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管理人の日記
病気ってのはね…痛くて苦しいものだよ
兄貴ィ―――ッ て
なんだ? |
年寄りが「若くなりたい」と発言しているのは、いつまでも若者のような力強さを維持したいとか、異性からチヤホヤされたいだとか、自分だけが永久に生きていたいとか、そういう、ある種の傲慢な考えだと理解していた。もちろん、そう思っている人も居るだろう。だが、私の捉え方は異なる。若くありたいとは、病気の苦しみから逃れたいということではないだろうか。
…というのも。私も、サイト開設から長い時が経ち、もう立派なオッサンとなってしまった。そして、この春から、簡単には治らないような病に苦しめられ始めた。この“病気”というのは、なかなか日常に深く突き刺さってくるもので、私のそれは、発作的に発生する痛みが、就寝時・外出時、余暇時間・仕事時間、平日・休日と、状況を選ばずに襲いかかってくる。ただ痛いだけで、悪化はしないが、治りもしない。対抗策としての痛み止めは、常時携行しているのだが、それが効果を発揮するまでの30分ほどは、吐き気がするほどの痛みに耐え続けなければならない。しかもそれが、1日に2回3回と起こるのだ。
――ただ、この5月頭に医師の診察を受けて、そのアドバイスを実行した結果、痛みを感じる機会が減り、明らかに快方へと向かうようになった。診察時に、その場では苦痛を除去できないと知った時には、なんて腕の悪い医者だと一人前に憤ったものだったが、やはり、何らかの魔法でも掛けてくれたのかもしれない。さすが、「先生」と呼ばれるだけのことはある。
そして。私は、痛みを感じる時間が減り、健康になっていくにつれて、「痛みが無く過ごせるとは、何とすこやかで気持ちの良いことだろうか」と思い知るようになったのだ。趣味を存分に楽しんだり、飲み食いをしたりするのはもちろん、空気を吸い、無為な時間を過ごしているだけで気分が良い。「こいつ大丈夫でしょうか?」という感じだろうが、これまでの私が大丈夫でなかったのだ。
…さて。私の場合は、前に「(この病気とは)長い付き合いになりそう」と書いた(【日記:2022/5/8】)が、所詮それは数ヶ月単位の話である。だが、年を取ると、怪我の治るペースは遅くなり、逆に致死的な病は患いやすくなる。これは、人間が生物として生き、そして死んでいく以上、どうしても避けられない問題だ。よって、年を取ると、「病気の苦しみ」という不快な隣人と、死ぬまで共同生活を続けなければならない。
――やれ。私は、別に、今後の何十年に渡って、「キン肉マン」の超人たちのように、筋肉隆々で居たいわけではない。永遠の命も、無理だと分かっている。ましてや、世界のどこかに住んでいる白雪姫が私より美しかろうと、そんなことはどうでも良い。ただ、病気の苦しみからだけは、逃れたい。そういう意味では、私も「若くありたい」、そして「老化が怖い」と思うようになった。
日本でも海外でも、自殺の理由の1位は「健康問題」 |
そういうわけで。私は、若さとは、「健康であること」だと思う。もちろん、例外は大量にあるが、基本的には、若いうちと比べて、年を取ると、病気の治りは遅くなるうえ、致死的な病を患いやすくなる。病気の苦しみも、当然に大きくなるだろう。
――やれ、人間関係失敗勢の私にとって、見た目が老けているかどうかなどは、ほとんど関係ない。しかし、病気の苦しみは、こちらが無関係を維持しようと思っても、こいつ直接脳内に…!
という感じで、強制的に入り込んでくる。年を取ると、そんな不躾な輩を、追い返す力がなくなってしまうのだ。
というわけで。私は、今回の自分の病気における多大な苦痛と、その治りの遅さを鑑みて、「自分はもう完全には若くないのだから、健康には気を付けていこう」と思ったのである。
…やれ、そういう意味では、去年1年で減量を成功させた(【日記:2021/12/29】)のは非常に良かったと思う。あの後も、もし体重の増加傾向を止められず、90kg・100kgと順調にドラム缶と化していけば、生活習慣病の嵐で、今より10年は早く死ぬことになっていただろう。だが、間違っても楽に死ねるわけではない。病苦に悩まされ、多くの制限を負ったうえで、何度も何度も病院に通い、それでも治らない責め苦を味わって、後悔と痛みに何年も苦しんだあげく、死んでいくのだ。病気とは、苦しいものなのである。そんな当然のことを、若かったから、私は分かっていなかったのだ。
――そんなわけで。私は以前まで、「健康だと長生きができるので、ゲームを長く遊べる」などというように、健康を、他の目的へと利用する手段だと思っていた。しかしながら、健康であるということは、病気の苦しみが無いということであり、それだけで価値があるのだ。私も、若さの峠は超えたのだから、これから先、一生の苦しみとなるような病気を患わないよう、注意していかなければならない。若いって、素晴らしいことだ。
(2022年5月19日)
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