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◇トップページ > 管理人の日記 > 2022年1月19日の記事
管理人の日記
よし。やめなよ、みんな
セフィロスバージョンとか言って遊んでる場合じゃなかった… |
先日夜、先んじて発表されていた、ニンテンドースイッチの「キングダムハーツシリーズ(クラウド版)」の発売日と価格が発表された。配信は2月10日、価格は単品5280〜7480円(税込)、3作フルセットで14300円(税込)である。
――ということで。これをもって、スイッチでもキングダムハーツの本編作品が遊べることになる…のだが、このクラウド版を購入するのは極めてオススメしない。このクオリティのゲームを遊びたいのなら、PS4を買ったほうが遥かに良い。本日は、そのことについて、説明をしていこう。
まず、このように、ニンテンドースイッチへのキングダムハーツの移植(?)が為された理由は、スイッチで人気の「スマッシュブラザーズ」の追加キャラクターとして、キングダムハーツ主人公の「ソラ」が選ばれたことによるらしい。私は、どちらのシリーズもよく知らないため、ここで詳しく述べることはしない。恐らく、これを読んでいる皆さまのほうが、よっぽど詳しいというものだろう。
…しかし、スイッチの性能では、PS4クラスのアクションゲームをそのまま動かすのは不可能と判断されたのか、「クラウド版」での移植となった。クラウド版とは、「ストリーミング」「オンデマンド」などとも呼ばれ、インターネットを通して、遠くのゲーム機を遠隔操作する方式である。この方法なら、機器はコントローラー操作を送信し、映像を受信するだけであるため、性能の問題が無くなる。よって、PS4クラスと言わず、それ以上のゲームを遊ぶことも可能である。ただし、常時オンラインが必須となるうえに、操作遅延や画質劣化が発生し、しかもサービスとして料金体系が優しくないものが多い。例えるなら、YouTube動画をコントローラーで操作するようなものである。よって、ゲームの配信サービスとしては課題ばかりで、ほとんど普及していない。ただし、映像分野においては、この“クラウド版”が急成長をしており、映画館やレンタルビデオ屋はもちろん、テレビ放送すら撃ち落とす勢いである。そのため、今後の成長性はあると言える。
――ちなみに。今回の移植について、【こちらの英語版インタビュー】を機械翻訳して読んでみると、スイッチへのそのまま移植が困難だった理由は、「ハードウェアのストレージ容量など」と言われており、メディア容量が最大の問題であったことが分かる。また、FF界隈でも有名な野村哲也が、「キングダムハーツをスイッチのプレイヤーに届けたい」と表明していたことも記されている。野村哲也は、目玉ゲームをプレイステーションばかりで出しているため、勝手にPS信者みたいに言われることもあるが、特にそういう縛りはなく、自分の作ったゲームを多くの人に遊んでもらいたいと思っているようだ。
では、そこまで分かったところで、冒頭の「キングダムハーツ3」の比較画像を見ていただこう。左がPS4版、右がスイッチ・クラウド版である。
…さて。あなたは、画像を見て、どう思ったであろうか。私としては、「駄目だこりゃ!」という感じである。「キングダムハーツ3」は、スクウェア・エニックスの大作ゲームであり、満を持して最新ハードで発売されたナンバリング続編ということで、グラフィックも大きな魅力である。しかしながら、スイッチのクラウド版では、細部がボロボロとなっており、PS4版と比べると大幅な劣化をしている。映像美が楽しめるレベルには、全く達していない。
――いっぽう、遅延については、そこまで酷くないというのが正直な感想である。正直、「スティックを倒したあとに、明らかなタイムラグがある」くらいのものを想定していたが、極端にプレイ感が阻害されるほどの遅れは感じなかった。その辺りは、さすがにアクションゲームということで、しっかりと考慮が為されたようだ。代わりに画質が犠牲になったが、それでも最重要なポイントである。なお、スイッチでは、携帯モードと据え置きモードの両方を試したが、私の環境においては、どちらでも遅延についての問題は無かった。画質についても、特に変化は無かった…。
