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管理人の日記
「やり込みinFF」も、個人サイト全盛期から20年が経ったのに、よく生き残っていると思う
リアル初陶工です(【FF12
ヤズマット ハメ殺し作戦】)
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本日は、今や懐かしの動画サイトと化した「ニコニコ動画」について振り返り、その中から、5つの動画を紹介してみることにしよう。
さて、「ニコニコ動画」は、動画共有サイトの一つであり、現在もサービスが続いている。その最大の特徴は、テキストコメントが“動画の上”を右から左へと流れることであり、他の動画サービスとは一味違った感覚を得られ、だいたい2010年頃に大ブームを引き起こした。
…やれ、当時は、まだYouTubeの日本語対応もやっと始まったという時代であり、「動画共有」ということ自体が、今とは比べ物にならないほどハードルが高かった。そんな環境の中で、「ニコニコ動画」は、そのハードルさえ乗り越え、当時のネットを代表するほどの一大ブームを作り上げたのである。
――具体的な動画ジャンルとしては、ゲームの攻略や実況プレイ動画に、“MAD”と呼ばれたアニメなどの編集動画、「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」などの実演系、様々な作業用BGMなどなど…。間違いなく、「ニコニコ動画」は、日本のネット社会において一時代を築いたと評価できる。
しかしながら。そんな「ニコニコ動画の栄華」も、長く続かなかった。第1の問題として、動画サイトとしての基本部分の弱さがあった。
…やれ、今では考えられないことだが、一時期のニコニコは、「平日夜」や「休日の昼以降」といったアクセスの多い時間帯は、まともに動画を読み込めず、何度もリロードする必要があった。また、「エコノミー」といって、視聴者の多い時間帯は強制的に低画質となっていた。もちろん、YouTubeにはそのような制限はなく、それどころかFullHD→4Kと、どんどん画質が進化していった。そのため、ゲームPVやアニメ期間限定配信など公式系の動画や、画質にこだわる投稿者などが、続々とYouTubeへと移行していったのである。
――特に、「ニコニコ生放送」なんかは酷いものであった。まず、配信側としては、有料のプレミアム会員のみが行えるコンテンツであった。ということで、それだけの価値のあるサービス提供が望まれるのだが、当時は「放送枠」を取ることが非常に難しく、しかもそれすら30分で追い出され、新たな枠を取るために放送を中断しなければならない。私は、2012年5月ごろに、FF12のプレイで、この「ニコニコ生放送」を試してみた記憶があるのだが、せっかく取れた枠はサーバーエラーで全く放送ができず、次の放送枠も取ることにも失敗し、まともな放送ができずに終わってしまった。私は、「お金を払ってこの程度のサービスなのか!」と激怒し、即座にプレミアムを解約したことを覚えている。
そして、生放送には、視聴側としても問題があった。ニコニコ生放送では、サーバーの貧弱さからか、視聴できる人数が決まっており、プレミアム会員から優先されることが多かった。YouTubeなら見られるのに、ニコニコで放送されるせいで視聴不可能になるという事態が頻発したのである。例えば、アイドルマスターシリーズの公式生放送は、割と最近までニコニコでの独占放送となっていたが、無料会員では追い出されてしまうので、「オンラインゲームの更新情報が自分の見られない場所で前ばらしされる」という事態が起こり、「さっさとYouTubeで放送しろ」と思っていた。また、将棋の対局などは、最近までニコニコ動画で独占配信されていたが、その驚異的な低画質により、他の動画サイトやテレビなどで取り扱われた際には、「あ、これニコニコだ」とすぐ分かってしまうものであった。一時期の、某ハードにおける某ハンティングアクションみたいな状況である。
また、第2の問題として、利用者の感情を逆撫でするような運営の姿勢があった。今風に言うと、ガイジムーブというやつだろうか。
