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管理人の日記
※この日記には「バイオ」という言葉が21回含まれています
カプコン×スクウェアのコラボゲームかな? |
前作である「パラサイト・イヴ」に引き続き、今回は「パラサイト・イヴ2」(PS/1999年)をゲームアーカイブスでクリアーしました。良くも悪くも「スクウェアのバイオハザード」ですが、独自の魅力も存在する、隠れた名作と言えます。
…さて、前作は、同名小説を原作としたアクションRPGであり、当時最高級のグラフィックに、スクウェアらしい物語演出とバトルシステム、そして「ミトコンドリアの暴走」といった生物ホラー要素に、セクシーな女主人公と女ライバルが織りなす、独特な雰囲気が魅力であった。一方で、走るのの遅さ、周回要素があるのにイベントが飛ばせない、即死イベントなどなど、悪い意味でネタにされる要素が多く、クソゲーとして扱われることもある。
――そして。私が、昨年末にプレイをした理由は、2周目以降に挑戦可能な裏ダンジョンの「クライスラービル」を攻略するためであった。かつて、小学生時代に挑んだ際は、最上階の77階に対し、10〜20階と下層階で挫折し、悔しい思いをしていた。そのため、今回こそはクリアしてやろうと、思いっきり準備をしていった結果、逆に簡単すぎたのであるが、何はともあれ、本編とは異なる真のエンディングを見ることができ、大満足でプレイを終えた。その辺りの経緯は、昨年末の感想記事をご覧いただけると良いだろう(【日記:2021/12/13】)。
そして。せっかくだからということで、『1』に引き続き、続編の「パラサイト・イヴ2」もやろうと思い、ゲームアーカイブスで購入をしたのである。
…なお、このゲームについても、私は大昔にプレイしたことがある。その際は、シナリオは全飛ばしで見ていなかったのだが、バトルについては、とりあえずデッドリーモード(早くても4周目にしか挑戦できない最高難易度モード)までクリアーをしたはずだ。一応、極めておぼろげながらも、“真エンディングのラスト演出”が記憶の奥底に存在するため、難しいほうの分岐ルートについても、ちゃんと回収をしたのだと思う。
え、セクシーな女ライバルは…?
歌は…? |
そうしてプレイをしてみたところ、これはもう、まさしくスクウェアのバイオとしか言いようの無いゲームであった。
…まず、このゲームのキャラクター操作は、いわゆる“ラジコン操作”と呼ばれるものである。十字キーの左右でキャラクターを回転させ、上を押すとキャラクターが向いている方向に前進、下を押すと後退する。まあ、開祖は違うのかもしれないが、この操作を有名にしたのは、間違いなく初代PS時代のバイオハザードであり、この操作を採用するだけでバイオっぽい感じになってしまう。
――そして。このゲームの戦闘システムは、「移動して攻撃を避け、銃を使って敵を倒す」というものであり、これまたバイオハザードである。まあ、ロックオンが□ボタンで、銃撃がR1となっており、若干の感覚の違いはある。が、少なくとも一見では、それくらいしか違いが無いのである。
では。操作性と戦闘システムがバイオハザードでも、それ以外の面は…と言いたいところであるが、その他の部分までバイオ化しているのだ。
…まず、前述の通り、前作は「生物学的なホラー」や「ニューヨークのマンハッタンが舞台」「セクシーな女主人公」など、独自性の強いストーリーが魅力だった。しかし、『2』と前作との繋がりは、女主人公に「アヤ」という名前が付いているくらいで、ほぼ無関係と言って良い。また、内容についても、「ウイルスによって新世界を作ろうとする敵組織の計画を、主人公が阻止する」というものであり、まあバイオハザードである。本作に出てくる「ミトコンドリア」という用語を、機械的に「M-ウイルス」と置き換えたとしても、ほとんど違和感なく成り立ってしまうだろう。前作のシナリオは、完成度が非常に高く、女主人公を採用したことにも物語上の意味があった。しかし、今作のセクシーは、ただ途中で全裸でシャワーを浴びるだけである。
