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低レベルクリアー(PSP) プレイ日誌
燃え盛る火の大穴を封印している存在…いったい何者なんだ |
前回は、飛空艇を早期入手して寄り道を済まし、マリリスを楽々と倒すことができたところまでであった。
…そして、それにより、GBA版およびPSP版(およびそれに準拠した移植版)における2つ目の追加ダンジョン:「燃え盛る火の大穴」が解禁された。このダンジョンについても、リッチ撃破後の「大地の恵みのほこら」と同じく、低レベルでの攻略を目指していこう。
やれ。前回は、寄り道によって、「巨人の小手」など“アイテム使用が可能な装備品”に、「リボン」といったバランスブレイカー、そして「巨人の薬」などの新たな強化アイテムによって、これまでとは比べ物にならないほど、戦力をパワーアップさせることができた。それにより、ストーリー上のマリリスが楽勝だったことはもちろん、「大地の恵みのほこら」に残してきた3体のボスですら、容易に倒せてしまった。しかも、全て同じような戦い方で、である。
…となると、心配になるのが、今後の全ボスも、似たような戦法で楽勝となってしまうのではないか、ということである。そうなってしまえば、あとは消化試合となってしまい、やり込みプレイとしての価値は極めて薄くなるだろう。
――だが、これは杞憂であった。何故なら、今回の「燃え盛る火の大穴」に登場するボスたちは、全員が強敵だったからだ。4体のボスは、全て一筋縄で倒せる相手ではなく、かなりの苦戦を強いられてしまった。内容としても様々であり、低レベルクリアーらしい運要素や戦略性を楽しめたように思う。バトルがワンパターンでつまらなくなるなど、全くの誤りであり、FF1を甘く見すぎていたのだ。
というわけで。今回は、2番目の追加ダンジョンである「燃え盛る火の大穴」に登場する、FF4由来の4体のボスたちと戦っていくことにしよう。
…そして。PSP版で新規に作成された「時の迷宮」も含め、計5つが存在する追加ダンジョンにおいて、その2番目で既に苦戦が強いられるということは、その先が更に期待できるところである。このプレイ日誌を書いている現時点においては、3番目のダンジョンである「癒やしの水の洞窟」を攻略中(※ボス撃破には莫大な稼ぎプレイが要求される)というところであり、4番目,5番目がどうなるかは分からない。今のところ、低レベルクリアーとしての挑戦例は無さそうな感じである。そのため、クリアできるかすら未知数であるが、だからこそ面白いというものだ。
――というわけで。残念ながら、現在では、“追加要素ありのFF1”という系譜は途絶えてしまった。しかしながら、その姿を、“低レベルクリアー”という極限環境を通して、何とか後世に伝えていきたいと思う。そんな感じで、今回は「燃え盛る火の大穴」の攻略に行ってみよう!
鎧の騎士と4体の部下…これってFF1では |
では、2つ目の追加ダンジョンである「燃え盛る火の大穴」について、まずは構造から説明をしていこう。
…まず、階層としては、土の追加ダンジョンの「5階」から増加して、地下10階の構成となっている。ただし、ボス数は4体で同じであり、固定マップである地下5階で2体が出現し、同じく10階でも2体が登場する。それぞれ、どちらか1体を倒すことで、先に進むか、ダンジョンをクリアーが可能となる。なお、同階層に出現するボスのうち、片方に挑戦すると、もう片方への道は閉ざされてしまうため、完全攻略には最低でも2回の突入が必要になる。
そして、登場ボスは、5階が「スカルミリョーネ」「カイナッツォ」、10階が「バルバリシア」「ルビカンテ」となっている。ご存じ、FF4に登場する“ゴルベーザ四天王”たちだ。原作では、ストーリーの要所で登場し、バトル面だけでなく物語演出でも印象に残る、まさに“大ボス”という存在であった。
…ところで、FF4は、ATBが始めて導入されたタイトルであり、これらの敵も、様々なギミックを使い分けてきた。しかし、誠に残念ながら、このFF1では、それらの特徴はほぼ全て削除されている。カイナッツォの腕立て、バルバリシアの竜巻化やジャンプ解除、ルビカンテの弱点変更や回復してやろうなど、FF4での戦いを印象付けてきた要素は、この「燃え盛る火の大穴」での戦いでは登場しないのだ。考えてみると、FF1では、途中で形態や行動パターンが変化する敵は一切出現しないというシンプルなバトルプログラムになっているため、あくまでファンサービスである追加ダンジョンのために、それを壊す価値は無いと判断されたのかもしれない。
