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管理人の日記
解像度と配線がどうなるか。ここが超重要だと思う
※ちなみにこのパンツみたいな形は衝突防止のためだと思います |
本日、ソニーから、新たなVRデバイス「PlayStationVR2」が発表された。これは、2016年に発売された初代PSVRの後継機であり、今回はPS5の周辺機器となっている。価格や発売時期など、細かい部分は未発表であるものの、主な仕様が公開された。詳しくは、【公式ブログの記事】をご覧いただきたい。また、PSVR2ではコントローラーも専用の物となり、パンツに手を突っ込んでいるみたいな形の衝撃的デザインとなっている。
さて。私は、初代PSVRを、2016年の時点で購入した。しかし、残念ながら、ほぼ使わずにホコリを被ってしまっている。
…やれ、当時は、金銭面の余裕が非常に大きかったため、今となっても「損をした」とか「後悔している」という気持ちは無い。しかし、カメラも含めて5万円という高価格に相応しい価値を引き出せたかと言うと、間違いなくNOである。現在まで約5年が経っているが、恐らく合計の使用時間は5〜10時間の間であろう。もちろん、PS4自体の起動時間は、「モンスターハンターワールド&アイスボーン」などで、1000時間を軽く超えている状況で、だ。
――さて。私のPSVRの使い方としては、体感系の映像コンテンツは、購入直後に何個か見た。また、体験版系統のゲームも、いくつかプレイはした。だが、それ以外の、ゲームへの本格的な使用だと、「エースコンバット7」のVR対応3ミッションと、「バイオハザード7」の一部をやったにすぎない。関連ゲームの感想としては、【日記:2016/12/29】や【2017/1/13】【2019/1/19】【2020/9/12】あたりをご覧いただけると良いだろう。恐らく、私にとっては、「アイドルマスター・シンデレラガールズ」を知れたというのが、VRの一番の成果かもしれない…。
ということで。結論として、私にPSVRは全く馴染まなかった。そのため、PSVR2についても、現時点での購入予定は無いものである。
なお、通常のPS4は、電源とHDMIケーブルの2本(+コントローラーのUSB)で接続完了する |
ただ、それで終わってしまっては、ちょっと悲しいので、「具体的に何が良くなかったのか」を紹介してみようと思う。
…まず、私が初代PSVRで最も駄目だと思ったのは、解像度である。一応、スペック上では、1920×1080とFullHD相当であり、PS4世代の標準的な画素数を満たしている。ただ、実際にVRヘッドセットを被って画面を見ると、かなりボヤけた画面となってしまう。体感だが、PSPくらいの解像度が近いと言える。もちろん、最大限にピントを合わせた状態で、である。
――さて。これがゲーム性にどう影響するかというと、もはやゲームが成り立たなくなっているレベルの作品もある。例えば、「バイオハザード7」では、中盤に「火炎放射器を作って蜂の巣を燃やそう!」という場面がある。そのため、いつものように、部品を拾い集めて合体させるのだが、VRの解像度だと細かすぎて絵も字も読めず、何と何を組み合わせるのかサッパリである。もちろん、ゲームなので、それっぽいものを拾い集めて、適当に全部「組み合わせ」をやってみれば、そのうち正解となるであろう。だが、見えなければ面白いわけがない。元の3DがPS4レベルであったとしても、映し出す画面がボケボケであれば、どうにもならないのである。
また、初代PSVRは、配線の面倒くささもネックであった。
…まず、PSVRには、頭に被るヘッドセットが用意されている。まあ、これは良いであろう。しかし、ヘッドセットを管理する「プロセッサーユニット」という、ビデオテープを正方形にしたくらいの大きさの箱(以下「ユニット」)が存在する。そこに、「@PS4→ユニットのHDMIケーブル」「Aユニット→テレビのHDMIケーブル」「BユニットとPS4を繋ぐUSBケーブル」「Cユニット自体の電源ケーブル」と、4つもコードを接続しなければならない。そして、PS4にも、「DPlayStationカメラ」という、ほぼVRにしか使用用途の無い機械を繋ぎ、プレイヤーが視野に入るように設置しなければならない。以上、追加で必要な配線は5つである。繋いだままにしても、プレイのたびに接続するにしても、どちらの場合もかなりのゴチャゴチャ感が出てくるのだ。
――やれ。PS4では、スリープ機能の搭載により、いつでもゲームを始められ、すぐにやめられるようになった。だが、それですら、「起き上がってPSボタンを押すのがめんどくさい」という理由で、プレイを敬遠してしまうことがあるくらいだ。そこに、初代PSVRほどの準備に手間が掛かってしまうのでは、よほどの面白さが無い限り、食指が遠ざかっていくのは必然であったと言える。
