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低レベルクリアー(PSP) プレイ日誌
夕日…ワールドマップ…。FF6じゃん |
前回までで、ストーリーにおけるティアマット撃破に続き、その追加ダンジョンの道中を紹介できた。今回はいよいよ、「風のささやく洞穴」のボス4体を攻略していくことにしよう。結果から言うと、4体のうち2体が、神竜&オメガにも匹敵するほどの強敵となった。
さて、ここでのボスは、FF6からの選出となっており、登場するのは「テュポーン」「オルトロス」「魔列車」「デスゲイズ」の4体である。まず、「テュポーン」と「オルトロス」は、FF6の名物モンスターと言える存在なうえ、原作でも空中戦を行うパートがあったため、風・天空といったイメージのマップで戦うのには、うってつけの相手と言えるだろう。
…いっぽうで。「魔列車」についても、確かにFF6の有名ボスと言える存在だが、しかしあれは、走りながら戦うという意味不明な勢いがあったからこそであった。このFF1の登場時は、ただの停まっている列車であり、残念ながらインパクトは薄い。無論、ゲストキャラなのだから、そこまでの労力は割けないというのかもしれないが、ならば魔列車の選出自体を見送るべきではないだろうか…。
――また、最終エリアで登場する「デスゲイズ」は、完全に拍子抜けである。やれ、GBA版当時は同時収録であったFF2の追加ダンジョンのほうに「アルテマウェポン」が登場しているから…と言いたいところだが、そちらはFF2におけるベヒーモス系の色違いであるため、FF1のほうに“FF6の姿のアルテマウェポン”が登場しても良かったはずだ。デスゲイズは、確かにFF6の登場時は、印象に残る相手であった。しかしながら、“飛空艇での移動中にエンカウントする”という特殊仕様は全く再現されておらず、通常プレイでの敵としての強さも、オメガ&神竜に比べて大幅に劣る。よって、「FF6枠のトリ」としても、「裏ダンジョンの最後」としても、デスゲイズでは明らかに力不足である。ガーディアンやマジックマスターなど、インパクトのあるFF6のボスはまだまだ居るし、なんならもう神々の像とかを出してしまっても良かった気がするが…。
と、まあ。ここまでは、あくまで通常プレイでの話である。今回の低レベルプレイでは、敵のうち2体が、悪魔的な強さを誇った。
――さて、そのうち1体は、先駆者兄貴の苦戦の声をかなり前から耳にしており、私としても、最大級の警戒を向けていた。しかし、もう1体のほうは、私は全くのノーマークであり、突如として現れた強烈な強さには、非常に苦しめられたものであった。その凄まじいまでの「唐突さ」は、ある意味で、原作での展開をリスペクトしていたのかもしれない…。
なんなんすかこれ |
では、実際の「風のささやく洞穴」のボス攻略を始めていくことにしよう。まずは、10階に登場する、「テュポーン」からである。
…さて、こいつは、いきなりの桁外れの強敵となる。敵の行動は、打撃と「鼻息」をランダムで繰り返してくるという、至極単純なものである。しかし、この「鼻息」が、防御不能で約2/3での即死効果を与えるという強烈な効果を持ち、事実上の「低レベル+1人クリアー」となる今回プレイでは、他に類を見ないほどの超凶悪技と化しているのだ。
まず。「鼻息」による即死が“防御不能”であるということの意味から述べよう。FF1には、数多くの即死攻撃が存在するが、その多くは、「リボン」によって対策ができる。リボンの効果の1つとして、“属性付きのステータス攻撃への耐性を大幅に上げる”というものがある。例えば、「地震」は「地属性の即死攻撃」、「デス」は「死属性の即死攻撃」という性質があり、どちらもリボンを装備していれば、耐性が大幅に上がって、低レベルキャラであっても決して当たらなくなる。よて、それらの行動は、“1回休み”と同じであり、大きな攻撃チャンスに成っていた。
…しかしながら。困ったことに、「鼻息」は、属性を持たない即死攻撃である。よって、「リボン」で耐性を上げることはできない。「守りの指輪」や「バマジク」なども、全て上昇するのは「属性耐性」であるため、無属性の即死攻撃には無力だ。しかも、「鼻息」はFF1に登場する全ての即死攻撃の中で、命中率が最大という特性があり、Lv20の白魔導士が喰らえば、2/3程度という無慈悲な確率で戦闘不能となってしまう。