――ただし、スカルミリョーネの2コ形態だけは、“1戦目の終了後、すぐ2戦目が始まる”という形で、原作通りの展開がリスペクトされている。もっとも、これが可能なら、ルビカンテの「回復してやろう!」くらいは余裕で再現できたと思うのだが…。
そして、BGMについて、PSP版のFF1では、FF3の「バトル2(通常ボス戦曲)」に引き続き、このゴルベーザ四天王戦でも、FF4の「バトル2」が新規アレンジされている。だが、これは二重の意味で残念である。
…まず、ご存じの通り、FF4のゴルベーザ四天王には、「ゴルベーザ四天王とのバトル」という専用曲が用意されており、FF4での戦いを大きく盛り上げてくれた。だが、「バトル2」は通常ボス戦の曲であって、ゴルベーザ四天王との戦いでは流れない。まあ、細かいことを言うと、スカルミリョーネの1戦目のみはバトル2が流れるのだが、それも2戦目で曲が変わるための前置きという意味合いが強いように思われる。
――そして、単純にPSP版FF1における「FF4:バトル2」のアレンジが、私はあまり好きでない。FF4のバトル2は、アップテンポな、“これぞRPGのボス戦曲!”という感じのBGMである。FF4を代表する曲として、FF4の作中はもちろん、FFシリーズ内のアレンジ、意外なところでは「スーパーマリオRPG」の裏ボス戦で使われていたりする。しかしながら、このPSP版FF1によるアレンジでは、静かめな印象を受ける曲(【YouTube】)となっており、原作のイメージと合っておらず、バトル曲としてもあまりよろしくないと感じる。やれ、「FF3:バトル2」の新規アレンジ(【YouTube】)は、ガチャガチャと音がいっぱい鳴っている感じが、戦闘BGMっぽくて良かったと思うのだが…。
ちなみに。FF1におけるゴルベーザ四天王たちの、バトル的な強さを言うと、だいたい本編ラスボスと同じくらいという程度のようだ。
…具体的に、本編ラスボスの「カオス」というド直球な名前の敵と比べた場合、攻撃の威力は同程度である。あちらは、「ケアルガ」で回復をしてくるというシドー様のような特徴となっているため、タフさでは上回るが、こちらの四天王たちも、4人で力を合わせた場合の体力では負けていない。
――なお、攻略サイト様では、これらの敵との戦いではレベル40台を推奨されているようで、そういう意味でも、だいたい同程度の強さと考えて良いと思われる。私のプレイだと、白魔道士がLv16/HP308、他は1のままであり、極限低レベル(のはず)である。これで倒せれば面白いな。
火山地形のほか、ワールドマップ風マップや常時ダメージ地形など、よりどりみどり! |
では、「燃え盛る火の大穴」の、ダンジョン面について書いていこう。前述の通り、ダンジョンは地下1階〜10階の構造であり、5階・10階はボス戦のための固定マップであるため、1〜4階と6〜9階の、合計8コ階層がランダム部分となる。
――そして、このダンジョンには、合計10種類のランダムマップが用意されているため、1階の探索で、2種類は登場しないことになる…のだが、実は、後述する「ワールドマップ風マップ」のみ、3種類が1グループとなっているため、これを1つとして数えれば、8つのマップとなる。「ワールドマップ風マップ」は、1階の潜入で、3種類のうちどれか1つだけが出現する。他の7種類のマップは、全て順番だけが入れ替わって登場をするのだ。
さて、もう述べてしまったが、このダンジョンで最も特徴的なマップは、「ワールドマップ風マップ」である。
…さて、その内容は、海と山と大陸があって、見た目的には完全にワールドマップであり、BGMもマップ画面のそれである。ただ、あくまでワールドマップっぽいだけであり、各所には宝箱が置かれていて、走ることも可能である。また、移動には、カヌーに加えて、船・飛空艇を使用可能であり、飛空艇の入手には、「@チューレという名の海賊に話しかける」「Aマップの特定の部分に行って、ヤシの木を調べる」という手間が必要になる。だが、こんな訳の分からないダンジョンに住んでいるという時点で、もはやまともな人間なのかどうかすら怪しい。
――なお、飛空艇では、通常時と同じく、雑魚敵とのエンカウントが発生しない。そこまで来たら、あとは宝箱を全て回収して、次の階層へと進んでしまえば良い。なお、3種類のうち2つは、飛空艇なしでも次のマップへと進むことができるようだ。
そして、その他のランダムマップも個性的である。まず、最も多い、火山風マップは、4つが存在する。ダメージ床である溶岩が厄介と思いきや、上を歩いていている時は雑魚敵とのエンカウントが発生しないため、探索はむしろ楽である。ただし、1つだけ、かなりの長距離を移動しなければならない迷路のような地形も存在するため、一筋縄では行かない。
