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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
こち亀
= 亀 FF = 亀 ∴ こち亀 = FF |
神竜の次は、もちろんオメガである。異次元の防御能力と、超凶悪な2連続カウンターを持ち、神竜とは異なるタイプの巨大な壁として立ちふさがる。このような超強敵と、またしても、低レベルの条件下で、様々な方法を用いて戦っていくことにしよう。
まず、オメガは、次元の狭間の洞窟エリアにて出現する。機械のくせに、滝のある場所を堂々と歩き回っているという時点で、どこか嫌な予感がするが、実際の戦闘はそれどころではない。攻撃が全く当たらない。敵の物理回避率は「95」であり、必中攻撃以外はほぼ外れると言って良い。ならばと魔法に移ろうとも、相手は常時リフレク&シェル(解除不能)の能力を持っており、まともに攻撃を通すことすら難しい。それらを乗り越えて攻撃を当てたところで、物理防御力は190・魔法防御力は150と、これまたぶっ飛んでおり、最強ブレイブブレイドやラグナロクの打撃を弾き返し、大半の魔法攻撃を0ダメージへと変えてしまう。
…そして、いざ、何とかダメージを与えると、今度はオメガの代名詞である2連続カウンターが飛んでくる。内容は、「ロケットパンチ
/ ロケットパンチ / マスタードボム」→「ロケットパンチ
/ ロケットパンチ / サークル」というものであり、HP半減&混乱、防御力無視の大ダメージ、即死耐性を無視する吹き飛ばしと、多彩な能力でパーティの戦力を削ってくる。こんなものを連続で浴びていては、攻撃どころではない。これらのカウンター対策も、オメガ攻略には必須となってくるだろう。
――最後に、侮られがちであるが、オメガは素の攻撃能力も普通に凶悪である。素早さの「76」という値は、なんだ、神竜の「87」よりは遅いし、素早さ「35」以上でエルメスの靴を装備していれば、確実に先行が取れるね!
と思ってしまうが、それはちょっと感覚がマヒしているだけであり、例えば、戦士や白魔道士といった、素早さが25程度となる王道ジョブで組んでいると、「エルメスの靴」を装備していてすら先行を取れない。つまり、開幕ヘイスト状態になっていなければ、オメガに2連続攻撃をされるのもザラということである。試しに、お馴染みの、PS版のラスボス撃破レベルのデーターを持ってきて、適当にオメガ様に挑んでみたところ、「アトミックレイ」→「波動砲」で、コマンド入力権なく全滅した。もう一度やってみたが、今度は「アトミックレイ」で一発全滅した。オメガの火力は、普通に、神竜の「タイダルウエイブ」に匹敵するのだ。
そんなオメガ様だが、出現場所という意味では、神竜よりは情を持っている。オメガの出現場所は、セーブポイントのすぐ後である。ここまでの次元の狭間には、大きな分岐は無いため、(“滝を飛び降りるショートカット”という、初見ではまず気付かない裏道を使わない限り、)必ずセーブポイントを目にすることになる。さらに、次元の狭間に入ってからのセーブポイントは、ここが最初であり、セーブを避ける理由も特に無いだろう。
…そういうわけで、オメガ戦で全滅をしたとしても、すぐ手前のセーブポイントからやり直せるため、実際の損害は小さいと言える。ただ、心理的なダメージは甚大であり、2回目を自分から触れてみようと思う人は居ないはずだ。そういう意味では、やはり、オメガと神竜は同格である…。
――また、神竜・オメガという2大裏ボスを、ゲームの流れとして捉えてみると、「オメガ戦」→「図書室での神竜・オメガについての本」(【画像】)→「かなり後に神竜戦」という配置になっている。このデザインが、また素晴らしい。オメガ戦の経験と、本の記述から、「神竜」というヤバい奴が、このラスダンに潜んでいるらしいということは分かる。ただ、「どうせオメガのように、セーブポイントのすぐ後に居るだろう」「元気に歩き回っているシンボルを避ければ良いだろう」と、多重に油断を誘われてしまう。そうして更に、「次元城」というラスダンの山場を超え、ラストフロアの演出でテンションが上がり、ギルガメッシュとの再会で更なる波乱を予感させ、全てを忘れかけた頃に、いきなり宝箱から、神竜が現れるのだ。完璧すぎるゲームデザインであり、さすがは伝説のゲームと言えよう。
ちなみに。このFF5のオメガ戦は、漫画:「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、通称“こち亀”でも取り扱われている。署長(上の画像の、髪モジャのおじさん)が、子供たちのために、両津(主人公の警官)へFF5の攻略法を聞くという話であり、コミックスでは84巻に収録されている。
…さて、このエピソードの特異性は、実在するFF5の話を持ち出したことと、攻略法に奇妙なリアルさが存在することである。まず、わざわざFF5の固有名詞を出さなくても、別に「ドラゴンファンタジーブイの、『デルタ』の倒し方」みたいな感じでも良かったはずだ。実際、その後のこち亀には、「どきどきメモリアル」、略して「どきメモ」という、とある恋愛シミュレーションの名作タイトルの、あからさまなパロディが出てくる。だがそこに、あえてFF5の話を出してくるというのが、平成初期ならではの、おおらかな空気を感じさせる。なお、この話が掲載されたのは、1993年4月の発売号ということで、FF5の登場から約半年後である。話題性の持続と、ネタとして扱える期間として、適切な時期であると言えよう。
――また、紹介されている攻略法は、「魔法剣士で、魔法剣サンダガみだれうちをしろ」というものである。だがこれは、現代の水準から考えると、必ずしも最良とは言えない。「魔法剣サンダガみだれうち」自体は、オメガの耐性の多くを貫通し、特大ダメージを叩き出せる、まさに“必殺技”である。ただ、「魔法剣士」に「みだれうち」を付ける場合だと、アビリティ枠が埋まってしまって4連撃にしかならず、最大39996ダメージで、決してオメガを一撃必殺できず、厄介な連続カウンターを受けてしまう。しかも、「みだれうち」は計2回の敵カウンター判定を引くので、2×2で合計4発も飛んでくる(参考までに、二刀流と乱れ打ちの組み合わせによるカウンター判定回数は、それぞれ次の通り。[片手みだれうち]:2回 [二刀流みだれうち]:2回 [二刀流の単発]:攻撃によって異なる。ねらうは2回、剣の舞は1回)。よって、完全勝利を狙うのなら、狩人のマスターアビリティである「みだれうち」に加えて、忍者もマスターしてジョブ特性:「二刀流」をすっぴんに引き継ぎ、8連撃とした「魔法剣サンダガみだれうち」を叩き込むか、または「愛の歌」とのコンボ(ストップ中はカウンターが発動しない)が必要となる。
が、そこまで深掘りすると、もはやめっちゃ早口で言ってそうになってしまうため、口頭での伝達かつ子供でも理解できるように、要点を絞ったのは正解だったと言える。あとは、今のように数学と化したFF5ではなく、1992〜1993年といった時代のFF5、さらには“ゲーム作品”という物自体に対する理解を垣間見れるのも、なかなか貴重な機会と言えるだろう。オメガ・神竜を倒すだけでゲーム上級者と呼ばれる、そんな時代もあったのさ…。
この超凶悪な2連続カウンターにどう対処するか |
それでは。神竜と同じく、「オメガの能力値」について、しっかり紹介をしてみよう。
というわけで、やはり特筆すべきは、桁外れの防御能力に、超凶悪な2連続カウンターに、そして侮れない通常ルーチンの攻撃である。
…その中でも、まだ述べていないものとして、「波動砲」がある。「最大HPの1/2のダメージ+スリップの追加効果」という攻撃であり、低レベルクリアーでも一撃死をすることは無いが、この技には、一切の無効化や軽減の手段が無く、確実にHPを削られてしまう。また、スリップの追加効果にも、完全耐性を持つ手段は無いため、「割合ダメージだから、最大HPを奇数にしておけば、2発もらっても大丈夫!」という甘えを潰してくるし、低レベルでは、スリップダメージの相対的な値が大きくなり、一発全滅の危険性すら存在する技となる。
――やれ、波動砲は、あの第1世界で登場する「ソル
カノン」が、何ターンもの準備期間を経て発射をしてくる、文字通りの必殺技であった(【第7話】)。ソル カノン以外の使用者は、オメガとオメガ改、そしてピラミッドで登場するマシンヘッドのみだ。ソル
カノンは、宇宙戦艦ヤマトのような長いチャージ時間を取るし、そしてマシンヘッドも、5ターンルーチンの2ターン目に1/3の確率で使うというだけであり、使用頻度としては1/15ということになる(ただし、裏ダンジョンでは2体で登場して、★瞬殺★してくる場合があるらしい…)。だが、それをオメガ様は、約2ターンに1回と、通常攻撃感覚で使ってくるのだ。通常攻撃が全体攻撃で最大HP割合ダメージの機械さんは好きですか?
また、凶悪な2連続カウンターも、今ではオメガの代名詞となっている。例えば、FF6のGBA版追加モンスターとして登場した、裏ボスのオメガウェポンは、HP65535の限界を超えるために、3つの形態を持つのだが、その第2段階では、FF5のオメガをイメージしたと思われる「2連続カウンター」を使ってくる(【FF6日誌:第21話】)。FF5アドバンスとFF6アドバンスの発売時期はほぼ同じ(2006年10月と2006年11月)であるため、それらを現役でプレイしていたら、次元を超えたコラボレーションに、歓喜をしていたことだろう。
…そして。FF5オメガの2連続カウンターのうち、最も警戒すべきは、「マスタードボム」である。まず、「ロケットパンチ」は、混乱状態さえ装備品で無効化すれば、決して死ぬことは無くなるうえ(もちろん、スリップとの合わせ技だと沈んでしまうが…)、「竜の口づけ」でボス耐性を付与すれば、まるっと完全無効化できる。また、蘇生不能の吹き飛ばしとなる「サークル」も、同じくボス耐性によって回避可能だ。
――だが、「マスタードボム」には、その手の無効化手段が無く、回避不能・防御力無視ということで、確実に3000ダメージを受けてしまう(一応、シェルは有効である)。一応、「イージスの盾」によって受け流すことは可能なようだが、その確率は1/3であり、結局のところ、安定回避は不可能だ。
ちなみに。「マスタードボム」という名称であるが、これは、実在する化学兵器の「マスタードガス」をモチーフにしていると見て間違いない。皮膚を“びらん”(糜爛=ただれ)させる物質であり、とりわけ軍事的には、ゴム製の防護衣を貫通することが特徴である。食品としてのマスタード(洋からし)とは無関係に、マスタードガスの量産品からは、からしのような匂いがするため、その名が付いたんだそうだ。
――やれ、マスタードガスは、正規戦・非対称戦を問わず、多くの人命を奪い、回復不能な障害を負わせている兵器であり、おいそれとゲーム作品で名前を出して良いものではない…のだが、そう言えば、FF1の頃から「かくこうげき」なる物騒な必殺技が登場していたものだった。ちなみに、現代だと、マスタードガスの毒性に着目し、その関連物質が抗がん剤へと使われていたりもするそうだ。世の中、どの技術がどう作用するかは、分からないというものである。つまり、マスタード・ボムは――まだガンには効かないが、そのうち効くようになる!
