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2021年9月29日(水)
【FF9】Vitaリモプで背面タッチが暴発する


 
なんでFF9だけ…


 現在、FF9の【回復禁止 低レベルクリアー】において、極端な低確率の挑戦が続いている。元々、FF9は、FF13のボス戦タイムアタック企画がキツかったため、その間を埋めるように、”簡単なプレイ”として始めたものである。しかし、FF9のほうで、オズマ戦という★史上最悪レベルの運ゲー★にぶち当たってしまい、FF13のほうもラスト1戦があまりにもキツいため、2つとも進行がストップしてしまった。だが、ここで3つ目のタイトルを増やすのは非常に危険と判断し、「管理人の日記」を更新しながら、もう1ヶ月近くFFのほうを頑張っているという状況である。
 …そんな中、プレイを楽にする手段として、私は久々に
PSvitaリモートプレイの存在を思い出した。PS4には、PS4ソフトを「リモートプレイ」で他機器に配信する機能があり、Vitaであればボタンが付いているため、携帯機のような感覚でPS4ソフトを操作できる。そして、リモートプレイを使っていても、PS4本体からの映像出力は引き続き行われるため、外部機器を用いることで、「パソコンを使って最高画質で録画をしながら、Vitaで寝っ転がってプレイする」ということも可能である(ただし、PS4本体の録画&配信機能は、止まってしまう場合がある)
 ――ということで、各種のやり込みプレイでは、稼ぎ作業や試行錯誤などを楽にするものとして、非常に有用と思われるのだが…残念ながら、この「リモートプレイ」は、
FF9のPS4リマスター版を動かすには全く駄目であったのだ。

 では何故、リモートプレイでのFF9は駄目なのか。それは、Vitaの操作性や性能が悪いのではなく、
ボタンとの相性が最悪なのである。
 …というのも、PS4リマスター版のFF9には、
「オート戦闘」という機能が搭載されており、その内容は「自動的に『たたかう』のみを繰り返す」という、使いづらいものになっている。そもそも、初代PS版のようにボタン押しっぱなしでコマンドを繰り返してくれるのなら、こんな機能は不要であった。そして、そのモードのON/OFFを切り替えるのがR2ボタンというのが更に厄介である。PS4コントローラーのR2ボタンは、”トリガー”のようになっており、シューティングやカーレースなどのゲームで“押し込んだ感”を演出してくれるのだが、逆に少し握っただけでオンになったり、地面に置いたときに勝手に入ってしまったりすることもある。とりわけ、稼ぎプレイや、回数を必要とする試行錯誤では、集中力が切れて、この手のミスを犯しやすい。そして、いざオート戦闘モードが入ってしまうと、強制的に全員が「たたかう」を繰り返すだけとなり、もしこれがバトル中であれば、致命的な事態となってしまう。
 ――そもそも、FF9のPS4リマスター版には、「オート戦闘」の他にも、「高速モード」「エンカウントなし」「HP/MP/トランスゲージ常に満タン」「ダメージ9999」という4つのブースト機能が搭載されており、これらはゲームをポーズした状態でON/OFFを切り替える。なら、
「オート戦闘」こそ、ポーズ画面から設定できるようにすれば良かったのだ。それか、せめて「直前に入力した行動を繰り返す」という内容なら、今よりも暴発度は下がり、利用法も増えていただろう。どうして、こういう誰も得をしないような機能を用意してしまったのか…。

 そういうわけで。「PS4リマスター版FF9のオート戦闘機能」は、そもそも暴発しやすく使いづらいのだが、これがVitaのリモートプレイと組み合わさると、
もはやプレイに支障をきたすレベルとなる。
 …というのも、
Vitaには、R2・L2というボタンが無く、右上・左上に相当するボタンはR・Lの1つずつである。これについては、後年に登場したニンテンドースイッチを携帯モードで使った場合、据え置きゲーム機のコントローラーのように”握り”の部分が無いため、RとZR(PSでいうR1とR2)を同時に使うような操作…例えば、ガルク(モンハンライズで移動役として登場する犬)で加速[R]をしながらジャンプする[ZR]といった操作が極端に行いづらかった。そのため、Vitaでは携帯専用機としての操作性を考え、RとLを1つずつとしたのだろう。これ自体は、決して理解できないことではない。だが、PS4ゲームを強引に操作したいとなった時に、ボタンが足りない問題を解決するため、背面タッチパネルにR2・R3・L2・L3を割り振ってしまった。これが良くなかった…。
 ――というのも、前述の通り、FF9のPS4リマスター版では、
バトル中に「R2」に触れると、オート戦闘が発動し、味方全員が「たたかう」を繰り返すだけになってしまう。そして、Vitaの背面タッチパッドは、極めて暴発をしやすい。一応、「R2」に相当する部分は、背面タッチパッドの“中央寄りの右上”(正面から見て)と奥まってはいるのだが、少し握り込むだけで、簡単に人差し指か中指が当たってしまう。また、酷い時は、地面に置いただけで反応することもあった。そして、いろいろとPS4本体やVitaの設定をいじってみたが、リモートプレイにおいて、背面タッチパネルをオフにしたり、割り当てられるボタンを変えたり…ということはできないようだ。アーカイブスやPSPソフトでは、「背面タッチを使用しない」や「タッチスクリーンが担当するボタンを変更する」という設定があるのに。これらの場合、タッチパネルの左下にボタンを割り振り、片手でプレイする…という方法に利用できたりもした。

リモプ専用の携帯機を”PS5の周辺機器”枠で出してくれないかなあ


 ということで。結論として、PSvitaリモートプレイでPS4リマスター版のFF9をプレイしようとすると、背面タッチの「R2」によるオート戦闘が頻繁に暴発する。その頻度たるや、
まともにゲームが成り立たないほどである。少なくとも、操作ミス=即死となるような高難易度バトルでは使用できない。
 …しかしながら、ソフト側でも、Vitaリモートプレイをした場合の専用のボタン配置も設定できるようである。そのため、
FF9のPS4リマスターが、開発時にVitaリモートプレイを想定して、背面タッチでオート戦闘が暴発しないように専用設定を作る手もあっただろう。しかしまあ、リフレクで魔法を跳ね返す時の効果音すら実装できないスタッフが、そんな手間を掛けるわけがない。また、Vita側においても、リモートプレイのアプリケーションで、「背面タッチを使用しない」「ボタン割り振りを変更する」といった機能があれば、暴発しないような設定を私の側で行えた。初代PSアーカイブスやPSPソフトでは、そういうプレイヤーごとの創意工夫が行えたのに、リモートプレイでそれを実装しないというのはよく分からない。そして残念ながら、VitaはPS5のリモートプレイに対応しておらず、今後のアップデートは絶望的なので、そちらの面の改善も望めない…。
 ――そういうわけで。残念ながら、Vitaリモートプレイは、いま頑張っているFF9のプレイには使えなかった。もし、背面タッチの暴発を避けつつ使うとなると、
ちょっとしたプラスチックや紙を貼り付けた程度では貫通してしまうため、専用のアタッチメントを買うか、または分解して背面タッチのパーツを丸ごと抜き取ってしまうという強引な方法も考えられるだろう。やれ、「携帯機としての持ち回りを維持しつつ、据え置き機のような操作性を実現する」というテーマは、なかなか頭の痛い問題になっているようだ…。

 ということだと思っていたのだが、暇潰しにPS4でのFF作品
(FF7,8,9の各リマスター、FF10&10-2、FF12ゾディアックエイジ版、7リメイク第1弾、あと「ワールド・オブ・ファイナルファンタジー」)をPSvitaリモートプレイで起動し、その操作法を「ボタンガイド」で調べてみたところ、FF9以外の作品は全て、R2・L2・R3・L3の操作が、前面タッチパッドに割り振られていた。この場合には、暴発の危険性は低く、アクション性を要さないような作品や場面であれば、特に問題なくプレイをしていくことが可能となる。また、これまでは「画質の劣化」「映像&音声がぶつ切りになる現象」に悩まされていたが、それについても、PS4本体のインターネット接続をオフにする」という方法で、強制的にローカル通信にでき、安定性を確保できることが分かった。
 ――ということで。今後、当サイトにおいて、PS4で動作する
FF9以外のFFやり込みをする際には、稼ぎや単純操作の繰り返しなどを行う場合に、このPSvitaリモートプレイが役立ってくれることだろう。やはり、携帯機を使って、自由な姿勢でゲームができることは素晴らしいのだ。なんでFF9だけ…。

(2021年9月29日)

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2021年9月24日(金)
【N64追加】サブスク注意…“タダ”より高いものは無い


 
逆に、ファミコンとスーファミを減らすというプランは出ますか…?


 本日午前7時のニンテンドーダイレクトでは、FF関連タイトルについて、
「チョコボGP」というレースゲームが発表されたが、本編のRPG作品に関する発表は無かった。毎度、スイッチにFF13シリーズの移植があれば、ライトニングさんのファンが更に増えるのでは…と思っているので、残念である。
 ――しかし、その発表会では、定額サービスである「スイッチオンライン」について、新たに
ニンテンドー64(N64)のタイトルを遊べるようになるという情報が公開された。ただし、追加料金有りでである。これについて、最近の私が“サブスク”に対して思うところと重なる部分が合ったため、今日の日記では、その辺りについて語ってみよることにしよう。

 まず、
「サブスク」とは、“サブスクリプション”の略であり、一言で表すと、定額制のオンラインサービスのうち、特に“レンタル”の性質を持った物のことである。ゲーム界隈においては、PSplusの「フリープレイ」、スイッチオンラインのFC&SFCソフト配信、Xboxなら「ゲームパス」などが存在する。
 …また、ゲーム以外の業界においては、映画やアニメなどをオンライン配信する「アマゾンプライム プライムビデオ」などが、これまた定額制の「アマゾンプライム」の一部として提供されている。この手の映像配信サービスは、500〜1000円程度と割安であるうえ、ゲームと異なり、
ビデオ配信は多少の遅延が発生しても大きな問題とならない。しかも、テレビ生放送と違って、見られなかったり録画しなかったら終わりではなく、アーカイブスから好きな作品をいつでも選択できる。そういうわけで、映像配信業界においての“サブスク”は、他とは比べ物にならないほどの大ブームを巻き起こしている。そう遠くない未来に、テレビ放送のほぼ全ての分野は、“サブスク”に飲み込まれることであろう。
 ――その他、最近では、非物理系のオンラインサービスだけでなく、「実在する商品の、定額料金での提供」も、“サブスク”と呼ばれることがあり、服や車といったものから、食べ物系まで、様々なものがあるようだ。これらも、「サブスク」の原義からすると、別に間違ってはいないが、個人的には少しズレていると感じる。そういうわけで、本日は「定額レンタルを提供するオンラインサービス」という部分に、要点を絞っていきたい。

 さて。この手の定額制サービスは、
見た目は安価で提供されることが魅力である。
 …例えば、今年3月には、PSplusフリープレイにて、あの
「FF7リメイク(第1弾)」が配信された。フリープレイは体験版ではないため、フルゲームとして、本編の内容を全てプレイ可能である(ただし、このバージョンは、PS5版へのアップグレードができない)。また、PSplusも、割高な1ヶ月加入でも850円「年間加入かつセール時に購入」という最安値ならば月あたり300円程度にまで抑えることも可能である。FF7リメイク第1弾は、中古ディスク版が未だに3000円程度の価格を保っており、DL版のセールも最安値で4939円(50%OFF)である。未だに在庫ニングさんのような感じにはなっておらず、商品価値が存在するのだ。ということで、それが300円〜850円でプレイできるというのは、獄安と言って良いであろう。
 ――そして、PSplusの加入者は、世界で約4500万人という大所帯になっている
(参考:PS4の売上が1億2000万台程度)。そのため、「FFシリーズに興味はあったが、自分からは手に取らなかった人」に遊んで貰える機会にもなり、仮に100人に1人が楽しんでくれるだけでも、45万人のファンを増やせることになる。そういうわけで、企業にとっては、次回作や関連商品に興味を持ってもらえるきっかけとなるし、ユーザー層においても、界隈を活発化させる起爆剤になりうる。だからこそ、私についても、FF7リメイク第1弾のフリープレイが公開された時には、「定価で購入したゲームの価格が、たった1年で暴落してしまった!」という気持ちはあったものの、そこはあえて我慢し、フリープレイ追加への紹介記事を書いて、多くの人にプレイしてもらおうと思った【日記:2021/2/27】。フリープレイは、単純な叩き売りや損切りではなく、様々なメリットが存在するからだ。

ハワーッ!