…また、マトーヤの洞窟風マップ(正確には、BGMがマトーヤの洞窟で、見た目は滝の裏の洞窟)は、2種類が用意されている。そのうち片方は、ただの洞窟なのであるが、もう片方は、住民がひっきりなしに歩き回る謎のマップとなっている。この住人たちは、必ず決まったルートを往復し続け、プレイヤーに当たっても方向を変えることは無い。よって、人物というよりも、障害物という考え方のほうが適切である。しかも、このマップには、踏むとエンカウントが発生する固定エンカウントマスが、キラキラ光る床として再現されている。よって、住民と床の2種類のトラップを避けながら、宝箱回収とゴールを目指すことになる。なお、完璧な動作をしても、最低1回は、固定エンカウントマスを踏まなければならない。
――最後に、溶岩×神殿という、原作では存在しなかった組み合わせのマップが、1種類だけ存在する。ここは、常時ダメージ地形となっており、白い床の安全地帯を除いて、常にHPが減少していく。ただ、受けるダメージは、「2秒で1ポイント」という程度であり、もはや全く無視して良い量である。実際の脅威というよりは、フレイバーという位置付けが近い。通常のダメージ床と同じく、これによってHPが0になることは無いため、その面でも安心である。
その他の、攻略面でのポイントを述べておこう。まず、4体の四天王たちを含め、攻略において経験値入手が必須となる場面は無いため、低レベルクリアーでも安心して探索を行うことができる。なお、経験値入手を0とできる追加ダンジョンは、この「燃え盛る火の大穴」のみである。
…そして、雑魚敵としては、逃げやすい敵と逃げにくい敵が混在している。しかしながら、セーブ&リセット法は引き続き使用可能であるため、全体として、そこまで厄介な感じではない。ポイント攻略として、マトーヤの洞窟風マップに出現する「ワイルドナック」は、逃げにくいうえに出現数が多く、打撃の命中率も高い(?)ため、全員HP1のような極端な状況で遭遇した場合、全滅を覚悟する必要がある。また、ワールドマップ風マップにおいて、カヌーと船では、「デスエレメンタル」という敵がおり、こいつだけのパーティとエンカウントした場合、絶対に逃げることができない。出現率自体はそこまで高くないのだが、該当マップの水上を移動する場合は、セーブをしつつ慎重に進む必要があるだろう。
――最後に、入手アイテムについてだが、土の恵みのほこらにおける「エルフのマント」のような、バトル環境を一変させるような物は存在しない。ここでしか手に入らないレア物も、性能的には中途半端である。一応、地下10階のボスのうち、ルビカンテのほうを倒した場合、「リボン」を1回だけ宝箱から入手できる。これは、通常プレイだと4個目となる(他は、滝の裏の洞窟・海底神殿・浮遊城)ため、人数分を揃えるという意味で、重要ではあるな。
この後、FF7Rのように、カイナッツォと腕立てバトルのミニゲームが始まります(嘘) |
では、ここからは、「燃え盛る火の大穴」に登場するボス敵こと、FF1版のゴルベーザ四天王たちと戦っていくことにしよう。最初の1体は、真ん中である5階に登場する敵のうち、「カイナッツォ」である。スカルミリョーネのほうは、ちょっと開幕から手の付けようが無く、2形態あるうちの第1形態すら突破できそうになかったため、とりあえず後回しということにした。
…さて、カイナッツォは、原作では、2番目に登場し、バロン城で戦うことになる。水を司る四天王であり、バロン王に成りすまして世界各国に攻撃を仕掛けるという、人間世界においての最も大きな悪行をしていた。その他、死後も罠を発動させ、目的に対する執念深さを感じさせる。
――なお、原作における名言としては、カイナッツオ自身の発言ではないが、彼が化けたバロン王に対しての、「陛下…いや、バロン!」というものが存在する。これは、セシルの言葉であり、まず「陛下」は、臣下(部下)が王を敬って遣う表現である。つまり、“陛下”ではなく「バロン」と呼び替えたのは、王との決別の意を示しているのだ。しかしながら、直後にカイナッツォがバロン王にすり替わっていたことが判明したため、その後は全て、元のバロン王を指して、「陛下」と呼んでいる。やれ、FF4と言うと、もう30年も昔のゲームであり、私も初プレイは小学生低学年だったため、このような細かいニュアンスは全く理解していなかった。しかしながら、ストーリー重視型のゲームとして、当時から言葉遣いはしっかりしていたのである。