――さて。前々回のオメガ&神竜戦(【第9話】)の経験から、私は「中途半端に制限を緩めてプレイすると、逆に手間が増えることになる」と考えていた。そのため、このダンジョンのボス攻略は、最初から「白魔導士ソロ」で挑もうと決めていた。よって、「鼻息」が当たれば、その瞬間に全滅である。この即死を防ぐ手段は、全く無い。「鼻息」が使われないか、使われても1/3程度の確率で回避するか。どちらにせよ、★運★しか無いのである。
さて。そんなテュポーン戦を楽にする方法は、もちろんLv1キャラ×3人を生存させて挑むことである。もし、「Lv1キャラの蘇生」を許容するのであれば、もはや「鼻息」など全く怖くなくなってしまうし、そうでないとしても、初期レベルキャラを3回ぶんの盾として使えるというだけで、確率面の問題を大幅に緩和することができるだろう。
…しかしながら、前々回でも触れた通り(【第9話の該当部分】)、このテュポーン戦は、先駆者兄貴によって、約10000回という、えげつない挑戦回数が報告されている。そして、その兄者の「シーフ1人」という条件に対し、私がLv1キャラの生存を前提としていては、その記録を完全に上回ったとは言えなくなってしまう。そのため、私は、オメガ&神竜戦に引き続き、このテュポーンに対しても、「白魔導士ソロ」という条件で戦っていこうと考えたのだ。
勝利時には、1回の混乱で、なんと16ターンを封じられました |
しかし、そんなテュポーンにも、とんでもない穴があった。鼻の穴が2つある…とかそういう話ではなく、混乱が効いてしまうのだ。
――さて、FF1における混乱は、敵側にのみ発生するステータスであり、「自分(たち)に対する物理攻撃のみを繰り返す」という状態になる。他のFFシリーズ作と違って、打撃の命中によって解除されることは無く、時間経過でのランダムのみが解ける条件となる。しかも、「混乱が解除される」という行動にも1ターンを消費するため、敵の行動の封印手段として、かなり強力である。
さて。私は以前にも、混乱状態を攻略に用いていったことある。それは、「燃え盛る火の大穴」における、FF4の四天王戦だ。その際は、バルバリシアは命中率が1/10程度と低すぎて駄目だったが、スカルミリョーネとの2連戦では、約1/3という高い命中率により、敵の凶悪行動を封じる切り札となった。
…では、このテュポーンへの混乱命中率がどうかというと、残念ながら、バルバリシアと同じであり、約1/10という低確率である。1回ならまだしも、2回・3回と連続での命中を期待するのは、かなり厳しいと言えるだろう。
――しかしながら。テュポーン戦は、どうせ「鼻息」による激しい運ゲーであり、数ターン立っているだけでも難しい。いっぽうで、混乱のほうは、低確率ながら、発生さえすればしばらくは安全となる。その持続時間についても、やはり運であり、掛けたそのターンに解除されるようなこともあるのだが、逆に10ターン以上も続くこともあり、見立てとしては、混乱2回くらいで十分に勝てそうな感じがした。その場合、勝率は、極めて単純な計算で、1/100と言えるだろう。よって、何も考えずに鼻息をひらりと回避し続けることを狙うより、敵を混乱させたほうが勝率が高そうな感じがしたのである。
というわけで、戦闘はシンプルである。まず、バトル開幕から、ひたすら「ブレイブハート」のアイテム使用で「コンフュ」を発動し、相手を混乱させることを狙っていく。1ターンで当たらなかった場合、次ターン以降でも発動を狙っていく。1ターン目で最良の行動が「相手を混乱させる」なのだから、状況が変わらなければ、2ターン目以降もそれを繰り返すべきなのだ。
…そして、もし混乱の発動に成功したら、ここからは、「ブリンク×2」→「ヘイスト」→「セーバー×10」→「打撃×4」と行動していく。敵のHPは10000であり、打撃のダメージは2500に僅かに満たない程度だが、混乱による微弱な自爆ダメージをプラスすることにより、相手を倒し切ることができるのだ。多分これが一番早いと思いま…ブリンク×2は、一応の保険である。敵の命中率は標準的であるため、2回でも十分な効果を発揮できるのだ。
――最後に、途中で混乱が解除された場合だが、あと僅かで倒せるという場合を除き、再度の発動を狙っていこうと考えていた。仮に、1回の成功率が1/10だとして、2連続の成功率は1/100と、なかなか苦しくなる。しかし、何度も述べている通り、このバトルは、正面から挑むと毎ターンごとに1/3の確率で全滅するため、もはや運要素を避けることはできない。もし、それを1/100の勝率に持ち込めるのなら、それは大成功としか言いようが無いのだ。
どういう…ことだ…? |