まあ、VRによって“デレマス”を知れたことだけは良かった…のか!? |
ただ。上記のような問題点は、一応、「PSVR2」では改善の方向にあるようだ。
…まず、解像度については、画素数が縦横ともに2倍(合計4倍)となっている。初代VRがPSPクラス(480×272)の見た目だったとして、それが縦横ともに2倍となれば、Vitaクラス(960×544)に相当する。Vitaの画面は、現時点でもそこまで荒いとは感じない。これだけ解像度が違えば、あらゆるゲームが革命的に綺麗に見えるであろう。というか、最低でもこれくらいの画素数でないと、PS5の本体性能を使う意味が無いと思われる。
――また、配線についても、現在は「PS5との通信:USB
Type-C」という情報だけが公開されている。そのため、「PS5本体側に追加機器が必要なのか」「ヘッドセットは充電式なのか電源コード式なのか」などといった部分は、正確には分からない。ただし、今回は移動を追尾するカメラが全てVRヘッドセット側に搭載されるため、本体側のカメラは不要なことが確定となっている。また、接続についても、「ケーブル1本で“PS5に”接続する」と断言されており、厄介なプロセッサーユニットが無くなっている可能性がある。あれさえ無くなれば、HDMIケーブルは1本で良くなり、“非VRゲームを遊ぶ時”との配線の変更もしなくて良い(VRヘッドセットを繋ぐだけで準備完了)ため、大幅に利便性が上がるだろう。
ちなみに。私はあまり詳しくないのだが、現在ではPSVR以外にも、様々なVRゲーミング機器が存在する。例えば、「Oculus」という製品は、最近では「バイオハザード4」のVR版を発売したことで話題となった。このOculusは、PCに繋いで使用するほか、単体でもゲームをプレイ可能なことが特徴である。最近では、Xboxに匹敵するほどの台数(日本ではなく世界で)を売り上げているということであり、ゲームハードの新勢力と言って良いだろう。今回のPSVR2は、PS5世代に相応するVR機器というほか、VRゲーミング界においてOculusのような機器に対抗するという意味合いもあるはずだ。
…そして、Oculusの「Oculus Quest 2」(2020年10月発売)という機器と、PSVR2(2022年発売?)を比べた場合、私も細かいことは分からないのだが、どうもPSVR2のほうが性能が高くなっていると言えるようだ。また、「Oculus Quest
2」は、スタンドアロン型/PC接続の両方をサポートしているが、PSVR2ではPS5との接続を前提としており、本体の処理性能という面でも有利と言える。
――ただし。もちろん、Oculusにも独自の強みがある。まず、Oculusは、スタンドアロン型で使用ができるので、ケーブルは0本である。VRは体感型ゲームが多いため、1本か0本かの違いは大きい。また、PSVR2の値段を、初代PSVRと同じ5万円程度とすると、PS5+PSVR2で10万円が掛かってしまう。一方の「Oculus
Quest 2」は、だいたい3万5000円程度というところのようだ。また、Oculusは、有線・無線でのPC接続も可能であり、その場合は、ゲーミングPCの処理能力をVRで使用できる。そして、「Oculus
Quest 3」のような、更なる後継機が出てくる可能性もあるだろう。よって、PSVRもOculusも、その他の会社も、ボーッとしてはいられない。VR業界でも主導権争いが始まっているのだ。
そういうわけで。私は確かに、初代PSVRの性能には満足できなかった。ただ、VRという分野自体には、可能性があると思っている。そのため、即座にPSVR2を買うことは無いにしても、今後も情報を追っていきたい。まあ、とりあえず、まずはPS5を入手するところからですかね…。
ちなみに。完全なる余談である。私は、以前から述べているように、ソニーには「PS5に対応し、リモートプレイや過去PSハードのゲームを遊べる、Vita風の周辺機器」を出してほしいと思っていた。VR機器を作れる技術があれば、Vitaの処理能力および画面画素数を遥かに上回り、かつ持ちやすさに優れた携帯型のゲーム機器など、楽勝で作れるはずだ。
――ただ、前述の通り、VRゲーミングは“新興ゲームハード”と言えるくらいの規模に成長してきている。そのため、ソニーとしてはそちらで勝負を仕掛けたほうが良いという判断なのであろう。“携帯ゲーム専用機”の分野は、もうソニーにとっては魅力ある市場になっていない(できない)ようだ。自分で書いておいて悲しいが、やはり周辺機器枠という荒業を使っても、Vitaの精神的後継機などは望めなさそうな感じである。残念…。
(2022年1月5日)
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