまった。FF13は、この2022年12月17日で13周年を迎えるため、それに合わせて何かしようかなあと考えていたこともあったが、さすがにもう無理だ。
…やれ、世間では、ちょうどこの日誌を書いている最中に、“7リメイク第2弾”である「FF7
リバース」(REBIRTH)の発売が2023年末〜2024年頭ごろと発表された(【日記:2022/6/17】)。また、シリーズ正統続編である「ファイナルファンタジー16」も、既に2023年夏登場と予告されている(【日記:2022/6/3】)。ということで、2023年夏からは、つれぇことにならない限り、それらのタイトルに掛かりっきりとなるだろう。もちろん、それは嬉しい悲鳴である。次世代機での本編、またはそれに相当する質の作品を、1年で2作も遊べるなど、シリーズ全盛期ですら考えられなかったのだから。
さて。現在の私は、「FFシリーズ全作のやり込み日誌を書きたい!」という目標を持つようになった。だが、日誌が新システムに変わったこの10年で手を付けた作品というのは、意外にも少なく、現在連載中の「FF1」に加えて、「FF6」「FF7&7R」「FF9」「FF10」「FF12」「FF13&13-2&リターンズ」のみである。シリーズ初期作を中心に、歯抜けが多い。
…そのため、この先は、上に載っていないタイトルへと、順番に手を付けていこうと思っている。とりあえず、まずは連載中のFF1の低レベル日誌を終わらせよう。そしてその次は、任天堂旧ハードのオンラインストア閉鎖(【日記:2022/2/18】)が控えているため、GBA版FF5の低レベルプレイをWiiUで早めにやっておこうと思っている。そう言えば、7リメイク第1弾の低レベルプレイ・ハードモード編も手を付けていなかった。
――やれ、私のプレイ日誌の執筆ペースは、だいたい「1作につき半年〜1年」という程度である。というわけで、上に記した「@FF1の低レベルプレイ」「AGBA版FF5の低レベルプレイ」「B7リメイク第1弾の低レベルプレイ・ハードモード編」を完結させるだけで、十分にFF16の発売を迎えてしまうだろう。意外と時間は限られているのだ。さすがに、ここに13を入れる余地は無いかな…。
誰かの墓参りと思ったら、ライトニングの墓。本名のセラフィナ・ラ・ピピータが映って終了 |
そういうわけで。今回の私のFF13プレイは、これにて終了となる。
…さて、FF13も、発売13年が経つ作品となった。初登場したPS3も、既に2世代前のハードとなり、PS4/5とも互換性が無いため、FF13は、シリーズ本編作品にも関わらず、プレイがしづらい状況になってきている。そういうわけで、今後、必ず「現行機にFF13が移植される機会」は訪れるであろう。その際は、もちろんシリーズ3作が手に取りやすくなることが一番だが、どうせなら「リマスタープラス」的な作品にしてほしいと思っている。
――具体的には、7リメイク第1弾の大きなやり込み要素であった「チャプターセレクト」と「ハードモード」を、初代13にも取り入れる。これにより、バトルや育成における分かりやすいやり込み要素となるうえに、「強力なアビリティや武器を入手したが使う場面が無い」「召喚獣を覚えるのが終盤になってしまう」という問題点も解決できる。また、「成長のやり直し」や「アビリティのON/OFF」といった機能を導入すれば、今回のようなやり込みプレイも行いやすくなるだろう。以前もどこかで書いた気がするが、FF13は、僅かな調整で、今よりも遥かに遊びやすく奥深い作品にできると思うのだ。
ということで。今回プレイで、私の中のFF13は完全燃焼であり、やり尽くした感を出せた。しかしながら、今後、次世代機への移植により、再びFF13に閃光が当たる機会があるだろう。その時が来たら、また私も、FF13を振り返ることにしたい。そして、その際は、力を尽くして、今回と同等か、はたまたそれ以上のやり込みプレイが行えるはずだ。FF13は、そういう深みのあるゲームである。
――最後に、本プレイの全37戦(9章の襲撃機カラヴィンカを2戦として数える)を繋げた総集編動画と、例のアレを載せて、長かったFF13を締めることとしよう。そして、いつかまた、私が再びFF13の蓋を開ける頃には、今とは比べ物にならないほど多くの偉業が成し遂げられており、ゲーム環境は一変していることだろう。では皆さま、その時になったら、またFF13シリーズの世界でお会いしましょう…。
◆動画◆
(2022年6月19日)
. . |