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PS/「パラサイト・イヴ」…クライスラービルを初めてクリア! / やり込みinFF

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管理人の日記
実に20年ぶりの達成となりました

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2021年12月13日(月)
PS/「パラサイト・イヴ」…クライスラービルを初めてクリア!


 
許さないよ


 本日は、1998年に旧スクウェアから発売された、初代PS用ゲームの「パラサイト・イヴ」について語ってみよう。
 …さて、この作品は、FFで言うと『7』と『8』の間に登場したゲームである。公式ジャンルは「シネマティックRPG」だが、まあ要するに
アクションRPGであり、キャラクターを移動させて敵の攻撃を回避しつつ、ATBゲージを溜め、銃や魔法(“パラサイト・エナジー”)で戦闘を進めていく。どちらかと言えば、育成やコマンドといったRPG要素が強めであり、アクション部分はそこそこという感じだ。主要スタッフには、プロデューサーの坂口博信、ディレクターの時田貴司、キャラクターデザインの野村哲也、音楽の下村陽子など、今も名前を聞くような面々が揃っており、スクウェアらしい作品になっている。
 ――そして、ストーリーについては、同名のSF小説:「パラサイト・イヴ」を土台としている。生物の細胞には、エネルギーを作り出す「ミトコンドリア」という小器官が存在するが、これは元々、細胞とは別に生きていた生命体が共生をするようになったのだという。そのミトコンドリアが、現在の生物たちに反乱を起こしたら…という背景のもと、全6章
(6日)のシナリオが用意されている。当時の最高峰のグラフィックで、「生物ホラー要素」「舞台が実在のニューヨーク・マンハッタン」「セクシーな女主人公と女ライバル」「歌の演出を取り入れたBGM」といった要素が展開され、その独自色は非常に強い。

 とまあ、これだけ羅列すると、もう「あの時代の名作」と呼んでも過言ではないようなゲームのような気もする。だが、この作品には、
残念な点が非常に多いのだ。せいぜい、佳作という程度であり、人によってはネタ的な意を込めてクソゲーと呼ばれることもある。
 …まず、誰もが挙げるのが、
走るのの遅さである。このゲームでは、“平面のマップの上を3Dのキャラが移動する”という、FF7〜9と同等の表現が採用されている。だが、そのダッシュの移動速度が、とにかくベルトコンベアーを逆走しているのかのような驚異的な遅さであり、広めのマップを移動する際にはかなりのストレスが溜まる。まあ、バトルにおいては、攻撃の回避などに関わってくるので、これくらいの遅さでも仕方ないのかもしれない。しかし、ただのマップ移動までここまで遅いのは、どうかしているのだ。スーパーモンキー大冒険じゃあるまいし…。
 ――ちなみに、本作では、イベントシーンで他の人間キャラが走ることもある。だが、その際も、足が空回りしているかのようなスピードにしかならない。
多分、あの世界の人間は、あれが全力なのだと思われる。犬は割と普通の速度で走ってるんだけどねえ…。

 また、
即死イベントの多さもネタ扱いされている。と言っても、実際にそれが存在するのは、「4章の最後」「6章のラスボス撃破後」の2つしかなく、全編が即死QTEだらけという雰囲気ではない。だが、その2ヶ所のどちらもが、伝説のシーンと化しているのだ。
 …そして、私は、
小学生当時の初回プレイで、後者の“ラスボス撃破後の即死”に引っかかってしまった。やれ、その内容としては、「ラスボスが復活したので、走って逃げる。もし、ラスボスのシンボルに接触してしまうと、強制ゲームオーバーになる」という単純なものなのだが、とにかく殺意が激しすぎる。逃走ルートは初見のマップであるうえ、セーブポイントの電話を調べると即死、分かれ道で行き止まりを選んでしまうと終了、ドラマチックな構図でマップが切り替わるためスティックを倒したままだと前のエリアに戻ってしまって死亡、更に完全な最短ルートを移動したとしても“ある仕掛け”を動作させていなければラスボスが急加速して強制終了などなど…。私は、この最後の謎が解けず、何度も全4形態のラスボス戦を繰り返すハメになったのだ。
 ――まあ、今になってプレイしてみると、逃走を開始する場面で、主人公が「エンジンルーム…!」と喋っており、
そこに何かが存在するということが分かる。また、失敗が確定した際には、カメラが動いて、赤いライトが点滅する装置が写されるため、明らかにここが重要であると指し示されている。しかし、悲しいかな、小学生だった私に、そのようなゲームのお約束が分かるわけがなく、それどころか「このパイプは障害物だから、下を通ることはできないだろう!」と、ピュアを通り越してアホな発想をしていたため、原因も分からないまま、何度もラスボスに追い付かれてゲームオーバーとなっていた。