 というわけで、この手の定額制配信サービスこと“サブスク”は、
見た目は割安であるため、今の世間で大ブームとなっている。しかし、資本主義企業が、ただ単純にユーザーに得をさせるためだけに、この手のサービスを提供しているわけがない。サブスクは、上手に使わなければ、大損となってしまうのだ。

 例えば、私の場合、アカウント情報から調べたところ、どうも
2015年7月からPSplusに継続加入をしており、期限は来年3月までとなっているようだ。それについての料金を計算してみることにしよう。継続期間は、ちょっと計算を合せられなかったのだが、まあ2441日で81ヶ月ということにした。また、基本的には、割高な1ヶ月自動延長ではなく、「1年利用権を」「セール時に」購入しているため、最安値である30%OFF、つまり月額換算で300円とする。それらを合計し、この7年弱の加入料は、合計で24300円となる。
 …では、私が24300円ぶんのフリープレイタイトルを遊んでいるかというと、
そんなことは全く無いのである。「これまでに配信されたフリープレイソフトの一覧」【こちらのページ】に載っていたので、それで該当期間を振り返ってみた。すると、まともに遊んだと言えるタイトルが、「バイオハザード(1リメイク) HDリマスター(2016/10)」「バウンド 王国の欠片(2017/9)」「フォールガイズ(2020/8)3作しか無かったのである。これらを、仮に通常購入するのに2000円が掛かるとしたところで、合計6000円にしかならず、合計加入料の24300円から考えると大損である。それなのに、プレイしている時は「これらのゲームが300円で遊べるなんてお得!」と思っていた、いや思わされていたのだ。
 ――もっとも、PSplusのサービスは、フリープレイだけでない。PS4世代からは、「オンラインでの同時プレイ」を行う際にも、Plusへの加入が必要となった。よって、それの利用料を兼ねているという考え方もできるだろう。しかしながら、私が最も長くプレイしていた「モンスターハンターワールド&アイスボーン」であっても、合計のプレイ期間は2年程度である。この2年間だけ、セールなしの年間5143円でPlus利用権を購入したとして、価格は+10000円程度であり、やはり81ヶ月ぶんの加入料には及ばない。
私は、PSplusに長期加入をすることで、損をしていたのだ。

 しかし。この手のサブスクサービスの巧妙なところは、
損をしているのに、損をしていないように感じさせることである。
 …例えば、私の場合、フリープレイで多数のソフトが配信されていたとしても、実際に遊ぶものは少ない。しかしながら、1本ぶんのフルゲームが手に入ったとなると、実際に遊ばなくとも、どこか得をした気持ちになってしまう。
この「得した気持ちになる」というのがミソであり、これがあるからこそ、世界中でサブスクが大流行しているのだ。しかも、オンライン配信系のサブスクは、原価がとても安い(ほぼ0?)ため、超ヘビー級の利用者が現れたところで、痛くもかゆくも無い。加入者が増えれば増えるほど儲かる仕組みとなっているのである。
 ――やれ、世間では、フリープレイに大作タイトルが配信されると、「タダで貰えて嬉しい〜!」などと、わざわざ反感を煽るような書き込みが為されることがある。しかしながら、
フリープレイは“タダ”ではなく、月額を払って受けているサービスである。そもそも、「Free」も、“無料”ではなく、“自由に遊べる(体験版のような制限が無い)”という意味であろう。しかしながら、これはわざと混同を狙っているように感じる。まるで“無料”で遊べるような感覚で、月額を取るのが、サブスクのやり方なのだ。そして、「タダで貰える」と言っている人が居るということは、もはやお金を払っている感覚すら消失しているということである。ここまで上手く集金ができてしまえば、もはやソニーとしては笑いが止まらないはずだ。もちろん、ソニーだけが悪魔的なことをやっているというわけではなく、任天堂やマイクロソフトの同系統のサービスも、もっと言うと他業界のサブスクサービスも同様であろう。営利企業が、都合よく私たちを得させてくれるわけがない。FF7リメイク第1弾を遊ばせてやる。しかも、無料でだ! …とは行かないのである。

※こんなシーン無いです


 そういうわけで。サブスクは、
得をしているように見せかけて、損をしている場合があるので、よく考えて利用しなければならない。
 …具体的に、損をしない利用法としては、
「配信されたタイトルを、そのつど遊んでいく」という方法であろう。PSplusフリープレイでは、発売1年ほどが経てば、フルプライスのゲームであっても配信されることがあり、仮に定価の半額としても、3000〜4000円程度の価格が付く。それを、月額最安の300円で遊べるのならば、十分に得をしたと言えるだろう。ただし、通常の価格で買わなかったということは、大なり小なり自分が値段分の価値を見いだせなかったということなので、この利用法で満足をするのは、意外と難しいかもしれない。
 ――次に、
「目当てのソフトが出た時だけ、短く加入する」という手がある。例えば、この9月に、XboxゲームパスでFF13が配信される(海外のみ)ということが話題になったが、FF13のXbox版は1980円であるため、月額850円の1ヶ月間でクリアすれば、その差額だけ得をしたことになる。また、PSnowで既に始まっている、FFシリーズ旧作(7,8,9、10&10-2、12)の配信も、それぞれを1回遊んで終わりということにするのならば、通常のDL版をセール価格で買うよりもお買い得である【日記:2021/9/3】。これらのサービスは、どれも基本的に短期加入はかなり割高であり、価格面でも長期加入を勧めてくるのだが、そうなると無駄遣いをしやすくなってしまうため、どのプランが一番良いのか見極める必要がある。
 その他、お金に余裕があるのなら、従来の私のように、
「ずっと加入をしっぱなし」という手もある。そうすると、いちいち細かな料金を気にしなくて良くなる。また、金銭的な損をしていたとしても、DL版のソフトがどんどん増えていくため、所有欲を満たせる。これはなかなか重要なポイントである。というのも、根本的なことを言えば、ゲームは娯楽なのだから、お金を払ったぶんの満足感を得られれば、それはそれで良いということになるからだ。

 さて。本日の冒頭の話題に話を戻すと、新たに「ニンテンドースイッチオンライン」にN64のソフトが追加されるが、これまでの基本料金とは異なり、専用の追加料金が必要となる…ということであった。
 …さて、この手のサブスクは、
「得をした気持ちにさせて、大勢の人に入ってもらう」というのが最重要である。そのため、恐らくは月額換算30円とかの、相当に攻めた価格となるのではないだろうか。それでソフトが初期8本から次々と追加されていけば、相当なお得感を得られるはずだ。
 ――しかしながら、実際のところ、多くの人は、配信されているN64ソフトのうち大半に手を付けず、付けたとしても30分くらいでやめてしまうことがほとんどであろう。しかし、レトロゲームなど、それくらいで十分な満足感が得られてしまうことも珍しくない。よって、仮に単品売りより割高になったとしても、関係ない。
客が満足してお金を払い、そして販売側も利益が出ていれば、それで良いのである。

 いっぽう、私自身の話に移ると、上記のように、
PSplusでは損をしているということが分かった。また、ここ数年の生活で、貯金の大切さが嫌というほど分かったので、以降も当分は我慢して、お金を貯めていく期間としたい。
 …そういうわけで、来年3月にPSplusの期間が終わったら、延長せず、そのまま解約してみることにする。その後に、PSplusやPSnow、もちろんスイッチオンライン
(+N64追加パック)やXboxゲームパスなどについても、無闇矢鱈と長期加入をせず、必要に応じて短期プランのほうも上手く使っていきたい。私の場合は、様々なソフトを入手するよりも、ピンポイントで購入したほうが、安く済ませられるようだ。日本政府サブスクを解約するのはとても大変だが、ゲーム会社との契約くらいなら簡単に変えられるため、いろいろと試してみるのである。
 ――やれ、最近の世間では、何でもかんでもサブスクにするせいか、
サブスク貧乏なる言葉が存在するという。「フリープレイ」は、決してタダではない。タダのように見えるのは、そう思わせられているだけだ。結局、“タダ”より高いものは無い、ということである。

(2021年9月29日)

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2021年9月20日(月)
ニコニコ動画の思い出 & 動画5選


 
リアル初陶工です(【FF12 ヤズマット ハメ殺し作戦】


 本日は、今や懐かしの動画サイトと化した
「ニコニコ動画」について振り返り、その中から、5つの動画を紹介してみることにしよう。

 さて、「ニコニコ動画」は、動画共有サイトの一つであり、現在もサービスが続いている。その最大の特徴は、
テキストコメントが“動画の上”を右から左へと流れることであり、他の動画サービスとは一味違った感覚を得られ、だいたい2010年頃に大ブームを引き起こした。
 …やれ、当時は、
まだYouTubeの日本語対応もやっと始まったという時代であり、「動画共有」ということ自体が、今とは比べ物にならないほどハードルが高かった。そんな環境の中で、「ニコニコ動画」は、そのハードルさえ乗り越え、当時のネットを代表するほどの一大ブームを作り上げたのである。
 ――具体的な動画ジャンルとしては、ゲームの攻略や実況プレイ動画に、“MAD”と呼ばれたアニメなどの編集動画、「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」などの実演系、様々な作業用BGMなどなど…。間違いなく、
「ニコニコ動画」は、日本のネット社会において一時代を築いたと評価できる。

 しかしながら。そんな「ニコニコ動画の栄華」も、長く続かなかった。第1の問題として、
動画サイトとしての基本部分の弱さがあった。
 …やれ、今では考えられないことだが、一時期のニコニコは、「平日夜」「休日の昼以降」といったアクセスの多い時間帯は、
まともに動画を読み込めず、何度もリロードする必要があった。また、「エコノミー」といって、視聴者の多い時間帯は強制的に低画質となっていた。もちろん、YouTubeにはそのような制限はなく、それどころかFullHD→4Kと、どんどん画質が進化していった。そのため、ゲームPVやアニメ期間限定配信など公式系の動画や、画質にこだわる投稿者などが、続々とYouTubeへと移行していったのである。
 ――特に、
「ニコニコ生放送」なんかは酷いものであった。まず、配信側としては、有料のプレミアム会員のみが行えるコンテンツであった。ということで、それだけの価値のあるサービス提供が望まれるのだが、当時は「放送枠」を取ることが非常に難しく、しかもそれすら30分で追い出され、新たな枠を取るために放送を中断しなければならない。私は、2012年5月ごろに、FF12のプレイで、この「ニコニコ生放送」を試してみた記憶があるのだが、せっかく取れた枠はサーバーエラーで全く放送ができず、次の放送枠も取ることにも失敗し、まともな放送ができずに終わってしまった。私は、「お金を払ってこの程度のサービスなのか!」と激怒し、即座にプレミアムを解約したことを覚えている。
 そして、生放送には、視聴側としても問題があった。ニコニコ生放送では、サーバーの貧弱さからか、視聴できる人数が決まっており、プレミアム会員から優先されることが多かった。
YouTubeなら見られるのに、ニコニコで放送されるせいで視聴不可能になるという事態が頻発したのである。例えば、アイドルマスターシリーズの公式生放送は、割と最近までニコニコでの独占放送となっていたが、無料会員では追い出されてしまうので、「オンラインゲームの更新情報が自分の見られない場所で前ばらしされる」という事態が起こり、「さっさとYouTubeで放送しろ」と思っていた。また、将棋の対局などは、最近までニコニコ動画で独占配信されていたが、その驚異的な低画質により、他の動画サイトやテレビなどで取り扱われた際には、「あ、これニコニコだ」とすぐ分かってしまうものであった。一時期の、某ハードにおける某ハンティングアクションみたいな状況である。