そして、バトル面において、原作では「通常形態」「水を集めている形態」「防御形態」の3つに分かれていた。水を集めた後に使用する津波攻撃は、「使用者の現在HPに依存するダメージ(ランダム変動あり)」を与えるという特殊な全体攻撃であり、開幕で受けると、だいたい300弱のダメージで、パーティが半壊するレベルである。だが、水を集めている際に雷属性の魔法を当てると、攻撃を中断できる…という特性が広く知られている。
…ただし、FF4では、バトルスピードが実質的な難易度調整として機能しており、バトルスピードが初期値の「3」だと、水を集め始めてから「サンダー」を入力しても間に合わない。また、水を集めている最中は、雷が弱点となって大ダメージを与えられるようにもなる(それ以外の時は、意外にも氷が弱点)のだが、最強の「サンダガ」は詠唱時間が長いため、先置きが必須となる。更に、最後の防御形態になると、「かいふく」によって531(最大HPの10%)のHPを回復する。これくらい、弱点魔法で数千のダメージを与えられる状態では、どうということは無い…のだが、序盤のやり取りで魔法使いキャラが死亡していたり、またはMP切れを起こしていたりすると、この回復量ですら乗り越えるのには苦労する。
――やれ。私は、最近になって、PS1版のFF4(初代SFC版の移植)をエンディングまでプレイする機会があったのだが、カイナッツォについては、「水を集めている間にサンダガで楽勝wwww」というイメージしか無かったため、その発動が間に合わずに、開幕から津波攻撃でパーティが壊滅してしまった。その後も、なんとか頑張って戦っていったが、今度はMP切れによって最後の回復量を上回れず、撃破にはかなりの苦労をしてしまった。逆に、その後のストーリー展開は覚えており、パロムとポロムの装備を外していたのも、苦戦した理由である。というわけで、カイナッツォについては、馬鹿にされるほど弱い相手ではなく、むしろ過小評価されているボスという感じがした。
ちなみに、こちらは完全な余談であるが、2021〜2022年に発売された「ピ」こと、ピクセルリマスター版では、「通常時」と「水を集めている形態」のドットグラフィックの高さが異なり、これらの状態が変化している際に、カイナッツォがガクガク上下するという驚愕の要素が生まれている(【日記:2021/8/28】)。もちろん、原作であるSFC版はもちろんとし、他の移植版にも、こんな不自然な表現は無い。また、この腕立てカイナッツォは、配信開始前の動画で明らかとなったのだが、そこで発見されたもう一つのミスである「尻から暗黒剣」と異なり、最後まで修正はされなかった。
――もっとも、製品版では、もはやそれどころの話ではない。まず、「レベルアップまでの経験値が半減」と「ATBバグ」によってゲームバランスが壊滅し、雷と氷の魔法を適当に使っているだけで、容易に勝てる相手となった(【YouTube】)。一方で、津波攻撃の威力については激増しており、開幕で受けると1000以上のダメージとなって、ピの水準であっても一発全滅である(【YouTube】
※顔出し実況動画)。というわけで、もはや周知の事実であるが、原作の調整などどこへやら、何がやりたいのか分からないゲームバランスとなっている。
さすがに津波攻撃は強烈だが、その頻度は低めであり、他の技は全く怖くない |
というわけで、前置きが長くなったが、FF1版のカイナッツォの攻略に入っていこう。
…さて、FF1版のカイナッツォは、「@全体に約330ダメージの『津波』」「A『ヘイスト→ケアルダ』の魔法ルーチン」「B打撃」のどれかを使用してくる。津波はさすがに怖いが、他の攻撃は貧弱そのものである。ケアルダの回復量は300ちょっとであり、しっかり強化を行えば余裕で上回れる。また、打撃も2桁ダメージに留まるうえに、いつものようにブリンクで脅威度を下げられる。その他の能力には、これと言って見るべき点はない。
というわけで。私の白魔道士Lv16のHPは308であるため、開幕に「津波」が来ると即死であり、その後も「巨人の薬」と「ハイポーション」でHPを確保するまでは、苦しい戦いが続く。
…ただ、逆に言うと、苦しいのは序盤だけであり、そこさえ乗り切ってHPを確保できれば、あとはいつものように「ブリンク」と「セーバー」で自己強化をし、打撃を加えれば倒せる相手である。HPの補充は、150回復の「ハイポーション」で行うため、「津波」を連発されると回復が追い付かないのだが、実際には、そこまで酷い状況になるようなことは無いようで、普通にHPを維持しながら戦っていくことができた。
――そういうわけで。残念ながら、カイナッツォは、FF1版ゴルベーザ四天王の中では最弱であると言える。これについては、腕立てが足りなかったとしか言えないだろう。こいつは四天王になれたのが不思議なくらい弱っちい奴だったからなあ…。
◆動画◆
FF1の混乱状態はめちゃくちゃ強力!
