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管理人の日記
家を建てる気は無いけど住宅ローン借りていい?
うさんくせえ〜 |
私が最近、お金の勉強をした中で、最も印象に残った言葉が、「世の中には、良い借金と悪い借金がある」というものである。
…まず、以前までの私は、借金は100%悪いことだと思っていた。ギャンブルで金を使い果たして友人に金を借りるような輩は論外であるし、奨学金や住宅ローンと言ったものも、莫大な金額を即座に用意できないゆえの苦肉の策であって、結局のところ、利息によって多くの額を払う必要が出てくるため、後ろ向きな理由しか無いと考えていた。クレジットカード会社が、やたらと勧めてくる”リボ払い”なんてものは、もう「リボ」の2文字を見ただけで「うわっ、借金だ!」と、激しい嫌悪感をいだいていた。最後だけは正解だな。
――実際、どこの会社のどこの部署に行っても、お偉いさんの面談では、「いま、借金が有るかどうか」みたいなことは、必ず聞かれていた。お金というのは、大きなトラブルの原因になるからであろう。お金について、色々と厄介を作ることは、身の破滅に繋がる。だからこそ私は、借財だとか運用だとか、そういう複雑なことは排除して、「ゆうちょ銀行の預金数値」に一本化をし、それを増やすことだけに特化していこうと考えていたのである。
しかし、世の中は、悪い借金ばかりではないのである。
…さて、私が最近、お金の勉強をした方法は、”知人から譲り受けた5冊の本を読む”という形式であったが、その本の中に、厚切りジェイソンというふざけた名前の人が書いた「ジェイソン流 お金の増やし方」というものがあった。表紙からして、スーツ姿のスラッとしたアメリカ人が、爽やか笑顔で腕を組みながらこちらを見つめている…といううさんくさすぎるデザインであったため、全く期待をしていなかったのだが、中身は至って真面目であり、主な内容として、「まず生活費から見直せ」「全世界株に、長期・分散・積立投資をしろ」などという事項が説明されている。いま、私がやっていることだ。
――この本については、文章が口語体なうえ、売れっ子芸人にも関わらず、節約の方法が「自動販売機を使うな」「コンビニに行くな」「格安SIMにしろ」などと、私の思うところとまったく同じであり、共感を覚えた。やれ、私はこれまで、「厚切りジェイソン」という人物を全く知らず、お笑いタレントとしての仕事も見たことが無いものである。しかし、恐らくは、知識階級と言えるような能力を持ちつつも、庶民的で誠実な人柄なのだろう。そういうところが、社会で成功し、そして芸人としても人気を博している秘訣なのだと思う。
しかしながら、上記の本には、一つだけ納得できないところがある。それは、「ゲームは安くなってから買え」と主張している点だ。
…その記述は、同書籍の中の、節約法の「ポイント11:欲しいものは少し待ち、安いものを買う」という項目に存在する。そこでは、「最近、SWITCHのゲームソフトが欲しくて買ったんだけど、これもセール価格になるまで待ちました。数ヶ月待てば安い値段でまったく内容が同じゲームが買えるんだよ、待てばいいじゃん!」と書かれている。私は、これには全く賛同しない。確かに最近は、中古パッケージだけでなく、DL版のセールも凄まじく、半年で半額、2〜3年程度経てば捨て値も同然の価格になっているようなことも多い。だが、ゲームは新鮮さの娯楽であって、発売直後のゲームには、「自分で攻略を行っていく」「感想を周りと共有する」という価値がある。そして、最近ではオンライン要素のある作品も増えており、「ネット上に多くのプレイヤーが居る」というメリットも見逃せない。
――具体的に言うと、例えば私は、約1年前に「地球防衛軍6」というゲームを発売日購入し、大いにハマり込むに至った(【日記:2023/7/22】など)。まあ、最近では、DL版の販売促進も積極的であり、予約特典のDL15%オフ版で購入したものの、シーズンパス付きのデジタルデラックス版だったため、10285円と、なかなかの迫力のある価格となった(※PSstoreは、コンビニ各社の「10000円のカード購入で1000ポイント〜2000ポイントプレゼント」などのキャンペーンを定期的に行っており、実質的に、額面の91〜83%程度の価格でDL版を購入できる。更に最近では、「PlayStation
Stars」というポイント制が登場し、取り回しが悪いものの、DL版購入価格の4%をウォレットに再チャージできるようになっている)。地球防衛軍は、あまり大幅な値引きをしないタイトルであり、1年後の現在に買うとしても、恐らく2000円くらいしか安く買えないであろう。たかがそれだけのために、新作ゲームの新鮮さや、オンラインの人の多さを捨ててしまうなどというなど、愚策も愚策である。確かに、「地球防衛軍6」の発売日購入は、額面として多少は高く付いたが、明らかに発売日購入をして良かったと言える作品だ。