――また、前作『1』の評価点として、音楽があった。オペラをモチーフとしたBGMは、物語とバトルを大きく盛り上げてくれるものであり、単体を取り出して聞きたくなるようなトラックも多かった。しかし、『2』は、良くも悪くも環境音楽的な面が強くなり、心に残る楽曲は無かった。一応、作っている人は、FF13-2の作曲者の1人にも入っている「水田直志」氏であり、腕が悪いというわけではないため、“意図的に音楽を後ろに下げた”のであろう。まあ、近年の海外ゲームなどでは、BGM演出が控えめとなっている作品が多いため、「パラサイト・イヴ2」も先進的であったと言えなくもない。だが、BGMは前作の大きな評価点であったため、それが無くなってしまったのは、純粋に残念である。
ということで。独自色の強かった「パラサイト・イヴ」に比べ、「パラサイト・イヴ2」はスクウェアのバイオハザードと言わざるを得ない。
――もちろん、初代PSの性能では、「フィールドをフル3Dで描写し、銃口を操作して敵を撃つTPS/FPSスタイル」というのは難しかったであろう。だが、「ラジコン操作」「固定カメラ式」「ロックオンして銃撃」というシステムに加え、「生物災害をテーマとした物語」まで似せてしまえば、どう頑張ってもバイオハザードになってしまう。もし、シリーズ第1作でこれが出てきたのなら、「ああ、“バイオハザードっぽいの”が作りたかったんだな」と理解できる。だが、これは「パラサイト・イヴ1」の続編なのだ…。
例えばこの魚っぽい方々は、長期戦になりやすいが、燃やせば瞬殺可能 |
さて。そんな「パラサイト・イヴ2」は、単なるバイオハザードのクローンゲームであり、陳腐な作品なのかと言うと…そんなことは決して無いのだ。私は、大満足で2周目までプレイし、その2周目は撃破率100%かつ真エンドまで見るほどに、しっかりやり込んでいった。
では、このゲームの最大の魅力は何かと言うと、バトルシステムである。少し見ただけだと、確かに「バイオハザード」のパチモンであるが、その内面は、バトルゲームとしての深みが増しており、積極的に楽しめる戦闘となっている。
…まず、本作では、弾薬の無限補給ポイントがあるため、無理に弾薬を節約する必要は無い。さらに、敵を倒すと「BP」という通貨がもらえ、それを使って武器や弾薬を購入できる。敵からは逃げることも可能だが、そうするとBPが溜まらず、ジリ貧となりやすい。一方で、敵を倒していくと、倒すのに必要なコストよりも多くの利益が得られ、リッチなゲームができる。よって、敵を能動的に倒していくことが推奨されるゲームシステムとなっている。同時期の「バイオハザード」は、生き残ることが主眼であり、逃走も選択肢に入るというバランスであった。
――また。このゲームでは魔法を使うことができ、「MP(ミトコンドリアポイント)」という衝撃的な名称のコストを消費して使用する。その効果は、ダメージ・回復・弱体化・強化など様々であるが、武器や防具の性能を補完するようなものが多く、銃撃・魔法のどちらにも偏りすぎることが無い。また、戦闘終了時に、一定量のMPが回復し、最大値を超えると無駄になってしまうので、「余らせないで、どんどん魔法を使っていこう」というゲーム性になっている。そして、使用方法も、△ボタンで小さなメニューを開き、そこから選択をするという簡素なものであるため、没入感を阻害しづらい。また、弾薬の無限補充ポイントはあるが、MPの無限補給ポイントは無いというのも、ゲーム性がハッキリしていると言える。
そして。敵は弱点が明確である。例えば、「閃光系の攻撃を受けると即死する」「クリティカル耐性が低く、ハンドガンによる銃撃が効く」「炎に弱い」「毒属性の魔法で特大ダメージを受ける」「転倒中は2倍ダメージ」などである。これらの弱点を突くことで、ただ戦うだけでは消耗戦となるような相手であっても、一方的に倒すことが可能となり、工夫のしがいがあるゲームバランスと言える。そして、敵の攻撃モーションについても、基本はパターンゲーとしながらも、そう簡単に全てを避け続けられるわけではない…という、ちょうど良い感じの調整になっている。
更に。このゲームの大きなやり込み要素と言えるのが、周回による高難易度モードである。
…具体的には、このゲームでは、前作の「クライスラービル」のような隠しダンジョンこそ無いものの、通常プレイを1周クリアすると、「@リプレイモード」「Aバウンティモード」「Bサポートレスモード」「Cデッドリーモード」と、4つのゲームモードが順次解禁される。「@リプレイモード」は、難易度が下がったうえに、特典アイテムをガンガン使える無双モードであるが、ABCは高難易度モードである。2周目で必ず解禁されるAバウンティモードの時点で、「終盤の敵である『ゴーレム』が序盤から出現する」「敵の攻撃力が2倍」「こちらの攻撃力が0.75倍」と、とんでもない難しさになっている。
