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管理人の日記
疲 労

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DL6号案件でないことは良かった |
■大逆転裁判1-5「語られない物語の冒險」について
□事件の大まかな流れ
深夜1時ごろ、以下の3つの事件が、当事者を変えながら、連続で発生した。
なお、時代設定の都合上、線状痕・指紋・硝煙反応・現代レベルの血液検査などは使用できない。
@「質屋の店主」と「スリの少女」の事件
スリの少女が、とある事実(ホームズの原稿)のことを調べるために、夜の質屋に忍び込む。
その際、質屋の店主と出くわしたため、その場にあった「質屋の拳銃」を奪って脅し、奥の倉庫へ案内させた。
A「強盗3人組」の事件
全く別件として、強盗3人組(主犯の通信士+チンピラ2名)が、機密情報が入った「オルゴールの奪取」を目的とし、質屋に侵入する。
質屋の店主は、スリの少女を倉庫に残し、「質屋の拳銃」を持って店に出て、強盗たちともみ合いになる。
店主は、銃を射撃し、それが通信士の腕に当たる。
店主は、倉庫側に逃げていったが、通信士が「通信士の拳銃」を使って、逃げ込んだ店主を後ろから射殺する。
中に隠れていた少女は、更なる襲撃を恐れ、店主の死体から銃を取り、鍵を閉めて倉庫に立てこもるが、やがて店主が死んだことが恐ろしくなり、気を失う。
B龍ノ介たちの到着
直後に、スリの少女を探して、龍ノ介たち(龍ノ介、寿沙都、ホームズ)が到着する。
それに驚いたチンピラ2名が、「チンピラの拳銃」でホームズに射撃し、命中する。
龍ノ介は逃げたチンピラを追うが、取り逃がしてしまう。
(※ここで寿沙都が問題の行動を行う)
その後、龍ノ介が戻り、「のぞき窓」から倉庫の中を見ると、「店主の死体と、銃を持って倒れたスリの少女」という、密室殺人の現場を発見する。
※「機密情報が入ったオルゴール」について
2枚組でのみ再生できる、特殊なオルゴールに記録されている。
第3話の真犯人でもある「悪の資産家」と、今回の犯人である「通信士」が結託し、情報を盗み出した。
オルゴールは、この質屋に預けられており、名前を書かなくとも交換できる特性で、取引場として使われていた。
しかし、資産家が3話の事件の後に死んでしまった(本当は通信士が殺した)ため、所有権がうやむやとなってしまった。
通信士がチンピラを雇って強盗に入ったのは、このオルゴールと2枚の円盤を奪取するためである。
また、警察は、このオルゴールを、事件自体を公にせず回収することを狙っている。
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右下のランプだろ…常識的に考えて |
□それっておかしくないかな?
リスト@:事件現場編
・事件の夜、主犯である通信士が目撃されていないのはおかしい。本来なら、チンピラ2名と同時に、龍ノ介たちと遭遇しているはず。
「人を撃って怖くなった通信士が逃げる」→「チンピラたちが呆気に取られる」→「そこに龍ノ介たちが到着」としか思えないが、どれだけポカーンとしていたのだろうか。
なお、チンピラたちが通信士のことを証言しなかったのは、口止めされていたからであり、不自然ではない。
・通信士は、「店主に撃たれて、反射的に撃ち返してしまった。殺す気はなかった」と、現実の犯罪者のような情けない言い訳をして、それが認められてしまうが、非常におかしい!
