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FF12HD/かんたん低レベルクリアー
フランには刀が似合っているというビジュアルアドがある(意味不明) |
帝都前寄り道パートのラストである。今回は、召喚獣の「エクスデス」と「ゼロムス」の2体との戦いを取り扱っていく…予定だったのだが、書きたいことを書いていたら文章が長くなりすぎてしまったため、今回は前編として「エクスデス」戦のみを取り上げてみることにしよう。
…やれ、この2体に関しては、共に昔のFFシリーズのラスボスと同名という他、何らかの能力を封印される異常空間で戦うという共通点がある。そのため、制限プレイの内容次第では著しい難関になったり、はたまた普段と全く変わらなかったりということが起こりうる。今回は、低レベルという以外には取り立てて大きな制限を加えていないため、異常空間に対応をしながら他のコマンドで戦っていくことになるだろう。
そんな感じで。前編で取り扱っていくのは、モスフォーラ山地の頂上で戦える「エクスデス」である。
…こいつに関しては、まず異常空間の「アイテム禁止」の中で戦わされるという特徴がある。まず、本作においては、ガンビットの一番上に「1.味方1人 -
フェニックスの尾」というものを用意して戦うことが定石となっている。例外は、アイテム消費が気になる極端な長期戦や、「レイズ」「アレイズ」などを入れても十分にMP回復が見込めるほどに整った陣形の場合、戦闘不能の解除よりもリバースの維持を優先したい時、はたまたゲストを戦闘不能放置したい際など、ごく僅かである。それくらい、今作におけるアイテムは使いやすい存在となっているのだ。なにせCT0で、いつでも・誰でも使えるのだから。
そんな「アイテム」を今回は異常空間で封印されるのだから、バトルの戦略を根底から見直さなければならない。
…しかも、オリジナル版であれば全キャラクターが同じコマンドを使えたため、「フェニックスの尾」の部分を「レイズ」に変えるだけでほぼ同じガンビットが実現できていたが、今作ではジョブによって「レイズ」を使えるキャラクターが制限されている(今回プレイだとアーシェ・バッシュ・バルフレアの3名)ため、相対的な難易度は大きく上がっていると言って良いだろう。もちろん蘇生以外においても、アイテムによるHP/MP回復が行えなくなるという面も存在する。HPは魔法で回復すれば良いとして、MPが切れれば回復手段は極めて限られてくるのだ。
――ちなみに、その他にもアイテムにはステータス異常を解除するという役割もあり、エクスデスの物理攻撃には4%の確率でストップの追加効果が存在する。そして、地味にストップはエスナではなくデスペルで無いと解除できないという仕様があるため、いざ発生してしまうと非常に厄介である。とはいえ、確率は高くなく、エクスデス自体が魔法中心で攻めてくることから、注目されることは少ない。私も、ここを書く際に攻略本を読んで初めて気付いたくらいである。そもそもPS2時代の頃からセーブポイントはすぐ近くにあったということで、こちらに関してはあまり気にしなくても良いというものだろう。
FF5の頃の面影はある…か? |
ちなみに、「エクスデス」は、皆さまご存じの通り、FF5のライバルキャラクター兼ラスボスと同じ名前である。ちなみに、オリジナル版FF12の発売当時、「ディシディア
ファイナルファンタジー」(PSP/2008年12月発売)はまだ世に出ていなかったため、当時は久しぶりの再登場であった。
…もちろん、FFシリーズではごく一部を除いて世界が毎作ごとに異なるため、FF5とFF12のエクスデスが直接関係にあるというわけではないのだが、「樹をモチーフにした敵である」「老齢?の魔法使いである(原作ではゲーム開始の500年前に誕生した…らしい)」などのイメージは両作に共通しており、デザインが変更されていながらも比較的イメージを掴みやすい相手であると言えるだろう。二つ名の“審判の霊樹”も、まさしく原作のイメージに沿ったものである。
――の割に、何故か登場シーンおよび味方になった時の必殺技は隕石をモチーフにしたものとなっている。確かに、FF5にも隕石が落ちてくるシーンは存在するのだが、「メテオ」が大きな意味を持つのはどちらかと言えばFF4のほうである。まああちらはあちらで最強技が重力系という特徴があるため、隕石のイメージはこちらに渡したということなのかもしれないが、どことなく腑に落ちないという感じがしてしまう…。