 また、第2の問題として、
利用者の感情を逆撫でするような運営の姿勢があった。今風に言うと、ガイジムーブというやつだろうか。
 …例えば、私が視聴者として、そして投稿者として、ニコニコ動画に求めていたのは、「動画読み込み速度の安定化」「高画質化」「シーク
(動画を頭からでなく、特定部分から読み込んで再生すること)の導入」などという、動画サイトとしての基本的な機能であった。ところが、そういったものは、いわゆる“全盛期”の時期には、目に見えて改善されることは無かった。それどころか、「時報」という信じられない機能が導入された。この「時報」とは、19時・24時・02時など、特定の時刻になると、動画の再生が強制的に停止され、「ニーッコニコ動画♪」という音声が巨大音量で再生されるというものである。ひょっとすると、広告枠ということなのかもしれないが、邪魔なうえに、茶化しているような内容がイラッとし、ネタとしても全く面白さが無いため、運営の正気を疑うものであった。今では無くなったようだが、こんなエイプリルフールのパロディみたいなものを平然とやっている時期があったのだ。
 ――そして、そのような動画サイトとしての問題点が存在する中で、公式は「ニコニコ超会議」などといった
リアイベに走り出した。当時、第1期の内閣総理大臣であった安倍晋三が、何故かこの「ニコニコ超会議」に現れ、戦車に乗って敬礼していたことを覚えている。まあ、極めて好意的に見れば、流行りの動画サイトを見るような若者層にも政治に興味を持ってもらいたい…という努力とも捉えられる。しかしながら、私としては、「動画サイトとして明らかな問題が存在するのに、政治なんかに媚びている場合か」と、呆れてしまった。

 そして、最後の問題として、
アングラさが抜け、悪い意味でニコニコ動画が一般的になっていったことが挙げられる。
 …やれ、流行り始めた頃のニコニコには、ネット特有のアンダーグラウンドな雰囲気があった。身も蓋も無いことを言ってしまえば、
アニメの違法投稿などが平然と行われていたのである。例えば当時のアニメ遊戯王シリーズは、第2作の「GX」が放送されていたのだが、一時期は、その最新話までのほぼ全てを、ニコニコ動画上で見ることができた。もちろん、そういったものは、ニコニコ動画が大きな勢力になるに従って、削除が為されていった。
 ――しかしながら、
やがて、「グレーゾーン」の動画までが、次々と削除されるようになっていったのである。具体的には、「フタエノキワミ、アッー!」で知られた“るろうに剣心”のMAD動画、「友人マリオ」という名前で知られたSFC「スーパーマリオワールド」の改造ステージなどである。もちろん、これらは「アニメ」「ゲーム」と言った他者の著作物を許可なく利用しているものであり、削除要求が為されたら従うしかない。しかし、そうやってニコニコからは独特の雰囲気が無くなっていき、毒牙が抜かれた、ただの動画サイトになってしまったのである。例えるなら、「深夜帯だからこそ面白かった番組が、ゴールデンタイムに出て、その辺の番組と似たような感じになってしまう」「海外の、辛味や臭みによって、一部のマニアに大受けしていた食品が、日本に上陸して、大衆向けのつまらない味になる」という感じが近いだろう。その他、10年前とは異なり、現在では「ホモ」などと軽々しく言えない空気になってしまったこともあるかな…。

私の一番のヒット動画は、DDRの譜面まとめ動画でした(【SN2 ボス曲 SP-CHALLENGE編】)


 そんなわけで。私の、“視聴者”としてのニコニコ動画の利用は、2010年の前後くらいは、
もうブラウザを開いて最初に表示するのがニコニコ動画であり、サイト運営の次に多くの時間を視聴に費やしていた。また、このサイトを編集する際の“作業用BGM”も、全てニコニコ動画を流していた。また、音楽プレイヤーに入れていた音楽も、ニコニコ動画からの録音であった。ネットサーフィン=ニコニコ動画という時代だったのである。
 …また、“投稿者”としても、
合計82個の動画を投稿した【投稿動画一覧】。初めての作品は、今なお私の代表的なやり込みプレイだと思っている【ヤズマット ハメ殺し作戦】である。それから、散発的に動画を投稿していき、2008年から連載した【FF12:低レベル+入店禁止クリアー】は、プレイ日誌と動画での同時連載という、当サイトにおいて最初で最後の試みを実行し、多大な労力を掛けながら、全12話・23動画で完結させた。その後も、2011年末から2012年初頭のFF13-2の初代クリスタリウム封印プレイ、2013年頃のDDR高難易度プレイ動画など、様々なものを投稿していった。しかしながら、当時の仕事の影響で一時的に動画が投稿できるような状況でなくなったこともあり、そこで私の“投稿者”としてのニコニコ動画との付き合いは終わってしまった。最後の作品は、2016年の【ネットハイ BGM集part1 キャラクター編】である。「part1」とあるが、その後にサウンドトラックの発売が決定したため、永遠の未完である。
 ――なお、その後についてであるが、他の多くの人々と同じく、
ニコニコ動画の衰退とともに、視聴者としても投稿者としても、YouTubeへと移動をしていった。もう、作業用BGMですら、ニコニコではなくYouTubeで探す時代となった。ニコニコ動画は、一応はPCブラウザのお気に入りには入っているものの、奥のほうに埋もれている。また、携帯電話にも、ニコニコ動画のアプリケーションをインストールはしていない。自分が投稿した動画の反響を気にすることも、もはや無くなった。私にとって、もうニコニコは過去のものとなった。上で挙げた問題点のほとんどは、現在では改善されているのであるが、残念ながら、“時すでに遅し”である。

 やれ。ニコニコ動画の衰退は、本来やるべき“動画サイトとしてのサービス向上”を行わず、逆に不要なことばかりを行った結果であり、
自業自得としか言いようがない。かつてのニコニコが占めていた役割は、完全にYouTubeへと移行しており、私のような趣味での投稿主はもちろんとし、「収益化」「企業コンテンツ」と言った大規模投稿者まで取り込んで、現実のマスメディア以上の力すら持ち始めている。ニコニコ動画は、二度と追いつけないだろう。
 …だが。やはり、
「動画の“上”にコメントが流れる」という面白さは、ニコニコ独自のものである。また、今のニコニコは、かつての栄華など見る影もないほど老いてしまったが、それでも当時の動画はそのまま残っている。だから、10年前を思い出すという方法なら、未だに利用できるのである。
 ――本日は、そんな“ニコニコ動画”の中から、
当時の雰囲気を思い出させてくれる動画を、5つセレクトしてみることにした。というわけで、皆さまも一緒に、あの懐かしい日々に、思いを馳せてみることにしよう。10年前の私は、サイト関連では、日記は今より頻繁に更新していたのと、FF13のクリスタリウム封印プレイの「おまけ」シリーズを頑張っていた。一方、その他の生活面では、既にまともな勉強を完全に放棄しており、親の金で酒を飲んで遊んでいただけの分際で、自分は一人前だと思っていた記憶がある。情けないことだ。その辺りについては、あまり掘り返したくはない…。


1
【FF13 韓国語版予告編】


 


 まずは、発売済みであったFF13関連から、私のお気に入りの動画である。題名は、
【FF13 韓国語版予告編】だ。
 その内容は、韓国語
(ハングル)で、初代FF13の「ファイナルトレイラー」を吹き替えるというものである。この動画の韓国における位置付けについては、私は知らず、公式か非公式かも分からないものだ。
 と、それだけなら、ただの海外版の宣伝動画か、またはファンが作った二次創作なのだが、コメント機能によって当てられた空耳により、飛躍的に面白くなっている。例えば、開幕すぐのセラの
「ルシがテロリスト」は、何故かルシの本質を言い当てた直球発言であり、気に入りすぎて、初代クリスタリウム封印プレイの題名としても採用している【第2話】。その他にも「因果姉ちゃん」「ドイツが…病気だ」「マルチキャバ嬢っすよ」「はあ…ニッポン」「意味ない。ファルシエデン=Wiiだ」などと名ゼリフが多い。もし、この手の動画が、現在のYouTubeに投稿されたとしても、軽く流されることだろう。だがニコニコのコメント機能をもってすれば、ただの吹き替え動画であっても、これだけ面白くなる余地があるのだ。


2
【バグメモ画像集その1】


 


 続いて、ゲームのバグ動画シリーズから、
【バグメモ画像集 その1】を挙げてみたい。
 かつてのニコニコには、ゲームの改造バグ動画も、数多くが投稿されていた。攻略面での利用価値のあるバグではなく、
見た目やテキストが面白くなるバグが人気であり、FFでも、FF5や6などのバグ通しプレイ(?)があったことを覚えている。ただ、作品のイメージを損なう恐れがあったためか、その多くは削除され、今では残っているものが少ない。
 そんな中で、この初代「ときめきメモリアル」をテーマとした、「バグメモ画像集」は、
全盛期のバグ動画の面白さをそのまま保っていると言える。私は、最近になって見たのだが、腹直筋が7つ以上に割れそうなくらいに笑ってしまった。毎日、生きていくのが辛い…そんなあなたは、是非どうぞ。


3
【遊戯王5D's 132話 ランニングデュエル アクセラレーション!】


 


 私にとって、ニコニコ動画の全盛期は、
アニメ遊戯王シリーズの全盛期でもあった。そんな遊戯王の動画の中から、今回は遊戯王5D's 132話 ランニングデュエル アクセラレーション!】を挙げてみたい。
 内容は、シリーズ第3作「5D's」の132話における
伝説のシーンを、無編集で投稿しただけである。ただ、さすがに伝説のシーンと言われるだけのことはある。当時、「ホセがD-ホイールと合体する」ということ自体は、既に雑誌で前ばらしされていたのだが、まさか走って一体化するとは思いもよらなかった。ちなみに私は、放送日である水曜日には用事があり、普段は録画後に見ていたのだが、この回に限っては生放送で見てしまった記憶がある。
 やれ、当時は、この話に限らず、録画した遊戯王を1週間に何度も見るほどハマっていた。ニコニコにも、放送後すぐに抜粋動画・次回予告動画・MAD動画などが投稿され、様々なコメントで、遊戯王の楽しみを高めてくれていたように思う。あのライブ感を、今のYouTubeにハマっている人たちは、コメント欄で楽しめているのだろうか…。



4
【[DDRX3]DP Challenge 高難易度まとめ[鬼] 9/9】


 


 4番手は、当時ハマっていたDDR
(ダンスダンスレボリューション)の譜面動画から、【X3 DP高難易度まとめ[鬼]】を挙げてみよう。
 私とDDRの関わりは、1998年頃に「2ndMIX」で大流行した頃に初プレイをし、その後にPS2の「EXTREME」を遊んだことから自分の中で再ブームを引き起こし、「SuperNOVA」「DDR2014」くらいまで、ゲームセンターでプレイをしていた。今は、時間的・金銭的な問題により、引退をしており、もう今後はアーケードでプレイすることは無いだろう。
 さて。当時の私のプレイでは、主に超高難易度曲への挑戦が主な目的となっており、そのためには予習が必須であった。
その予習に役立ったのが、数々の譜面動画である。音ゲー曲は、ただ聞くだけでも良い物だが、譜面とそのリズム(ハンドクラップ音)を合わせれば、更に魅力が高まる。このような動画を視聴して頭の中でイメージを膨らませ、そしてアーケードで本番! …というのが、当時のゲーセンの楽しみ方であったのだ。結局、大きな目標であった足19のDP-CHALLENGE「POSSESSION」は倒せたが、更なる超強敵の「PARANOiA Revolution」には、最後まで勝てなかった。現在では、更なる難関曲も出ていると思うが、私の中でのポゼとパラレボは、永遠の大ボス曲である。そのため、この記事で紹介する動画も、それら2曲が並んでいる物を選んでみた。


5
【ニコニコ動画流星群を全力で楽しむPV [元の曲で再現Ver]】


 


 ラストである。ニコニコを代表する動画ジャンルである「ニコニコメドレーシリーズ」から、
【「ニコニコ動画流星群」の原曲での再現動画】を挙げてみよう。これ系の動画、どれを代表として紹介するか悩んだものの、絶対に外せないと思ったのだ。
 さて、この「ニコニコメドレーシリーズ」は、ニコニコ動画で流行した動画のBGMを、メドレー形式でアレンジして流す…というテーマの動画である。特に、
「組曲『ニコニコ動画』」「ニコニコ動画流星群」「七色のニコニコ動画」の3つは極めて有名であり、ニコニコ動画を代表する楽曲と呼んで良い。やれ、YouTubeで、同じテーマの楽曲を作れるかと言ったら、無理であろう。かつてのニコニコ動画は、良い意味で“狭い世界”であったのだ。
 ということで。この手のニコニコメドレーを聞くと、10年前を思い出すような気持ちになる。正直言って、あまり良い思い出は無いのだが、ネットサーフィンやサイト運営については、今以上に楽しんでいた記憶がある。人によっては、こういうものが
青春の曲になるのかもしれない…。

(2021年9月29日)

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2021年9月17日(金)
「物理」はどこまで常識か?