入口近くのカレンダーに、血痕が残っていたことから、通信士は入口近くで撃たれたと思われる。
もし、“その場に倒れたあと、撃ち返した”という場合、レジの机が邪魔になって当たらない。または、机の周りに、穴・弾丸・血痕などの痕跡が残る。
倉庫への扉は曲がった方向にあるため、“倉庫に逃げようとした被害者を背後から撃つ”のも不可能である。
しかも、店主は、下から上のほうに撃ち抜かれているという。通信士は高身長のため、そちらについても不自然である。
これらについて、納得の行く答えは、「店主を倉庫へと追い詰め、そして転倒したところを射撃した」であり、明確な殺意があったと考えられる。
・「機密情報が収録されたオルゴール」について、犯人の行動が、極めてずさんである。
@まず犯人は、事件が起こる前(前日昼)に、普通に店へと来ている。この時、既にオルゴールは店に並んでいる。グラフィックミスというわけではなく、作中でも存在する。
オルゴールは犯人が用意した物であり、見た目を知らないというのは有り得ない。
この時点で、普通にオルゴールを購入していれば、事件は発生しなかった。
A昼の時点で、「スリの少女とトラブルを起こし、購入ができなかった」または「オルゴールを見つけられなかった」としよう。
しかし、夜の侵入時点では、オルゴールを確認し、そして手に取っていることが明らかとなっている。
「このオルゴールを置いて逃走する」のは、犯人の行動として一貫性がなく、何がやりたかったのか分からない。
なお、オルゴールは、世界に1台の特注品であるため、機密漏洩の発覚を避けたい犯人としては、処分か、少なくとも回収はしたかったはずだ。
・「寿沙都が現場に行った工作」についての時系列が矛盾している。
「アイリスの発明した『猫のために扉に穴を開ける機械』を使って、倉庫への“のぞき窓”を作った。理由は、『真犯人の嘘の目撃証言』を誘発するためである」とのことだが…。
○穴を開けたから、中の状況が密室殺人的なことが分かった。よって、「嘘の目撃証言を誘発するために穴を開けた」では通らない。または、穴が2つ存在する。
○穴を開けずに中の状況が分かったのなら、最初に扉は空いていたことになる。本事件の何もかもがおかしくなるため、こちらも有り得ない。
○「穴を開けずとも、中で事件が起きていることが分かった」+「真犯人が警察がらみで、後付けの“のぞき穴”で嘘の証言をすることが最初から分かっていた」ならば、行動として筋は通るが…2周目かよ。
作中では、「法務助手が現場に手を加えた」ということで問題視されるが、そこは素直に「スリの少女の状態が心配だった」で通るだろう!
作劇の都合として、「龍ノ介に密室殺人を目撃させたかった」「最後の最後で、旅立った寿沙都の置き土産が決定的な証拠となる」というのをやりたかったのであろうが、細かい整合性が置いてきぼりである。
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なんか警官が共犯パターン多くないか |
□それっておかしくないかな?
リストA:その他編
・本事件の担当刑事は、秘密裏に機密情報を回収するため、犯人と取引し、事件の情報を与えている。
つまり、「犯罪者に対して、無罪になるよう協力し、罪のない被告が有罪になるよう仕向けた」ということである。
これが明るみに出た以上、いくらなんでも警察を続けることはできないと思われるが、エピローグでは元気に現場を走り回り、善側の人物として登場している。
1話・4話といい、警察に優しすぎる世界観である…。
・本事件の犯人は、合計2名を殺害し、国家機密の漏洩にも関与するなど、重罪を犯した。
しかしながら、エピローグにおいて、チンピラ2名とともに登場し、昔みたいに事業を起こそう!