なお。公平を期すために、それぞれの撮影環境についても、述べておくことにしよう。左は、私が持っている「PS4pro」にて、「キングダムハーツ3体験版」を動かして、撮影をしたものである。そして右は、「据え置きモードスイッチ(旧型)」にて、昨日夜から配信されている「クラウド版キングダムハーツ3」をキャプチャした。どちらのハードでも、本体の撮影機能を使用している。
…そして、通信環境については、まずPS4は機器内で動作しているので関係なしである。スイッチについては、旧型スイッチには、据え置きモードであっても有線LANポートが無いため、無線LANでのクラウドゲーミングとなった。有機ELの新型スイッチには、標準でLANポートが存在する。そのほか、旧型でも周辺機器を追加すれば、有線通信が可能なようだ。
――そして、それぞれの機器から画像を取り込んだ後は、サイズを1920×1080に変更したあと、半分ずつを並べる。その後、軽くシャープを掛けたのちに、完成品としてJPGで保存している。品質は「85」ということで、その際の新規ノイズも乗っているであろう。ちなみに、JPG画質はこれまで「75」でやってきたのですが、検索をしてみると「85が良い」という意見が多かったので、今回からそうしています(申し訳程度の日記要素)。
心理テスト的なシーンすら終わらずに10分で体験版終了は草ですわよ |
そして。更に問題なのが、この品質で14300円を取るという点である。
…やれ、クラウド版は、発売側でサーバーを用意する必要があるため、どうしてもそのコストが掛かってしまう。そのため、例えばプレイできる期間が限定されていたり、30日は○○円・90日は××円というようなレンタル形式であったりと、買い切り型の販売に比べてバランスが悪くなってしまう。この14300円という価格も、決して暴利を貪っているというわけではないのだろう。
――ちなみに、他のスイッチにおけるクラウド版ソフトと比べてみると、例えば「バイオハザード7」は180日で2037円(税込)、「アサシンクリード
オデッセイ」は730日(2年?)で9240円(税込)、「コントロール」が期間制限なしで4980円(税込)などとなっている。キングダムハーツの、1本5000円程度というのは、クラウド版の中では、特別に強気な価格設定というわけではない…。
だが、キングダムハーツシリーズは、他社のセールでは常連タイトルである。例えば、この前のPSstoreの年末年始セールだと、75%OFFの4290円となっていた。もちろん、3作セットで、である。また、いつもながら、中古パッケージの価格を調べるため、【ゲオオンラインストア】で「キングダムハーツ」と検索してみたところ、同内容の3本セットは7579円となった。そして、ゲオ実店舗では、先のライトニングセール(【日記:2022/1/1】)のように、キャンペーンが行われていることもある。よって、中古屋を利用する場合でも、14300円より遥かに安価で手に入れられるだろう。
…いっぽう、スイッチでのクラウド版も、一応はセールの適用内になることもあるようで、実際に配信開始の2月10日から月末までは、2割引きで購入でき、3本セットでも11440円となるようだ。しかし、それでも、上記のどの手段よりも高いことは変わらず、サーバー維持コストが存在するため、大幅な値引きは期待しづらい。そして、高価でも品質が良いのならともかく、高いうえに劣化版というのは、どうにも…。
――ちなみに、上で挙げた「バイオハザード7」など、キングダムハーツ以外でクラウド版が存在するゲームたちも、時間経過とともにPSstoreでは1000円〜2000円程度で買えるようになっているが、クラウド版には特にテコ入れされていない、というか話題にならない。これ、遊んでる人が居るのか?