――では、それで無理ゲーと化しているかというと、決してそんなことは無い。前述の通り、このゲームでは、敵に対して様々な作戦を取ることができ、それらを使うことにより、敵強化&自分弱体化の状態でも、五分の状態で戦っていける。また、「ゴーレム」は強力な装備を落とすため、ハイリスク・ハイリターンの緊張感ある戦いが可能である。私も、2周目として「バウンティモード」をプレイしたのだが、序盤こそメチャクチャな高難易度であったものの、中盤以降は強力なドロップアイテムを使って、狩りに出るかのような気分で戦うことができた。これらの高難易度モードは、決して単純な死にゲー化というわけではなく、むしろこのゲームの楽しみ方を理解し尽くしているからこその良設定となっている。
さて。今回、私が楽しんで遊べた理由は、【こちらの攻略サイト様】に出会えたからというのも大きい。
…やれ、私は、1周目のノーマルの時点では、特に目標なくプレイをしており、「喰らう→回復する」を繰り返しているだけでほとんどの敵を倒せたため、「劣化バイオハザードかな…」というくらいの感想に終わっていたのだが、2周目のバウンティモードには“ゴーレムが出る”という変化があるため、せっかくだから遊んでみることにした。そして、2周目で全てを網羅しようと、上記の攻略サイト様を参考に、撃破率100%を目指していったのである。
――すると、どうか。出るわ出るわ、ダラダラ遊んでいただけでは気付けない、攻略要素の数々が…。高難易度モードでは、強力モンスター出現・被ダメージ2倍・与ダメージ0.75倍と難しくなっているからこそ、効率的に戦力を強化して、敵の攻撃を回避し、そして弱点を突くといった戦略が重要になってくる。そういった要素が、攻略サイト様には様々に書かれており、目からウロコであった。なるほど、これくらい対策が用意してあるのなら、これだけの強気な難易度設定とするのも納得だ。そして、対策を取るとバウンティでも足りない感が出てくるので、そういう人のために、更なる高難易度の「サポートレスモード」「デッドリーモード」が用意されている。やれ、「バイオハザード」には、今風に言うと“1・完全版”の『ディレクターズカット』に、「アレンジモード」という高難易度モードが追加されていたが、「パラサイト・イヴ2」には、最初からそれが入っているのである。しかも、3つもだ。
唐突に登場する南米要素(※超高難易度、しかも解かなければクリア不可) |
そういうわけで。「パラサイト・イヴ2」は、確かにバイオハザード風のゲームであるが、単純なコピーゲーというわけではなく、独自色が加わり、別の楽しみ方が可能な作品となっている。また、前作の「パラサイト・イヴ」とも大きく異なっているが、これまたどちらが良い悪いではなく、好みの問題、つまりどちらも特徴的なゲームになっていると言えるだろう。
…やれ、バイオハザードは、初代PSで『3』まで出したあと、しばらく方向性を定めるのに苦戦し、『4』でシューティングスタイルのゲームにフルモデルチェンジをして、人気を博した。そして、この「パラサイト・イヴ2」では、一足先にバトルゲームとしてのブラッシュアップが為されており、「バイオハザード3.5」とでも呼ぶべきゲームスタイルとなっている。例えば、敵を倒すとメリットを得られるゲーム性や、武器が単純な上位下位で決め付けられないところは、バイオハザード4よりも先行している。
――そして。私としては、2周目のバウンティモードを終え、更なる高難易度の「サポートレスモード」や「デッドリーモード」に挑んでいっても良かったのだが、2周目を攻略サイト様を見てガッツリやりすぎてしまい、かなりの満足感を得てしまった。また、バウンティモードは強敵の出現やドロップアイテムなどのアッパー調整があったものの、上記2モードは「死にゲー」「縛りプレイ」といった要素が強くなる。まあ、他にもやりたいゲームは山ほどあるので、これくらいで良いだろう…ということで、2周だけでやめることにしたのだ。なお、IGT、つまりゲーム内の表示時間は6時間+7時間であるが、このゲームはどうもロード時間やイベント中をプレイ時間として計測していないようだ。そのため、実際のプレイ時間は20時間程度と思われる。
さて。私が思うこのゲームの本質は、高難易度モードの攻略にこそあると思う。前述の通り、バウンティモードは、額面通り受け取ると、死にゲー級の高難易度であり、実際に序盤は「うわっ、ゴーレムだ!