と呑気に話している。
警察・通信局を含めて、何人もの首が飛ぶような重大事件であり、主犯の彼は、二度と牢から出てこれないと思われるが…。
・被害者は、左胸…というより、もはや「左肩」に近いほうを背後から撃ち抜かれており、即死とされている。
しかしながら、例によって、心臓はほぼ中央にあるため、その位置では即死しなかった可能性がある。下から上に撃ち抜かれたという事実も、それを補強する。
さらに、「即死」と言っても、数十秒程度は行動できた可能性もあるが、その辺りも、いつもながら触れられていない。
・通信士が持ってきて、店主の命を奪うために使われた「3丁目の銃」は、証拠として登場しない。
よって、「国家機密漏洩と偽証は行ったが、店主の殺害はやっていない」で、まだまだ粘れた可能性があった。
観念したのか、それともゲーム的に大迷惑なためか、やらなかったが…。
・せっかく3DS初登場のゲームとして、立体視が導入されたのに(【日記:2025/10/4】)、それが単なる「2枚の写真の間違い探し」にしか使われなかったのは残念である。
・「カウンターが映っているほうの立体写真」が、終盤において、意外な形で2回目の利用をされた点は良かった。
それはそうと、1回目の指摘の際は、「右下のランプが割れている」という違いがあるのだが、その点が全く触れられていなかった。被害者が犯人たちを撃った射線に関わるなど、重大な影響がありそうだが…。
ちなみに、この際の正しい指摘は、「奥の小物が僅かにズレているので、その辺りが触られたことが分かる」なのだが、店主は犯人たちと揉み合いになっており、カウンターの上は大きく乱れたと思われる。それを、間違い探しレベルで元に戻せるというのは、ちょっと、いや、かなり違和感がある。
・裁判パートは、全体的に難易度が高く、特に「何を突きつければ、いま考えている矛盾を指摘できるのか」という点で悩むことが多かった。
とりわけ裁判の中盤あたりは、少し考えて分からなければ、諦めて攻略サイトを見ることにしていた。
・エピローグで、指先の冷たさを語るために、ホームズが龍ノ介の首に手を触れる。あのさぁ…。
・バンジークスとかいう検事には、最後まで、“ワインを割っている”以外の印象は残らなかった。
・とまあ、こんな感じで、最終話もイマイチな内容なのだが、それに対して長すぎる!!
録画映像から1秒単位で測れるため、数えてみたところ、探偵5時間4分46秒、法廷+エピローグで6時間55分36秒、ざっくり12時間だ。
GBA初期作品なら、クリアかそれに準ずるくらいまで進められる時間を掛けて、それでこの程度のエピソードとは…。
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でもこのシーンはちょっとフフってなった |
□これはおかしくないよ!
リスト
・このエピソードは、『大逆転裁判1』の最終話なのであるが、散々言われている通り、ほとんどの伏線が回収されなかった。「語られない物語の冒險」の題名に偽りなしである。
しかしながら、個人的には、この点はあまり問題に感じなかった。
既に『2』が発売されていること、そして、未回収が露骨すぎて、これは前後編だなとはっきり分かってしまうことがある。
だが、最大の理由は、物語全体の冗長さと破綻具合が凄まじすぎであり、そういったゲーム全体のつまらなさと比べると、伏線なんて細かいところはどうでも良いからだ。
・陪審員の選出がおかしいのは、作中でもネタ扱いされているので、そういう世界観なのであろう。
・第3話は、極めて消化不良な内容であった(【日記:2025/8/22】)。
だが、最終話は、3話の続きということで、その消化不良感に一定の解決を得られたのは良かった。
・「無罪のはずの被告人が、銃を手にしている」という状況は、DL6号事件を皮切りに、逆転裁判シリーズでお馴染みの状況である。
しかしながら、今回は「更なる襲撃を恐れ、被害者の手から銃を取って武装した」と理由が語られており、無意味に拾ったわけではない。
やっとDL6号事件を忘れてくれた…。
・ホームズの作った「色で誰の血か分かる薬品」という超化学が、証拠として認められないのは、妥当な判断であり、良かった。
それに対する「自分が世間に認めさせる手間を省いていたのが悪い」という自戒も、大人の余裕を感じさせる。
・作中で触れられる「優雅すぎる動き」こと、犯人のモーションは、大変良かった。グラフィックやBGMは評価できるんですよ、今作は…。
・猫がかわいい。
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このモンハンP3風のエンディングも良かったが… |
というわけで。ここまで約30時間を掛けて、『大逆転裁判1』のほうを終わらせましたが、まあ、クソゲーでした。あの「逆転裁判4」と、いい勝負な作品です。
――やれ、そろそろクドくなってきたかもしれませんが、本当にコレ、『2』で逆転できるんですか?
(2025年10月12日)

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