というわけで。勝利時には、最初の混乱の発動にこそ手間取ったものの、その間の敵の攻撃は全て打撃であった。そして、いざ混乱が発動したところ、なんと16ターンも相手の行動を封じることができた(解除の1ターンを含む)。そして、混乱の解除後は、残り僅かなターンで倒せると分かっていたため、そのまま攻撃を続けた。そうして、狙った通りに4回の打撃で勝利に成功した。
さて、問題となる、累積の挑戦回数であるが…恐らくは100回程度であろう。この回数自体はまずまずであるが、敵の目の前でセーブができるバトルのため、失敗した場合も即座にリスタートができる。また、最速の場合は、それこそ1分未満で失敗が決まる。FF13のようなリアルタイム性も存在せず、操作面での難しさも存在しない。よって、この100回という回数は、全く苦労したとは言えない。
…実際のプレイとしても、「風のささやく洞穴」の地下10階に到達し、テュポーン戦を始めたその日に、既に撃破を成功させている。挑戦中の録画も全て残っていたため、確認してみたところ、どうもプレイ時間は90分ほどのようだ。このプレイ時間から、「100回くらい」という挑戦回数を推定している。テュポーンは、まあ強いっちゃあ強いが、私は「10000回も掛かる」と聞いていただけに、拍子抜けするものであった…。
――そういうわけで。テュポーン戦は、混乱を使うと、低レベル+1人クリアーでも楽になると断言して間違いないだろう。私の勝利時には、1回の混乱によって勝つことができたが、仮に2回が必要となったところで、「鼻息」の嵐を耐え忍ぶより、遥かに勝率を高くできるはずだ。まだまだ、FF1にも、他ジョブを利用した低レベルクリアーや、更にLvを下げていくプレイなど、いろいろと遊び方が存在するはずである。
ちなみに。戦利品は、「源氏の兜」である。戦士系列とシーフ系列が装備可能な頭防具であるが、まあFF1の頭防具はリボンであるため、役に立つ機会は無いだろう。明らかに、敵の撃破難易度と釣り合っていない…。
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一応、FF6での「すみ」は微弱な物理ダメージも有った(バグにより暗闇状態が機能しないが) |
続いて、ダンジョンの11階〜19階を突破し、2番目のボスである「オルトロス」戦をスタートする。しかし、こいつは弱い。
――さて、オルトロスについては、FF6の崩壊前に4回も戦うこととなる、タコのモンスターである。敵としての強さは、初回がそれなりという程度で、あとは大したものではない。しかし、演出面では、コミカルな要素が多いうえ、最終的に「借金を返すためにコロシアムで働く」という境遇が人気を集めてか、“FF6の顔”として、他シリーズにもたびたび登場している。何故か、FF12では溶けてスライム化しているが…。
さて。FF1では、原作にて、“地上に登場した時の姿”(足が地面に見えている)で出現する。水のダンジョンではなく、「風のささやく洞穴」での登場であるが、原作でもタコのくせに空中戦を行うシーンがあったため、イメージ通りの選出と言える。
…しかし! 残念ながら、敵としての強さはカスである。というのも、オルトロスは、打撃と、特殊攻撃の「スミ」を使って攻撃してくる。しかし、「スミ」は、ただ全体に暗闇状態を付与するだけという攻撃である、しかも、「リボン」で完全に無効化が可能なため、1回休みと変わらない。FF1には、「開幕に○○を使ったあと、××と△△のパターンに移行」といった行動変化が無いため、無意味なスミをランダムで使うパターンにせざるを得ないのだ。
――また、打撃についても、命中率が標準的なので、最初から「エルフのマント」によって結構な確率で完全回避が可能であり、ブリンクを積んでいけば全くと言って良いほど問題では無くなる。…以上、「スミ」も打撃も、まるで怖くないのだ。
というわけで。「風のささやく洞穴」の2番目のボスであるオルトロスは、あまりにも弱すぎて、語ることの無いボスとなってしまった。
…ちなみに、こいつは、8本の足を使って、最大16hitの打撃をしてくることが知られている。と言っても、味方側でその数字を見るのは難しいため、オルトロスを混乱状態にすると良い。すると、順番に足1本ずつ丁寧な往復ビンタをしていくオルトロスを拝むことができる。ちなみに、実用性という点で考えると、混乱自体の命中率は、テュポーンよりマシとは言え、なかなか低めである。そして、そもそもオルトロスがそこまでするほど強い相手ではないということで、完全なる遊び要素である。こんなお遊びをしながら、低レベルキャラ1人で、1回で勝ってしまったのだ…。