ヤバい!」とビクビクしながらゲームを進めていった。しかし、装備と戦法が充実していくと、次第に「おっ、ゴーレムだ!
倒すぞ!!」と前のめりに攻略していける。その転換点にこそ、このゲームの面白さがあると考えるのだ。そして、バウンティモードですら足りないという人のために、更なる高難易度モードが2つも用意されている。やりごたえはバッチリである。
…ということで。このゲームは、旧スクウェアとしても、前作「パラサイト・イヴ」の続編としても、かなり異色と言ってよいが、これはこれで奥深く出来ている。また、内容としても、1周目の通常難易度では凡庸な作品だが、2周目以降の高難易度では本質が見えてくる。名実ともに、初代PSの隠れた良作と呼ぶのが相応しいであろう。
――さて。プレイ手段として、中古ディスクについては、『1』と比較した場合、全く見かけないのだが、ゲームアーカイブス版については今もダウンロード可能である(税込628円)。そのため、Vitaがまだ現役という人には、オススメの一作である。ちなみに、バトルではR2ボタンを“サブ武器の使用ボタン”として使うが、Vitaの背面タッチは誰得機能であるため、L1に操作を割り当てると良い。それ以外の操作性には、全く問題が無い。
おかしい…画像2枚くらいで書ける記事のつもりだったのだが |
ちなみに。余談@である。パラサイト・イヴ2には、終盤に訪れる研究所(っぽい施設)の奥に、「シャンバラ」という悪の要塞が用意されている。
…そして、当サイトのトップページのcgiも「Shambhala」という名称だが、これはパラサイト・イヴ2のシャンバラから取っている。なんとなく、「Trishula」から引き続き、インド神話っぽい名前を探していて、この「シャンバラ」を思い出したのだ。元ネタは、チベットの奥地に存在する理想郷で、地下に存在するとされることもあるそうだ。Welcome
to Undergroundならぬ、Welcome to Shambhala!
続いて、余談Aだ。今回、主たるプレイは、PSvitaで行い、日記作成用の素材をキャプチャーする時だけ、VitaTVをPS3コントローラーで操作していった。もちろん、VitaとPS3コントローラーでは、後者のほうが操作性が良い…ということはなく、このゲームについては、Vitaのほうがやりやすかった。
…その理由としては、PS3では“十字キー”が「ハットスイッチ」になっており、分離しているため、斜め入力や同時押しが行いづらい。しかし、Vitaは“十字キー”がちゃんと「十字キー」になっており、回転操作などが大変やりやすい。私は、据え置きと携帯機では、必ず据え置きのほうが操作性が上だと思っていたので、これは意外であった。恐らく、主なゲームを想定し、ハットスイッチにするか十字キーにするかを決めていたのだろう。
――なお、私は、任天堂が特許を取っているから「十字キー」にできないのかと思っていたこともあったが、それは特に関係なかったようだ。ちなみに、ニンテンドースイッチの“十字キー”はハットですらないスイッチになっている。まあ、あれは分離して2個ぶんのコントローラーとしても使えるということなので、特殊な形にはできないであろう。十字キーを見るだけでも、様々な設計思想が分かってくる。
最後に、余談Bである。前作の「パラサイト・イヴ」、今回の「パラサイト・イヴ2」、そして続編と言える「ザ・サード
バースデイ」を、私は全てダウンロード版で新規購入したわけであるが、このDL販売は、実は去年で終了する予定となっていた(【日記:2021/3/30】【2021/3/31】)。一応、それは撤回されたのだが、もし終了していたら、今回の私がこれら3作品を遊ぶことはできなかったということになる。
――しかしながら、この処置も永久に続くと明言されたわけではないため、今後いつ終了するか分からないという不安がある。だから、前に“スパルタクス”とか言って噂が為されていた(【日記:2021/12/4】)が、「現行機ソニー据え置き機のゲームアーカイブス対応」は、私としては前提だと思う。できれば、Vitaみたいな形と大きさの、リモプ&アーカイブス用の“周辺機器”が出てほしい。あの大きさと形が、私にとってはちょうどいいんだよなあ…。
(2022年1月2日)
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