死因:愛 |
ではでは、具体的な、低レベルプレイにおけるオメガ様の攻略へと入っていこう。最初は、決定打となる「愛の歌」と「魔法剣サンダガみだれうち」をコンボしていく作戦である。
…まず、オメガには、「愛の歌」によるストップが有効である。オメガは、音波カテゴリを弱点としており、「愛の歌」によるストップ効果は必中となる。ただし、敵はボス耐性を持っており、ストップ状態は30カウントしか持続しない。これは、ヘイスト状態を含めた味方単騎でのストップ維持がギリギリで不可能となる値であり、偶然としては出来すぎで、意図的に設定された値と言える。
――というわけで。オメガは、「愛の歌」でストップ状態にできるが、それだけで簡単に完封できる相手ではない。上書き可能な特性を活かして、複数人でコーラスするとしても、行動間隔がズレていくことにより、必ずしも封じ続けられるとは限らない。完全勝利のためには、速攻を仕掛けるか、はたまた「素早さの歌」とコンボするなどの工夫が必要である。弱点と言えるコマンドであっても、それだけで倒させてはくれないところが、まさに絶妙である。
ちなみに。オメガは、次元の狭間:図書室の書籍にて、「心を持たぬ者」と形容されている。だが、そんなオメガに、「愛の歌」が必中になるというのは、どこか考えさせられるところがある。異次元に閉じ込められた殺戮兵器にも、羊に蹴飛ばされる歌愛を奏でる歌は、心に響くのだ。愛は世界を救う、そして歌も世界を救う…つまり、愛の歌は世界を救う!!
では、この「愛の歌」によるストップ状態を、どうやったら永続させられるか、考えてみよう。まず、1人で永続させるためには、ヘイスト状態を前提としたうえで、更に素早さ「59」が必要となる。しかし、味方側素早さの最大値は、シーフをマスターしたクルルに「チキンナイフ[+5]
/ マンイーター等[+2] / リボン[+5] / 黒装束等[+1] /
エルフのマント等[+1]」を装備させたときの「58」がMAXだ。しかも、この状態だと、ヘイスト状態になる手段が無く、「まさむね」すら装備する余裕がないので、オメガに初手を取られてしまう。というわけで、何も考えずに1人で「愛の歌」を歌っているだけでは、決して完封とすることはできない。
…そういうわけで、実戦でオススメされるのは、2〜3人で「愛の歌」を熱唱する作戦である。複数人の素早さを微妙にズラしておけば、少しずつターンが回ってくる時刻は異なる。「愛の歌」によるストップは上書き可能であり、持続時間が30カウントにリセットされるため、複数人で連発すれば、相手のコマンドを完全封印できるか、そうでなくとも、大幅に行動速度を抑えられるだろう。
――ただ、どうせやり込みプレイとして行うのならば、やはり完封を狙いたい。適当に愛の歌を歌いまくって、それで勝てればOK!
というのも、勝つ事自体が目的ならば良いのだが、やり込みプレイはプロレスなので、勝ち方にもこだわりたいのだ。同様に、「愛の歌を、一時的な足止めや、または敵行動を遅らせるために使用し、攻撃自体は許容する」という考え方も、(それが固定パターンで無い限り、)NGである。
それでは、どうやったら、「愛の歌」でオメガを完封できるか。前述の通り、1人では完全な完封は不可能である。では、2人ならばどうかと言うと、30+30で、最大60カウントの足止めが可能となる。例えば、素早さ45のキャラがヘイスト状態となった場合、行動は37カウントごとに回ってくる。よって、60カウントもの幅があれば、余裕であろう。
…ただし、2人の素早さが違うと、少しずつ周期がずれていき、必ず2人が同時に「愛の歌」を使ってしまい、相手の時間が進んでしまうような事態が起きてしまう。もちろん、その前に相手を倒し切るか、または行動されても耐えられるようにすれば良いのだが、やはり“完封”自体を目的とするのなら、そのような事態は避け、愛の歌による無限ループを作り出したい。
ということで、必要なのは、「愛の歌」要員の素早さを同じとすることである。素早さが同じであれば、行動間隔は一定となるため、どれだけ繰り返しても周期がズレることは無い。
…が、素早さが同じだと、当然の帰結として、開幕で同じ時刻にターンが回ってきてしまう。しかも、そこからズレることが決して無いため、完封どころか、絶対に完封できないという悲惨な結末になってしまう。失敗パターンですら、皮肉にも美しい。やっぱりFF5は数学だった…?
――そういうわけで、素早さが同じ2名の行動を、何らかの方法でズラす必要がある。が、これは意外と簡単に実現ができた。「素早さが同じ愛の歌要員×2名」のうち、片方だけを後からヘイスト状態とすれば良いのである。更に、ヘイスト状態とする方法であるが、愛の歌要員以外のキャラが、「まさむね」で初手を取り、その「まさむね」のアイテム使用でヘイスト状態にすれば無駄が無い。さらに、この際、実戦で使用したパターンとは異なるのだが、「まさむね」装備のキャラが、「愛の歌」要員のうち、ヘイスト状態のほうのキャラに先行するように調整すると、ちょうど愛の歌要員の2名が交互に行動するようになり(※)、数学的には極めて美しい。
※例えば、愛の歌要員を、両方とも素早さ50とし、片方だけにエルメスの靴を装備させておく。ヘイスト状態の愛の歌要員@には、t=35でターンが回ってきて、まさむね要員には、それより1カウントだけ早いt=34にて行動可能である。ヘイスト状態でない愛の歌要員Aには、t=34の時点で、36カウントの待機時間が残っているが、ヘイスト発生により、残り18カウントで行動可能となり、初手はt=34+18=52となる。よって、愛の歌要員@Aの2名は、それぞれ、@がt=35n、Aがt=35n+17
[n:自然数]で行動できることになる。オメガの素早さは「76」であり、敵側の素早さ±1の特性を含めても、最速行動はt=43である。よって、オメガの行動を上回って、愛の歌要員@が開幕で「愛の歌」を決めることが可能となり、さらに愛の歌要員Aは@の17カウント後、そして@はAの18カウント後に行動できるという固定パターンを作り上げられる。「愛の歌」の持続時間は30カウントであり上書き可能なため、以上の議論により、オメガのストップ状態が切れることは決して無くなり、完封が可能となる ← FF5は数学じゃなくてRPGだって言ってるだろうがああああぁぁァァッッ!!!!!!!!
ということで、ゲームオタクらしく、めっちゃ早口で言ってしまったが、「素早さが同じ2名のキャラを、後からヘイスト状態にし、交互に愛の歌を歌う」という方式で、オメガは文字通りの完封が可能であるということが分かった。
…ちなみに、この作戦に必要な最低の素早さは、「35」である。何故かと言うと、オメガ様の素早さ「76」の、更に±1の値に対して、確実に先行を取るために必要なのが、素早さ「35」であるからだ。中途半端な値と思うかもしれないが、この数値は、非常に意義深い。何故なら、「うたう」をジョブコマンドとしている吟遊詩人の基本素早さが、「32」だからである。よって、第3世界段階で、素早さ最遅コンビとなるバッツ[+1]とレナ[+2]以外で素早さを合わせようとした場合、必ず「35」以上の素早さになってくれる。また、「うたう」は、吟遊詩人のマスターアビリティであるため、すっぴんやものまね師を使えば、必ず同等以上の素早さを確保できる。バッツ×レナという公式カップリングが、必ずしも最高ではないということだ…。
――ちなみに。色々と計算してみたが、この「素早さが同じの2名のキャラを、後からヘイスト状態にし、交互に愛の歌を歌う」という作戦は、愛の歌要員が「35」以上の素早さであれば、「まさむね」役が誰になるかということに関わらず、必ず成功する。更に、「34」以下の素早さであっても、オメガ様に初手を取られるという点に目をつぶれば、輪唱「愛の歌」による完封は、FF5で実在できる素早さでは必ず成功する。よって、もし、先制攻撃を前提とできるのであれば、あらゆる編成で、「素早さが同じの2名のキャラを、後からヘイスト状態にし、交互に愛の歌を歌う」という作戦は成立させられるのだ。勝ったッ!
第5部完!
あっ、そうそう、忘れていた。2人の愛の歌で完封したあとのオメガの倒し方であるが、もう何をやっても勝てる状況となっているので、お馴染み「ドラゴンパワー」によるレベルドーピングと、最強の「サンダガ剣みだれうち」にて攻撃を行う。
…さて、みだれうちでは、オメガの回避率も、物理防御力も、ともに無視ができる(サンダガ剣で弱点を突いているため物理防御力は無視でき、愛の歌で止まっているので物理回避も0となっているが)。そうなると、あとの問題は、どの武器で殴り倒すかというくらいである。
――やれ、今回は、アタッカー要員であるファリスのアビリティ枠が、「まほうけん」「ちょうごう」「みだれうち」でカツカツであったため、ものまね師を使わざるを得ない。ものまね師は、バランス調整の都合か、すっぴんの「全ての装備品を装備できる」という性質だけはものまねできないため、装備品が限定された状況である。よって、使うのは、定番の「チキンナイフ」と、次に攻撃力が高かった「アサシンダガー」である。これで、レベル値を「99」まで強化したうえでのサンダガ剣は、「チキンナイフ」側が9999、そしてまさかの「アサシンダガー」側が約7000のダメージを叩き出し、17000×4 =
68000で、オメガを一撃でスクラップへと変えることができた。「アサシンダガー」に、ミノタウロスを謎に必殺できる(【第19話】)という以外で、初めてかもしれない評価点が生まれた瞬間である。ものまね師で二刀流をする際、アサシンダガーはチキンナイフの次に強い武器である!!