…例えば、私が視聴者として、そして投稿者として、ニコニコ動画に求めていたのは、「動画読み込み速度の安定化」「高画質化」「シーク(動画を頭からでなく、特定部分から読み込んで再生すること)の導入」などという、動画サイトとしての基本的な機能であった。ところが、そういったものは、いわゆる“全盛期”の時期には、目に見えて改善されることは無かった。それどころか、「時報」という信じられない機能が導入された。この「時報」とは、19時・24時・02時など、特定の時刻になると、動画の再生が強制的に停止され、「ニーッコニコ動画♪」という音声が巨大音量で再生されるというものである。ひょっとすると、広告枠ということなのかもしれないが、邪魔なうえに、茶化しているような内容がイラッとし、ネタとしても全く面白さが無いため、運営の正気を疑うものであった。今では無くなったようだが、こんなエイプリルフールのパロディみたいなものを平然とやっている時期があったのだ。
――そして、そのような動画サイトとしての問題点が存在する中で、公式は「ニコニコ超会議」などといったリアイベに走り出した。当時、第1期の内閣総理大臣であった安倍晋三が、何故かこの「ニコニコ超会議」に現れ、戦車に乗って敬礼していたことを覚えている。まあ、極めて好意的に見れば、流行りの動画サイトを見るような若者層にも政治に興味を持ってもらいたい…という努力とも捉えられる。しかしながら、私としては、「動画サイトとして明らかな問題が存在するのに、政治なんかに媚びている場合か」と、呆れてしまった。
そして、最後の問題として、アングラさが抜け、悪い意味でニコニコ動画が一般的になっていったことが挙げられる。
…やれ、流行り始めた頃のニコニコには、ネット特有のアンダーグラウンドな雰囲気があった。身も蓋も無いことを言ってしまえば、アニメの違法投稿などが平然と行われていたのである。例えば当時のアニメ遊戯王シリーズは、第2作の「GX」が放送されていたのだが、一時期は、その最新話までのほぼ全てを、ニコニコ動画上で見ることができた。もちろん、そういったものは、ニコニコ動画が大きな勢力になるに従って、削除が為されていった。
――しかしながら、やがて、「グレーゾーン」の動画までが、次々と削除されるようになっていったのである。具体的には、「フタエノキワミ、アッー!」で知られた“るろうに剣心”のMAD動画、「友人マリオ」という名前で知られたSFC「スーパーマリオワールド」の改造ステージなどである。もちろん、これらは「アニメ」「ゲーム」と言った他者の著作物を許可なく利用しているものであり、削除要求が為されたら従うしかない。しかし、そうやってニコニコからは独特の雰囲気が無くなっていき、毒牙が抜かれた、ただの動画サイトになってしまったのである。例えるなら、「深夜帯だからこそ面白かった番組が、ゴールデンタイムに出て、その辺の番組と似たような感じになってしまう」「海外の、辛味や臭みによって、一部のマニアに大受けしていた食品が、日本に上陸して、大衆向けのつまらない味になる」という感じが近いだろう。その他、10年前とは異なり、現在では「ホモ」などと軽々しく言えない空気になってしまったこともあるかな…。
私の一番のヒット動画は、DDRの譜面まとめ動画でした(【SN2
ボス曲 SP-CHALLENGE編】)
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そんなわけで。私の、“視聴者”としてのニコニコ動画の利用は、2010年の前後くらいは、もうブラウザを開いて最初に表示するのがニコニコ動画であり、サイト運営の次に多くの時間を視聴に費やしていた。また、このサイトを編集する際の“作業用BGM”も、全てニコニコ動画を流していた。また、音楽プレイヤーに入れていた音楽も、ニコニコ動画からの録音であった。ネットサーフィン=ニコニコ動画という時代だったのである。