――ちなみに、戦利品は、「ルーンの杖」という、白魔導士が装備可能な武器である。アイテム使用で「ヒーラ(全体:中回復)」が発動するほか、武器としての性能もまずまずである。しかし、実際に“自己強化後に殴る”という運用を試してみたところ、残念ながら、従来の「トールハンマー」を上回る火力とはならないようだ。あれを超える武器は、経験値入手が必須となるものしか無いのだろうか…。
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爺「わりぃ、やっぱ楽しいわ」 |
引き続き、21階〜29階のダンジョン部分を踏破し、30階のボスと戦うことにする。敵は、「魔列車」である。だが、こいつも弱い。
…まず、魔列車は、FF6の名物モンスターであり、ゲーム序盤における三分割シナリオのマッシュ編で戦うことになる。線路の上を逃げながら戦うという前代未聞の形式に加え、「フェニックスの尾で即死する」「メテオストライクを掛けると逆さになって落ちてくる」などの要素があり、FF6の名物ネタとして、愛され続けている。
――しかしながら、その特殊すぎる形式からか、他作品に友情出演する際には、特殊仕様が再現されていないことが多い。FF1においても、最重要の「走りながら戦う」という点が削除されている。加えて、FF1のバトルシステムでは、「敵に回復アイテムを使う」(+「味方に攻撃する」も)ができないため、フェニックスの尾での即死も不可能である。ジョブごとの固有技も無く、メテオストライクで反対になるということなど、あるわけがない。
また、ストーリー上での位置付けも、微妙に変わっている。まず、原作では、「死者の魂を冥界に連れて行く列車」として、アンデッドではあるものの、決して邪悪な存在というわけではなかった。
…いっぽう、FF1だと、ミニシナリオが用意されており、まず30階に入ると、全滅BGMをバックに、ゾンビ化した住民たちの町に辿り着く。住民たちは、痛みや苦しみを訴えており、その話を聞いていくと、どうも彼らをこんな目に遭わせた存在が居るということが分かる。そうして、2番目のマップに移動して、ボスの魔列車を倒すと、街は綺麗な花畑に戻り、住民たちから感謝される。何故かゾンビ時代を懐かしがっているような声も散見されるが、まあそれはそれだ。そうして、美しい町で心を休ませたあと、31階以降に進めるようになる…という仕組みである。
――ということで。FF1の魔列車は、住民をゾンビ化させる悪魔の列車である。まあ、所詮はエキストラであるため、「整合性の取れた深いストーリーとバトル面での演出が存在して当然」とは思わないのだが、もう少し何とかならなかったのだろうか…。
ところで。FF1の魔列車は、地味に新ネタを習得していたりする。それは、後ろがぶった切られているということだ。
…まず、魔列車には、GBA版の時点では、混乱が有効であった。混乱をすると、敵は反対向きになる。すると、背中側がスパ〜ンと切れているのである。まあ、ゲームのグラフィック表現で考えれば当然であるが、列車として捉えていると、おかしな話になってしまう。
――ということなのだが。このネタは、早速PSP版にて封じられてしまった。PSP版では、魔列車が混乱耐性を持つようになっている。ちなみに、FF1では、敵のステータス耐性は、「デスペル」で消し去ることができる(魔法防御力による命中率低下と無効化はまた別)。しかし、この魔列車の混乱耐性は、デスペルでも消せないという特殊な仕様になっているそうだ。明らかに、この背中側が切れるバグを封じるための変更である。
ちなみに、GBA版とPSP版において、バトル面での変更点は「レベルアップ速度の違い」と「更なる裏ダンジョンの追加」くらいしか無い。そんな中で、“敵に特殊なステータス耐性が追加される”というのは、かなり異質であり、何がなんでも魔列車を後ろから見せたくなかったのだと思われる。だが、せっかくの新ネタをわざわざ手間暇かけて消すくらいなら、むしろ「天使の指輪が手に入らない」という本当のバグのほうを修正するべきだった…。
将来FF6の3Dリメイクが行われるとして、こいつが大きな障害となることは間違いない… |
さて。前置きが長くなったが、FF1版の魔列車との、低レベルクリアーでの戦いである。
…まず、敵の攻撃は、打撃と、「酸性雨」である。打撃は、特別に威力や命中率が高いわけではない。また、「酸性雨」は、300弱のダメージを受ける全体攻撃である。よって、いつものように、序盤をマントなどで乗り切り、HPを確保してしまえば終わりである。以上!