ちなみに。今回の戦法のバリエーションとして、素早さを同値にした「愛の歌」要員を、両者とも最初から「エルメスの靴」でヘイスト状態として、1人目は即座に「愛の歌」を使い、2人目は、少しだけ待ってATBゲージが動き出した後に「愛の歌」を使えば、素早さが同値であっても、両者の行動をズラすことが可能であり、ここから完封を行うことも可能であろう。
――ただ、私は、FF5を、レベル5デス同盟であるFF10と同じく、CTBであると思っている。よって、ATBゲージが満タンとなって、時間が止まっている最中に行動を決定し、固定パターンを作っていくことが、FF5の面白さであると捉えている。だから、“少しだけ待って”という部分は、まったくもって数学的ではないのだ。「少しだけ」が何カウントなのか深掘りできないと、もはやパターンとしては組み込めない。やれ、私のFF5攻略も、初期と比べると、大分と様変わりをしてしまったものだなあ…。
ところで。私は、「愛の歌」を当然のように使っているが、実は、この技は、情報なしでは取り逃す可能性が高い。というのも、手に入るのが、第1世界のイストリーの村限定であり、第2世界に入ってしまったあとは、永久に入手機会が無くなるからだ。
…やれ、イストリーの村は、寄り道ルートということで、そもそも訪れない可能性もあるし、村に入っていたとしても、「牧場に居る羊に、特定の方向から話しかけると、バッツがいたずらをして蹴飛ばされ、柵を超えられるため、その先にいる吟遊詩人に話しかけると教えてもらえる」という条件がネックである。該当する“羊に話しかける方向”は、牧場の入口から一番遠い位置であるため、普通にやっていると、前か横から話しかけて「めェーめェー」という鳴き声を聞いて終わりである。蹴飛ばされて愛を感じるとか、ユベルかな?
――まあ一応、柵の外に人が居るのが見えるというのは、明らかに怪しい。しかも、牧場に居る女の子が、「左隅の羊には話しかけないほうがいい。すぐ人を蹴飛ばす」という趣旨のことを言ってくれる(=ゲーム用語としては、「その羊をよく調べろ」という意味)。よって、ゲーム慣れしている人なら、「愛の歌」の入手は、そこまで難しくないのかもしれない。ただ、当時のゲームの主要ユーザーは小さな子供であり、このようなゲームのお約束を認識したうえでのプレイというのは難しかったと思われる。あの「こち亀」のオメガ攻略で、「愛の歌」の名が出てこなかったのは、そういうところが関係しているのかも…。
◆動画◆
ここまで特化しての、たった一度だけの2連続行動を、果たして何に使うか |
続いては、禁断の必殺技である「クイック&スリップ放置」を使っていくことにしよう。
…まず、FF5のスリップ状態は、4バトルカウントごとに1ずつHPが減少していくというものである。ただ、味方側の場合を考えていただければ分かるように、このHP減少は、「ターンが回ってきて、バトル時間の進行が停止している状態」にも行われる。そのくせ、スリップ解除までの時間は、その際にはカウントされない。計算上、合計63ダメージで終わるはずのスリップが、それよりも遥かに大きな被害を与える理由であり、低レベルプレイにてスリップ状態の凶悪さを大幅に高めている要因でもある。
――そして。魔法クイックによる「使用後に、更に2連続でコマンドを入力できる」という状態は、この時間停止状態を流用しているようだ。よって、クイック後の1回目の行動でスリップ状態とし、2回目の行動を入力せずに放置すれば、クイック状態による時間静止はコマンドを入力するまで続くため、永久にスリップ状態での放置が可能である。そのうえ、スリップは、ボス耐性によって持続時間が30カウントまでに軽減されるものの、スリップ自体を無効化する敵は居ない。以上の理由により、このクイック&スリップ放置は、ダミーターゲットなど特殊な防御手段を持つ敵を除き、大半の敵を倒せてしまう禁断の技なのだ。
そういうわけで。これは、後に登場する「祝福のキッス」並みの最悪の技なのであるが、ただ待っているだけという驚異的なつまらなさゆえか、はたまたクイックの消費MPである「77」が高すぎるためか、ほとんど知られておらず、縛りプレイでも注目されることは少ない。しかしながら、いくらマイナーであったとしてもさすがに看過できなかったということか、旧スマホ版では、更に処理が変更され、クイックの時間中でも、ある程度の時間でスリップが終了するようになった。ということで、ピ版は知らないが、このクイック&スリップ放置は、SFC〜GBA版での必勝法である。
ところで。上で少し書いてしまったが、低レベルプレイで、このクイック&スリップ放置を使う場合、最大のネックとなるのが、クイックの消費MPである。その値、なんと「77」だ。この値をどう評価するかだが、例えばフレアの「39」、メテオの「42」、アレイズの「50」、バハムートの「66」、マイティガードの「72」、フェニックスの「99」などが比較対象として挙げられるだろう。クイックの「77」は、これらと比べても、最上級の魔法という扱いだが、当然である。だって、「コマンドを2回入力できる」というのは、全ての行動の効率を2倍にできるというのに等しい。ならば、それ相応のコストが必要なのは、当たり前の話なのだ。聞いてるか?
エルメスの靴よ…。ちなみに、「れんぞくま」と絡めると、最大5連続での魔法使用が可能となる(連続魔で「魔法@+クイック」を入力し、クイックの2連続行動で「魔法A+魔法B」「魔法C+魔法D」を使う)が、この場合の消費MPは、300前後と莫大なものに達するので、最強育成後の攻撃手段となるだろう。
…というわけで、「クイック」は、その莫大なMPコストが問題となるのだが、低レベルでも使う手段はある。それは、黒魔道士のマスターアビリティである「MP30%アップ」だ(黒魔道士マスターでも継承されることは無い)。キャラの基礎能力を上げるタイプのオートアビリティであるが、FF5の環境だと、アビリティ枠を1つ埋めてしまうというのが痛く、低レベルではもちろん、通常プレイでもほとんど使われることは無い。その1枠を使って、戦闘中に無駄なくMPを回復できる手段を確保していったほうが前向きだろう。
ところが、低レベルプレイにおいては、「MP30%アップ」は、「クイック」を唱える唯一の手段となる。というのも、予言士をマスターしてMP32となったファリスLv4に、「MP30%アップ」を付けると、そのMPは「41」となり、「金の髪飾り」でクイックの消費MPを77→39と軽減すれば、たった1回だけであるが、クイックを唱えて、2連続行動が可能となるのだ(GBA版追加要素が無くても、召喚士と同じ組み合わせで、MPを「40」にできる)。
…しかしながら、「たった1回のクイックを唱えたい」というためだけに、「じくう」と「MP30%アップ」の2枠を使ってしまい、しかもMPは残り2となってしまった。そのため、この一度だけの2連続行動で、バトルに決定的な影響を与えなければ、無意味である。しかも、ものまね師の使用を前提としたところで、残り1枠しかアビリティをセットできないというのが、更に問題を難しくしている。
――だが、この「クイック&スリップ放置」は、その残り1枠に「スリップにする手段」をセットすれば、それこそ、徹底的に決定的な影響をバトルに与えられる。よって、クス放置(略)は、「低レベルプレイにおけるクイックの有効活用」と「GBA版を最後に封じられてしまった秘技の解禁」という2つの特性を持つ方式であり、1回くらいはやり込みプレイで使ってみたい戦術である。それを、このオメガ戦でやってみるのだ。
ちなみに、時系列で言うと、まずラストフロアでのABP稼ぎで「MP30%アップ」を習得し、それを何とか役立たせられないかと考えたところ、低レベルプレイにおける「クイック」の使用に行き着いた。そして、アビリティ2枠消費&残りMP2という絶望的な状況での2連続行動を活用する方法を考え、スリップ放置に行き着いたという順である。これまで使ったことが無いものを使用してみたいというのが動機であり、楽をしたかったからではない…はずだ。
そして。その「残り1枠を使って、相手をスリップにする方法」として、あの「アルマゲスト」を使うのだ。
…さて、「アルマゲスト」は、ラスボスであるネオエクスデスの必殺技として知られており、全体に聖属性の防御力無視ダメージを与える。オリジナル版のFF5には、聖属性を半減・無効化・吸収する手段が存在せず、GBA版でやっと「ソーサリーマント(全属性半減)」「フォースシールド(全属性無効)」という手段が用意されたくらいである。よって、「アルマゲスト」は、基本的には、無属性で防御力無視の全体攻撃と捉えて良いだろう。低レベルクリアーが最も苦手とするやつだ。
――だが、ラスボス専用技と思われたアルマゲストは、実は味方側も使用できる。封印城クーザーに出現する「シールドドラゴン」か、マップ左下の海上に出現する「シルビューヌ」を「とらえる
→ はなつ」で使用すると、何の因果か、それぞれ「アルマゲスト」が発動する。ただ、威力は貧弱であり、ネタ技の域を出ることは無い。ラスボスの必殺技が、いざ味方側になると弱いというのは、もはやどういう反応をすれば良いのか分からないという感じである。
だが、この「アルマゲスト」を、あえてこのバトルで使うことには、3つの利点がある。
まず、アルマゲストには、スリップの追加効果がある。よって、「クイック」による2連続行動の1回目に「アルマゲスト」を選び、2回目の行動前で放置すれば、このクイック&スリップ放置に使用可能である。
…また、アルマゲストは、聖属性であり、オメガには吸収される。だが、それが良い。なぜなら、クイック中であっても、相手のカウンターは発動するという特殊仕様になっている。そして、オメガの正確なカウンター条件は、「攻撃を受けて、HPの増減が発生したとき」であるため、HP全快状態から更に回復した場合には、あの地獄の2連続カウンターは発動しない。
――最後に、「アルマゲスト」は、「はなつ」で発動できる行動ということである。「はなつ」は、捉えたモンスターに攻撃技を使わせて解放するという内容であり、1回すると枠が空となって「とらえる」に戻ってしまう(「ものまね」でも、真似するのは「はなつ」という行動のほうであり、もし何もモンスターを捉えてしまった場合、0ダメージの無意味な打撃で終わる)。だが、そうやって捉えたモンスターを消費するという仕様上、MP消費のほうは0である。しかも、最大の欠点である、「1回使えば終わり」という点についても、今回バトルの戦い方であれば関係ない。むしろ、デメリットを重複させて踏み倒すという意味で、まさに今回の戦術では最高のコマンドであると言えるのだ。
というわけで。戦い方としては、まず、予言士とシーフをマスターした状態のファリスLv4を、ものまね師とし、「じくう」「MP30%アップ」に加えて、「とらえる(はなつ)」をセットする。捕らえているモンスターは、「シルビューヌ」だ(シールドドラゴンでも良い)。装備品は、クイック発動に必須となる「金の髪飾り」に加えて、初手を取るための「エルメスの靴」も身に着けていく(「まさむね」のほうは、さらに「刀装備」が必要となるため、不可能)。
