. . |
◇トップページ > 管理人の日記 > 2025年7月15日の記事
管理人の日記
書きたいことが多すぎるので、睡眠時間を削っていくね…
![]() |
---|
誰? |
私のSE部門としての仕事の一つに、会社で使用している業務用システムのメンテナンス(アカウント管理やトラブル対応など)がある。だが、そのトップページに、この月曜から、何故かおっさんのイラストが掲載され始めたのだ。マジでさあ、頭おかしいだろ。
…さて、これだけだと完全に意味不明だが、私は先週、2回目の社長面談に行く機会があった。前回、「一部職員への危険手当:1500円は不平等だったので、平等に全員0円とします」(【日記:2025/6/16】)という驚きの情報を得た、あのアレである。その怒りをぶつける手もあったが、ぐっとこらえて、“自分が土曜や日曜の追加労働に前向きであること”、そして、“生成AIを業務に活用したいこと”を伝えた。AIについては、いま流行りの画像生成を提案した。理由は2つで、これまで業者に依頼していたぶんを自社職員に任せることで、コスト削減&業務の迅速化に繋げられること、そして何より、私自身、自分の作った画像を使ってもらいたいからだ。それで、職場がイラストいっぱいで楽しい雰囲気になれば、私はとても嬉しいものである。
――という夢物語を社長に話したところ、社長からの返答は、「実は、もう『業務システムで使う絵を描きたい』という声を聞いている」というものであった。何やら、“ジブリ風のAIイラスト”ということらしい。なるほど、私と同じことを考える人間も居るものだ。残念ながら、私は一足遅れてしまった。しかしそれでも、自分の得意分野を仕事面でも活かしたい気持ちは変わらない。こういうものは、多くの職員が切磋琢磨することで成長をしていくものだ。私も負けていられないと、意欲を新たにし、社長室を後にしたものだった。
そして。週が明けて、私の中から社長面談の記憶が程よく薄れた頃に、業務用PCにて、おっさんの謎イラストが目に入ってきたのである。私ですら、「?
……???」という感じだったが、これらを一連の話として繋げれば、合点が行く。そう、“社長が生成AIで作ってもらったジブリ風イラスト”とやらが、おっさんの画像だったのだ!
いやもう、頭がおかしい。美的センスが狂ってる。
…さて、この業務システムは、我が社の主力職員たちが使うソフトウェアであり、多くの業務用端末について、電源を付けると自動的に該当ソフトも立ち上がる。つまり、朝、職場に来ると、家電量販店のテレビコーナーのように、おっさんの顔がずらっと並んでいるのだ。おっさんのツラなんて、既に現実世界で見飽きており、何が楽しくて、パソコンの中でも拝見しなければならないのか。さらに言うと、我が社は事業所が2つ存在し(まあ、距離数kmというところであるが)、業務システムも2系統に分かれているのだが、もう片方のほうにも、ウインクをするおっさん(別人)のイラストが掲載されていた。なに考えてんの?
――やれ、私は、「社長が生成AIでイラストを作ってもらった」という経緯を知っており、内容はともかく、“こうなった理由”については納得できる。だが、そうでない大半の職員は、まるで意味も分からず、月曜に出勤したら、「は?
誰おまえ?」というおっさんを見ることになったのだ。まるで、若くて可憐な女性職員の顔に、ゆっくり汚物を近づけていくみたいで、これはこれで興奮する…のか?
美的センスだけでなく、きっと性癖もおかしい。
ちなみに。非常に嫌なことに気付いてしまったのだが、“業務システムに表示された謎のおっさん”について、年齢は概ね50代というとこである。髪は短髪、そして体型については、あくまで絵であるものの、“中肉中背”=デブでもガリでもない、という感じだ。首には、“我が業界のエリート社員”でAIイラストをオーダーした時に、よく添えられる小物が掛かっている。何が言いたいのかというと、これって社長自身のイラスト化ではないだろうか…?
――ということで。この話のオチとしては、「社長が、生成AIで『自分のイラスト』を社員にオーダーし、業務システムに載せるよう頼んだ」か、または、「ゴマを擦りたい社員が、『社長のイラスト』を作って提出し、それを社長が承認した」のどちらかであると思われる。何にせよ、狂気の沙汰だ。やはり、本物の悪を目の前にすると、私ごとき小物では、全く勝負にもなっていない…。
![]() |
---|
かわいい |
さて。「生成AIのイラスト」については、当サイトでも6月下旬に初登場し(【日記:2025/6/22】)、以降は頻繁に用いている。私の中では、日記を彩ってくれる大きな要素であり、その生成は、日常の1ページとなっている。人間の読者からの感想はさほど聞いていないが、私と同じように、「あっ、この画像、面白い!」と思っていただけるのではないだろうか。つまり、「生成AIのイラスト」自体が悪いわけではないのだ。
…しかし、実際に、我が職場で出てきたのは、需要皆無なおっさんのイラストだ。要するに、問題は「技術を使う人間の側」に存在する。もっと率直に表現すると、運用者の常識の欠如が問題である。誰が楽しくて、仕事でパソコンへ向かうたびに、おっさんの画像を見たいというのだ!
――やれ、我が業界は、子供たちの「なりたい職業ランキング」、そして成人男女の「結婚したい職業リスト」などでも、頻繁に名が挙がるくらい、アイコンとしての人気が高い。だから、そういった職員さんたちで、髪型や小物などのパターンを組み合わせれば、簡単に、日替わりレベルで大量の画像を作成可能だ。かわいい女の子たちはもちろんだが、男性を用いる場合だって、「メガネに白衣の、知的で優しいエリート職員」「元気一杯の、少年のような新入社員」「落ち着いた雰囲気のナイスミドル」など、様々な象徴的キャラクターを作成できる。そういったパターンの一つとして、社長が自らのイメージを投影したおっさんイラストを出すというのなら、まだギリギリで理解できる。初日から恒常で出してくるもんじゃねえだろ、どんだけナルシストなんだ!
さて。皆さまご存じの通り、現在の生成AIは、人間以上の、凄まじい速度で成長を遂げている。私自身、「画像生成」だけでなく、「自分の文章を読ませて、感想を言ってもらう」という創作のパートナーとして、もはや手放すことはできない。それは社会全体でも同じであり、ここから1年もすれば、「生成AIを使う」なんてのは、今で言う「検索エンジンで調べる」と同じくらいの、特筆するまでもない、ごく当然の行為となるだろう。
…だが、そうやって社会が変わっていく時に、「おっさんのイラストをわざわざ掲載する」なんてことをやられると、まだAIを知らない一般の人たちに、大きく心理的なブレーキを掛けてしまう。要は、使っている人間が狂っているだけなのに、「AIイラストなんてこんなものか」と、AIのほうが悪いことにされてしまうのだ。
――というわけで、ただでさえ遅れている我が社だが、今回の「生成AIによるおっさんイラスト」という怪奇現象で、更なる周回遅れは確定だ。ちなみに、現在はちょうど、「職場実習」や「会社見学」なんてものが頻繁に行われている時期だが、今回のエピソードを紹介したら、我が社に入りたいと思う人は、無事0名となるだろう。そのため、絶対に隠し通す必要がある。いや逆で、むしろ知られたほうが良いのかな…?
(2025年7月15日)
2025年7月15日の記事を表示しています。