――ちなみに、白魔術士の武器としては、オルトロス戦で入手した「ルーンの杖」を装備していた。しかし、後のプレイで、実際の与ダメージは「トールハンマー」のほうが上となることが発覚したため、ルーンの杖を装備していたのはミスである。その程度の状態でも勝てる相手だったのだ。
ということで。実戦では、混乱で遊びつつ1発で勝てたオルトロスよりはマシな強さであったが、それでも4回目の挑戦で倒すことができた。正直、こういう微妙な強さが、一番何を書くべきなのか困る。ネタにするほど弱いわけではなく、かと言って強敵とはとても言えず、いつも通りのテンプレ戦法で勝ててしまう。各種の魔列車らしい小ネタを徹底的に潰していることといい、こいつは何のためにFF1世界に現れたのか…。
…ちなみに。戦利品については、「ラストエリクサー」である。まあ、貴重品と言えば貴重品であり、効果も切り札として使用可能な一品であるが、わざわざダンジョンを30階層も潜って消耗品が1個というのも切ない。そしてもちろん、今回プレイでは、「エクスポーション」と同じ活躍しかできない。
――ということで。本ダンジョンは、最初のテュポーン戦こそ苦戦したものの、それも予想よりは遥かに楽だった。その後の2体のボスも、余裕で倒せている。この「風のささやく洞穴」は、オメガ&神竜戦を超えることはなく、あっさり終わると思っていたのだ…。
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未だに動くGBA版を見つけられたことは嬉しいが…クリアデーターなので開けません!! |
魔列車の撃破後、「風のささやく洞穴」の最終エリアである、地下31〜39階を探索していく。雑魚の強さが驚異的だが、まあ攻略面では、セーブ&リセット法を使っていけば問題ない。しかし、前回日誌で書いた通り、このダンジョンでは、経験値入手を避けられないマップが2つ登場する(【第10話】)。
…さて、風のささやく洞窟は、あの「天使の指輪」の関係上、全パターンが解析されている(【こちらのサイト様】)。それで、地下33階がボーナスマップの”水没城”になるパターンが存在しないことが発覚し、「天使の指輪」が絶対に入手できないということが分かったそうだ。
――いっぽうで、私の攻略としては、4体のボスのうち、少なくとも3体とは、極限低レベルで戦いたい。よって、経験値が入ってしまう「29」と「33」のマップが、31階以降で登場するパターンを引けるよう、序盤でリセットを繰り返していった。その結果、理論上最大の「地下37階」まで、経験値ゼロで進めることができた。37階は、「風のささやく洞穴」オリジナルの、”夕焼けの浮遊大陸”を探索するマップである。
しかしながら。当然と言えば当然だが、その後は38階と39階で、連続して経験値入手が必要となるマップが登場し、白魔導士のレベルが20→21と上がってしまった。これにより、最下層のボス戦で手に入るアイテムは、地上には持ち帰れないということになる。「アルテマウェポン」なんかは、クラスチェンジ後の全ジョブが装備可能なので、さすがに「トールハンマー」をお役御免にしてくれるのだが…無念である。
そんな最下層で登場するボスは「デスゲイズ」である。冒頭で書いた通り、裏ダンジョンの最深部で登場するボスとしては明らかに力不足である。
…まず、デスゲイズ自体は、「安全なはずの飛空艇での移動中に、唐突に登場する」という意味で、FF6の名物モンスターの1体ではある。しかしながら、「敵としての強さ」や「ストーリー上の位置付け」としては微妙であり、少なくとも「裏ダンジョンの最深部における大ボス」という大役を任せられる相手ではない。このような状況から、デスゲイズ、または「風のささやく洞穴」自体が、ネタのような扱いを受けることもある。
やれ。私についても、GBA版のFF1は遊んだことがあり、通常プレイで、このダンジョンも最深部まで攻略した。FF1は、WSC版に続いて2回目ということもあって、どんな強敵が出るのかとワクワクして挑んでいったが、そこに現れたデスゲイズには「は?