…そして、バトルが始まったら、ファリスは必ずオメガに対して先手を取れるため、まずは「じくう:クイック」を発動する。これにより、次から時間消費無く、2連続でのコマンド決定ができるが、既に増強MP41のうち39を使い、残りMPは2となっているため、どうにも行動の自由が効かない。だが、その1手目で、「はなつ/シルビューヌ:アルマゲスト」を使うのだ。オメガは聖吸収のため、開幕で相手のHPを回復させてしまうのだが、それにより相手カウンターのトリガーを引かず、追加効果で確実にスリップ状態とできる。この1回で十分のため、「はなつ」が持つ“1回きり”というデメリットも関係ない。
――続いて、クイックでの2回目の行動が来たら、あとはファリスが完全放置を決め込む。これにより、ATB時間が止まっている間の、「スリップダメージは与えるが、スリップ解除までの持続時間は経過しない」という特徴が発動し(GBA版まで)、一方的に相手HPのみを削っていける。さらに、通常の“ターンが回ってきた時の時間静止”とは異なり、クイックによるそれは、計2回のコマンド入力が終了するまで決して解除されないため、2回目の入力権を得たところで放置すれば、そのまま時間が進むことはない。そうして、無限のスリップだけが永遠にダメージを与え続け、必ず相手を倒すことができるのだ。
そういうわけで。「クイック&スリップ作戦」は、FF5の攻略を丸ごと壊すほどの禁断の技であるが、1回だけ使うという前提であれば、様々なアビリティの特性を引き出すことのできる良作戦であった。
…ちなみに、裏ボスの片割れである神竜のほうも、もちろん、この作戦には対抗できない。聖属性を吸収するのは同じだが、神竜はカウンター能力を持っていないため、あえてスリップ付与にアルマゲストを選ぶ必要は無い。が、どちらにせよ、スリップによって相手を削殺できるため、何の問題にもならないのだ。そもそも、最初にこの作戦を適用したのは神竜撃破なのだが、さすがにこれは安直すぎるだろう…ということでボツになって、それがオメガ様で再使用された形である。神竜は、様々な攻撃が有効であり、当初6作戦であったつもりが7つになってしまったくらいであるため、この方法をオメガのほうに残したのは賢明だった。
――そして。今回、個人的に良かったと思うのが、「アルマゲスト」を有効活用できたという点である。オリジナル版では、ネオエクスデスだけの必殺技であり、その後のGBA版でも、ハーデス・エヌオー・神竜改といった屈指の強敵たちが使うことで、ラスボス専用技としての威厳が保たれてきた。一方で、味方側の「アルマゲスト」は、ネタ技の域を出ることはなかった。が、それがついに、オメガ戦にて有効活用できたのだ。こういう、意外なアビリティを発掘することこそ、やり込みプレイの面白さである。
ちなみに、今回の作戦に関連する、ネタ編である。
…まず、MP最大の予言士をマスターしたファリスLv4に、ものまね師のアビリティ枠をフル活用して、「MP30%アップ」を3つ付けると、MPは「68」となる。これは、2114型低レベルで実現できる、最大のMPだ。しかしながら、この場合、MPを消費できるコマンドアビリティのほうがセットできなくなるため、全く意味の無いネタ編成である。
――いっぽうで、2個ならば、「53」となり、「金の髪飾り」とコンボすれば、全てのMP消費アビリティを使えるようになり、それをひたすら「ものまね」する戦法などに使えるだろう…と思ったのだが、消費MPが「99」の召喚フェニックス以外は、元々MP30%アップ×1個付けで唱えられるようになる。そして、召喚フェニックスは、低レベルクリアーで唯一の入手不能な召喚獣である(【第16話】)ため、やはり実用性は皆無である。
というわけで、今回の、ファリスLv4のものまね師による「じくう」「MP30%アップ」「はなつ(とらえる)」の3つをセットしたうえでの、「アルマゲスト」によるカウンターを封じたうえでのスリップ放置は、様々な要素が噛み合ったうえでの、奇跡の作戦であった。だがもちろん、それは今回きりであり、2回目以降の出番は無い。だが、それが良いのだ。これはやり込みプレイなのだから、次もまた、新しい作戦を考えていかないと…。
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糸冬 了
[Ryo Itofuyu] (1992〜 日本) |
次は、本物の反則技を取り出してみよう。それは、「祝福のキッス」である。
…さて、これは「ちょうごう」で「乙女のキッス+聖水」を組み合わせると発動するものであり、単体対象に「バーサク・ヘイスト・分身」を付与する。しかしながら、このバーサクが耐性を原則無視し、バーサク耐性を持つ敵であっても、打撃だけしか使わせない状態へと変貌させられる。そして、FF5は、打撃への完全耐性を簡単に得られるゲームである。かくして、「祝福のキッス」は、敵が持つ耐性や、多彩な行動パターンを全て消滅させられるぶっ壊れ技である。コマンドの「ちょうごう」こそ、薬師を少し育成しなければ使えないものの、難点はそれくらいであり、素材も普通の店売り品である。
――しかも、だ。FF5の仕様によって、バーサク中は、敵カウンターが原則発動しない。よって、オメガのような凶悪なカウンター能力を持つ相手はもちろんとし、ファイナルアタック=死に際のカウンターも発動しなくなるため、例えばエクスデスも、ネオエクスデスとならずに、次元に飲まれてサヨナラである。つまり、世界はキスによって救われた。第5部完!
というわけで。さすがにFF5の環境においてもあんまりすぎる技であったためか、バージョンが進むごとに、上で「原則」と記した部分が変更され、弱体化が進んでいる。まず、SFC/PS版では、文字通り、完全に耐性を無視したうえで、カウンターを封じられる殺人キスであった。しかし、GBA版以降の作品では、通常のバーサク耐性とは異なる「祝福のキッス版バーサク耐性」が用意され、それを持っている敵には、祝福のキッスですらバーサク状態を掛けることはできなくなった。なお、“祝福のキッス版バーサク耐性”を持っている敵は、ラスボス連戦や、神竜改・オメガ改・エヌオーなど、ごく僅かであるが、その範囲も、GBA・旧スマホ・ピで微妙に変更されており、壊れ技のバランス調整をするのに苦心している様子を伺わせる。
…また、バーサク状態での敵カウンターについても、GBA版までは「発動しない」だが、旧スマホ版からは「発動する」に変更された。よって、オメガ(全バージョンで祝福のキッス耐性を持たない)に濃厚キスマークを付けたとしても、旧スマホ版からは、ロケットパンチ・マスタードボム・サークルで猛烈な反撃を為されてしまう。これに限らず、カウンター発動についても、全バージョンで細かく変更が為されており、FF5はなかなか一筋縄では行かない…。
――ちなみに。似たような壊れ技として、次作FF6での「あばれる/ロフレシュメドウ:ゆうわく」というものが存在する。ロフレシュメドウは、アウザーの屋敷にある“花の絵”を調べると登場するモンスターである(ボスを倒すまでの期間限定だが、逃げても獣ヶ原には登録できる)。「あばれる」自体が、強烈に使いづらい特技であるものの、「ゆうわく」には、耐性枠が存在せず、ボスモンスターすら完全な行動不能に陥らせるという、まさしくFF6版の祝福のキッスである。「ロフレシュメドウの『誘惑』禁止」などと名指して封印されるところなど、そっくりだ。なんか、今回は「愛」とか「歌」とか「キス」とか「誘惑」とか、ラブコメみたいな要素が必殺技となるパターンがやたらと目立つな…。
では、話を、GBA版FF5でのオメガ攻略に戻そう。オメガ様は、全バージョン共通で、祝福のキッス耐性を持っておらず、行動を打撃に限定できる。また、GBA版では、「バーサク状態だと、通常のカウンターとファイナルアタックの、両方を封印できる」という仕様である。よって、先手を取ってキスを決めた時点で、オメガ様はおしまい!
である。というわけで、あとは適当に、いつもの打撃対策を行いつつ、敵の防御能力を貫通できる攻撃を使えば100%勝てるのだが、あえて今回は、“キス”にこだわり、同じく調合で使える「ドレインキッス」を試してみることにした。
…まず、メンバーは、Lv1であるうえにクルルのような素早さも無く、影の薄い★メインヒロイン★のレナ単独である。シーフをマスターしたうえで、「エルメスの靴」を装備しておけば、容易にオメガに対して先手を取れるので、それで「祝福のキッス」を使えば、もう後はオメガmk.Vを相手にするだけである。打撃対策としては、いつもの「小人状態+源氏の盾」を使っていけば良いだろう。極小確率で当たることはあるが、今回も勝つまで命中しなかった。
――そして、その先は、まず強化の基本:「ドラゴンパワー(竜の牙+ポーション)」で、レベル値を99まで上げる。それが終わったら、「ドレインキッス(亀の甲羅+乙女のキッス)」で、キス攻撃を仕掛けていく。このドレインキッス、謎に威力が255とカンストしており、HP吸収の追加効果よりも、無属性の強力な魔法ダメージ技として注目されることが多い。ただ、低レベルプレイにおいては、そのまま使うだけでは1000ダメージと普通であり、かといってレベルドーピングをすると強力すぎであり、属性や他アビリティなどとのコンボも不可能だ。よって、これまでは「ちょうごう」が解禁された少し後のギルガメッシュ(ビッグブリッジ)戦で使ったくらいであった(【第9話】)。が、今回は死因:キスというテーマバトルであり、この技を起用するのが最良である。
さて、「ドレインキッス」には、魔法防御力無視の特性は無いが、威力が255とキスにしては高すぎる(?)ため、オメガの魔法防御力:150を乗り越えてダメージを与えられる。シェルによる半減も通常通り受けるものの、レベルドーピングにより、最終的には1500〜2000と言った程度の、悪くないダメージを与えられるようになった。そのまま、オメガ様の精気を吸い尽くしてやり、強化時間も含めて、計5分30秒でのバトル勝利となった。
…しかしながら、これらのキス技の出番は、もちろんこれっきりである。「祝福のキッス」は、既に述べた通り、ゲームを丸ごと壊してしまうため、二度と出番は無いだろう。いっぽう、「ドレインキッス」のほうは、薬師の解禁直後ならともかく、ゲーム終盤となった現在では、バランス崩壊をさせる心配は無い。ただ、その他のアビリティとコンボできないというのは痛く、魔法剣とコラボして石化キスやサンダガキスにしたり、二刀流と組み合わせてダブルキッスにしたりするという手段が使えない。あえて言うなら、HPを回復しつつ攻撃できるという点に注目すべきだろうが、それについても、今のところ活用法は思い付かない。
――そういうわけで。今回は、オメガ様をキス死させたが、もちろんこれから先のFF5攻略が接吻ゲーと化すことは無いので、どうかご安心いただきたい。FF5は、お子様がたにも楽しんでいただける、健全なゲームです!!