 
激しい戦いの中でも基本的な式を忘れないという知性の象徴だから…


 私の中では、「物理」という科目は
“常識”であると思っている。しかし、世間の人にとっては、意外とそうではないのかもしれないのだ。
 …まず、冒頭の画像は、
「キン肉マン(新シリーズ)」の、第275話から取ったものである。状況としては、団体戦におけるラストバトルであり、味方側の「キン肉マンスーパー・フェニックス」が、持ち前の知性を活かし、計算によって敵の技を受け切る…というシーンだ。
 ――しかし。私は、このコマを見た瞬間、
ウフフと笑ってしまったのである。やれ、「キン肉マン」には、ギャグ漫画的な要素もあるが、この戦闘については、至ってシリアスだ。では、なぜ笑ったのかと言うと、“知性的レスリング”を表現するために記された数式を、全て知っていたからだ。しかも、マニアックな知識が偶然に被ってしまったわけではなく、高校物理で勉強をしたものだったからである。

 では、説明をしてみよう。まず、@式の「I = Ft」は、“力積”というものを説明した式である。そして、物理の世界には、「運動量」という物理量があり、運動量の変化は力積と等しくなる。よって「mv'-mv = I」となり、そこからIを消去して、A式の「mv'-mv = Ft」が出来上がる。さらに、両辺をtで割ることにより、B式の「(mv' - mv)/t = F」が得られる。以上の過程により、力Fは「速度の変化」「時間」によって求められることが分かる。
衝突時間を長くすると瞬間的な衝撃が下がるというのは、この式から来ている。
 …また、C式は意味合いが少し異なり、A式をオメガマン・アリステラ
(質量mA, 速度vAとキン肉マンスーパー・フェニックス(質量mB, 速度vBで別々に立て、Ftを消去すると、お互いが衝突して速度が変化した場合にも、両者の間で運動量が保存されていることが分かる。同じく、運動の変化を表す法則として、「エネルギー保存の法則」はよく知られているが、物質同士の衝突では、ごく一部の場合を除いてエネルギー保存則が成り立たないが、運動量保存則は成立する。そのため、♂男と男が激しくぶつかり合う運動♂を考える際には、エネルギー保存則でなく、運動量保存則をベースとすることが好ましい。
 ――そういうわけで。上の式は、
思ったよりも遥かに知性的なことをやっていた。こういう場合、全く無関係な数式が並べられていたり、ただの桁数の多いだけの単純計算であったりすることが多い。まあ、欲を言うと、@→A→Bは単純な式変形であり、Bを最初から覚えていれば済む話である。また、BやCの式よりも、「BとCの式にどのような値を代入し、どう計算するか、また実験値と測定値が異なった場合にどのような補正を加えるか」ということのほうが重要なのであるが、まあそこまでやらなくても良いであろう。「単純な式をどこまで応用して使えるか」というのも、立派に知性の現れである。

 ということなのだが。
これらの式が、高校物理の教科書に載っていることは、否定しようのない事実である。
 …よって、キン肉マン界隈では、
「ただの高校物理だろww」などと突っ込まれている…と思いきや、全くそのような指摘は受けていない。むしろ、「謎の数式」「言葉の意味は分からんが…」などと扱われている。作者による「知性キャラの表現」という目論見は、とりあえず成功したようだ。
 ――しかしながら、私としては、その結果を見て、
予想していたよりも物理は一般常識ではないと思ったのである。高校物理をしつこく勉強した人間にとっては、最初のコマに載っている式は、親の顔と同じくらい目にしたものである。だが、世間の人たちは、ほとんど「力積」「運動量保存則」を知らなかった。自分の常識は人の非常識、「物理」は常識ではなかったのである。

FF9の後に物理を学んだので「これをどう攻撃に使うの?」と思った


 もうひとつ、「物理が世間での常識ではない」という例を紹介しよう。それは、FF9のラスボスの大技である
「ニュートンリング」である。ゲーム上の性能としては、回避不能の全体物理攻撃であり、純粋に威力の高い技であるため、各種の制限プレイでは難関となることが多い。
 …ということなのだが、
「ニュートンリング」も、これまた高校物理の教科書に載っている。内容は、平らなガラス板の上に、わずかに曲がったガラス板を乗せ、上から光を当てると、「同心円状のいくつもの輪っか」が観測されるというものである。光の様々な性質を説明できる意義深い実験であり、初報告から350年が経った今となっても語り継がれている。何百年も後に、しかも一般大衆が学ぶ高校物理の教科書に名を残すとは、さすがなものである。ニュートンくらい名前と研究内容が知られている物理学者と言うと、後はアインシュタインに、レントゲンくらいのものであろう。
 ――しかし。残念ながら、「ニュートンリング」の内容自体は、正しく語り継がれてはいないようだ。何故なら、上の文章を見ていただければ分かるように、
「ニュートンリング」は全く攻撃的な名称ではないからである。あくまで、見えているのは可視光であるため、これを相手に当てたところで、「うおっまぶし」となるだけである。ニュートンリングを作るためのガラス板で殴ったほうが遥かに効くだろう。

 さて。FF9の海外版では、ミスに気が付いたのか、技名が
「Neutron Ring(ニュートロン・リング)と変更されている。ニュートロンとは、「中性子」のことであり、速度を持っていれば放射線として扱われるため、これなら攻撃技になりそうだ。
 …しかし、以前にFF13ボス戦タイムアタックの「ミューオンバスター」の部分
【第24話】で書いた通り、放射線を使った攻撃は、そのエネルギーで石でも加速して投げつけたほうが効くことがほとんどである。まず、中性子の精製方法であるが、「ウラン核分裂」「D-T核融合」といった、いわゆる原子炉方式が存在する。しかし、これを戦闘に用いるということは、ようするに「かくこうげき」になってしまう。もちろん、中性子で輪っかを作るより、そのまま核反応による熱線・爆風・電磁パルスを攻撃に使用したほうが遥かに有効となってしまう。
 ――その他、加速器や、252Cfの核分裂などを使い、中性子線のみを取り出す手もあるが、こちらは大掛かりな装置や時間が必要である。これを照射して相手への攻撃として成り立たせるためには、
謎の装置に空いた小さな穴の前に姿勢良く立ち、そのまましばらく待っていただく必要があるだろう。逃げ回るどころか、僅かな動きすら許されない。FF9はATBなので無理である。

 とはいえ、まあ魔法的な力で、何とか「ニュートロン・リング」こと、中性子の輪っかを作れたとしよう。そして、中性子線などの放射線を使って攻撃するのは効率が悪そうなので、他の手段での物理的な攻撃を考えてみる。はい。ここに、中性子で出来たドーナツがあります! ではこれを持って、敵を殴って攻撃できるかというと…駄目である。
 …まず、中性子は、電子軌道を持たないため、
固めてしまうと重すぎである。メチャクチャ雑に、中性子1個の直径を1×10-15m、質量を1.6×10-27kgとし、これを1m3の正六面体に固めたとしよう。この場合、中性子は縦に1015個、横と高さにも同じだけの数があるため、1045個並べられる。よって、質量は1.6×1018kgである。これは、日本語にすると1600兆トンだ。恐竜を滅亡させた隕石は5000億トンと推定されているらしいが、その3200倍もの質量が唐突に現れたら、まあ生命は無事では済まないであろう。やれ、FF9のラスボスは、倒すと羽を折りたたみ、球体のような形に潰れて消えていくのだが、これは恐らく、重すぎて自分自身がブラックホールになって吸い込まれていったのだと思われる。変なところに整合性を持たせてきた。もちろん、通常の攻撃をするのに、中性子塊ほどの重さは必要が無く、その辺の重さ1トンくらいの柱でも持って、物凄い速度で殴り付ければ良い。

 では、相手のそばに
中性子星を発生させる方法はどうか。この際、ドーナツ型にすれば、輪っかが引力によって球になる過程で、相手を押し潰せるだろう。おお、無理矢理であるが、何とか物理攻撃っぽい感じにできた!
 …だが、
中性子をどこから調達するかという問題が残っている。現実的に、最も素早く中性子を取り出せると思われるD-T核融合でも、1個の中性子につき14MeV=22.4×10-13Jのエネルギーが発生してしまう。これで、先ほどと同じく、1m3の正六面体、つまり1045個を取り出そうとすると、22.4×1032Jのエネルギーが発生する。ちなみに、太陽が1秒間に発生させるエネルギーは3.8×1026Jらしいので、1回のニュートンリングで使う中性子を核融合で生成するたびに、太陽68日ぶんの熱が発生することになる。しかも、1億5000万km向こうにあるだけであんなに熱苦しい太陽が、いきなり地上0m地点に現れるのだ。もはや地獄の人工太陽とかいう話ではなく、何もかもが燃えて消え去る。もちろんガイアもテラも、月でさえも全て燃えて消滅である。
 ――というわけで。永遠の闇が「ニュートンリング」を宣言した瞬間、何だかよく分からない光が発生し、一瞬で全ての生命が焼き尽くされ、その後に中心部がブラックホールと化し、光さえ届かない静寂に包まれるのである。確かに
「永遠の闇」の名称に偽りなしであるが、誰がここまでやれと言った!

惑星が十字に並んでランダムなステータス異常(物理的な意味は不明)


 そんなわけで。話が大幅に逸れ、何のことか分からなくなってしまったが、とりあえず、
物理はあまり世間一般にはメジャーではないようだ。
 …やれ、私がかつて通っていた高校だと、6割が理系・4割が文系であり、理系は更に物理と生物に分かれていたことを考えると、
高校物理を学ぶ人は半分以下であると言える。また、日本の高校進学率は100%に極めて近い水準であるそうだが、授業中に寝ていた人や弁当を食べていた人、携帯ゲーム機(当時)で遊んでいた人、左外耳道→左耳管→咽頭→右耳管→右外耳道を通って音が抜けていった人などを考えると、恐らく「運動量保存の法則」「ニュートンリング」と聞いてピンと来る日本人は、10人に1人も居ないのではないだろうか。
 ――しかしながら、私が「物理」を知っているから、
道徳的優位に立っているかと言うと、そんなことは決してない。代わりに私は、国語や歴史が酷く苦手である。つまり、宇宙の法則は分かるが、作者の気持ちはサッパリ理解できない。また、「新選組」などと言われても、「『るろうに剣心』とか『飛べ!イサミ』とか『ゴールンデンカムイ』に出てくる人たち?」くらいしか説明できない。文系学問を理解できないのは、損をしているのかもしれない。

 ちなみに、現代の話を言ってみると、漫画・映画・アニメなどで「歴史に興味を持つ」という若者はたびたび耳にするが、
漫画・映画・アニメなどで「物理に興味を持つ」という若者は、何故か全く目にしないものだ。
 …しかしながら、
物理を知っていると、なかなか遊べるのである。ニュートンリングでも運動量保存則でも良いし、なんならFF界隈においても、グランドクロスやアルマゲスト、スーパーノヴァ、グレート・アトラクターなどなど、「物理」をベースとした必殺技には様々なものが存在する。そういう物事の出典を聖地巡りがごとく調べて、ツッコミを入れてみるのも面白いものだ。物理を忘れた民族に未来は無い(意味不明)

(2021年9月29日)

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2021年9月13日(月)
【脱法ドラッグ】コーヒーは百薬物の長


 
飲みすぎだろ!(連続3杯を飲みながら)