誰おまえ?」という感情を隠しきれなかった。そのまま、特に苦戦することなく撃破し、ライトブリンガーとアルテマウェポンを入手して、ラスボスを倒して、終わりになった気がする。
…なお、奇跡的にGBA版のカートリッジが動く状況で残っていたので、DSLiteで再生して確認してみたところ、ナイトLv72/モンクLv71/白魔術士Lv72/赤魔術士Lv72、ギル999999、プレイ時間17時間11分でのクリアに成功したようだ。しかし、誠に残念ながら、クリアデーターをセーブした状態であった(モンスター図鑑のみを引き継いで最初から始まる。ラスボス撃破前から再開したり、強くてニューゲーム的な要素は無い。よって、メインデーターを上書きしてしまうと取り返しが付かない)ため、中身の確認は不可能だった。
――しかしながら。そこからニューゲームを始めて、モンスター図鑑を確認してみたところ、どうもデスゲイズを始めとし、GBA版での全ての追加ボスを1体ずつ倒した状況(ギルガメッシュとアトモスのみ、ダンジョン構成の都合上、2体ずつ)であった。よって、だいたい裏ダンジョンの要素を一通り網羅する程度のプレイで、Lvが71〜72ということである。今さらだが、Lv21/1/1/1というのは、凄く頑張っているのではないかと思う。
デスペルで消えた即死耐性をバマジクで復活させて…アレ? |
そんな感じのデスゲイズであり、私は全く警戒していなかったわけだが、こいつは尋常でなく強いぞ!
…まず、敵のパターンとして、「デスペル→デス」のコンボ攻撃がある。FF1のデスペルは、”耐性を消去する”という効果であり、デスは「死」属性の即死攻撃という扱いになっている。よって、リボンなどが持つ「死耐性」をデスペルで消去することにより、「デス」が当たるようになるという仕組みだ。これについて、私は、デスペルを受けた後に、即死耐性を付ける「バマジク」(厳密には、「デス」を含む属性付きの即死攻撃などを防ぐ)を使い、属性耐性を復活させれば、それでOKだと思っていた。
――さて、そのバマジクであるが、魔法としてはランク7であり、白魔術士はLv33が必要だ。しかしながら、追加アイテムの「月のカーテン」を使えば発動できるうえ、月のカーテンはこのダンジョンの道中で出現する”魔法使いたちの町”で購入できる。この展開を見越した…わけではないのだが、とりあえず必要分を買っておいた。それを使うことで、「デスペル」→「デス」と連続で行動された場合を除き、即死については問題なくなると考えていたのである。
ところが。実際にやってみると、何故か「デス」が命中して死んでしまう。それどころか、「キル」でも死ぬ。キルは、「HP300以下の対象に、100%の確率で即死を発生させる」というものであるが、リボンなどで死耐性を持っていれば、「HPが300以下」のほうの条件を満たしていても無効化できる。しかし、デスペル→バマジクのあとに、HP300以下でキルを喰らったら死んだため、即死耐性が存在していないと言わざるを得ない。
…さて、これは本バトルにおいて重要なことなので、いろいろと条件を変えて実験をしてみた。その結論として、「装備やバマジクによる耐性の付与よりも、『デスペルによる耐性の消去』が、必ず優先される」というものである。よって、「デスペル」を受けてしまえば、「バマジク」を掛けたところで、もはや耐性を復活させることは叶わない。よって、そこから先は、「デス」による即死に怯える時間が始まるのである。デスペル自体にも命中率があり、外れることこそあるものの、一度喰らってしまえば、それを解除する方法は、もはや存在しないのだ。
やれ。世間には、デスゲイズ攻略として、「デスペルで耐性を消されたら、バマジクで掛け直そう!」などと推奨されていることもあるが、嘘であり、デスペルを受けた後にバマジクを掛けたところで、耐性は復活せず、無意味である。もっとも、FF1ではデスペルを使ってくる敵自体が少ないうえ、雑魚戦だと速攻でバトルが終わってしまう。このデスゲイズ戦であっても、レベルが高ければデスペル・デスともに命中率が低くなるうえ、デスペルもデスも単体攻撃ということもあって、恐らくは誰も気づかなかったのだと思われる。
…まあ、「デスペルが必ず優先される」のほうがバグっぽい挙動であり、例えば「ヘイスト」と「スロウ」の関係は、通常の捉え方通り、「ヘイスト状態」⇔「何もない状態」⇔「スロウ状態」が、それぞれの発動ごとに1段階ずつ入れ替わる形式である。この、バマジクがデスペルに対して全くの無力という現象も、ひょっとしたら”わた環”(私の環境のみで発生するバグ)なのかもしれない…。
――さて。敵の魔法ルーチンは、「デスペル→デス→キル」の順番であり、仮に1発目のデスペルを運良く回避できたところで、2ルーチン目で再びデスペルが飛んでくる。よって、1人クリアーである以上、本バトルに、100%の確率で勝利する方法は無い。敵の耐久力は、HP30000と神竜&オメガ並みであるものの、長期戦になれば必ず敗北してしまうため、できる限りの早期決着を目指す以外に無いのだ。
コイツいつも全滅してんな |
続いて。デスゲイズは、デスを含む魔法ルーチンのほか、打撃でも攻撃をしてくるが、この打撃も強烈な威力である。