…また、“投稿者”としても、合計82個の動画を投稿した(【投稿動画一覧】)。初めての作品は、今なお私の代表的なやり込みプレイだと思っている【ヤズマット ハメ殺し作戦】である。それから、散発的に動画を投稿していき、2008年から連載した【FF12:低レベル+入店禁止クリアー】は、プレイ日誌と動画での同時連載という、当サイトにおいて最初で最後の試みを実行し、多大な労力を掛けながら、全12話・23動画で完結させた。その後も、2011年末から2012年初頭のFF13-2の初代クリスタリウム封印プレイ、2013年頃のDDR高難易度プレイ動画など、様々なものを投稿していった。しかしながら、当時の仕事の影響で一時的に動画が投稿できるような状況でなくなったこともあり、そこで私の“投稿者”としてのニコニコ動画との付き合いは終わってしまった。最後の作品は、2016年の【ネットハイ BGM集part1
キャラクター編】である。「part1」とあるが、その後にサウンドトラックの発売が決定したため、永遠の未完である。
――なお、その後についてであるが、他の多くの人々と同じく、ニコニコ動画の衰退とともに、視聴者としても投稿者としても、YouTubeへと移動をしていった。もう、作業用BGMですら、ニコニコではなくYouTubeで探す時代となった。ニコニコ動画は、一応はPCブラウザのお気に入りには入っているものの、奥のほうに埋もれている。また、携帯電話にも、ニコニコ動画のアプリケーションをインストールはしていない。自分が投稿した動画の反響を気にすることも、もはや無くなった。私にとって、もうニコニコは過去のものとなった。上で挙げた問題点のほとんどは、現在では改善されているのであるが、残念ながら、“時すでに遅し”である。
やれ。ニコニコ動画の衰退は、本来やるべき“動画サイトとしてのサービス向上”を行わず、逆に不要なことばかりを行った結果であり、自業自得としか言いようがない。かつてのニコニコが占めていた役割は、完全にYouTubeへと移行しており、私のような趣味での投稿主はもちろんとし、「収益化」「企業コンテンツ」と言った大規模投稿者まで取り込んで、現実のマスメディア以上の力すら持ち始めている。ニコニコ動画は、二度と追いつけないだろう。
…だが。やはり、「動画の“上”にコメントが流れる」という面白さは、ニコニコ独自のものである。また、今のニコニコは、かつての栄華など見る影もないほど老いてしまったが、それでも当時の動画はそのまま残っている。だから、10年前を思い出すという方法なら、未だに利用できるのである。
――本日は、そんな“ニコニコ動画”の中から、当時の雰囲気を思い出させてくれる動画を、5つセレクトしてみることにした。というわけで、皆さまも一緒に、あの懐かしい日々に、思いを馳せてみることにしよう。10年前の私は、サイト関連では、日記は今より頻繁に更新していたのと、FF13のクリスタリウム封印プレイの「おまけ」シリーズを頑張っていた。一方、その他の生活面では、既にまともな勉強を完全に放棄しており、親の金で酒を飲んで遊んでいただけの分際で、自分は一人前だと思っていた記憶がある。情けないことだ。その辺りについては、あまり掘り返したくはない…。
まずは、発売済みであったFF13関連から、私のお気に入りの動画である。題名は、【FF13 韓国語版予告編】だ。
その内容は、韓国語(ハングル)で、初代FF13の「ファイナルトレイラー」を吹き替えるというものである。この動画の韓国における位置付けについては、私は知らず、公式か非公式かも分からないものだ。
と、それだけなら、ただの海外版の宣伝動画か、またはファンが作った二次創作なのだが、コメント機能によって当てられた空耳により、飛躍的に面白くなっている。例えば、開幕すぐのセラの「ルシがテロリスト」は、何故かルシの本質を言い当てた直球発言であり、気に入りすぎて、初代クリスタリウム封印プレイの題名としても採用している(【第2話】)。その他にも「因果姉ちゃん」「ドイツが…病気だ」「マルチキャバ嬢っすよ」「はあ…ニッポン」「意味ない。ファルシエデン=Wiiだ」などと名ゼリフが多い。もし、この手の動画が、現在のYouTubeに投稿されたとしても、軽く流されることだろう。だがニコニコのコメント機能をもってすれば、ただの吹き替え動画であっても、これだけ面白くなる余地があるのだ。
続いて、ゲームのバグ動画シリーズから、【バグメモ画像集 その1】を挙げてみたい。