ただし、命中率を除いて |
続いては、そのままダンジョンを地下10階まで降り、四天王の後半2体のうち、「バルバリシア」のほうと戦っていく。
…こいつは、原作では3番目に登場した、風のゴルベーザ四天王である。ゾットの塔でローザ&カインが加入し、BGMも「赤い翼」となってテンションがMAXになった後の1歩目で登場することで伝説を作った。負けると、かなり前のイベントからやり直さなければならないというのも、厄介である。
――そして、バトルとしては、定期的に竜巻状態へと変化をするという特殊な性質を持っている。この状態の時は、物理攻撃も魔法攻撃も効きづらくなる(まあ、攻撃魔法の使い手は、そもそも居ないが…)のだが、唯一カインの「ジャンプ」だけは有効であり、ダメージとともに竜巻状態も解除できる。久々に復帰したカインに、戦闘面での役割を持たせるとともに、一時期ゴルベーザ陣営にいたカインと、バルバリシアの間で、「空中戦」というストーリー上での因縁を持たせるなど、物語演出としても優れていると言える。
さて。FF1版のバルバリシアは、カイナッツォとは打って変わっての強敵となる。行動パターンは、「@指先(単:石化)→竜巻(全:約330ダメージ)」と「A打撃」の2つのルーチンを持っている。「指先」の石化はリボンで無効化できるが、「竜巻」を軽減する手段は無い。また、打撃もカイナッツォとは違ってやたら高威力であり、全弾hitで330ダメージとなって、初期HP308の白魔道士Lv16だと必殺技と化してしまう。
…ちなみに、このバルバリシアには、低確率で混乱が有効である。FF1の混乱は、「コンフュ」で発動させられる。魔法コンフュは、ランク4の黒魔法であるため、今回プレイでは使えない。しかしながら、滝の裏の洞窟で手に入る「魔道士の杖」(と、バルバリシア撃破で手に入る「ブレイブハート」)をアイテム使用することで、コンフュを発動できるため、低レベルプレイでも相手に混乱状態を発生させられる。
――やれ、FF1の混乱状態は、味方に発生することは無く、敵に対してもわざわざコンフュを掛けなければ発動しないため、非常に地味である。ただ、内容は、「1〜7ターン程度(?)、相手を『自分たちに対する打撃』を繰り返すだけの状態にする」という強力なものであり、しかも「敵味方の打撃を加えても解除されず、時間経過で解かれる場合にも1ターンを消費する」という特性を持つうえ、コンフュは全体攻撃のため、やることの無い魔法使いが使用する行動としては、かなり強力な部類に入ると言えるだろう。しかし、FF1は、補助を掛けるよりも、素早く敵の数を減らすことが重要視されるゲームである。そのため、コマンド入力のめんどくささもあって、物理攻撃偏重のバランスであり、混乱が注目されることは少ないようだ。
だが、その混乱を使えば、バルバリシアの強力な攻撃を封じられるため、バトルは一気に楽勝になる…とは行かないのだ。もちろん、混乱の効果自体は、前述の通り、強力なものである。だが、問題は命中率のほうだ。
…というのも、バルバリシアに対する混乱の成功率は、どうも1/10くらいしか無いようである。これだけ低いと、リトライを前提としたやり込みプレイであっても、1回発動すればラッキーという感じであり、複数回の成功は絶望的だ。しかも、混乱の発生だけでなく、持続時間にも運が大きく絡んでくるため、せっかく成功させたところで、すぐに解除されてしまう恐れもある。
――実際問題、失敗時には、リセットを繰り返しながら、なんとか混乱状態を発生させられた。しかし、敵の行動を3ターン(打撃2回と解除1ターン)しか封じられず、十分にHPを確保できないまま、大ダメージの打撃を連発されて全滅してしまった。リセットを繰り返し、やっと混乱状態を発生させられてこれである。混乱を主軸とする戦い方は、断念せざるを得なかった。
序盤の展開がキツすぎたので、Lv1キャラ生存で挑み、全員で一気にHP確保を行う |
というわけで。FF1のバルバリシアは、Lv16白魔道士を一撃必殺する火力を持っており、序盤から激しい攻撃を行ってくる。これを乗り切るには、複数回の混乱状態を発生させるか、またはエルフのマントで打撃を繰り返し回避し続ける必要がある。どちらも、不可能というほどではないが、かなりの低確率になり、実現は困難であろう。