人間だもの あや


 その他の点としても、この2021年に改めてプレイをしてみたところ、
出るわ出るわツッコミどころが…。
 …まず、本作は、ちょうど初代PSのアナログコントローラーが登場した頃くらいのゲームであり、3Dスティックによる滑らかな移動に対応している
(FFは7の時点では非対応)。だが、何故かメニュー画面もスティックでしか操作ができない。あの手の操作は、3Dスティックではなく、十字キー(ハットスイッチ)のほうが行いやすいというのは、皆さま周知の事実である。しかし、このゲームは、まだそのような“常識”が出来上がる前の作品だったのであろう。本作は、拠点でのアイテム整理が頻繁に必要となり、アビリティの付け替えといった細かい育成要素もあるため、メニュー画面の操作が行いづらいのは大きなストレス要素である。どうしても大量の操作が必要となる場合は、Vita/PS3のメニューからアナログモードを切り、十字キーで操作を行えるようにしていた。そうか、PS1〜PS2の時は、今で言うPSボタンの位置に「アナログモードのON/OFFスイッチ」があったから、それで操作を切り替えていたのか…。
 ――また、
このゲームのイベントは、いっさい飛ばせないというのも痛い。最初のほうで書いた通り、本作のシナリオそれ自体は、内容・演出ともに高品質で、見ごたえがある。しかし、このゲームは周回での育成要素があるうえ、1周クリアに10時間も掛からない(私の1周目が6時間30分ほど)。そのため、移動と会話を繰り返すだけのシーンや、長いイベントを何度も見せられることになる。いくら質が良くても、短期間に繰り返すと猛烈にダレるのだ。
 まあ、本作の犠牲があったからこそ、続編の「パラサイト・イヴ2」では、イベントシーンが飛ばせるようになったし、
FF8のジャンクションがアナログスティックでしか操作できないなんて事態も、未然に防げたのかもしれない…。

 というわけで。この「パラサイト・イヴ」は、
ツッコミどころ満載のゲームという感じであり、今となっては、当時を懐かしむという以外に、取り立ててプレイする理由は無いようにも思われる。
 …とはいえ、「スクウェアバブル」とも言われていた時期の作品であり、日本ゲーム全盛期の一角に発売されたヒットタイトルということで、一定のクオリティは保っている。また、ツッコミどころがネタにされやすいものの、間違ってもクソゲーというわけではない。現在では、中古ディスクは
100円と言った激安で販売されていることもあり、ゲームアーカイブスでも628円で配信されているため、値段分は楽しめるゲームである。
 ――そして、FFとの関連としては、この『1』の時点では、直接の要素は入っていないものの、
同じ時代に発売されたスクウェアのRPGということで、似ている部分はある。例えば、オペラを題材としたシナリオ演出やバトルBGMは、スーファミのFF6でやりきれなかったことを、PSの性能で再挑戦したと捉えられる。また、高品質なムービーによる演出は、後のFFシリーズにも繋がるところが存在すると言えるだろう。

ちなみに防具のほうの名前は「アルバトリオ」になりました…


 しかし。今回の私が「パラサイト・イヴ」に再挑戦した理由は、別のところに存在する。それは、
裏ダンジョン「クライスラービル」の攻略である。
 …さて、本作の周回プレイにおける目玉要素として、2周目以降では、「クライスラー・ビルディング」の探索を行える。ニューヨークに実在する同名のビルをモチーフとした
全77階の広大なダンジョンであり、内部はランダムマップのような構造になっているほか、上層には本編ラスボスを遥かに凌ぐような強敵たちが待ち構えている。それだけに、内部はレアアイテムの宝庫となっており、キャラクターの大幅な強化が可能である。そして、最上階の77階には、ストーリーの根幹に関わる裏ボスが待ち構えており、それを倒すことで、本編の結末とは異なる、真のエンディングを見ることができる。
 ――と。こんな感じに書くと、非常に楽しそうな雰囲気であるが、実際には似たような風景を
激遅ダッシュで延々と探索していくことになるうえ、音楽もワンパターンであるため、猛烈にダレる。しかも、敵の強さがおかしく、中盤くらいまでは2周目シナリオの強さで難なく倒せる相手がほとんどであるものの、唐突に登場する宝箱モンスターによって容赦なく瞬殺される。一応、このダンジョンは10階単位で一区切りとなっており、そこで戻ってセーブが行えるものの、攻略情報を把握して効率良くプレイしても1時間弱が掛かるため、自力だと軽く数時間が必要だろう。そんな時に、神竜のタイダルウエイブがごとくトラップで殺されてしまっては、もう意欲が全て尽きてしまうのだ。
 そういうわけで、小学生時代の私は、たぶん11〜20階の間で
宝箱モンスターに殺害され、クライスラービルの踏破を諦めてしまっていた。ここを攻略するためには、ゲーム的な難易度以上に、かなり強力なプレイ意欲が必要となるだろう。恐らく、そこが最も難しいかもしれない…。