 
この国で許可されている唯一の薬物はコーヒーである。本日の日記は、様々な作業用飲食物を検討した結果、ブラックコーヒーに行き着いたという話だ。

 まず、オッサンが夜中にダラダラしながら飲み食いするものと言えば、酒とその“つまみ”が主流であろう。
しかし、私はお酒を全く飲まなくなった。
 その理由として、まずはお金が掛かるということがある。庶民向けの安酒でも、さすがに1缶あたり100円は掛かる。しかも、お酒だけだと味気が無いため、だいたいの場合は「つまみ」と呼ばれるお菓子が必要となるのだが、これがやたらと高い。少し欲を出して色々と買うと、簡単に一晩で1000円以上が消えていく。以上が、一人の宅飲みで安く済ませようとした場合であり、居酒屋に行ったり、品目にこだわったりした場合には、野口英世が集団で財布から旅立ってしまう。1日全体の食費よりも、1回の酒代のほうが多く消えることすらあるくらいだ。
 …また、
酒は暴飲暴食の第一歩である。酒自体は、「百薬の長」という説と、「万病の元」という説があるらしく、未だに勝負が付いていない。しかしながら、酒を飲むと気が緩み、アレもコレもと、不要な物まで食べたくなる。そして、生きるために必要な量を超えた食べ物は、全て毒である。仮に、酒が健康に良いとしても、それでガツガツ他の物を食っていては、全く体には良くないだろう。糖尿病や脳血管疾患、虚血性心疾患に心肥大、肝硬変や脂質異常症などなど、この辺のメジャーな病気の原因は、ほとんど食べ物である。医者が、暴飲暴食の先っぽに出てくる病気を頑張って直したところで、その患者がまた好き勝手に飲みまくるのであれば、果たして意味はあるのだろうか…。
 ――そして。
そこまでして酒を飲んでも、作業効率が上がらないという悲しい現実がある。私が時間が有る時にすることと言えば、ゲームのやり込みプレイを進めるか、または文章を書くかと言った感じで、ある程度は知的な活動である。だが、それらの作業の効率は、酒を飲んでも上がるとは思えない。やれ、かつて「逆転裁判」シリーズのテキストを担当していた人は、どこまで本当かは分からないが、「酒を飲んで文章を書くと良いアイデアが出てくる」という趣旨のことを述べていた。まあ、そういう大ヒット作品を作る天才と、素人の私を比較するのも良くないだろうが、私の場合、確かに飲んだ直後はテンションが上がって、サクサク書けるようになる。しかし、更に時間が経って、痛飲気味になってくると、作業用BGMをひたすら探し回ったり、関係の無い記事をダラダラ読んだりと、集中力が散漫になり、作業効率が著しく悪化する。そうして、午前2時3時4時と無駄に過ごし、作品も完成しなかったという結果になってしまうのだ。もちろん、そうやって無駄な時間を過ごすのも、それ自体を娯楽と考えるのなら悪くない。しかし、作業効率を求めるのならば、私には酒は向いていないという結論になった。

 そんなわけで。様々な理由により、私は酒を飲まないようになった。
酒を「卒業」したとも言える。
 …ちなみに。私が20歳前後だった頃とは異なり、
最近の若者は、本当にお酒を飲まないようだ。この10年ほどでも、状況はかなり変わってきている。まあ、酒なんて、飲まないなら飲まないに越したことは無いだろう。あと何十年かしたら、酒は、今のタバコのような扱いになっているかもしれない。

実は大人も甘い物のほうが好きなのだが、デブへの恐怖に屈したのだ


 で、どうして今の私がブラックコーヒーに辿り着いたかと言うと、別に最初から代替品を探していたわけではなく、何となく定着したからである。しかし、いろいろと考えてみると、
コーヒーは酒の問題点を前向きに解消しているように思うのだ。

 まず、「お金が掛かる」という点であるが、確かにコーヒーも、こだわりだすと1杯で数百円となるようなこともある。しかし、私が飲んでいる安価なインスタントコーヒーは、
1杯ぶんに付き15円程度であり、お湯を沸かす代金を入れても20円くらいで済むだろう。5杯飲んで、やっと最安クラスの酒1缶と同じくらいの値段である。昔は、ちょっと時間が空いたら自動販売機の缶コーヒーという貴族のような生活をしていたこともあったが、そうでなく、安く済むような工夫をすれば、金銭的負担を全く感じることなく、コーヒーを楽しめるのだ。
 …また、「暴飲暴食の入り口になる」という問題だが、私の体感としては、酒とは異なり、コーヒーが極端に食欲を喚起するということは無い。
むしろ、食欲をごまかせる。そのため、例えば22時とか23時とかの微妙な時間になった時に、お菓子を食べるのではなく、コーヒーを飲むのであれば、その分のカロリーを節約できることになるのだ。そして、薬物として私が飲んでいるコーヒーはブラックであるため、ほぼ栄養分は無く、飲んだ後はそのまま下の口から出ていく。ちなみに、砂糖入りのインスタントコーヒーも飲むが、こちらは“牛乳”のような扱いであり、だいたい1日に1〜2杯程度としている。というか、砂糖入りのコーヒーを3杯も4杯も連続で飲むようになり、その糖分を無視できなくなったため、ブラックに行き着いたのだ。決して大人っぽくなりたいと思ってブラックコーヒーを飲んでいるわけではない。砂糖も何もせず下から出ていってくれるなら、コーヒーもコーラも無糖になんかしない。大人だって、甘い物は好きなのだ…。
 ――そして最後に、「作業効率」についてであるが、コーヒーを飲むと目が冴えて、種々の作業に対する集中力が上がる。これは、成分のカフェインが作用しているのであろう。更に、
酒のように、飲み続けることによるデメリットが無い。飲酒運転があっても飲コーヒー運転が無いように、カフェインの効果が重複して悪さをするといったことは、私は感じたことが無い。そして、カフェインのデメリットとして、眠れなくなることが挙げられるが、私はコーヒーを原因として寝られずに困ったことが無いため、こちらも特に短所とは感じていない。

 ちなみに。酒もコーヒーも嗜好品であるため、最も重要なのは「味」「楽しさ」である。しかし、私にとって、飲み食いは最上の娯楽ではなく、酒もコーヒーも手段にすぎず、最終目的地だとは考えていない。そして、ブラックコーヒーは、砂糖が入っていないため、苦い…
というか酸っぱい?のだが、そもそもお湯の量を140mlと示されているところを、私は軽く2倍以上入れているため、もはや味はメチャクチャである。ただ、真水やお湯だと味気なさすぎであり、何かが入っているというだけで飲みやすくなる。そして、ゲームや文章制作と言った本業に向かう気分を高めてくれるのだ。
 …まあ、カフェインにも、一応は依存性があるということで、飲みすぎると害をもたらすだろう。しかしながら、今のところ私は、全身をカタカタ言わせながら水で解いたコーヒーを静脈注射しつつ、
「これはただのビタミン剤じゃ…」と唱えるような事態には陥っていない。そうまで行かなくとも、頭痛・悪酔い・二日酔い・吐く・朝に起きれないといった日常レベルのトラブルすら、全く無いのである。
 ――ということで。ブラックコーヒーは、私にとって、
デメリットの無い薬物である。これは、イオンコーラ(イオンで売っている「カロリーオフコーラ」。1.5リットルで98円と安く、味もそこまでブランド系のコーラに劣るものではない。最近では姉妹品の「カロリーオフサイダー」「カロリーオフジンジャーエール」も発見したので、1回の買い物で6〜7本をまとめ買いしている)と同じく、庶民の味方と言って良い。コーヒーは、酒の問題点を解消した飲み物だった…?

(2021年9月29日)

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2021年9月9日(木)
みんなPS5買えた?


 
喜多日菜子ちゃんもかわいいね…(本文とは関係なし)


 明日10日の午前5時
(日本時間)から、ソニーによるPS5ソフトの新作発表会が行われるという。というわけで、ゲームソフトの話はそちらに回すとして、本日は、ハード(本体)の話をしてみよう。皆さまは、PS5を買えただろうか。私は買えていません。

 さて。まずは、いつも通り、基本的な情報から復習をしておこう。PS5の発売日は、2020年11月12日
とされている。その発表が為されたのは、ちょうど今から1年ほど前であり、その際は同時に「FF16」の世界初公開も為された。その当時の記事が残っているので、必要に応じてご覧いだきたい【日記:2020/9/17】。ちなみに、その発表会の名称は、明日早朝に行われるのと同じ、「PlayStation Showcase」であった。
 …ところが。PS5本体は、発売直後の購入は困難を極めた。それだけでなく、もうすぐ1周年となる現時点においても、
物を売るというレベルになっていない。つまり、「一般的な店頭に並んでおり、お金があれば通常価格で購入できる」という状態ではないということである。
 ――やれ、PS3は、発売直後こそ「物を売るってレベルじゃない」の名言が出来るほどに悪目立ちをしたが、私は4ヶ月後の2007年3月に、特に苦労せず、普通のゲーム屋で購入をしたことを覚えている。また、PS4についても、発売1年ちょっとが経ってからの購入であり、今と比べると“PS据え置きハード”が空気のような状況であったものの、やはり特に問題なく買えた。それらに比べ、
明らかにPS5の状況は異常なのである。

 さて。一応、PS5の新品については、
1週間につき1〜2万台が出荷されているそうだ。しかしながら、無条件で参加できるネットショップは入荷と同時に瞬殺され、もはや挑戦すること自体が無意味となっている。例えば、Amazonなら、「金曜の午前9時台」に在庫が復活することが多いのだが、その時間帯に張り付いていたところで、全く買えていないのである。「何分で終わり」とかのレベルではなく、そもそも買えない。
 …また、先着順でない店については、抽選販売が継続されている。私については、そのうち応募条件を満たしているものについては全て応募しているのだが、未だに当たっていない。いったい私の何が悪いのだろうか。まあ、
は間違いなく悪いだろう。ゲームを買うために運が要る。これが本当の★運ゲー★というやつか…。
 ――その他、大手量販店では、「自社のクレジットカード加入を条件に1台のみ購入可能」という処置をしているところもあるようだ。この手段で、店頭購入をした多いという。まあでも、
私の県にはその店が無く、今の社会情勢で無意味に出歩くのも好ましくないだろう。それに、クレジットカードは既に持っているので、2枚目を作る意義も感じない。そのうえ、「行ったら確実に買える」ならともかく、「買えるかもしれない」レベルなのだ。これではちょっと、さすがに食指が伸びない。いつになったら、「一般的な店頭に並んでおり、お金があれば通常価格で購入できる」になりますか?

PS3の発売から15年、このパロディからも10年。転売の状況は、更に悪化しています…


 このような状況の理由として、世界的な半導体不足や、海外を中心にPSハードの人気が高まっていることが挙げられる。しかし、個人レベルだと無視できないのが、
「転売」の問題である。新品で買って、定価よりも高値を付けて、他人へと売りさばくのだ。
 …その具体的な商品として、一時期は、マスク・消毒薬といった生活必需品が転売被害に遭い、大きな社会問題となった。また、娯楽商品に目を向けてみると、PS5だけでなく、ニンテンドースイッチについても、一時期は激しい転売対象とされ、現在でも入手が難しい地域があるようだ。その他、ガンプラ
(ガンダムのプラモデル)や遊戯王カード・ポケモンカードといった玩具でさえ、恐ろしいことに、今では新品の入手が難しくなっているほどと聞く。もちろん、人気が白熱して、そういう商品が一時的に品薄になったのなら仕方ない。しかし、現実には、意図的に買い占めをして高値で売りつけようという業者によって、一般消費者が買えなくなっているだけなのである。
 ――やれ。昔も転売はあったが、ごく一部の超人気商品だけであり、ほとんどの場合は数ヶ月程度で解消されていた。それが、現在では、少しでも値段が釣り上げられると分かれば、ただのオモチャまで丸ごと餌食にされるうえ、場合によっては年単位でその部門が焦土と化す。
ここ最近の状況は、私には異様に見えるのだ。確かに、お金が欲しくない人など居ない。しかし、その結果として、お金以上に欲しかったものが手に入らない、または無駄な追加料金をダフ屋に払わなければならなくなるのであれば、結局のところ、回り回って貧しくなっているのだ。

 さて。私のスタンスとしては、以前にFF9プレイ日誌に書いたように
【第3話】「転売」をしっかり社会悪として認識し、チケット不正転売防止法のように法的な手段で駆逐していくことはもちろん、このような脱法業者からは購入しないという対策が重要であると考える。
 …そしてもちろん、インターネット時代では、
誰もが転売業者に“就職”できる状況である。資格も試験も面接も必要ない。だからこそ、自分自身が転売屋にならないということが重要だ。「業者」という言葉に複数という意味は無いため、定価以上の値段で売りつける意図をもって商品を購入した時点で、立派に、忌み嫌われる「転売業者」である。子供のオモチャを横から強引に奪い取って金儲けをする情けない大人を見て、買えなかった子供たちは、いったいどのような大人に育っていくだろうか。身の毛がよだつものである。