まあ、実際のところ、”買うかどうか迷っているようなタイトル”の場合ならば、少し遅らせて、セールになってから買うパターンでも問題ないであろう。だが、絶対に欲しいゲームは、迷わず発売日購入するべきである。厚切りも、無理してまで節約をしろとは言っていない。お金のために生きているわけではなく、人生を豊かにするための手段としてお金が存在する。そこを履き違えてはならない…。
――で。つまるところ、何が言いたかったかと言うと、「ジェイソン流 お金の増やし方」は、このゲームソフトのくだりくらいしかツッコミどころのない、凄く良い本だったということだ。
クライヴ「よし、或手魔・ヴァリスゼア株式インデックス・ファンドに積立投資しよう!」 |
さて、話が壮絶に逸れてしまったが、今回の日記は、「良い借金と悪い借金」という題名である。
…まず、「悪い借金」は簡単に分かるので、「良い借金」から紹介していこう。厚切りの本では、「住宅ローン」が挙げられている。住宅ローンは、金利が1%程度とのことであり、30年で返すとなると、元々の額に15%程度上乗せをすれば良いようだ。
――具体的に、例えば、借り入れ総額を3000万円・返済期間を30年としよう。年率1%で、合計の返済額は約3474万円となり、年間で約116万円を払えば良いようだ。この3000万円を一括で払ってしまえば、家が手に入って、それで終わりである。だが、あえてローンを組み、余剰の2884万円を年率4%の投資に回せば、30年後には9354万円という、ちょっと信じられない数値に成長している。というか、2884×0.04≒115であり、理論上、投資だけでローン額を賄えてしまう。まあ、これはさすがに極端な例だが、既に、必ずしも”借金が悪”とは言えないように思えてくるのだ。
ちなみに、インターネットで、「良い借金と悪い借金」という語句で検索をすると、”大学教育への投資”というものが挙げられることが多い。教育ローン、いわゆる奨学金である。一般的な理屈として、高卒で働くよりも、大学に入ってから就職をするほうが、生涯賃金が高くなるため、大学の学費を奨学金などで借りるのは、「良い借金」だ…という論調である。
…ただ、私はこれにはちょっと賛同しかねる。どういう教育を受けるかとか、どういう会社に入るかとかは、その人の生き方そのものであり、単純にお金の大小だけで決められるものではない。そういう額面だけを重視して、「名前が有名」「偏差値が高い」という理由で、大して興味の無い大学に入ったところで、時間とお金を浪費するだけの結果に終わるだろう。かつての私がやった失敗である。だから、「お金が儲かるから大学へ行く」という考え方は、あまりにも単純化しすぎであり、私は完全には同意できないものなのだ。
――しかも、奨学金の借り入れ額の平均は、だいたい300万円だという。私だったら、3年くらいでポーンと返してしまえるだろうが、ほとんどの人は15年などといった期間で、借金を完遂しているという。そして奨学金は、卒業後7ヶ月から、返済が始まるようだ。もうすぐである。まだまだ新入社員は、金銭的にも精神的にも、余裕とはいえない状況だろう。それでもし、会社を辞めてしまったり、はたまた就職自体に失敗してしまうと、300万円の借金を背負って、露頭に迷うことになる。私は、1年で100万円とか200万円とか普通に貯めているヤベェ奴だが、普通の人は、月3万円も貯金できれば偉いほうだという。大学生に-300万円というのは、彼らの若い人生に、相当な足枷を付けることになるのだ。
しかしながら。ここにも抜け道があって、奨学金の金利は最大で3%と決められている。ならば、投資リターンの4%で、余裕で上回れる。【日本学生支援機構の資料】によると、「計240万円を年利3%で借りたあと、15年かけて返済をする」というパターンだと、返済総額は約302万円となる。しかし、240万円を年率4%の投資に突っ込むと、15年で約432万円になるので、差し引き130万円の利益が生まれる。しかも、2023年1月から始まる新NISAでは、18歳からの投資が可能となる。こんなん、奨学金を入れろと言ってるようなものじゃん…。
――というわけで、お金に余裕があるにも関わらず、あえて奨学金を借り、そして投資にぶっこむという勇者スタイルも有りと言える。だが、こんなことをできる奴がマジで居たとしたら、もはやそいつは大学で学ぶ必要など無いであろう…。
ちゃんと真面目に働いていて偉い |
では、逆に、「悪い借金」について考えていこう。上でも例として挙げた「リボ払い」は、悪い借金の典型例である。では、何故だろうか?