…まず、敵は、強敵の基本として、「命中率200」を誇っている。この値は、神竜&オメガと同じであり、命中率200でない他の敵と比べて、「エルフのマント」による回避効果が発動しづらく、「ブリンク」が3回目からでなければ効果を実感しづらく、限界であるブリンク4回を決めても完全回避を行いづらい。なお、FF1において、デスゲイズの他に「命中率200」を持っている敵は、デスマシーン・オメガ・神竜・カオス(ラスボス)・クロノディア(全形態)といった、錚々たるメンツである。「命中率200」は、明らかに、強敵のみが持つ能力として設定されているのだ。
――また、デスゲイズの打撃は、威力もとんでもない。その被ダメージは、500〜800というところであり、ソロ攻略では必殺技と変わらない。敵は、打撃と「デス→デスペル→キル」の魔法ルーチンを使い分けてくるが、確率としては、打撃のほうが明らかに多いため、開幕が最も危ない。例によって、敵は必ず先手を取るため、打撃攻撃を受けて、コマンド入力権なく地上へ強制送還されることは日常茶飯事である。
さて。この、凶悪無比な打撃攻撃への対策であるが、やはりまず、基本と言えるのは「ブリンク」である。敵の高命中率の都合上、1〜2回ではほとんど効果を実感できないが、3〜4回となれば、「マント成功率が上がり」「完全回避の成功率も上がり」「当たった場合の平均ダメージも下がる」と、効果は大きなものになる。これほどの強敵であっても、「ブリンク」が第一歩であることは、間違いないというものだ。
…また、その後についてであるが、「プロテスドリンク」による直接の物理防御力の強化も行っていく。敵は、命中率が高いため、「ブリンク」を限界まで重ねがけしたとしても、それなりの頻度で打撃が当たってしまうし、運が悪いと500以上といった大ダメージも飛び出てしまう。そういった脅威が存在していては、自己の火力強化も満足には行えない。そのため、ターンを無駄にすることを承知で、「プロテスドリンク」による防御力向上を行っていくのだ(魔法「プロテス」より、「プロテスドリンク」のほうが、1回の上昇値が大きい)。だいたい、10本くらい飲み干せば、打撃の被ダメージが「Hit数×1」となることも多くなり、敵の引っ掻き攻撃を恐れる必要は無くなる。
――そして。態勢を固め終えるまでの防御であるが、やはりというか何というか、「エルフのマント」による完全回避を当てにすることになる。敵の命中率数値が200だと、発動確率こそ下がるものの、運次第で打撃を完全に無効化できるという性質は変わらない。この発動のみを期待して、「ブリンク×4」を積み、そして「巨人の薬」と「エクスポーション」で最大HPを確保していく。FF1にはよくあることである。
即死攻撃の恐ろしさを思い出させてくれるボスだった |
ということで。デスゲイズには、「@デスペル→デスによる即死」と「A高威力・高命中の打撃」という、2つの脅威が存在する。開幕の難しさと、HP999からでも一撃死する可能性の両方を併せ持った、神竜・オメガ級の強豪であり、裏ダンジョンラストの40階に相応しい敵であると言える。
では、そんなデスゲイズと、どう戦っていくかというと…運である。残念ながら、FF1のシステム上、こちらが行えることは少なく、いつものように「エルフのマント」による回避を当てにしながら、まずは「ブリンク×4」を積み、その後は「巨人の薬×3」で最大HPを999まで上げ、次に「プロテスドリンク×10」で直接の被ダメ―ジを軽減し、最後に火力上昇のため「ヘイスト×1」「スピードドリンク×3」「セーバー×16」を重ねていく。途中の回復は、「エクスポーション」で行っていく。どうやっても、これ以上のことはできないのだ。その途中、防御態勢が中途半端な状態で大ダメージの打撃が当たったり、「デスペル→デス」で即死が発動したりしても、もはや私の側での対策は不可能である。純然たる★運ゲー★だと言えよう。
――まあ、ここまで来ると、話はシンプルだ。ひたすら回数のほうを増やしていくしかない。よく言っているが、負けたとしても、悪いのは私ではなく運であるため、もはや何も気にする必要は無い。とにかく、試行を重ねていけば、いつか必ず勝てるのである。それまで、何百・何千・何万回であっても、無限に戦い続けていけば良い。なんか、ループ系の設定があるFFシリーズの悪役みたいになってるな…。
とは言え。今回バトルで微妙に変更した点があって、それは白魔導士の頭装備を、「リボン」から「三角帽子」にしたことである。
…ご存じ、「リボン」は、全属性半減&ステータス耐性大幅向上という、FF1におけるぶっ壊れ装備である。しかし、今回バトルで防御可能な技は、「死」属性持ちという扱いの「デス」「キル」のみであり、腕に付けている「守りの指輪」のほうの死耐性でも防御可能である。そして、リボンよりも三角帽子のほうが、防御力が「3」だけ高いため、ほんの僅かだけだが、被ダメージを軽減してくれるのに役立ってくれるはずだ。あと、知性+5の効果があるが、魔法は使わないので意味はない。欲しいのは賢さではなく★運★であった…。
――ちなみに、頭防具ではなく、腕のほうの装備を変更する余地は無いの?