…そんなわけで。私は今回から、Lv1キャラクターを生存させて挑むことにしたのである。Lv1キャラクターを使うと、序盤で重要な「『巨人の薬』による最大HP+200」と「『ハイポーション』による現在HP+150」を複数人で行える。また、竜巻は全体攻撃であるが、打撃は単体であるため、Lv1キャラクターが弾除けとなってくれる役割も期待できる。そして、Lv1キャラはHPこそ30程度しか無いが、打撃は「エルフのマント」による受け流しがあり、「指先」による石化も「リボン」があれば無効化できるため、ただやられていくだけというわけでもなく、一定の場持ちを期待できる。
――ちなみに。この「Lv1キャラを生存させて挑む」という手法は、これまで使ってこなかったが、特に禁止していたというわけではない。白魔道士1人で戦っているのは、低レベル維持の都合上そうなったというだけであり、【第1話】にも、「Lv1キャラの使用を禁止する」などということは全く書かれていない。まあ、これまでは、自主規制として「ミニゲームで手に入る攻撃アイテムの使用を禁止する」というものがあったため、Lv1キャラが生存していても、弾除けくらいしか存在意義がなかったうえ、生存のまま敵を倒すと経験値まで入ってしまっていた。しかしながら、「巨人の薬」などが手に入った今では話が異なり、低レベルキャラであっても、主力を強化できる重要な戦力となる。また、追加ボスは経験値を持っていないため、レベルアップの問題も無い。そのため、極端に確率が低くなるようなバトルでは、無闇に低確率に挑むより、Lv1キャラ生存で挑んでいったほうが得策と判断したのである。
では、具体的なバルバリシア戦での、Lv1キャラ生存下での行動を説明していこう。敵のバルバルシアは、打撃と特殊攻撃の両方が強烈である。そして、「巨人の薬」「ハイポーション」は自分以外の味方にも使用可能であるが、ブリンクは自分にしか掛けられない(魔法「ブリンク」と、「ディフェンダー」使用での発動の、どちらも同じ)。よって、Lv16の白魔道士は自分自身にブリンクを掛け、残りの味方が「巨人の薬」「ハイポーション」を白魔道士へと使い、最大HPと現在HPの両方を高めていく。また、1人は、せっかくだからということで、「魔道士の杖」をアイテム使用し、混乱の発動を狙ってみた。
…さて、敵の行動としては、特殊ルーチンは必ず「指先→竜巻」の順番となるため、初手で白魔道士が殺されて終了する場合を除き、最低でも1ターンの間は、複数人での強化を行える。これだけでも、序盤の展開を、著しく有利にすることができるのだ。
――具体的に、実戦では、5ターン目の「竜巻」まで味方が生存することができ、白魔道士は「ブリンク」×3回と「セーバー」×1回を成功させられ、HPとしても現在708/最大708まで上昇させられた。これでもまだまだ安心とは行かないのだが、「ブリンク0回かつHP308から、『巨人の薬』と『ハイポーション』を交互に使ってHPを高めつつ、分身状態も発動させていく」という絶望的な状況を、Lv1キャラの使用により、かなり改善できたのだ。
というわけで。そこからは、必殺技の打撃もブリンク×3回によって大幅に脅威度が下がったため、ハイポーション連打でなんとか回復を間に合わせることができる。そうして、隙を見て自身を強化し、打撃で相手を倒し切ることができた。
――さて、今回は、Lv1キャラクターの生存により、かなり戦い方をまともにすることができた。今後も、「序盤の展開が一番のカギ」というバトルは頻出するであろう。そういうときに、無謀にも低い確率へと挑んでいくのではなく、この「Lv1キャラの生存」という方法を、積極的に用いていきたい。なにせ、別に今回は「低レベル+1人クリアー」ではないのだから…。
◆動画◆
2つの形態があるが、どちらもバルバリシアより遥かに混乱しやすいので、そこを突破口とする |
バルバリシアを倒すと、最下層のため、ダンジョンは終了となる。再び、1階から攻略を始め、次は「スカルミリョーネ」へと挑んでいく。
…さて、こいつは、原作では1体目の四天王として、試練の山の山頂近くで登場する。すぐ近くにセーブポイントがあるものの、1戦目・2戦目・パラディンの試練と、3回ものバトルが展開される。スカルミリョーネとの戦闘はもちろん、パラディンの試練も、「けんを
おさめ たえるのだ!」を昔の私のように日本語に変換できないと普通に負けるため、各段階で戻ってセーブをしておくと良いだろう。