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完封だけでなく、相手の攻撃をしっかり受けてやるのも、また美学 |
4番目の戦い方は、敵カウンターを封じつつの正攻法である。
…まず、実はオメガ様も、神竜と同じく、敵攻撃のほとんどを、Lv1キャラ単独にて無害化することができる。その方法は、以下の通りである。
とまあ、こんな感じなのだが、上の中には、明らかに触れられていないものがある。もちろん、オメガの主力技である「波動砲」だ。
…さて、波動砲の効果は、「最大HPの1/2のダメージ(小数点以下は切り捨て)+スリップ」というものである。この被害を防ぐ方法は無い。無属性の必中技であるうえ、「イージスの盾」による回避すら行えない。また、スリップについても一切の耐性を持つ手段が無く、確実に喰らってしまう。よって、「かくれる」や「ジャンプ」で、そもそも当たらなくしてしまうという以外に、「波動砲」による被害を避ける方法は、いっさい存在しないのだ。
しかし、そんな波動砲にも、唯一にして最大の弱点がある。それは、どんなに弱いキャラであったとしても、決して一発では仕留められないということだ。最大HP割合ダメージ(小数点以下切り捨て)という都合上、たとえ最大HPが「1」のキャラであったとしても、決して一撃死することは無い。まあ、HPが1だと、直後のスリップで★瞬殺★されてしまうのであるが、しかし、実際のLv1キャラのHPは1ではないため、波動砲には必ず耐えられる。さらに、「ポーション」などでこまめに回復をしていけば、スリップによるHPの減少速度を十分に上回ることが可能である。そして、他の攻撃については、上のリストに載せたような対策で、100%安全だ。意外や意外、オメガ様による猛攻も、実はLv1キャラが素で受け流せるものだったのである。
…それでも、波動砲による固定ダメージ+スリップの効果により、着実にHPが削られてしまうということで、対策を講じていく。まず使うのは、「ちょうごう:巨人の薬(竜の牙+エリクサー)」である。お馴染み、戦闘中のみ最大HPを上昇させるアイテムであり、今回は「最大HPを2倍にする(重ねがけ不可)」という効果である。スリップによる被害は、「4バトルカウントにつき、1ダメージ」と固定であるため、HPを2倍とすれば、相対的な被害は半分に下がるのだ。さらに、地味に嬉しい点として、「巨人の薬」は現在HPも2倍にしてくれるため、序盤の展開をスムーズにしてくれる。
さらに、その後は、「ちょうごう:竜の口づけ(竜の牙+乙女のキッス)」にて、味方側にボス耐性を付与していく。これには、スリップ対策になる点が、2つ存在する。まず、ボス耐性により、「ミールストーム」を完全無効化できるという点である。ミールストームは、HPを1桁にするという技であり、それ単体で死ぬことは無いが、スリップダメージと組み合わさると地獄行きとなりうるため、絶対に無効化していかなければならない。
…また、ボス耐性により、スリップが切れるまでの時間を「30カウント」へと短縮することで、ダメージ量自体も軽減していく…と目論んでいたのだが、恐らく、こちらのほうは、全く機能していなかった可能性が高い。というのも、私は、「ボス耐性に持っている対象のスリップ状態は、30カウントで切れる」と思っていたのだが、【解析サイト様】によると、30カウントに短縮されるのは、「ちょうごう:失敗作[1](亀の甲羅+エリクサー)」で付与した場合だけということのようだ。
――言われてみると、30カウントというのは、ヘイスト状態のクルルのターンが回ってくるよりも短いという間隔であるが、そんな短い間隔で、「波動砲」(+虹色の風)によるスリップが切れることは無かった。「ボス耐性を持つ対象のスリップは、30カウントで切れる」というのは、私の早とちりだったのである。ストップはちゃんと30カウントで切れるのだが…。
そういうわけで、スリップ状態への対策は、こまめなHP回復に加えて、「巨人の薬」「竜の口づけ(対ミールストーム)」で行っていくことにしたが、まだ忘れてはいけない点がある。それは、凶悪無比な、敵の2連続カウンターである。
…まず、「ロケットパンチ」については、「竜の口づけ」によるボス耐性の付与で、割合ダメージ部分も混乱効果も、まるっと無効化できる。また、「サークル」による消滅も、これまたボス耐性で100%避けられる。これらは、「ターゲッティング」により、オメガ側へと向けた場合を想像していただけたら、分かりやすいというものであろう。
――が、当然の帰結として、「マスタードボム」はアウトである。これだけは、オメガ側を狙った場合でもダメージを与えられることから分かるように、味方が喰らえば、回避不能・魔法防御力無視ということで、決して被害を避けることはできない。そのダメージは、約3000、シェルで半減すれば1500(オートシェルのオメガ側が喰らうダメージ)となるが、低レベルでは即死すぎてどうにもならない。回避手段は、「ジャンプ」「かくれる」で被弾自体を無しにする…のはカウンター技なので無意味であり、結局のところ、「イージスの盾」の1/3という微妙な確率の特殊回避を頼るしかないのだ。
そういうわけで。「マスタードボム」には、そもそも使わせないという対策が最良である。つまり、攻撃手段を、カウンター封じ性能を持つものに絞れば良いのだ。使うのは、もちろん、砲撃士の「ごうせい」である。
…さて、GBA版の「ごうせい」は、「ステータス効果を持つ合成技を使い、相手にステータスが発生しなかった場合、敵カウンターを封じられる」という性能がある(25%で発動しなかった場合&敵が耐性を持っていた場合の両方)。よって、合成技だけで攻撃をすれば、凶悪無比な2連カウンターを完全に無視できる。
――そして、カウンター封じ以外にも、「ごうせい」は「敵の防御力を無視して」「必中」するうえ、「レベル値のみによって倍率が決まる特殊魔法攻撃」(=レベルドーピングだけで威力を最大に持ち込める)という点も、今回バトルに都合が良い。残念ながら、シェルによっては半減されてしまうが、それでも、レベル値を99にしたうえでの「パワーキャノン(追加効果はバーサク[75%]、オメガはバーサク耐性持ち)」などは、約4000という大きなダメージを与えられる。もちろん、カウンターを封じつつ、だ。
さらに! 「ターゲッティング」をオメガ側へと反射して、次にオメガが行動するまでの間は、カウンターですら相手側へと飛んでいくため、自由な攻撃を使うことができる。ここで用いるのは、オメガの弱点を突ける、雷属性の「スパークキャノン」である。
…さて、スパークキャノンは威力が220と、サンダガ(185)より高く、しかも「ごうせい」は全て全体攻撃であるため、全体化による半減が無い。一応、サンダガには、リフレク反射という最終兵器があり、相互互換とは言えるが、「波動弾(800ギル)+雷迅の術(200ギル)」という、第3世界時点ではタダ同然と言えるコストで、防御力無視の全体サンダガを放てる。改めて、「ごうせい」の驚異的な性能の高さを思い知らされるものである。
――具体的に、レベル値を99へとドーピングした時点での「スパークキャノン」は、オメガに、約9000のダメージを与えられる。というか、それはもはや、9999のほうが近いくらいであり、雷属性強化ですら必要無い(※忘れていただけ)。もちろん、スパークキャノンによる弱点突きは、「ごうせい」がカウンターを封じられる条件の場合に当てはまらないため、「ロケットパンチ」「マスタードボム」「サークル」による猛反撃を受けるのだが、これは「ターゲッティング」の最中の話であり、それらの反撃は全てオメガ側へと飛んでいく。マスタードボムは、回避不能の即死攻撃から、相手側へのダメージを追加してくれる大当たりへと変貌するのだ。
そして、この「スパークキャノン+相手側のカウンター自爆」といった強力な攻撃を、「ターゲッティング」→「次の攻撃」間で、最低1回、タイミング次第では2回行えるのだ。アレ?
まさか、カウンター封じとか特に考えず、自爆ターゲッティング中に「スパークキャノン」を毎度2回ずつ打ち込むパターンにしたほうが良かったのでは…。
ちなみに、ここまで書くスペースが無かったのだが、必須ステータスであるヘイスト状態については、「リフレクトリング」で枠が埋まる都合、「エルメスの靴」を装備できない。よって、「まさむね」のアイテム使用によるヘイストを、オメガ側のオートリフレクに跳ね返していく。「まさむね」による“さきがけ能力”を活かしつつ、「リフレクトリング」のデメリットを回避し、かつ、味方が1人であれば、「敵側へのリフレク反射だと対象が安定しない」という弱点も無視できる。様々な点が噛み合っており、なかなかお気に入りの作戦だ。
――その他、リフレクトリングに反射されないヘイスト状態の掛け方として、「ヘイストドリンク」が存在する。ああ、あの「のむ」をセットする最大の理由ね…と思いきや、実は「ちょうごう」のほうにも、「ヘイストドリンク」という技が存在する。素材は、亀の甲羅+目薬という、全く由来の分からないものであるが、とにかくこれで、「のむ」の最大の強みですら「ちょうごう」のほうに奪われてしまった。てめえらには、心ってものがないのか!?