…さて、その理由は、「@金利が高いこと」と「A借金をしている感覚が無いのに、借金をしていること」である。まず@について、リボ払いの金利は、年率15%とぶっ飛んでいる。しかしまあ、これだけならば、3回払い・6回払いといったカードの分割払い手数料も、年利換算すれば同程度であり、”お金を借りる手段”として、極端に悪いとは言えないだろう。なにせ、「必要な時にお金を用意する」というのも、立派なサービスであり、そこに手数料が掛かるのは、当然の話だ。それに、15%と言っても、3桁万円でも積まない限り、そう簡単に破産をする心配は無いだろう。
――が、問題はその次であり、リボ払いには、「借金に対する罪悪感を無くさせて、借金をさせる」という性質がある。この点が、まさにリボ払いが悪魔的な理由だ。やれ、カード会社は、リボ払いについて、「毎月に支払う額が一定!」などとメリットだけを強調するが、この認識は正しくなく、「最初にまとめて借金をさせ、そのうえで一定額しか返させない」という理解のほうが正確である。当然、”まとまった借金”のほうには、年率15%という重い利息が掛かるため、返済額の多くが利息だけに取られるような状況となり、なかなか借金が減っていかない。しかも、払う額が一定であるため、「何を買って、いくら使い、今どれだけ借金が残っているか」「あとどれだけで返済が終わるか」という点に、霞が掛かって見えづらい。もちろん、これは意図的な設計だ。リボ払いは、借金感覚を失わせて借金をさせる、悪魔の所業なのである。騙すほうが悪いに決まっている…。
その他の悪い借金としては、ギャンブルに使うための借金、その場で楽しみに浪費してしまう借金、信用取引(※超カンタンに言うと、借金をしての株式投資)、その他にも、借金を返すために複数の業者から金を借りて多重債務となってしまう、などのパターンが存在する。
…さて、リボ払いに代表される、これらの”悪い借金”が持つ性質は、「@金利が高い」「A返済計画が明確ではない」「B将来的な富を生み出さない」といった感じである。つまり、良い借金は、この逆ということだ。住宅ローンなどは、“@ABの逆”の全てが当てはまるし、大学奨学金についても、まあ、真面目な人ならば、“ABの逆”をちゃんと満たせるはずだ。
さて。私が、「良い借金と悪い借金」という話で、もう一つ、理解が深まったことがある。それは、「株」のことだ。
…やれ、以前までの私は、借金は絶対的に無いほうが良いと思っていた。そして、株を発行するとは、要するに、企業が借金をしている状態である。意味が分からないよ。わざわざ安くない利息を払ってお金を借り続けなくとも、さっさと”借金”を返済し、儲けたお金の範囲内で運営すれば良いではないか。
――しかしながら、これらの考えは、誤りである。何故なら、株の発行は、「良い借金」となりうるからだ。株主への配当金は、高めのところで、概ね年間5%というところであり、金利5%の借金と言える。だが、それで例えば100万円を借りて、最終的に110万円の利益を出せるのなら、利息として5万円を支払ったところで、余裕でお釣りが出る。株の発行は、「良い借金」なのである。お金があれば、人も雇えるし、新たな事業も始められる。それで利息を払ったとしても、それ以上の利益を出すことができれば、最終的には誰も損をしない。まさに、良い借金の典型例なのだ。
やれ。私はここまでの人生で、「経済のことは複雑だから、自分には分からなくて当然」と、関わり合いを拒否してきた。しかし、「良い借金と悪い借金」というたった一つの言葉で、これだけ多くのことを理解できたのである。
…というわけで。私は、これからの人生で、「良い借金」であれば積極的に借りていこうと思う。そして逆に、自分の百万円単位での貯金も、「良い借金」として、心ある人たちに貸し出していこうと思う。郵便局に預けているだけの「利子:2円」では、プラスにならないどころか、物価上昇率を考えると、お金を貸してやってるのにマイナスという、ちょっと常識外れの事態になってしまう。こんな”悪い借金(自分が貸すバージョン)”は、もう終わりにしよう。で〜〜っかい資産を築いて、楽勝〜〜〜な人生を送ってやる!!
(2023年9月10日)
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