――そして。スカルミリョーネが最も印象に残るのは、バトル面での内容というよりも、「四天王」という各種の演出である。まず、橋の手前で行われる1戦目の時点で、アンデッド4体を引き連れ、まずまずの強さのボスとして登場する。その後、倒したと思って橋を渡ると、敵が復活して2戦目が始まる。この戦闘は、後ろから攻撃されたという意味で、強制バックアタックにてスタートする。また、ここで初めて、大ボスBGMである「ゴルベーザ四天王とのバトル」が流れる。それらの演出により、“ゴルベーザ四天王”というのが、これまでとは異なる次元の強敵だと印象付けられるのだ。なお、強制バックアタックということで、慣れたプレイヤーには必ず最初から隊形を反転させて挑まれるのだが、それもまた、スカルミリョーネ戦が記憶に残っているからこそだ。
さて。FF1版のスカルミリョーネは、ラスボスにすら存在しない、2連戦という独自の原作再現を行っている。1戦目が終了すると、会話のみを挟んで、そのまま2戦目がスタートするのだ。FF1では、戦闘中に姿が変わるどころか、行動パターンが変化する敵すら全く登場しないのだが、そんな中で、「FF4のスカルミリョーネを再現する」という部分には、かなりこだわったことが察せられる。何故そこを重視したのかは謎であるが…。
…というわけで。1戦目は、フードを被った形態のスカルミリョーネが登場する。なお、“雑魚のアンデッドを引き連れている”ということは無い。敵の攻撃は、単体対象の「サンダー」のみと、小手調べ程度であるが、リボンで半減して約150と高威力であり、いったん守勢に入ってしまうと、「ハイポーション」(150回復)を繰り返すだけでは、決して立て直せなくなる。よって、今回も、Lv1キャラクターの生存から挑み、序盤の展開を素早くしていく。
――しかしながら、今回のスカルミリョーネは、混乱が効きやすいという特徴を持っている。その命中率は、バルバリシア相手より遥かに高く、どうも1/3程度のようだ。そして、混乱が効けば、相手は自分への打撃を繰り返すのみとなり、長期間行動を封じられるため、その間にHP確保や自己強化を存分に行える。そういうわけで、勝利時のパターンでは、白魔道士Lv16どころか、赤魔道士Lv1も生き残ったまま、1戦目を終えることができた。
そうして1戦目を終えると、メニューを開く暇が無いまま会話が始まり、すぐ2戦目が開始される。2戦目のスカルミリョーネは、原作における2戦目の姿となっており、リボンで半減して約280という高威力全体攻撃の「毒ガス」を頻繁に使用してくる。他の四天王は、このクラスの技をこの頻度で使ってくることは無かったので、正面から戦えば、四天王で最強と言って良いであろう。
…しかしながら、この2戦目についても、1戦目と同じく、混乱が効きやすいという弱点を持っている。よって、混乱さえ効き続けてくれれば、アッサリ勝つことが可能である。まあ、2戦目の開始時には最大HPが初期値にリセットされてしまうため、序盤には特に強い運が要求されるものの、そこさえ乗り切れば、そう簡単に負けることは無くなるであろう。
――実戦では、開幕の「毒ガス」によって、せっかく生き残った赤魔道士が、何の行動もできずに即死し、白魔道士のHPもギリギリとなってしまった。その後も、負けたくなかったので、HPを全回復する「エクスポーション」(非売品)を放出するなど、苦しい展開が続いたものの、なんとか混乱が成功し、そこを突破口として状況を作り、勝利することに成功した。2戦目に突入後は、初挑戦での勝利である。運が良かったということもあるが、まあそこまで滅茶苦茶な低確率が要求されるという戦いでもないのであろう。
◆動画◆
(回復するとは言っていない) |
最後である。10階に登場するバルバリシアでないほうのボスは、ゴルベーザ四天王の最後の1体、「ルビカンテ」だ。
――原作では、ゲームが中盤から終盤に移り変わるくらいの場面で登場した。名言は、ご存じ「さあ、回復してやろう!」である。戦闘前に相手を回復する戦闘狂であり、現実に存在すれば、殺し合いをスポーツかのように捉えている理解しがたい価値観であるが、どうも世間的には、「武人」「正々堂々」などと、善人化したイメージを持たれることが多いようだ。まあ、現実の戦争でも、ごく稀に、この手の価値観を持っている人は存在するようだが…。
では、話をFF1に戻そう。本作におけるルビカンテは、「回復してやろう」が無いことに加えて、「マント開閉による行動パターンと耐性の変化」も再現されておらず、「@火燕流(単:リボンによる半減を前提として230ダメージ)」「Aファイガ→ファイラ(全:130→90)」「B打撃(全弾ヒットで350ほど)」の3パターンの行動をひたすら繰り返すという、単純な敵になっている。それらの使用率は、実際に計測してみたところ、火燕流だけ少し頻度が高いかな?