 ただ、話をPS5に戻すと、ソニーの転売対策は、全く上手くいっていない。
というかやる気がない!
 …やれ、ソニーは、PSNのアカウントを持っているため、「ゲームのプレイ時間」「購入履歴」を、簡単に個人情報と紐付けできる。だから、「実際にゲームをプレイしている人に、1台限定で、PS5を販売する」ということを、簡単に行えたはずである。実際、アメリカなどでは、PSNアカウントの利用状況によって、購入権が与えられたこともあったようだ。ただ、
日本ではこのようなことは全く行われていない。そのため、私のようなゲームを生きがいにしている人間であっても、未だにPS5が買えていない。そして、抽選への応募についても、「○本以上のゲームソフト購入」ではなく「何万円以上の電化製品購入」などとズレた設定をせざるを得なくなり、そもそも応募できないか、または競争率が上がってしまっている。
 ――まあ、原料の半導体不足自体は、ゲーム機だけでなく、全ての工業製品に共通するものである。また、転売に関しても、脱法業者とそこから購入する者は、非難されるべきである。しかし、ソニーに向けられている批判は、
ほぼ100%「必要な転売対策を取っていないこと」についてだ。私は、今もソニー製品のファンであるが、ファンとして本当に必要なのは、盲信ではなく、ちゃんと批判を届けることだと思うため、こういう指摘は今後とも行っていく。買い占めを行っている転売業者が悪い、そんなことは当たり前である。だが、“犯罪者が悪いのだから、警察が対策しなくて良い”ということにはならない。ソニーはソニーで、しっかりと必要な層にPS5が届くようにする環境を作らなければならないのだ。

FF16の発売時点で普通に買えるようになっている保証は無いので、今から頑張っておく


 というわけで。このように、購入するだけで苦労を要するPS5であるが、私としては、
PS5を買わないという手段は無い。
 …その理由として、現在は移行期ということで、PS4版とPS5版の両方のソフトが発売されている場合も多い
(「バイオハザード ヴィレッジ」や、本日発売の「テイルズ オブ アライズ」など)ことが多いが、PS3&PS4の関係と同じく、やがてPS5のみに移っていくことは間違いない。そういうわけで、今後とも一定の性能を要求するソフトをプレイしたいのであれば、PS5の購入は欠かせない。私としても、性能向上で遊べるようになる新しいゲームが楽しみであり、PS5の機械としての内容にネガティブなイメージを持っていることは無い。なお、PS5はPS4ソフトの互換性を持っており、一部タイトルは動作が向上するものもあるため、一部の機能を除けば、PS4の完全なる上位互換になると言える。
 ――そして、FF関連についても、発売済みの
「FF7リメイク(第1弾)のユフィDLC」に加え、ナンバリング最新作の「ファイナルファンタジー16」が今後PS5に供給されると明らかになっている。そして、未発表なものの、「FF7リメイク(第2弾)」も、PS5専用となることはほぼ確実であろう。それらに加え、PS4で動いていたFFソフトは、そのままPS5でも動作する。だから、今後は私のFFプレイについても、PS5へと移行をしていきたいのだ。

 そんなわけで。今年の頭あたりに、抽選の応募を始めた頃から、
「さすがに春までには買えるだろう」「さすがにユフィDLCまでには買えるだろう」「さすがに夏までには買えるだろう」「さすがに…」と言い続けているが、9月になった現在でも買えていない。この状況は、非常にマズいのである。この6月に配信された「7リメイク第1弾のユフィDLC」については、所詮2章ぶんの追加コンテンツとはいえ、話題に付いていけなくなって、悔しい思いをした。この悲劇を、7リメイク第2弾やFF16と言ったビッグタイトルで、繰り返したくないのである。
 ――というわけで。私は、今後の展開を見越して、引き続きPS5の抽選応募を行っていくのである。必要なお金は用意してあるし、仮に遊ぶソフトが無かったとしても、「PS4pro2」として使うことも可能である。まあ、当たっている人自体は増えてきているし、台数もそれなりに出ていることは確かなのだから、長い目で見れば、そのうち購入できることだろう。早く、「欲しい人が誰でも買える」という、ゲーム機として普通の状況になってほしいなあ…。

(2021年9月29日)

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2021年9月3日(金)
PSnowでFF7,8,9、10&10-2、12の配信が決定! 一方13は…(泣)


 
この続きの2022年2月にFF13リマスターが発売されるんだよ!!!11


 本日、PSハードのサービスの1つである「PSnow」にて、FFシリーズ作品が配信されると発表された。
【該当記事はこちら】であり、対象タイトルは「FF7,8,9(全てPS4リマスター版)」「FF10&10-2 HDリマスター(PS4版)」「FF12 ザ・ゾディアック・エイジ(PS4版)となってしまった…。

 さて、上のような書き方をした理由は、もちろん、
今回もFF13シリーズが外されているからである。当サイトを長く読んでくださっている皆さまは、とっくにご存じであろうが、「FF13」、およびそのシリーズ内続編である「FF13-2」「ライトニングリターンズ」は、PSハードにおいて、全てPS3でしか発売されていない。そして、PS4とPS5は、PS3の互換機能を持っていないため、FF13シリーズを遊ぶためには、PS3本体を用意しなければならなくなっているのだ。一応、まだまだ中古市場にPS3は出回っているとはいえ、「FF13のためだけに本体を買え」というのは厳しいであろう。
 …ちなみに、他社製ハードに目を向けてみると、まずニンテンドースイッチには、最近になって「FF7,8,9」「10&10-2」「12」が移植されたが、
やはり13は見送られた。一方で、Xboxにおいては、まずPS3と同世代であるXbox360にて、FF13シリーズの3作が発売された。そして、その後継機であるXboxOneとXboxSeriesXでは、互換機能でFF13シリーズを楽しめる…どころか、事実上のリマスター版として、より高画質なFF13シリーズ作品を、追加料金なしで楽しめるようになっている【日記:2019/2/27】。その他、FF13シリーズ作品は、PC版も発売されており、こちらも性能が許せば、PS3よりも優れたグラフィックでのプレイが可能となっている。
 ――そんな感じで。FF13は、
何故かPSハードにて冷遇が為されている。FF13は、日本PS3での売上1位のタイトルであり、あの時代を代表するゲームと言って良いと思うのだが…。そして私は、Xboxハードを持っておらず、PCもゲームをするためのものだとは思っていないため、未だにFF13シリーズを遊ぶためだけにPS3を用意しているくらいだ。PS4の時代にも、事あるごとに移植やリマスターを熱望していたが、ついにその夢は叶わなかった。そのため、更なる次世代機のPS5には期待をしているところなのだが、今回のPSnowでの非配信は、まずは出鼻をくじかれたという感じである。

 そして、
「PSnow」というサービス自体についても触れておこう。これは、PSハードで使える月額制のオンラインサービスであり、かつては「ストリーミングでのゲームプレイ」のみを提供していたが、現在はレンタル形式のダウンロード版も配信しているようだ。
 …やれ、この
「ストリーミング」という言葉がややこしいが、PSnowで行われているのは、YouTubeやアマゾンプライムなどに類似した、動画配信サービスのゲーム版と言えるものである。利用者の元には、インターネットを通してゲーム動画が送られてくるので、それに対してボタン操作を送信し、映像と音の反応を得る。それを繰り返すことによって、ゲームをプレイしていく…というものである。当然、常時オンラインが必須であり、通信速度が足りなければ画質の劣化や操作の遅延が起こるものの、機器の処理性能に関係なくゲームが遊べ、ソフトの準備すら必要ないという魅力がある。インターネットに繋がりさえすれば良いので、携帯電話でFF13を楽しむことも可能であり、実際にそういうサービスが存在したこともある。または、PS5ソフトをPS4本体で遊ぶということも、ソフトの配信さえあれば可能である。私はPS5を未だに買えていないので、この方法で何とか救済してくれませんかね…。
 ――なお、この「ストリーミングによるゲームプレイ」は、
用語が乱立しており、「クラウド」とか「オンデマンド」などと呼ばれることもある。だが、表すところは全て同じであり、ボタン操作によってゲームを動かせるYouTubeである。

 しかしながら、このストリーミング形式は、
いささか時代が追いついていないためか、本格的な普及には至っていない。長くサービスが続いているのは「PSnow」くらいで、最近やっと「Xboxゲームパス」も対応をしたようだ。他は、GoogleだとかAppleだとかの超巨大企業が参入したり、スクエニ独自のクラウドサービスを配信したりということも耳にしたのだが、それらが今どうなっているかは、知るよしも無い。そして、私自身についても、ゲームのダウンロード版やオンラインプレイはよく使うものの、ストリーミングだと所有欲を満たせず、インターネット環境も必ずしも潤沢というわけではない。
 ――そんな環境を反映してか、現在のPSnowでは、ストリーミングだけでなく「ダウンロード」も行うことができる。この場合、自らのゲーム機でソフトを動かすため、遅延の問題を解決できる。ただし、ストリーミングの長所も無くしており、
月額制のDL版ソフトのレンタル屋であると言える。なお、PCでプレイする場合は、PCにPS4の機能が無いため、ストリーミングのみとなる。今回のFFシリーズ5作品の配信は、PS4とPS5では「ダウンロード/ストリーミング」、PCでは「ストリーミング」となっている。ダウンロードのほうが先に書かれているのが、現在のPSnowの立ち位置を象徴していると言えよう。

ん…? 「Disc版/DL版」ということは、PS3の初代FF13にも、DL版がどこかに存在する…??


 ところで、そんな「PSnow」と、FF13シリーズの関係を述べてみると、
実はPSnowのサービス開始当初は、FF13が配信されていた。検索を掛けてみたところ、【その当時のPSblogの記事】があるので、参照してみてほしい。
 …ただし。このFF13のPSnowでの配信には、
猛烈な問題があった。それは、独自料金を取ることである。現在のPSnowは、基本料金を払えば、配信されているゲームを全て楽しめる(はずである)。ところが、サービス開始当初のPSnowには、ソフトメーカーへの配慮なのか、基本料金ではプレイできず、独自の料金を徴収するタイトルがあった。FF13もその1つであり、「4時間で432円」「7日間で864円」「30日で1080円」「90日で1944円」という料金体制になっていた(現在はFF13の配信自体が消滅)。4時間は論外であり、1週間でも急かされるため、まあ実質的に1080円からのプランと言って良いだろう。
 ――やれ、皆さまご存じの通り、当時においても、FF13の中古PS3ディスク版は、500円以下という極めて安価で出回っていた。
よって、1080円からという配信価格には、全くお得感が無い。しかも、中古ディスクのフルゲームより高い値段を払って得られるメリットは、PS4とPSvitaの本体で一時的にプレイできるというだけであり、その他の面は全てが劣化版なのである。というわけで、さすがの私も、これに手を出すことはしなかった。この機能を使って、FF13を最後までプレイした人が、果たして居たのだろうか…?

 そして。当時のPSnowは、FF13だけでなく、
目玉となるようなタイトルは全て独自料金であり、基本料金側には、やりたくなるようなタイトルがまるで見つからなかった。そのうえ、上のブログの記事によると、基本料金も1ヶ月2500円・3ヶ月5900円ということで、地獄そのものの状況である。
 …いっぽう、現在のPSnowは、1ヶ月プランが1180円、12ヶ月利用権なら月額換算で582円、セール最安の30%OFFの時なら月額換算407円と、
比較的まともな価格になっている。また、ニンテンドースイッチの「スイッチオンライン」や、Xboxハードの「Xboxゲームパス」のように、競合他社が重なるところのあるサービスを出してきており、それらとの競争により、PSnowにもテコ入れが為されるようになってきた。実際、今回のFF作品5タイトルについても、1回クリアして終わりで良いのであれば、通常のダウンロード版を購入するよりも割安となる。
 ――ただ、
PSnowでは、人気タイトルは期間限定となることがあるようなので、そこも気を付けておきたい。例えば、過去には「エースコンバット7」が配信されたこともあったが、これは3ヶ月限定であり、現在はプレイ不能となっている。今回のFFシリーズについても、冒頭の画像に「期間限定」と書かれており、最後のひと月でまとめて遊ぶということは不可能だろうと思われる。やれ、「追加されたタイトルをずっと遊べるか」「新発売のゲームが登場するか」「基本のオンラインサービスと別枠になっているか」は、PSnow・スイッチオンライン・Xboxゲームパスで全て異なっている。ややこしや…。

 ということなのだが、話をFF13主体に戻すと、現在のPSnowではFF13が配信されていないため、
やはり現行PSハードではFF13シリーズは遊べないというところに戻ってきてしまう。
 …やれ、現在のPSnowでは、「PS4ソフトを、PS4かPS5で遊ぶ場合は、ダウンロード/ストリーミングで」「PS3ソフトを、PS4かPS5で遊ぶ場合は、ストリーミングで」「元のソフトに関わらず、PCで遊ぶ場合は、ストリーミングで」という形式で運営がされている
(PS5ソフトは、まだ配信されていない?)。そのため、7からのFFシリーズ追加の流れに乗って、FF13もストリーミング限定で無理矢理に揃えることは可能だったはずである。しかし、採算が取れないのか、またはFF13に嫌な思い出があるのか、やはりFF13だけはプレイ不能となっているのだ。