かつてのニコニコには、ゲームの改造バグ動画も、数多くが投稿されていた。攻略面での利用価値のあるバグではなく、見た目やテキストが面白くなるバグが人気であり、FFでも、FF5や6などのバグ通しプレイ(?)があったことを覚えている。ただ、作品のイメージを損なう恐れがあったためか、その多くは削除され、今では残っているものが少ない。
そんな中で、この初代「ときめきメモリアル」をテーマとした、「バグメモ画像集」は、全盛期のバグ動画の面白さをそのまま保っていると言える。私は、最近になって見たのだが、腹直筋が7つ以上に割れそうなくらいに笑ってしまった。毎日、生きていくのが辛い…そんなあなたは、是非どうぞ。
私にとって、ニコニコ動画の全盛期は、アニメ遊戯王シリーズの全盛期でもあった。そんな遊戯王の動画の中から、今回は【遊戯王5D's 132話 ランニングデュエル アクセラレーション!】を挙げてみたい。
内容は、シリーズ第3作「5D's」の132話における伝説のシーンを、無編集で投稿しただけである。ただ、さすがに伝説のシーンと言われるだけのことはある。当時、「ホセがD-ホイールと合体する」ということ自体は、既に雑誌で前ばらしされていたのだが、まさか走って一体化するとは思いもよらなかった。ちなみに私は、放送日である水曜日には用事があり、普段は録画後に見ていたのだが、この回に限っては生放送で見てしまった記憶がある。
やれ、当時は、この話に限らず、録画した遊戯王を1週間に何度も見るほどハマっていた。ニコニコにも、放送後すぐに抜粋動画・次回予告動画・MAD動画などが投稿され、様々なコメントで、遊戯王の楽しみを高めてくれていたように思う。あのライブ感を、今のYouTubeにハマっている人たちは、コメント欄で楽しめているのだろうか…。
4番手は、当時ハマっていたDDR(ダンスダンスレボリューション)の譜面動画から、【X3 DP高難易度まとめ[鬼]】を挙げてみよう。
私とDDRの関わりは、1998年頃に「2ndMIX」で大流行した頃に初プレイをし、その後にPS2の「EXTREME」を遊んだことから自分の中で再ブームを引き起こし、「SuperNOVA」〜「DDR2014」くらいまで、ゲームセンターでプレイをしていた。今は、時間的・金銭的な問題により、引退をしており、もう今後はアーケードでプレイすることは無いだろう。
さて。当時の私のプレイでは、主に超高難易度曲への挑戦が主な目的となっており、そのためには予習が必須であった。その予習に役立ったのが、数々の譜面動画である。音ゲー曲は、ただ聞くだけでも良い物だが、譜面とそのリズム(ハンドクラップ音)を合わせれば、更に魅力が高まる。このような動画を視聴して頭の中でイメージを膨らませ、そしてアーケードで本番!
…というのが、当時のゲーセンの楽しみ方であったのだ。結局、大きな目標であった足19のDP-CHALLENGE「POSSESSION」は倒せたが、更なる超強敵の「PARANOiA
Revolution」には、最後まで勝てなかった。現在では、更なる難関曲も出ていると思うが、私の中でのポゼとパラレボは、永遠の大ボス曲である。そのため、この記事で紹介する動画も、それら2曲が並んでいる物を選んでみた。
ラストである。ニコニコを代表する動画ジャンルである「ニコニコメドレーシリーズ」から、【「ニコニコ動画流星群」の原曲での再現動画】を挙げてみよう。これ系の動画、どれを代表として紹介するか悩んだものの、絶対に外せないと思ったのだ。
さて、この「ニコニコメドレーシリーズ」は、ニコニコ動画で流行した動画のBGMを、メドレー形式でアレンジして流す…というテーマの動画である。特に、「組曲『ニコニコ動画』」「ニコニコ動画流星群」「七色のニコニコ動画」の3つは極めて有名であり、ニコニコ動画を代表する楽曲と呼んで良い。やれ、YouTubeで、同じテーマの楽曲を作れるかと言ったら、無理であろう。かつてのニコニコ動画は、良い意味で“狭い世界”であったのだ。
ということで。この手のニコニコメドレーを聞くと、10年前を思い出すような気持ちになる。正直言って、あまり良い思い出は無いのだが、ネットサーフィンやサイト運営については、今以上に楽しんでいた記憶がある。人によっては、こういうものが青春の曲になるのかもしれない…。
(2021年9月20日)
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