そういうわけで。スイッチの「キングダムハーツシリーズ(クラウド版)」は、かなり酷い劣化版であるうえ、値段も高く、良いところが無い。そして、PS4版と比べて、新規の追加要素が存在するわけでもないようだ。
…よって、私としては、このクラウド版は、買うべきではないと思う。「今後とも永久にプレイステーションのゲームを遊ぶ予定が無い」とか、「携帯機モードでのプレイに異様なこだわりがある」だとか、そういう特段の事情を除いて、PS4でプレイしたほうが遥かに良いと断言しよう。今回の“PS4”のスクリーンショットはPS4proで撮影したが、ノーマルPS4でも、クラウド版ほど酷くなることはまず無いだろう。そして、現在、PS4本体は入手しづらい状況にある(【日記:2021/12/16】)が、それを考慮したうえでも、クラウド版は避けるべきだ。また、PS5は全てのPS4ソフトが動くため、そちらを買っていただいても構わない。もちろん、Xboxや高性能PCでもOKだ。要は、クラウド版のような高価な紛い物でなければ良いのである。
素直にPS4でやりましょう |
ちなみに。ここまで書くと、「さすがにそこまで酷くは無いだろう…」と思う方もいるかもしれない。私も、決してゲーム用の高速回線を使っているというわけではないため、ひょっとしたらプレイヤーの環境次第で、幾分か高品質で楽しめる可能性もある。
――そういうわけで、このクラウド版の購入を検討する際は…いや、購入を検討していない人も、せっかくだからということで、体験版を遊んでみると良いだろう。スイッチ本体の「ニンテンドーeショップ」から入り、検索画面で「き」と入れると、それだけで「キングダムハーツ」と出る用意周到さである。そこから、3作セットでないバージョンを選べば、それぞれ体験版がダウンロード可能となる。『1.5+2.5』は15分×2回、『2.8』『3』は10分×2回のプレイが可能だ。ゲームプレイの体験版というよりは、回線のテスト用という位置付けなのであろう。
さて。キングダムハーツは、スピンオフタイトル(?)が多すぎて、何が何だか分からないのだが、どうせテストに使うのなら、元がPS4の「キングダムハーツ3」が良いであろう。ちなみに、PS4版は、私は未経験であるため、一応はクラウド版が初めてということになる。
…開幕、チェスのようなボードゲームで遊ぶ男2人を交えながら、恐らくPS2作品の名シーンを回想するようなムービーが流れた。これは、まあ操作要素の無いただの映像なので、そこそこの画質であった。その後、ゲーム本編は謎空間からスタートし、鏡の中の絵を選ぶような場面となった。ここからは、霞が掛かったかのようなボケボケ画質である。恐らく、占いのようなもので、プレイヤーのタイプを決める場面なのであろうが、全く内容に集中できない。そして、私のスイッチ体験版は、ここで10分の時間制限が来て終わってしまった。もっとも、クラウド版の特徴は、十分すぎるくらいに分かった…。
――まあ、正直、クラウド版なんて、こんなものなのだ。例えば、私はPSvitaリモートプレイでPS4ソフトを遊ぶことがあるが、それですら、無視できない画質劣化が存在する。たった1mほどしか離れていなくても問題が発生するのだから、インターネットの向こう側の機械を操作するなど言語道断である。動けばラッキーという程度で、そのクオリティにはおよそ期待できない。なのに高品質なゲームを遊びたい。根本的に矛盾しているのだ。
さて。この「クラウドバージョン」を主導したのは、任天堂側なのか、それともスクエニ側なのか、どちらなのかは分からない。しかし、そのどちらにせよ、遊ぶ人のことを全く考えていない。「キングダムハーツがスイッチで出た」という実績が欲しかっただけである。一体、誰のための移植なのか。
…やれ、私はPSハードを中心に遊んでいるが、ニンテンドースイッチが不要であるとは全く思っていない。実際に、ひょんなことからスイッチを手にして、「スーパーマリオ3Dコレクション」を楽しませてもらったし、「マリオオデッセイ」も大ボリュームでハマり込めた。私は、両機種持ちであり、そうなってみて、凄く満足している。だから、「スイッチしか持っていないが、キングダムハーツを遊びたい」と思っている人にも、少しお金を足してPS4を買い、両機種持ちになってみてほしいのだ。クラウド版などという劣化版は買う必要は無いし、遊んではいけない。今後、「FF7リメイク
クラウド版」(ややこしい…)などがスイッチに登場することがあったとしても、同じである。
――つまり、今日の日記を一言で表現しよう。こんなクラウド版なんて買うな!
普通にPS4でやれ!!
(2022年1月19日)
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