というわけで。今回の「カウンターを封じつつ正面から」をまとめると、以下のようになる。
さて、これだけの状況を整えると、低レベルキャラでも、正面からオメガに立ち向かっていくことができる。低レベルキャラどころか、もちろんLv1キャラ×1人であっても可能だ。そういうわけで、今回バトルは、Lv1のクルルが、たった1人で、オメガを撃破するという戦いになった。
…ちなみに、神竜のほうも、様々な対策を行うことで、その猛攻を全て低レベルキャラで凌ぎきることができた(【第27話:そのC】)。が、オメガ様が相手でも、そのような戦い方ができるというのは、非常に意外であった。やっぱり、オメガと神竜は、いがみ合っているけど、同期だよ。
――そして、クルルLv1が使ったコマンドアビリティが、「ちょうごう」と「ごうせい」というのも、これまた納得である。何故なら、これらは、新旧の壊れコマンドであるからだ。こんな感じで、様々な要素が噛み合わさって、「低レベルキャラ1人で、オメガ様を、カウンターを封じつつ倒す」という作戦を実現することができた。我ながら、今回はなかなかのお気に入りである。
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なんかいろいろとごちゃ混ぜの作戦になった |
続いては、「かくれる」からの「ターゲッティング」リフレク反射と、サンダガ反射を組み合わせた作戦である。
…まず、オメガは、6ターン目の行動として、「ターゲッティング」というものを使用し、次の攻撃対象を指定する。この技の内容は、それだけであり、次に使うアビリティのダメージや命中率などが強化されると言った追加効果は無い。しかも、「ターゲッティング」はリフレクで跳ね返すことが可能であり、その場合、オメガ自身がターゲットとなって、オメガ7ターン目の行動がオメガ自身へと飛んでいく。
――もっとも、7ターン目の行動は「虹色の風
/ アトミックレイ / 火炎放射」であり、それぞれ「微弱なスリップダメージを与えて終了」「オートリフレクで跳ね返ってバッツ側へ」「炎吸収でHP回復」と、オメガ側に大きな被害を与える内容ではない。よって、ただ単にターゲッティングをリフレクで跳ね返しているだけでは、一向に勝つことはできない。これは、明らかに意図的な調整である。
というわけで。このターゲッティング反射の特徴は、「オメガが計2ターンの間、決定的な隙を見せる」ということと、あとは、既に述べている通り、「ターゲッティングの最中は、2連カウンターすらオメガ側へと飛んでいく」(バージョンによって異なるらしい…)という点である。これらの点は、持久戦タイプの方法ならば、ぜひ活かしたいものである。
そして。低レベル界隈では、「かくれる」を使って敵の攻撃を凌ぎ、「ターゲッティング」の瞬間だけ現れるという戦法が知られている。
…説明してみよう。オメガの行動ごとのカウントは、素早さの上ブレを考慮しても最速43カウントごとであるため、[5ターン目の攻撃]→[ターゲッティング]→[7ターン目の攻撃(反射アトミックレイのための炎対策をすれば無害)]→[8ターン目の攻撃]の時間は129カウント(ターゲッティング後から8ターン目の攻撃までは85カウント)である。一方、例えば、素早さ50でヘイスト状態のキャラが行動するごとに掛かるカウントは「35」であるため、「現れる→1回だけ攻撃→すぐ隠れる」という戦法を安定して実現できる。むしろ攻撃は2回できる。まあ、敵の攻撃回数を間違えてしまうと終了のため、長期戦になればなるほど集中力が必要なのだが、問題はそれくらいであり、自爆火炎放射によるHP回復を上回る火力さえあれば、一歩ずつ勝利へと持っていける。
――さらに、この戦法は、「かくれる」を有効活用できているという点も大きい。「かくれる」には、ご存じ、生存キャラが隠れているキャラだけになると、逃走してしまうという性質がある(逃走不能なバトルではそのまま)。そして、神竜戦は逃走可能であったため、この「かくれる」を利用できなかった(ゾンビが立っていると居ると逃走扱いにならないため、ゾンビビュート作戦は使用可能)。が、オメガ戦は、逃走不可能に設定されているため、低レベルキャラが単騎で「かくれる」を使用することができるのだ。余談だが、オメガ戦では先制攻撃&バックアタックが発生しうるが、神竜戦ではどちらも無い。こういうところでも、この2体は対となっているのだ。
そういうわけで。従来から存在する「かくれる&ターゲッティング反射」をそのまま使っても良かったのだが、今回はそこに更に一計を加え、「サンダガ反射」による速攻を狙ってみることにした。
…まず、サンダガは、雷攻撃の基本であり、リフレク反射と組み合わせれば最大級の威力となる。しかし、オメガ戦では、そのまま使うと相手のオートリフレクに跳ね返され、それを乗り越えたとしてもオートシェルを貫通する手段が無い。よって、魔法ではなく、雷属性の物理攻撃である「魔法剣サンダガみだれうち」(オメガにオートプロテスの能力は無い)が第1手段となり、「サンダガ」が注目されることは少なかった。
――が、しかし、「ターゲッティング」の反射に必要なのはリフレク、敵のオートリフレクを克服するために必要なのもリフレク、サンダガの火力を上げるのもリフレク反射と、どこか上手に噛み合ってくれそうな雰囲気も存在する。そういうわけで、徹底的にリフレクにこだわる、「ターゲッティング反射&サンダガ反射」で、オメガをショートさせてみようと思ったのだ。
というわけで。当初の作戦はこうだ。まず、全員がさっさと「かくれる」で画面外へと逃走する。そして、数えて敵の5回目の行動が終わったら、「あらわれる」で復帰し、すぐに魔法のランプ版カーバンクルでリフレクを貼る。そして、敵6ターン目の「ターゲッティング」を反射したら、まず「スロウキャノン」で相手をスロウ状態とし、その後はMP最大のファリスが「連続魔サンダガ」を使い、それを全員で「ものまね」していく。これである。
…が、この戦法では、オメガを倒すことはできなかった。オメガ7ターン目が来て「ターゲッティング」の効果が切れるまでに打ち込める「サンダガ」の回数は、僅か6回である。そして、サンダガ反射は弱点を突けるものの、オートシェルによって半減されるため、ダメージは2200程度に収まる(小数点以下を切り捨てている?
ためか、ファリスLv4&魔力64でも威力は同じ)。それを連続魔で使用し、さらに述べ6人で攻撃した場合の合計ダメージは、2200×2×6
= 26400ということで、オメガのHPを半分程度しか削れない。「マスタードボム」自爆による1500ダメージを足しても同じである。なんなら、6回全部がマスタードボムでも倒せないのだから仕方がない。
――さて。「ターゲッティング」の効果が切れたあとも、味方全員のリフレクは残っているので、その後も「ものまね」を繰り返せば、サンダガ反射攻撃を行うことはできる。しかしながら、ここから先は、オメガ様のカウンターが、バッツたちへと飛んでくる。「ロケットパンチ」は、混乱さえ装備品で防げば問題ないが、「マスタードボム」と「サークル」は死人が出る。しかも、「ターゲッティング」中の連続魔サンダガ反射のカウンター判定は「1回」(=オメガ自身への攻撃回数は2回)であったが、通常の連続魔サンダガ反射のカウンター判定は「2回」(=バッツたちへの攻撃回数は4回)となる。インチキである。
というわけで。ターゲッティングの効果が消えたあとにサンダガ反射をしていくと、「マスタードボム」「サークル」で次から次へと未帰還者が出ていき、その度にサンダガ反射の火力が落ちていく。そして最終的に、4人ともが離脱して、全滅する。
…さて。このままの戦い方で勝つ方法としては、ターゲッティング後のカウンターとして「ロケットパンチ」ができるだけ多く来ることを期待したり、またはカウンターの来ないリフレク部分反射を使うために、何らかの手段で誰か1人のリフレクのみを解除する、はたまた「かくれる」で再び逃亡して次のチャンスを狙う…などの手が存在するであろう。それらについて、順番に考えてみることにしよう。
まず、マスタードボム&サークルが来ないことを期待する作戦は、ただの★運ゲー★である。しかも、4連カウンターで、期待値としては1.3人の死人が出る(※サークルは魔法回避率で外れることもあるが…)。「ターゲッティング中の健在4人での連続魔6連撃」で、敵のHP約半分を削れたということは、そこから相手を倒し切るには、さらに「延べ24人」に連続魔サンダガを跳ね返さなければならない。4+4+4+4+4+4
= 24でも6コマンドが必要となって遠いのに、戦闘不能者が出るたびに、足せる数字は+3、+2…と減っていく。合計24という数字は、果てしなく遠いのだ。さすがにこれは無理であろう。
…次に、カウンター封じのリフレク部分反射を行う作戦は、ターゲッティング終了後にリフレクを解除するならば、その解除のための行動が必要となり、「ものまね」と完全なるアンチシナジーになってしまう。開幕から部分反射をしていく作戦は、試してみた(「レジストサンダー」で雷吸収のキャラを作り、「あらわれる」を1ターン遅らせて、そのキャラだけカーバンクルでリフレクが掛からないようにする)ところ、計13回の攻撃をしたところで、リフレクが切れた。よって、延べ攻撃回数は3×13で39人分、実ダメージとしても10000弱が足りず、やっぱり勝つことはできない。しかも、部分反射ではカウンターを封じているので、「マスタードボム」によるダメージ上乗せすら期待できない始末である。
――ならばと、リフレク切れに対処するため、「リフレクトリング」でリフレクを発生させるようにし、その他の諸々も調整したうえで、リフレク部分反射を試してみたところ…意外にも勝つことができた。これは、「作戦 そのD.5」として、後に記すことにしよう。
最後に。「かくれる」で再び逃亡して次のチャンスを狙う作戦は、悪くないのだが、ただ2回目以降は「魔法のランプ」によるリフレク発生が使えず、カーバンクルの消費MPは、金の髪飾りで半減してなお「23」と大きな値である。よって、2ループ目以降を作っていく場合には、大幅な戦略変更が必要となるだろう。また、長期戦となってしまっては、既存の隠れる戦法と差別化することも難しくなってしまう。
というわけで。紆余曲折が長くなったが、今回採用したのは、「漢バッツが、1人で『英雄の歌』を使って味方を強化する作戦」である。
…まず、火力不足で、ターゲッティングの時間中にオメガのHPを削りきれないという問題は、お馴染みレベルドーピングによって与ダメージを高めれば解決できる。そして、「そのC:カウンターを封じつつ正面から」の経験から、実は低レベルキャラであっても、それなりにオメガの攻撃を前に耐え続けられるということが分かっている。そして、これまでは、ターゲッティングを使われる6ターン目(の前の、5ターン目が終わるまで)は、ひたすら「かくれる」で待っていた。この時間を強化に使えれば、戦略として無駄が無いだろう。
――ちなみに、その役としてバッツを選んだのは、「おい、焼きそばパン買ってこいよ」的なアレではなく、ちゃんとした合理的な選択である。まず、ファリスは、「連続魔サンダガ」を唱えられる唯一のキャラクターであるため、「ものまね」の発端を作るために、傷を付けてはならない。残ったバッツ・レナ・クルルのうち誰を漢とするかであるが、バッツだけがLv2であり、HPが少し高い。よって、「波動砲」のスリップダメージによる相対的な被害を抑えるために、オメガ様の前で仁王立ちをするのは、バッツが最も適任なのである。やっぱり、FF5の主人公はバッツ!!!