と思う方も居るかもしれないが、白魔術士&白魔導士が装備可能な腕防具は、「革の手袋」「守りの指輪」の2種類のみである。あと1個、「天使の指輪」も有るにはあるが、文字通りの没アイテムとなっている。よって、物理防御力も高い「守りの指輪」を採用しない理由は無いということで、頭防具のほうを変更していくことにしたのだ。
そういうわけで。全く気にも掛けていなかったデスゲイズだが、実際には、オメガ&神竜と同じくらいの、低レベルクリアーにおける屈指の強敵であった。警戒していなかったところから突然現れる…ある意味で、原作再現と言えるのかもしれない。
…とはいえ。実際の挑戦では、「序盤さえ乗り切れば、あとはデスを避けることで戦い続けられる」という感じで、早いうちに勝ちパターンは見えていた。そして、失敗する際も、ほとんどは開幕1〜2ターンでの打撃で負けるうえ、データーをロードすればボスの目前から再開できるため、試行回数の割に実時間はほとんど掛からない。そして、リアルタイム性も無いため、どこぞの亀様のように、何ヶ月も腱鞘炎が続くようなボタン操作が必要というわけでもない。これで難しくするには、それこそ数万分の1というくらいまで確率を下げなければ無理だ。
――ということで。確かに、デスゲイズは強かった。だが、所詮はFF1の中での強さである。回数的には、恐らく300回程度であろう。ただ、実時間としては4時間くらいしか掛かっておらず、回数の割にはそこまで…という相手であった。まあ、純粋に強いオメガ・神竜に、即死使いのテュポーン・デスゲイズで、だいたい”FF1の強さ”はやり尽くした気がする。果たして「クロノディア」は、これより魅せてくれるのか…?
◆動画◆
このコウモリがFFオリジンのジャックたちかと予想していたが、関係なかったようだ |
そんなわけで。今回は、「風のささやく洞穴」のボス戦に特化して、「テュポーン」「オルトロス」「魔列車」「デスゲイズ」の4体を攻略していった。間の2体は、何を書くか悩むくらいに貧弱な相手であったが、「テュポーン」と「デスゲイズ」については、それぞれ、オメガ&神竜とは異なる感じで、FF1における極限の戦いを味わわせてくれる相手であった。こういう
さて。今回のFF1やり込みは、「PSP版を用いて、追加要素も攻略していく」という、実は前代未聞のものである。しかしそれも、残すところは、「過去のカオスの神殿」と「時の迷宮」の2つのみとなった。もっとも、物語上のラスダンである「過去のカオスの神殿」は、もはや消化試合となることは明白だ。よって、やり込みプレイとしての攻略は、PSP版における追加ダンジョンの「時の迷宮」がラストということになる。
…やれ。私は、GBA版の追加ダンジョンはかつて遊んだことがあるが、PSP版のFF1をまともにプレイするのは今回が初めてであるため、「時の迷宮」については全くの無知である。つまり、初回プレイでのやり込みという、ある意味で新鮮な感覚を、今更だが味わえることになるな。
――さて、この「時の迷宮」、正直に言って、あまり評判は良くないようだが、「私が全く遊んだことの無いダンジョンであるということ」「低レベルプレイでの挑戦報告が全く無いこと」「裏ボスの『クロノディア』が、どのような敵になるか分からないこと」などから、私は大いに期待を寄せている。さあ、道中は経験値なしで攻略できるのか、そして、最後の裏ボスである「クロノディア」の強さは…?
(2022年7月21日)
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