 そんなわけで。私は、
PS5でFF13シリーズのリマスター版を出すべきと今後とも主張しつづけることになる。
 …ちなみに、他機種版については、私はパソコンをゲーム機だとは捉えていないため、「ゲーミングPC」と呼ばれる専用機を買う予定は無い。また、事実上のリマスター版を遊べるXboxハードについても、買う場合には、
FF13専用機となる。旧作を高画質で遊ぶためだけに、決して安くないゲーム機本体を買うのは、かなりの覚悟が必要である。そして、ニンテンドースイッチへの移植については、プレイ層やプレイスタイルを広げる施策として有用であり、是非やるべきだと思っているが、本体性能の制約より、PS3版とは“相互互換”的な扱いとなるであろう。
 ――まあ、欲を言い始めると、「成長のやり直し機能が欲しい」「アビリティのON/OFF機能が欲しい」「7リメイク第1弾のように、ハードモードやチャプターセレクトを入れてほしい」「セブンスアークなど、没になったDLCを追加要素として復活させてほしい」などと、キリが無くなってしまうのだが、とりあえず、
まずは現行機でFF13を遊べるようにしてほしいのだ。正直、FF13はPS3の普及にかなり貢献したタイトルだと思うのだが、現在においては、ソニーではなくマイクロソフトのほうが手厚く扱っているというのは、私には理解できない状況である。ソニーが悪いのか、スクエニが消極的なのかは知らないが、もはや誰が悪いのかということはどうでも良い。「FF13が現行機で遊べない」という悪い状況を、なんとか解決してほしいものである…。

このセリフは時期によって異なるが、どちらにせよ「神羅の軍事組織=ソルジャー」ではない


 
おまけである。冒頭に掲載した、【PSnowでFFシリーズ5作品が配信決定(ただし13を除く)!】の記事では、配信が決定された各シリーズ作品について、簡単なストーリー紹介が為されている。しかし、これが微妙にズレているので、それに逐一ツッコミを入れてみることにしたい。まあ、英語の記事から翻訳しているということで、微妙にカタコトっぽくなっているのだが、それにしたって変な部分が存在するのだ…。



FF7
 星の生命エネルギーを直接吸い上げた資源「魔晄」。その発見は新たな時代の幕開けとなり、今ではそのエネルギーが世界中の人々の生活を支えています。しかし神羅カンパニーは、魔晄の生産を独占し、巨大な覇権を確立――その影響力は世界の隅々にまで及んでいました。
 
神羅カンパニーの軍事組織「ソルジャー」の元兵士であったクラウドは、反神羅組織「アバランチ」に“仕事”として参加します。神羅カンパニーの魔晄炉を破壊する作戦のさなか、クラウドの宿敵「セフィロス」が復活したことを知り、この星が予想以上の危機に瀕していることが定かとなります。

 神羅カンパニーの軍事組織は「ソルジャー」という名称ではなく、あくまで神羅軍の精鋭部隊、またはそれに所属する者が「ソルジャー」であり、この書き方だと「神羅兵=ソルジャー」と誤解する恐れが強い。また、セフィロスの話が出てくるのは、神羅ビルに突入してからである。そして、「定かとなります」という書き方は、私は使ったことがない。
 とまあこんな感じで、
確かに間違ってはいないが、何かおかしいという感じの文章になっているのだ…。



FF8
 魔女イデアの影響下にあるガルバディア共和国は、世界中の国々に対して大規模な軍隊を動員していました。スコールをはじめとする特殊部隊「SeeD」のメンバーは、レジスタンス活動を行うリノアと協力して、ガルバディア共和国の
横暴な支配に対抗し、魔女イデアの目論見を阻止しようと戦います。

 間違ってはいないが、
ガルバディアが直接の敵となるのはDISC1で終了なので、ちょっと実際のゲームとは印象が異なる。「横暴な支配」「目論見」は…まあ、たぶん直訳だから、こういう言葉になったのだろう。



FF9
 ガイアの四大陸のひとつ「霧の大陸」では、奇妙な出来事が起きていました。女王ブラネが治めるアレクサンドリア王国は、テラからの使者「クジャ」の命を受け、他国への侵攻を開始。アレクサンドリア王国で偶然出会った
ジダン、ビビ、ガーネットの3人は、自らの出生の秘密、命の根源たるクリスタルの存在、そして帰るべき場所を探す旅に出ることとなります。

 
あーーーー……やっちゃったよ……。まあ、アルファベット表記は“Zidane”だから、気持ちは分からなくも無いが…。
 また、「ガイアの四大陸」「テラからの使者」は、ゲーム開始当初は知る必要の無い情報であるし、クジャとブラネに主従の関係があるような解釈も
奇妙である。ちなみに、後半部の文章は、ジタン・ビビ・ガーネットが主体なことを正確に捉えているなど、良く書けていると思う。



FF10&10-2
 『FINAL FANTASY X』の舞台は、大いなる厄災「シン」に支配された世界「スピラ」。エボン寺院では、シンは人間の罪の象徴とされており、エボン教の教えを守り、罪を償うことで浄化されると教えられています。召喚士であるビサイド島のユウナは、この恐怖を打ち破るために巡礼の旅に出ることに――ユウナのガードとして異世界から来たティーダが加わり、シンにまつわる謎を解き明かしながら、世界を救うための旅が始まります。

 何かピンとこない文章なのだが、その理由が分かった。
「究極召喚で『シン』を倒す」という説明が無いからである。
 ちなみに、ほとんどの人は、その違和感に振り回され、
10-2が完全スルーされているということに気付いていない。



FF12
 それはイヴァリースと呼ばれる世界の物語。強大な軍事国家アルケイディア帝国の侵略でダルマスカ王国が滅亡した戦争から、2年――戦禍に家族を奪われた少年「ヴァン」は、帝国に占領された街でたくましく生きながらも空賊となって大空を駆ける自由に憧れていました。王家で唯一生き残った王女「アーシェ」は、ひそかに解放軍を率いて祖国の再興をめざし、帝国への復讐こそが義務だと誓っていました。戦乱の時代に出会った彼らの願いと希望が、人々の運命を結び、そして国々の命運をも変えていきます。

 ヴァンの両親が死んだのは、戦争よりも前の流行病である。まあ、当時から戦乱が多く、それによる経済状況の悪化などで、感染症を患い、適切な医療も受けられなかった…という解釈もできるため、こんな細かいところまで突っ込むべきではないだろう。
 それよりむしろ、FF12は他のシリーズとは
だいぶ作風の異なるゲームであるため、物語だけで表現するのは適切でないように感じる。ガンビットやシームレスバトルといったシステム部分、「オイヨイヨ!」とか「バルフリャー!!」みたいな名言、真のライバルキャラクターであるモブや召喚獣に触れてほしい。まあ、FF7,8,9,10と、ストーリーについて書かれているのに、12が何故か「ガンビットによる自動戦闘が特徴的だ。全45体のモブと13種類の召喚獣がライバルとして君を待ち受けている。やらないなんてムセテンナヨ!」みたいな紹介文だったら、浮きまくってしまうのだが…。




(2021年9月29日)

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2021年9月1日(水)
スイッチ「モンハンライズ」感想:携帯機向けのモンハン


 
単にワールドの劣化版とせず、独自の魅力を持たせたところは大変よい


 ニンテンドースイッチで今年3月に発売された
「モンスターハンターライズ」をクリアしました(下位&上位の全クエスト達成まで)。今作は、PSPと3DSで発売されてきた作品の系譜を汲んだ、良くも悪くも携帯機向けのモンハンになっていたと思います。
 …さて、「モンスターハンター」シリーズは、変わった経緯で販売が為されてきている。今から10年ほど前にはPSPで大ブームを引き起こしたものの、2010年の『ポータブル3rd』を最後に、
何故か全くPSハードの展開が為されなくなり、では任天堂据え置き機を使うかというとそういうわけでもなく、性能・機能で大幅な制限のある3DSでの独占展開となっており、2011年〜2017年で合計5作が発売された。まあ、今となっては、この3DSシリーズでモンハンを始めた人も多いであろうから、あまり大っぴらには批判できないのだが、結果だけを言うと、この時期に私は全くモンハンをやらなかった。
 ――そして、その後は、2018年1月にPS4などで
『ワールド』が発売され、新たなグラフィックとシステムでモンハンがリニューアルした。私は、発売当初はあまり興味がなかったのだが、秋になってからプレイを始め、進化した機能やオンラインプレイ、そして「歴戦王」に代表されるやり込み要素にハマりにハマり、2019年9月の『アイスボーン』と合計して900時間という、自分の中ではPSP時代を超えるほどの大ブームとなった(関連/【プレイ日誌:ベヒーモス討伐記】【日記:2020/10/22】など)。そして、これまで日本で人気の高かったモンハンシリーズだが、『ワールド』の名の通り、世界でも受け入れられるようになり、累積出荷本数で1730万本というカプコン史上最大のヒットタイトルとなっている(2021年6月30日時点。全機種合計、『アイスボーン』は820万本)

 というのが、ここまでの流れなのであるが、
あくまで『ワールド』は据え置き機向けのモンハンである。その一方で、しばらく親しまれてきた「携帯機向けのモンハン」は果たしてどういう扱いになるのか、発売されるとしたら「いつ」「どのような形式になるのか」ということは、私も気になっていた。
 ――そんな中、今からちょうど1年ほど前に、ニンテンドースイッチにて
「モンハンライズ」の発表が為されたのである【YouTube】。その映像の中には、和風・忍者・空中移動・妖怪といった感じの要素が盛り込まれ、『ワールド』とは異なる雰囲気の作品であることが明らかになっていた。また、任天堂ハードとしては、3DS→スイッチで桁違いに性能が向上しており、それをどこまで内容に反映できるかということが、私は気になっていた。そして、それらの違いにより、PS4やPCとは異なる層に、どこまで波及できるかということにも注目していた。やはり、新規ユーザー、特に10代の子供たちにゲームを遊んでもらうことが、業界全体の活性化に繋がるからである。このサイトも10代の少年少女に閲覧してほしい(無理)

ライズで初めてモンハンに触れた皆さん、これが「悔しさ」です…


 そういうわけで。私は、発売日の3月26日から少し遅れ、この夏になってから『ライズ』を遊びはじめたのである。
 ――まず、今回プレイで変えたこととして、これまでは
片手剣をずっと愛用してきたが、今回は太刀を使っていった。理由として、『ワールド』の片手剣では「左スティック&△ボタン」で方向転換をしながら連続攻撃ができ、非常に気持ち良く操作ができた。しかし、ライズでの似たような攻撃は、「左スティック&X+Aボタン」という同時押しに変更されており、しかも自分のプレイ環境だと、Bボタンまで押してしまって回転回避が暴発する事態が頻発した。この辺りについて、体験版プレイ時に違和感を解決できず、どうにもしっくり来なかったため、本編のプレイ時に、片手剣から武器を変えてみようと思った。その結果、『ワールド』の際にも少しだけ触れていた太刀に白羽の矢が立った…ということである。

 そういうわけで。私は、
コロコロ漫画の主人公みたいなキャラクターを作ってゲームを進めていったのだが、まず私は、ニンテンドースイッチの特色を活かす、カプコンのゲーム作りの巧みさに感銘を受けたのである。
 …まず、最も気になったグラフィック面に関しては、私は携帯モードでプレイをしており、
PS4の『ワールド』と比べても、大きくは見劣りしない程度の画質を実現できていると感じた。やれ、これまでの携帯機向け作品と言うと、3DSの『4』シリーズは、10年前にタイムスリップしたかのような、やる気の消え失せる見た目であったが、今回の『ライズ』では現世代として見劣りしない品質になった。モンスターの質感などは、『ワールド』に比べてもかなり良いところまで迫っている。一方で、炎や煙と言ったエフェクトは、やや残念な感じとなっているが、携帯向け作品としては合格点であろう。私は、携帯機がグラフィック面で据え置き機を上回るなどということは全く思っていないので、携帯性とのトレードオフとして、十分に満足の行く画質であった。
 ――そして、このグラフィック表現については、どうも「バイオハザード7」などで使われた「REエンジン」を、スイッチ向けに取り込んだことに由来しているようである。据え置き機向けの開発機能を、携帯機に使用し、ここまでの高グラフィックを実現するとは、さすがカプコン、略して
さすカプである。