では、戦い方はこうだ。まず、開幕で、女3人が速攻で隠れるところは同じであるが、ここでバッツが★漢★を見せ、「英雄の歌」を歌い始める。英雄の歌の効果は、隠れているキャラにも有効である。その間、バッツは防御手段も取れずに、オメガの猛攻を受けることになるが、「波動砲」で受けても、その後にフレイムシールドで炎を吸収するなどすれば、意外と長く耐えられるものだ。
…そして、いつものように5ターン目が過ぎたら、すぐに「あらわれる」で女3人が登場し、まずはバッツを蘇生させる。理由は、バッツ自身も「英雄の歌」でのレベル強化を受けており、攻撃要員として使えること、そしてバッツを加えることにより、リフレク反射要員を4名にできるという利点である。あと、用済みとばかりにバッツを倒れたままにして、女3人でオメガを倒すというのは、さすがにちょっとバッツいじめが酷すぎるので…。
――というわけで。あとはそこから、魔法のランプ版カーバンクルで全員をリフレク化し、ファリスが連続魔サンダガを使ったあと、全員でそれを「ものまね」していく…という態勢に入るのだが、これでも勝利とは行かない。まず、バッツの蘇生が入り込んだことにより、行動の歯車が噛み合わなくなる。隠れた状態を解除したあとに、攻撃耐性に入るために必要なのは「@バッツの蘇生」「A魔法のランプでのカーバンクル召喚」「Bスロウキャノンでのスロウ化」「Cファリスが連続魔サンダガを使う」の4つなのであるが、女キャラは3人であり、しかも、ものまね師ファリスのアビリティが「かくれる
/ れんぞくま / くろまほう」で埋まる都合、どうやっても無駄なターンが発生してしまう。しかも、この戦法での「連続魔サンダガ」のダメージは、7000程度に留まる(3500×2)ため、仮に前の作戦と同じく6発を打ち込めたところで、HP55530のオメガを倒し切るには至らない。
というわけで。私は、噛み合わせを良くするために、バトル冒頭で「スロウキャノン」を打ち込む手を考えてみた。これにより、現れたあとの行動は3手となり、女3人で無駄なく行動が可能となる。さらに、開幕からオメガの行動速度を落とすことにより、「英雄の歌」を歌える時間が長くなり、レベル強化の量も約2倍にできる。もちろん、スロウキャノンへのカウンターとして、マスタードボムやサークルで戦闘不能者が発生すると作戦が乱れてしまうが、逆に、「ロケットパンチ」×2回ならば、被害なく相手を弱体化できる。バトル開幕であるし、これくらいは良いだろう。
…その後、実戦では、5ターン目の連続攻撃ですら「ブラスター(リボンで無効化)」→「地震(レビテトで回避)」と、バッツが生き残ることができた。もちろん、その後すぐにスリップダメージで倒れてしまったし、むしろ驚いて「あらわれる」を最速タイミングで入力できなくなったりもした。しかしそこからは、手はず通り、クルルがバッツを蘇生させ、レナが魔法のランプでリフレクを掛け、そしてファリスが連続魔サンダガの準備をする。敵は既にスロウ状態となっているため、この段階でスロウキャノンを使う必要は無いのだ。
――そして、連続魔サンダガでは、12000(6000×2)という莫大なダメージを叩き出せるようになっていた。ちなみに、あらかじめスロウを掛けておいた状態であるため、「ターゲッティング」を跳ね返した時点で、全ての準備を整えたうえで全員がゲージ満タンとなっており、カウンターを気にせず攻撃できる回数は9回である(9回目でHPを0にする場合)。よって、計算上、削れるHPは108000という莫大なものに達している。オメガが、今の2倍近くの耐久力を持っていたとしても、大丈夫だ。
そういうわけで。勝利時は、1回12000ということで、計算通り、5回の連続魔サンダガにて、オメガを修理工場送りとすることができた。
…さて、今回の作戦のキモは、漢バッツがレベル強化をするだけでなく、そこに更に、開幕でカウンター覚悟のスロウキャノンを掛けるということであった。バッツの孤独な歌も、他のキャラクターに支えられて成り立っていたのだ。なんかよく分からなくなってきたのでこれで終わろう。
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リルマーダーもこの方法で攻撃すれば安全に倒せます(F内失) |
「そのD」のバリエーションである。今度は、カウンター封じとなるリフレク部分反射を用いて、オメガを倒してみた。
…さて、FF5では、味方全員をリフレクとせず、一部の魔法を味方キャラに当てると、敵のカウンターが発動しなくなる(GBA版まで)。この場合のメリットは、「ターゲッティング」が切れた後であっても、オメガに攻撃し続けられることだ。それにより、攻撃可能な時間は、カウンターが敵側へと向かっていく6〜7ターンだけでなく、6〜8ターンと、2倍に広がる。しかも、8ターン目の攻撃は「波動砲」であり、即死はせず、+αを積み重ねられる。
――具体的に、「ターゲッティングを反射した直後にスロウを掛ける」というパターンで比較をしてみると、6〜7ターンでサンダガを当てられる回数は7回(カウンター封じ中に6回+最後っ屁の1回)だが、6〜8ターン+αでは19回(15回+波動砲後に各キャラ1回ずつ)と、3倍近い値に達している。これならば、部分反射による火力の低下分を、余裕で補えるというものだ。
さて。今回は、「ものまね」で連続魔サンダガを連打するという都合上、“途中で誰か1人だけリフレクを解除する”という行動を取ると、以降はそれをものまねするようになってしまって、都合が悪い。よって、「最初から1人だけはリフレクを掛けない」という方式で、リフレク部分反射を実現していく。その方法は簡単で、誰か1人だけが隠れたままの状態で、「魔法のランプ」でカーバンクルを呼び出せば良い。
…そうして、3人だけをリフレクにし、さらに「ターゲッティング」を跳ね返したら、いつものように「スロウキャノン」で相手にスロウ状態を掛ける(今回カウンターが飛んでくるのはここだけ)。そして、ファリスが味方に連続魔サンダガを使う。なお、雷属性には無効・吸収できる装備が現時点では存在しない(オメガ改の撃破報酬であるフォースシールドだけ)ので、「ちょうごう:レジストサンダー」を使う。フェニックスの尾+目薬=雷耐性だ。意味不明である。
――が、それでサンダガ部分反射をしても、オメガに勝つことはできない。なんと、8ターン目の「波動砲」の直前でリフレクが切れてしまった。よって、連続魔サンダガをものまねすることにより、味方全体に雷が降り、パーティは壊滅である。もちろん、部分反射をしていたキャラは、レジストサンダーによって吸収するが、その後に「ものまね」を入れても、もう自分のHPを回復するだけである。決して相手側に攻撃はできず、勝てるわけが無い…。
というわけで。今回は、リフレク化の手段として、時間切れのない「リフレクトリング」を使うことにした。だがしかし、すると当然の帰結として、ヘイスト状態を発生させる手段が必要となる。
…しかし、それは意外と簡単であり、「ヘイストドリンク」を使えば良い。これならば、リフレクを無視してヘイスト状態を掛けることができる。しかも、「のむ:ヘイストドリンク」は、事実上、自分にヘイスト状態を発生させるためだけにアビリティ枠を消費するというとんでもないコマンド(もちろん、ヘイストにそれだけの価値はある)なのだが、「ちょうごう:ヘイストドリンク」という技も存在し、「亀の甲羅+目薬」で発動できる。「のむ」のターゲットが自身のみであることに対し、「ちょうごう」は敵味方単体の誰にでも発動できる。もちろん、欠点としては、素材を集めるための手間、コマンド入力の煩雑さ、調合素材を知っておく前提…などが挙げられるが、そういったものを無視できる縛りプレイでは、「ちょうごう」は「のむ」の上位互換と言える。まあ、「ちょうごう」は、いにしえの時代から語り継がれる壊れコマンドだし…。
ところが、エルメスの靴を使わない場合には、意外なデメリットが存在し、それは序盤の展開で大きく遅れを取るという点である。それは、せいぜい、開幕で相手の行動が1〜2回増える程度であり、通常プレイであれば無視して良い。だが、縛りプレイではこれが致命的となり、相手に主導権を取られてしまったり、下手すると一発全滅となってしまったりで、それだけで戦略が瓦解してしまうほどとなる。
…しかし、この問題は、オメガ戦の意外な特性で解決できた。それは、「先制攻撃」である。オメガ戦では、神竜とは真逆で、逃走ができない代わりに、通常の雑魚戦と同じく、先制攻撃&バックアタックが発生する。そして、デメリット付き以外の全ジョブをマスターした状態のすっぴんorものまね師だと、シーフ&忍者のジョブ特性を引き継ぎ、バックアタックの発動を防ぎ、かつ、先制攻撃の発生率が1/8から3/8へと上昇しているという状況だ。
――さて、この「先制攻撃」は、敵全体の行動カウントに、90を加えるという内容である。よって、これにより、素早さのブレを考慮しない場合、オメガの初手がt=44から、t=134へと、大幅に遅れることになる。これは例えば、素早さ50のキャラであれば、初手のt=70でヘイストを掛け、その後にt=105にて再度ターンが回ってくるということになる。先制攻撃により、初手にヘイストが無いデメリットを完全に克服できるのだ。
やれ、この“先制攻撃”は、むしろこれまでは、“ランダム発生で、確立された戦法を一方的に味方側有利へと傾けるもの”として、忌み嫌っていたくらいであった。だが、今回の作戦では、「複数人にリフレクトリングが必要となるため、初手でヘイスト状態を発動させられず、まさむねヘイスガも反射されるので使えない」というデメリットを、先制攻撃によって完全に踏み倒すことができる。1回くらいは、オメガ様には先制攻撃が有効という特性を活かしても良いだろうと思って、今回は先制攻撃を前提とした作戦を立てていった。
では、前置きが長くなったが、「そのD.5:リフレク部分反射」の具体的な戦い方を紹介していこう。まず、リフレク部分反射を実現しつつ、かつリフレク持続時間の問題を解決するために、バッツ以外の女3人が「リフレクトリング」を装備していく。バッツは、「エルメスの靴」装備である。
…そして、先制攻撃を決めたうえで(決まらなかったらWiiU「まるごと保存」からやり直し)、まずは順番に「ちょうごう:ヘイストドリンク」で、リフレク状態の女3人にヘイスト状態を掛ける。その後、部分反射作戦を成り立たせるために、避雷針たるバッツに「ちょうごう:レジストサンダー」を使用する。そうして準備が整ったら、全員が「かくれる」で画面外へと避難する。以上全てが、先制攻撃を決めていれば、敵の初撃が始まる前に間に合うのだ。私があえて先制攻撃を前提とした理由も、これだけ綺麗にハマるのなら、分かっていただけるというものだろう。
その後、いつものように、5回目の敵の攻撃が終わったら、「あらわれる」で全員が登場する。そして、「ターゲッティング」を反射したら、その瞬間に「スロウキャノン」でスロウを掛け、ファリスが「連続魔サンダガ」を味方側へと使ったあと、それを全員が「ものまね」で繰り返していくのだ。
…さて、このリフレク部分反射による連続魔サンダガのダメージは、反射人数が4人→3人と減ったことと、レベルドーピングが行えないことにより、1回のコマンド入力によるダメージは、約3500に留まる(1750×2)。だが、使用可能な連続魔サンダガの回数は19回だ。3500×19 = 66500であり、オメガ様のHPは55530ということで、敵行動による多少のHPの増減を余裕で乗り越え、相手にトドメを刺すことができるのだ。
――実際、勝利時には、15回の「連続魔サンダガ」を当てた後、オメガが8ターン目の「波動砲」を使ってきたあと、全員が行動可能となった状態での1回目…つまり、累積16回目の連続魔サンダガにて、オメガを倒すことに成功した。これで倒しきれていなくとも、スリップダメージで没するまでに、更に3人で約1万のダメージを上乗せできていたのだ。さすがにこれなら勝てるであろう。
そういうわけで。単なる「そのD:ターゲッティング&リフレク反射」の亜種かと思いきや、今回の「そのD.5:リフレク部分反射」では、カウンター封じを利用して攻撃時間を伸ばしつつ、さらに先制攻撃による開幕ヘイスト無しの踏み倒し、波動砲で一撃死しないことによるギリギリの攻撃など、様々な特性を活かすことができた。僅かな違いで、その後の戦法が、決定的に違ってくるのが、面白い。やっぱターン制バトルは…最高やな!
