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管理人の日記
「日本製は安くて性能が良い」→「高いし中途半端」→「日本製は安くて性能が良い(再)」
ほんの少し前は「値段が高いうえに中途半端」というイメージだった
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本日は休みだったので、少し離れたところにある“ディスカウント系スーパー”へと行ってきた。確かに、非常に安いのだが、自転車で片道45分と、普段の買い物で利用するには苦しい距離である。そのため、目当ては、他の店に売っていない物品だ。具体的には、30パックで400円程度と安価なドリップコーヒーに、お菓子がわりの韓国風
味付けノリ、それにちゃんと辛いキムチなどが狙いである。
…その“ついで”ということで、様々な物を見ていたところ、なんと米が10kgで税込み2180円と、信じられない価格で販売されていた。私は、米は5kgで2000円という基準を持っていたため、その約半分の価格には衝撃を受けた。一応、「不揃い品のブレンド枚」「元々の物価が安い地域」「安さで有名な系列店の新装開店」という条件はあるものの、10kgで2180円というのは驚きである。しかも、これ、国産米なのだ。私は、手間を削減するために無洗米にしようかと思っていたが、さすがにこの安さには勝てなかった。
――やれ、時代を振り返ってみると、今から10年ほど前に、私が東京に住んでいた時には、食費を削るために中国産の米(※日本の中国地方ではなく、中華人民共和国の中国)を購入しており、だいたい5kgで1300円程度であった。これでも、5kgで2000円の日本米と比べると、2/3程度の値段であり、私には味の違いも気にならなかった…というか分からなかったため、主食として、大きく頼りになったことを覚えている。しかし、それから10年の時が経ち、条件が異なるとはいえ、最安は中国米ではなく日本米となってしまったのである。一つの時代が終わった感がある…。
続いて、別の例を出してみよう。私が、2017年に大阪で一人暮らしを始めた時(すぐに終わることになったが…)には、家電を急いで買い揃える必要があったため、テレビやパソコンといったこだわりの一品以外は、最安の物をパパッと選んでいった。結果、「ハイアール」や「ハイセンス」といった中国メーカーが多くを占めることになった。私は、それらの性能には不満を覚えてはおらず、自分の給料(当時)で買った物として、今でも愛用をしている。
――しかし、この春に冷蔵庫を買った時(【日記:2022/3/12】)には、本体価格を最重要ポイントとして選んだところ、「マクスゼン」(MAXZEN)という日本メーカーの商品を買うことになった。つまり、2017年の最安家電は中国産であったが、2022年には日本産となっていたのである。上記の米の例と同じく、ここ数年だけでも、状況は大きく変わってきているということであろう。
さて。私が子供から大人に育ってきた時代には、日本は「技術立国」などと言われており、日本製は「高品質・高性能・安心」という印象であった。一方、例えば中国製は、「低品質・粗悪・パクリ・不安」などと、散々な言われようであった。いや、今でもそう思っている人は、結構いるのではないだろうか。が、それから長い時間が経ち、もはや中国製が安物という時代は過去となり、日本製こそが真の安物となったのだ。
…これについて、「でも日本には技術があるから」と言いたいところであるが、もはやそれすら怪しい。例えば、テレビにおける映像技術などでも、韓国・中国のメーカーが先行し、それに挑む日本製…という図式になっていることはザラである。「でも日本には技術があるから」は、「でも日本には四季があるから」と同じく、平成初期で思考が停止している人の考えだと、私は思う。
給料も上がっていないが、物の値段も(比較的)上がっておらず、相対的に日本製が割安に
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たが、私は、「格安商品が、メイドインチャイナではなく、メイドインジャパンになった」というのは、必ずしも嘆かわしいことではないと思う。何故なら、価格という評価基準で、再び“日本製”が競争力を得られているからである。
…やれ、かつての日本製の強みは、「安くて性能が良い」というものであったと記憶している。それが、いつの間にか「技術」となっており、そこから転じて、「日本が世界で一番凄い!」という風潮にすら変わっていった。だが、他国が経済発展を遂げていく一方で、日本では停滞どころか衰退が始まり、相対的な立場は大きく弱体化した。私にとっての「日本製」は、少し前まで、ゲーム機を除いて、「高いうえに性能が中途半端で、選ぶ価値は無し」というものであったのだ(【日記:2018/1/18】)。
――だが、そこから、日本製が最安となったことで、再び「日本製は安くて性能が良い」という称号を取り戻せたのだ。もちろん、そこには「日本製が性能で最強」という観点は存在しない。だが、必要な機能を絞って、消費者の元に低価格で届けるというのも、また技術である。そういった総合力としての“技術”で、再び日本製が勝負を仕掛けられるようになったのだ。
というわけで。「食品から家電まで、最安商品が日本製になっている」という事態には、一見すると日本の経済レベルが衰退した象徴であり、悲しい事態に思える。しかし、見方を変えてみると、「日本の商品は、安くて性能が良い」という、30年前のような競争力を取り戻せているとも考えられる。違うのは、比較対象が、30年前は欧米で、現在は中国・韓国というだけだ。だが、どちらも海の外にある国、私には同じに見える。
――まあ、こういった「メイド・イン・ジャパン」のあれこれについては、様々な色眼鏡が掛かってしまうものである。しかし、私は、日本製が「安くて性能が良い」という魅力を取り戻せたことは、非常に良いと思うのだ。物の値段が上がっていく時代に、この「安さ」という基準は、最重要と言っても良い。実際、3月から使っている日本製の格安冷蔵庫には満足しているし、日本産の10kg2000円のブレンド米には、これから大いに助けられていくであろう。日本製が、「日本製」という錆び付いたブランド以外で、再び前向きに選べる時代が来たのである。
(2022年4月9日)
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