という程度で、ほぼ同等のようだ(カウント時、15:12:11)。
…さて。問題として、ルビカンテは、他のFF1版ゴルベーザ四天王のように、“1回休み”と捉えられるような無駄行動を一切使ってこない。仮に、打撃を100%の確率で回避できるとしても、相手から受けるダメージの期待値は、各パターンの選択率を均等として、1ターンに113となる。逆から考えると、ハイポーションを使っても、平均して37しかHPを増やせないということになり、HPを回復するためには、かなりの時間、ハイポーションを使い続けなければならない。更に言うと、ルビカンテはステータス異常を完全に無効化するため、混乱させて態勢を整えるようなこともできない。
――ちなみに、FF1の属性耐性は、属性バリアやリボンなどが持つ「半減」が基本だが、唯一炎属性のみ、「レッドジャケット」という装備で、完全な無効化が可能とである。しかし、このレッドジャケットは、4つ目の追加ダンジョン:「風のささやく洞穴」の奥深くでしか手に入らない。しかも、「32階がレアアイテムを入手可能な水没城マップ」となる必要があり、【解析ページ様】によると、125パターンあるうちの1パターンしか当てはまらないようだ。
ついでに、今回プレイで言うと、レッドジャケットは装備可能者が、「赤魔術士&赤魔道士」「シーフ&忍者」であるため、主力の白魔道士は装備できない。追い打ちとして、32階が水没城となる場合、経験値が手に入るマップが先に出てきてしまうため、持ち帰り不可能となってしまう。風のささやく洞窟の地下40階に登場するボスが炎属性を使ってくるということも無いため、残念ながら、全く用途の無いアイテムとなってしまっている。
再び話をルビカンテに戻そう。低レベルクリアーにおける戦い方としては、今までの四天王と同じく、「最初はLv1キャラクターを蘇生させて挑み、一気に白魔道士のHPを確保する。その後は、地道に回復をしながら、隙を見て『自己強化→打撃』と行動していく」というものである。
…ただし、前述の通り、リボンで半減したところで、「1ターンに敵から受けるダメージ(平均113)」と「ハイポーションの回復量(150)」がかなり肉薄するところまで来てしまっており、実際のHPを回復していくためには、かなり長いターンが必要となる。もちろん、物資は無限ではない。ちなみに、ランク3白魔法の「ケアルア」では100程度しか回復ができず、ランク5の「ケアルダ」も使うためには白魔道士Lv19が必要となる。
――ということで。勝つには勝てたのだが、このバトルだけで、実に68個ものハイポーションが必要となった。戦闘時間も15分とキツく、物資切れを心配するほどだった。2つ目の追加ダンジョンの時点でこれなのだから、この後は「1ターンあたりの被ダメージ」
> 「ハイポーションの回復量」となるようなボスも普通に出てくることだろう。そんな敵を相手にしたとき、果たして私はどう戦っていけるのか…。
◆動画◆
やべえよ
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というわけで。今回は、2つ目の追加ダンジョンである「燃え盛る火の大穴」を攻略していった。なかなかの苦戦となったが、低レベル自体を維持したまま、なんとか4体ともボスを倒すことができ、満足できる内容となった。
…そして、次は、(一応は本編ボスのクラーケンを倒してから、)3つ目の追加ダンジョンである「癒やしの水の洞窟」を攻略していくことになる。しかし、今回のダンジョンよりも難易度が上がるということで、ついに私は壁にぶつかってしまい、その問題を解決するために、莫大な稼ぎ作業が必要となった。
――そんなわけで。次回は、稼ぎパートを中心に…というところだが、実はFF日誌の更新間隔が空いた都合上、稼ぎ自体は既に終了しており、強敵2体にすぐにでも挑める状況となっている。そういうわけで、次回は、クラーケン+ボス4体の、合計5体との戦闘を取り扱っていくことにしよう…。
(2022年5月3日)
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