 そして、見た目以外の内容面としては、スイッチ向け作品として、「ワールドポータブル」のように、『ワールド』の移植+αとする手も有ったと思うのだが、あえて『ライズ』では別世界を舞台とし、新要素を多く取り込んだ作風となった。これも、
私としては大成功だと思うのである。
 …まず、大きな新システムとして、
「翔虫」(いま初めて「ショウチュウ」ではなく、「カケリムシ」と読むことを知った…)を使った空中移動が存在する。これ、最初こそ慣れなかったが、非戦闘時の移動手段として大変有用であり、関連アクションの壁走りとともに、ZL+ZRであちこちピョンピョン飛び回って遊べた。また、戦闘中は、転倒時の隙を軽減できる「受け身」と、ゲージを消費した攻撃技の「鉄蟲糸技」というものが存在する。当初、受け身が強すぎて戦闘がワンパターンになりがちと思っていたが、翔虫を攻撃にも転用できるということに気づいた後は、俄然ゲージの管理が重要となった。こういう、新システムをしっかりゲーム性として完成させてくるところは、さすが“アクションゲームのカプコン”、さすカプだ。
 ――加えて、その他の点においても、「Lボタン+右スティックでのショートカット機能」「ベースキャンプでのアイテム補充・装備交換」「回復薬を使いながらの移動」「ダメージ数値の表示」など、『ワールド』で一新された便利機能の数々は、多くが取り込まれている。無くなったものもあるが、代わりのシステムが多く導入されており、「ゲーム性の変化」という感が強い。そして、発売時期上ではシリーズの最新作であるため、「食事システムの最適化」「基本アクションを変更できる『入れ替え技』」「ロード時間の短縮」など、
『ワールド』『アイスボーン』よりも優れている点すらある。
 ちなみに、難易度としては、
基本的に緩く、適当に攻撃して、喰らったら「受け身→回復薬」で誰でもクリアできるRPGゲームのようなバランスとなっている。そのため、途中まではゲーム性が消えかけているような雰囲気すら感じたが、さすがにストーリー終盤からクリア後は、それなりに難易度が上がっていった。また、最後の最後で追加された「ヌシ」という6種類の強化個体については、本作が忘れかけていた悔しさを一点集中させたようなモンスターとなっており、久々にモンハンらしさを感じることができた。

 ちなみに、登場する大型モンスターの数としては、現行の最新バージョンであるVer.3.3.1の時点で45種類
(ヌシを別モンスターとして数え、ラスボスのバージョン違いを別として考えない)である。『ワールド』が、様々な追加を経たうえで35種類(亜種は別モンスターとして考える。各種の強化個体は同モンスター扱いとする)なので、数字の面では、『ワールド』よりも勝っていると言える。もっとも、後述するように、必ずしも内容面で勝っているとは言えないものの、私も全クエストコンプリートまでで80時間も遊べたため、ボリューム面での心配をする必要は無いと言えるだろう。

イントロの三味線×尺八のところがカッコいい! けど、その後が印象に残らない…


 そういうわけで、私は『ライズ』を、全クエストクリアーまでは遊んだ。しかし、残念ながら『ワールド』『アイスボーン』の時とは異なり、
既にお腹いっぱいであり、クリア後の更なるプレイに繋げようとは思わなかったのである。というか、HR50以降の時点で、既にかなりダレていた。
 …その理由として、
敵モンスターが弱いため、キャラクターを強化する意義が乏しいというのがある。『ワールド』の頃は、ストーリー中では超凶悪な「ネルギガンテ」が登場し、クリア後にもバゼルギウス2体討伐や歴戦キリンといった要所での難関があり、オンラインでは歴戦王といった強化個体も配信されていたため、キャラクターを育成する楽しみがあった。しかし、『ライズ』ではストーリー上もクリア後も、詰むような場面が全く無かったため、新装備を作る前向きな気持ちが持てず、やらされ感がとても強くなってしまった。テオ・テスカトルくん! 君のことだよ! 何個たてがみ要求するの!
 ――ちなみに、前述した「ヌシ」は、一転してやりがいに
溢れすぎたモンスターとなっていたが、単体クエストの存在に気づいたのがHR100を超えた頃であり、既にプレイ意欲が下がっていたため、作業的に倒すだけで終わってしまった。もう少し、出し方や扱いに工夫があれば、「歴戦王」に匹敵するやり込み要素として遊べたのかもしれないが…。

 そして、クリア後もプレイを続ける気にならなかった更なる理由として、
コンテンツの出し方がよく分からないというものがある。
 …まず、『ワールド』や『アイスボーン』では、大型アップデートで新規モンスターを追加することはもちろんとし、それ以外にも、受注回数に制限のある「歴戦」、強化個体の「歴戦王」、週ごとに課題を出す「配信バウンティ」、イベントクエストが全解禁される「アステラ祭」など、様々な要素が用意されていた。また、新規モンスターも、「マム・タロト」「ムフェト・ジーヴァ」といったクエスト形式が特殊な奴らや、「ベヒーモス」「レーシェン」「アルバトリオン」といった考え方を変える必要のある敵、そして「ミラボレアス」のような尋常ではない強敵など、特殊なモンスターが多く登場した。これらの特殊なクエストについては、
「遊び方を強要されている」「大縄跳びオンライン」「悔しい」などと、批判的意見が多かった気がするが、私としては、「ただ強いモンスターを倒すだけ」という感じでなく、様々な遊ばせ方で楽しませてくれたように思うのである。クオリティが高いだけでなく、甘みの中に苦味を含むような、少しだけ理不尽な要素があるような感じのほうが、強く印象に残るのだ。
 ――いっぽう、『ライズ』についても、2回の大型アップデートで様々なモンスターや装備が追加されたのだが、
こちらは「ただ強いだけのモンスター」を追加するに留まっていると感じる。考え方を変えなければ倒せないような敵は出てこず、“イベント”として追加されている感も無いため、数回倒せばそれで満足してしまうのだ。そして、新たな展開として、『ライズ』では発売から2ヶ月後のアップデートで本編ラスボスを追加するという更新が為された。やれ、私は、この最新バージョンに変わったあとにプレイをしたため、直接の体感はしていないのだが、どうも「ストーリーが未完結の状態で発売した」と非難轟々だったようである。まあ、あの『FF13-2』と比べて、アップデート自体は無料であるため、その点だけは恵まれていると言える。しかし、私の25年くらいのゲーム経験の中で最悪の例と比べてマシというだけで、決して誇れるものではないだろう。

 ちなみに。私が上の方で、モンスター数について
数字の面では、『ワールド』よりも勝っている」と微妙な表現をした理由はもう一つあって、それは音楽についてである。まあ、個人の好みだが、あまり今作の戦闘曲はピンと来なかったのだ。
 ――そして、『ライズ』で多く登場した完全新規モンスターについても、弱いうえに専用曲が用意されていないため、数の上では大量に登場しているものの、強烈な印象を残したモンスターは多くない。でも、『ワールド』についても、完全新規の曲を持つ敵はそこまで多くないから…と言いたいところだが、
あちらはグラフィックという強みがあるのに対し、『ライズ』はどうやっても性能的に無理があるので、音楽で頑張ってほしかった。結局、『ライズ』のBGMで印象に残っているのは、村のなんか歌ってるやつ@と、オトモ広場のなんか歌っているやつAであり、モンスター討伐と結びつかなかったのは残念である。まあ、曲だけが悪いのではない。ゲームは総合力の娯楽であり、総合的にバトルにハマらなかったのだ。

 その他、あまり重要なことではないのだが、今作のモンスターは全体的に
バカバカしい攻撃が多かったように思う。
 …例えば、3DS作品からの復活モンスターとして登場した「タマミツネ」は、
グルグルとその場で回って泡を発生させ、その上を滑りながら水流ブレスで薙ぎ払うという滅茶苦茶な動きをする。ゲーム的にやりたいことは分かるのだが、そんな動作をする生物は居ないだろう。また、完全新規モンスターとして登場する「オロミドロ」は、泥を使った攻撃をするのだが、泥のエフェクトがショボいうえ、陸地の上でも泥津波を発生させ、しかも陸に体が埋まることなど日常茶飯事であり、見た目的に非常に浮いている。実際には沈んでいるのだが。そして、ラスボスの片割れは、恐らく光・雷と言ったイメージのモンスターなのだろうが、正球の光弾を飛ばしてきたり、光弾がドーナツ型に綺麗に広がっていったり、明らかに「翔虫で飛び越えてくださいね〜^^」という感じの地面攻撃があったりと、ものすごくゲーム上の都合を感じる作りになっていた。
 ――まあ、モンハンシリーズは、アクションゲームなので、このように弾幕シューティングのような攻撃が出てくるのも、ある程度は致し方ないであろう。しかしながら、
一応は生物的な描写にこだわっているとされることもあるゲームであり、「魔法」のような攻撃は少なく、肉体を活かした力強い打撃や、飛び道具に関しても、火や風といった感じで、ある程度の説得力を持たされていた。それが『ライズ』では一気に割り切ってしまったため、急に作風が変わったかのようにすら感じる。まあ、言われてみると、『ワールド』『アイスボーン』でもバカバカしい技は多かった気がするが、あちらではここまでの違和感を覚えることは無かった。何だろう、グラフィック的な説得力が関係しているのかな…。

良くも悪くも、「携帯機向けのモンハン」だった


 そういうわけで。『ワールド』も『アイスボーン』も、クリア後のコンテンツについては批判が多かった気がするのだが、それでも合計2年・900時間遊べたのだから、個人的にはオンラインタイトルとして、上手く運営ができていたと思う。それに対して、『ライズ』は、クリアだけで
満足してしまう懸念があり、実際に私は80時間でプレイを終えることにしてしまった。この辺りについては、全然さすカプを感じない。
 …ちなみに。『ライズ』の今後については、まだ詳細には発表されていないが、アップデート予定が
「カプコン社内コラボ」で埋め尽くされており、内容面は絶望的である。カプコンは、5ヶ月で730万本以上を販売し、様々な層にモンハンを触れてもらえた『ライズ』より、位置付け不明の『ストーリーズ2』のほうにお熱のようだ。そりゃあ、アップデートで『ライズ』を長く遊べるようにしたら、『ストーリーズ2』を買ってもらえないのかもしれないが…。
 ――よって今後、「ライズアッパー」とか「ライジングサン」みたいな良い感じの名前にして、大型の追加パックも発売されるのだろうが、私は『アイスボーン』に比べて、購入意欲が上がっていない。何故なら、このままだと、
『ライズ』のようにサッと遊んでそれで終わりになってしまうことが目に見えているからだ。個人的には、オンラインの運営型タイトルとして、『ワールド』は成功だが、『ライズ』は失敗だと思っている。前作の数々の実績のうち、何故そこだけは引き継がなかったのか…。

 ということで。『ライズ』は確かに
「携帯機向けのモンハン」として優れた出来であるが、しかし悪い意味でも「携帯機向けのモンハン」であり、最終的には“本編”であった『ワールド』には及ばないという印象で終わってしまった。HR50を超えて少し経った辺りからは、早く終わらせて次のゲームをやりたいとすら考えていたくらいである。この辺りは、カプコンの遊ばせ方がサッパリであり、クエストの出し方や内容を工夫することで、今より遥かに延命ができていただろう。実際には、“尻切れトンボ”になったことで、全体的な印象が必要以上に悪くなっている感もある。この記事と同じで、後ろのほうにネガティブな情報が集中したため、最終的なイメージも悪化してしまったのだ。
 …やれ、今後のモンハンシリーズの流れとしては、これまで通りのパターンなら、2022年頃に『ライズ』の大型追加パックを配信し、2023年になってから、満を持してPS5などの次世代機に対応した“本編”を出すというところであろうか。ただ、『ワールド』と異なり、『ライズ』で2年は維持できない気がする。恐らく、カプコン的には、『ライズ』はあくまで携帯機向けの簡便な作品であって、“本編”という位置付けではないのだろう。
ユーザー側としては、ライズを“本編”と捉えている人も多いと思うのだがな。
 ――それでも、振り返ってみれば、
3DS作品から大幅な進化を遂げた携帯機向けモンハンを80時間遊べたというのは、評価ができるポイントである。今後の付き合い方としては、まあモンハンから少し離れていたほうが、また新作が出た時に新鮮な気持ちで楽しめるようになるのかな…。

(2021年9月29日)

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