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管理人の日記
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大画面だとキツすぎるぞ(ほぼ無理?) |
「大逆転裁判」は、ゆっくりとしたペースで、『1』最終話となる5話を進めている。ここまで私は、本作について、「明治の逆転裁判4」と批判的な記事を展開してきており、この5話についても、事件が起こるまで3時間という長さに絶望的な空気を感じていた。しかしながら、事件の発生後は、一転して、グググッと引き込まれるような要素が数多く出てきた。現在、探偵パートが終わり、いよいよ裁判が始まるところだが、未解決の事態がたいへん多く、どのように物語が転がるか、期待である。
…それはそうと、この第5話では、「立体視」の要素が登場した。ご存じの通り、「大逆転裁判」はニンテンドー3DSで初登場をしており、同機は、裸眼3Dの機能を持っている。ただまあ、その顛末は、皆さまご存じの通りであり、「目が疲れる」などと散々で、ほぼ常時OFFにされていた。その後、後継機であるニンテンドースイッチにも引き継がれなかったが、それを残念がる声も聞いたことがない。正真正銘の黒歴史である。
――なお、似たような時期に、「3Dテレビ」という物も流行したが、今では全く名前を聞かなくなったことから、そちらも廃れてしまったようだ。やれ、3D立体視というと、懐かしの赤と青のメガネを掛けるタイプから、バーチャルボーイ・VR・ホログラム映像など、様々なタイプが定期的に出てきているが、未だに一般家庭の映像端末として定着するには至っていない。ひょっとすると、何か技術的な課題があって、それが解決困難ということなのかもしれない。やはり求められるのは、神経に直接つなぐタイプのPlayStation…。
さて。「大逆転裁判」の時代設定は、恐らくだが、現実世界における日清戦争と日露戦争の間、1900年ちょうどくらいであろう。その時代に、「絵が2枚あり、ボーっと見ることで像を重ねるタイプの立体視」は存在していたらしく、既に、一般大衆の娯楽として親しまれていたようだ。よって、ゲーム内の世界で、立体視が登場することは、全く問題が無い。
…そして、この例の面白いところは、「3DSの立体視機能」を、ごく自然に、ゲーム性として取り込んだという点にある。探偵パートでは、紹介のみであったが、このあと、法廷パートにおいては、謎解きにも用いられるようだ。しかも、前述の通り、作中世界の世界観とも矛盾しない。3DS本体を作った任天堂スタッフも、ここまで上手に使っていただいて、もう感激というものであろう。
――ちなみに。その後、大逆転裁判は、まずスマートフォン型携帯電話に移植されたのち、PS4やスイッチなどで「1&2」としてリマスター版が登場した。それらの機種では、裸眼3D機能が存在しないため、3D立体視のシーンは、上の画像のように、“写真が2枚並んでいる”というシーンになっている(逆に、3DS版が、1枚の立体写真が登場するだけ、とも言える)。なお、その際のセリフや演出も、細かく書き換えられているらしく、【こちらのサイト様】によると、3DS版のホームズは、「“3Dボリューム”を《ON》」という、世界観を放り投げた発言をするらしい。一方で、その後の移植版においては、「君がその絵を立体的に見るには」という、やや引っかかる表現となっており、その違和感で、私は「ああ、3DS版から移植するときに、セリフが変えられたんだろうな…」と気付くことができた。
ところで。その後、アイリスが立体視に関しての講義をしてくれるシーンは、それこそ移植版での追加要素かと思っていたが、こちらは3DS版の頃から存在するようだ。まあ、作中の時代だと、ニンテンドー3DSどころか、「画面」=“信号を人間の目に見える光として表示する技術”ですら1897年ということで、産声を上げた直後である。よって、「写真ベースの立体視を紹介する」かつ「当時の最強国家であるイギリス人が、新興国の日本人に講義をする」という形式は、作中世界の時代表現として、実に適切である。まあ、そのすぐあとにアイリスは、「血液に反応して発光し、かつ、人によって色が異なり、かつ、砲弾の形でそれを発射できる薬品」という、現実世界もびっくりの超科学を実現していたりもするのだが…。
――ちなみに。誰も覚えていないが、3DSの立体視機能には、対象年齢があり、6歳以下には非推奨とされている。また、モデルの一つとして、3D機能をオミットした「2DS」という廉価版も発売されていた。そのようなことを考慮し、裁判パートでの謎解きについては、リマスター版だけでなく、3DS版当時から、ほぼ答え同然のヒントを教えてくれる救済処置があったそうだ。“3DS本体の立体視機能を、見た目だけでなく、ゲーム設計そのものに取り込む”という、非常に珍しく貴重な利用法をしながらも、それはあくまでフレイバー扱いにして、ユーザーがストレスを感じないようにしている。さすカプである。
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ヒロインがしちゃいけない顔してる… |
というわけで。「大逆転裁判1」の5話は、ただでさえ寿沙都ちゃん&アイリスの2大ヒロインが同時に協力してくれるとあって、両手に花という感じがある。そこに、世界観的に矛盾の無い「立体視」が登場し、歴史の闇に葬られた3DSの本体機能にまで踏み込んでくれたということで、凄まじいお祭り感がある。おい、ここまでできるんなら、逆にこれまでの4コ話は何だったんだ…。
――ちなみに。最初のほうで述べたが、『1』の5話については、立体視に関連する事項だけでなく、物語としても、引き込まれる内容になっている。そのため私は、「本番は大逆転裁判2から」と聞いていたが、それより少し前の、『1』の最終話の時点で、テンションが上がってしまっている状況だ。やれ、第1話〜第4話まで、私は一貫して批判的な記事を投稿してきたが、もちろん叩くことが目的というわけではなく、面白いゲームを遊んで、好意的な感想を書きたいに決まっている。ここから先、裁判パートでどう物語が動くか、楽しみだ!
(2025年10月4日)
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