 だが、そうやって諦めたままというのは、気分が良くない。そういうわけで、私はこの「パラサイト・イヴ」のことを思い出した際に、
今回こそクライスラービルを踏破してやろうと思い、新たにアーカイブス版を購入して、ゲームを始めていったのである。そして、一度は失敗した要素なので、今度は完全に攻略情報で武装をしていくことにしたのだ。
 …具体的に、まず育成面としては、稼ぎプレイでガラクタを300個集め、最強とされる
マシンガンを手に入れる。本作では、使いやすいのはピストルなのだが、強化をしていくとマシンガンが最強という扱いになるようだ。全く知らなかった…。そのマシンガンに、「ダブルコマンド」「先制」「バースト(範囲攻撃)」「トランキル(睡眠)など、攻略サイトでお勧めされている強力アビリティを付けまくる。一方、防具については、クライスラービルの内部までは良い物が手に入らないため、適当に強化アイテムをつぎ込んだものを装備していった。
 ――また、挑戦タイミングとしては、
本編シナリオを5日目のラスト直前まで進めた時点とする。これにより、主人公のレベルがゲームクリア可能な程度にまで上がっているとともに、様々な装備・強化アイテムも、ほぼゲーム2周分が手に入る。特に、5日目で手に入るショットガンの「バースト」は、緩い条件で範囲攻撃が行えるようになり、“存在しないバトルは考えられない”というくらいの活躍をしてくれた。入手場所が微妙に難しくなっており、攻略情報なしの1周目では取り逃していたのだ。
 そして。クライスラービルのマップについても、ランダムマップとされているが、完全な自動生成ではなく、実際には
100種類ほどの中から選ばれるという仕組みになっている。よって、【攻略サイト様】をフルに参考にし、マップを判明させたうえでサクサクと進めていくことにした。一応、最初は自力で進めようとも考えたのだが、マップにループ構造が存在していることが分かった時点で諦めることにした。

 すると、どうなったか。まず、下のほうのフロアでは、雑魚戦は先制攻撃を仕掛けて「ダブルコマンド」による2連撃で瞬殺、ボスもまだまだ弱いので瞬殺可能である。ついでに、あの小学生時代の私を挫折させた憎き宝箱モンスターも
瞬殺である。ここまでは予想通りだ。
 …しかし。その後に中層から上層へと登っていっても、キャラを強化しすぎたためか、引き続きほとんど一瞬で倒せてしまう。道中、強烈な50階台と60階台のザコ戦でも、せいぜい100ちょっとくらいしかダメージを受けず、開幕の範囲攻撃でほぼ壊滅できてしまう。そして、50階ボスの
ゴキくんと70階のは、今作でも最凶最悪の敵と聞いていたので、かなり警戒して挑んでいったのだが、どちらも特に苦戦せず、ゴキくんはボタン連打で2匹目が成虫になる前に駆除ができ、道中最後のボスである蜂も余っていた蘇生薬を少し減らした程度で倒せてしまった。あれ、おかしいな…?
 ――そして。最上階で待ち構えていた裏ボスにおいても、防御の要となる「蘇生薬」
24個も持ち込めた。しかも、火力面についても、「トリプルコマンド」で3連打となったマシンガンにより、相手の回復能力を遥かに上回るダメージを与えられる。そんなわけで、特に問題なく、適当に流しているだけで撃破ができてしまった。ごめん、さすがにちょっとやりすぎた…。

動画サイトではなく、自分の手で結末を見られて、良かったと思う


 というわけで。今回は、攻略情報を集めたうえで、準備も行いすぎたため、バトル面での難易度は拍子抜けとなってしまった。
 …ただ、
やりがいのほうはしっかり味わえたと思う。前述の通り、1セットである10階層を突破するのに1時間くらいは掛かるため、クライスラービルだけでもプレイ時間は7時間ほどに達し、その過程での装備強化も楽しめた。また、裏ボスの撃破により、物語の真の結末も見ることができた。ネタにされることが多いものの、本作のシナリオは大変ドラマチックであり、本編エンドから繋がる真のエンディングを見られた点は実に良かったと思う。
 ――そして、最終的に、
小学生時代には諦めていたクライスラービルの攻略を、ついに成し遂げることができ、多大な達成感を得られた。このような感情は、動画サイトで結末だけを見ても、決して味わえないだろう。例えるとすれば、登山のようなものかもしれない。確かに、山頂にヘリコプターで降りても同じ景色は見られるが、やはり自分の足で登っていってこそ、達成感が得られるというものだ。なぜ登るのか。そこにクライスラービルがあるからだ。

 そういうわけで。今回の「パラサイト・イヴ」のプレイ時間は、1周目クリアと、2周目の本編ラスダン+クライスラービルで、
合計20時間である。単純な数値としてはそれなりだが、最後のクライスラー登山が独特な空気を放っており、奇妙な達成感を得ることができた。
 …ちなみに。パラサイト・イヴには、続編となるタイトルが存在する。初代PSの「パラサイト・イヴ2」
(1999)と、PSPでの「ザ・サードバースデイ」(2010)が、それである。『2』は、初代PSの時に遊んでいるが、もうかなり昔のことだ。そして、PSPの『ザ・サードバースデイ』のほうは、完全に未プレイである。どちらも、VitaのDLなら手軽に遊ぶことができる。よし、この機会にやってみることにしよう!

(2021年12月13日)

登録タグ/ ゲーム一般
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