ちなみに、リアル時間の時系列的には、これが一番最後に作ったということで、動画には、地味に滝から落ちるシーンを収録できたりもしています…。
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少し工夫は必要だが、オメガ様もこれで倒せる |
ラストである。7番目の戦い方は、ゾンビビュート作戦の応用系:「ゾンビ強化して隠れる」をお送りしよう。
…まず、「ゾンビビュート作戦」は、“ゾンビのキャラにファイアビュートとリフレクトリングを装備させておき、他の味方が隠れる。ゾンビキャラはダメージでは決して戦闘不能とならず、自分たちのみへの打撃を使い続けるが、ファイアビュートの追加効果ファイガはリフレクトリングで反射され、相手側へと攻撃できる。ゾンビキャラは、敵の攻撃では死なないため、一方的に相手を撃破できる”…という作戦である。あの、裏ボスの片割れである神竜でさえ、このゾンビビュート作戦を使えば、100%の勝利が可能であった(【第27話:そのA】)。
――しかしながら。オメガは、このゾンビビュート作戦で勝つことができない敵の1体である。最初に、オメガは炎属性を吸収するため、ダメージを与えるためには、ファイアビュートではなく、「電撃鞭」を使う必要がある。が、電撃鞭で発動するのは「サンダー」であり、敵がオートシェルの能力を持っていることもあって、低レベルだと100ダメージも与えられない。そしてオメガは、「アトミックレイ」のリフレク反射や、ターゲティングからの火炎放射により、炎吸収で自分のHPを回復してしまう(ゾンビビュート作戦では、リフレク状態が必須のため、これらの回復を阻止することはできない)。回復量は、それぞれ1000〜1500といった程度であり、電撃鞭では、それを上回るダメージは与えられないのだ。
しかも。敵側にダメージを与えると、オメガの代名詞である2連続カウンターが飛んでくる。「ロケットパンチ」「マスタードボム」は問題ないが、「サークル」は、ゾンビ状態では無効化できない吹き飛ばし系の一撃死であるため、喰らうと普通に消滅する。ゾンビキャラが戦闘から離脱してしまっては、ゾンビビュート作戦が根本から崩壊である。ちなみに、SFC/PS版では、ゾンビ状態のキャラがサークルで消滅するとゲームがフリーズする(ATB関連のバグのようで、ゲームの処理自体がハングアップするのではなく、ATBカウントが永久に進まなくなる)。まあ、フリーズは、サークルの効果が発動しなければ起こらないため、実質的な影響は無いとも言えるのだが、どちらにせよ、やはりオメガ様はゾンビビュート作戦では倒せないのだ。
が、これらの議論は、何も考えずにゾンビビュート作戦を適用しようとした場合である。今回、様々な調教を施すことにより、オメガ様もゾンビビュート作戦にて撃破可能であることが判明したのだ。
…まず、「サークル」による消滅であるが、「ちょうごう:竜の口づけ」によってボス耐性を付与すれば良い。オメガ様がターゲッティングからのサークルで消えないのと同様に、ボス耐性を付与されたキャラは、サークルによって消滅することは無い。これで、サークルによる戦線離脱と、そして何気に、SFC/PS時代に存在したバグについても同時に解消ができた。
――次に、火力の問題だが、「電撃鞭」を使うのはそのままとして、「ちょうごう:ドラゴンパワー」でレベルドーピングをすれば良い。レベル99であれば、魔法倍率は30程度になり、敵のオートシェルと弱点が相殺され、属性強化も含めれば、サンダーのダメージは700程度となる。この電撃鞭を両手持ち(【第19話】)すれば、オメガの回復能力を上回れるようだ。“
そして。これらの強化を行うための時間確保については、「そのC:カウンターを封じつつ正面から」の戦法を流用する。徹底的に態勢を整えると、オメガの攻撃で被害をこうむるのは、「波動砲」「マスタードボム」(+「虹色の風」によるスリップ)だけとなるため、「マスタードボム」を喰らわないように気を付けながら、波動砲による最大HP割合ダメージ&スリップによるHP減少を回復していけば、低レベルキャラでも死ぬことは無いのだ。
以上、今回は、ただゾンビキャラを用意して「かくれる」を使うだけではなく、最初にゾンビを強化してから隠れるという戦い方になる。具体的には、「ちょうごう」により、隠れる要員&ゾンビに、以下の技を施していく。
とまあ、こんな感じで。「ちょうごう」は、このような多彩な強化も行えるのである。
しかしながら。この戦法では、初手で「かくれる」を使用する場合と比べて、いくつか問題が発生する。
…まず、隠れる前に、非ゾンビキャラによる強化が必要となるため、その間、非ゾンビキャラがゾンビによる鞭打ちを受けてしまう。「電撃鞭」は、攻撃力が42と微妙に高い。でも、少し防御力を上回るくらいなら、微弱なダメージに留まるから大丈夫…と言いたいところであるが、レベル強化によって倍率のほうが大幅上昇し、不完全な防御力で強化役が殴られると普通に一撃死するため、完全防御のための物理防御力「48」が必要である。
――さて、この値は、今回の編成で実現するとなると、「ボーンメイル」を装備しなければならない。これにより、電撃鞭によるSMプレイを0ダメージに抑えられるが、強化役もゾンビのような性質となってしまい、通常手段でのHP回復を行えなくなる。これは困った。
が、この問題は、簡単に解決できる。それは、回復方法として、「ちょうごう:デスポーション(フェニックスの尾+ダークマター)」を使うことだ。デスポーションは、デス系の即死攻撃であり、ゾンビには反転回復、つまるところのデスベホマとなる。ダークマターは、通常攻略では多くは手に入らない貴重品だが、縛りプレイならそんなことは関係ない。というわけで、「デスポーション」による自爆攻撃を使うことで、ボーンメイルを装備していても、「ポーション」による回復と同じ感覚で、自分のHPを回復できるのだ。まさに“デスポーション”、名は体を表すである。
さらに。理想としては、ゾンビキャラには、全ての強化が終わったあとに、ようやっと敵側へと攻撃を仕掛けてほしい。だが、そんな事情とはお構いなしに、ゾンビキャラはバトル開幕から味方パーティへの打撃を繰り返す。そして、ゾンビだけでなく、強化要員も防御のためにリフレクを貼っているため、追加効果のサンダーが発動すると、必ず敵の2連続カウンターが飛んできてしまう。
…さて、強化要員には、すぐに「竜の口づけ」でボス耐性を付与しているため、カウンターのうち、「サークル」によって消滅することは無く、「ロケットパンチ」も無効化できる。が、「マスタードボム」には防御手段が無いため、これが当たると普通に死ぬ。盾枠も「フレイムシールド」で埋まっているため、イージスの盾による確率回避すら行えない。よって、強化役とゾンビの2名で戦う都合、カウンターを発動させた場合、1/6の確率でゲームセットということになる。こればっかりは、もう、完全に運なので、仕方あるまい。
そういうわけで。強化役に「マスタードボム」が当たってしまうと終わるのであるが、それ以外では、これまでに養った知識を総動員して、敵を撃破できると言う感じになった。撃破時間は、強化3分30秒+放置25分という感じだ。オメガ様は、一工夫したゾンビビュート作戦で倒せるのである。
――ちなみに、今回は、強化要員をバッツ、ゾンビキャラをクルルとした。特に意図した訳では無いが、そう言えば、少し前に、「主人公が、ゾンビの年下女子とともに、苦しい戦いの旅に出る」みたいな作品が、凄く流行ったという記憶がある。危ない危ない、一歩間違えたら、今回のタイトルが「機滅の鞭」みたいな感じになっていたかもしれない…。
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ご愛読ありがとうございました! |
そんな感じで。オメガについても、神竜と同じく、その@〜E+5.5の、合計7パターンで撃破をしていった。
…さて、次は、いよいよラスボス連戦である。通常プレイにおいては、もちろんシナリオ攻略レベルにおいての敵であるが、低レベルにおいては、多彩な行動パターンと莫大な総HPから、神竜&オメガを上回るほどの強敵となりうる。
――しかしながら、残念ながらこれにて時間切れである。更新日から見て翌日の2023年6月22日は、FFシリーズ最新作:「ファイナルファンタジー16」の発売日だからである。さすがに私も、この状況ではFF16を優先したいため、FF5日誌については少しだけお休みということにしたい。まあ、FF16は、たぶん私が得意とする低レベル系やり込みに向いたゲームではないため、復帰は早めになると考えているが…その予想が裏切られて、縛りプレイの領域でも楽しめるような作品となってくれていることを願っている。
やれ。FF5日誌については、当初はWiiUオンラインストアが閉店する2023年3月末までに書き上げようと思っており、それが破綻した後も、FF16発売の6月22日までには終わらせられると思っていた。が、結果的には、日誌が大ボリュームとなりすぎて、その第2目標すら守れなかった。
――とはいえ、まあ、私がFF5をここまで本格的に取り扱うのは、恐らく、最初で最後となるであろう。それだけに、時間などは気にせず、自分が満足いくまでじっくりとやり込んでいきたい。まあ、予定とかいろいろ問題はあるけど、所詮は個人サイトだし、何とかなるだろ。でも、うん、さすがに次からは、このボリュームの場合は分割更新にしようか…。
(2023年6月21日)
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