そして。更なる脱線なのであるが、私自身のFF5の思い出はと言うと、一応はPS移植版を2回は通しでクリアしたはずなのだが、レベル40程度でラスボス撃破という通常プレイそのものの内容であり、FFシリーズ裏ボスの先駆けとなった「オメガ」「神竜」も倒していないなど、“やり込んだ”と言うには程遠いというものである。ついでに言うと、ストーリーも詳しいところまでは覚えていないという体たらくである。
…そのため、機会があれば是非とも再プレイを行いたいのだが、残念ながらGBA版(2006年10月発売)の追加要素を収録した現代版の良移植というのは未だに行われていない(スマホ版は操作性が論外なうえにグラフィックが死んでいる)。一応、HDMI出力が可能かつGBA版のFF5がプレイ可能なハードとして某社のWiiUを購入したのだが、プレイできるのはあくまでGBA版FF5のアーカイブス版であるため、グラフィックなどは現代ではかなり苦しい部類に入るし、何よりアイツはハード面に問題がある(参考:【本家日記の2017年3月19日の記事】)ため、安定してプレイするのにはかなり難があると言わざるを得ない。
――というわけで、できれば、PSP版のFF1・2・4のように、原作の雰囲気を尊重しつつもグラフィックやシステムをパワーアップさせ、諸々の追加要素も収録したFF5(&FF6)を、現行ハードでプレイできるように、何らかの形で出してほしいものだ。一応、「聖剣伝説」シリーズなど、あの時代の作品でも最近になってリブートしているものがあるため、その流れに乗って何とか…なりませんかね。
この光源処理はPS4じゃないと無理 |
さて。少々脱線しすぎたので、低レベルプレイに話を戻そう。今回プレイでのエクスデス戦の最大の違いは、渋滞が発生しなくなったことである。
…さて、本バトルにおいて、敵が主力として使う攻撃は「コラプス」と「フレアー」であり、どちらもPS2の頃は一発で渋滞を発生させる魔法であった。そのため、回復や蘇生などが滞ってしまう反面、こちらが何かの演出付きの行動をしていれば敵も魔法による攻撃を実行することができないため、結果としてターン制戦闘のような何とも言えない戦いが展開されていた。この緊張感のある時間をFF12の独特の魅力と考える変な人もたまにいる(私とか)。
――ところがどっこい、PS4版ではその渋滞が解消された結果、それぞれの魔法がちゃんと時間通りに発動するようになった。これは、敵味方の両方に影響のある事項であるが、エクスデスはHP半分で「束縛解放」を宣言して魔法CT0の効果を得る。そして、あっという間に渋滞が発生するためCT0の意味があまり無かったPS2時とは異なり、PS4ではちゃんとCT0で強力な魔法が使われてダメージが発生するため、本バトルにおいては敵側に有利になったと言って良いのではないだろうか。ある意味、想定されていたゲームバランス通りになったとも言えるのかもしれない。
…その他、オリジナル版とINT/PS4版の違いとして、エクスデスの魔力が34→56とジャンプアップをされている。これにより、全ての魔法の攻撃力が約1.9倍となっており、「フレアー」「コラプス」によるダメージは約3000と凄まじいものになった。これだけのダメージだと、さすがのPS4版の低レベルクリアーのHPであっても無策で受ければ即死の危険性があるため、何らかの対策を練っていかなければならないのだ。
しかしながら。敵が大型魔法を渋滞せずに使えるようになったということは、当然であるがこちらのパーティも無制限で強力な魔法を使えるようになったということである。今回は、このポイントを活かして攻略していくことにしよう。
…まず今回バトルは、異常空間によってアイテムが封印されている都合、「レイズ」で蘇生ができるキャラクターが限られているうえに「エーテル」によるMP回復もできない。そのため、長期戦は不利であり、できる限り早期にバトルを片付けることが必要となる。そして、敵はHP<20%で「魔法障壁」を貼って物理攻撃を約2分間防御してしまうため、攻めるのならば魔法が良い。加えて、敵は「リフレク」によって自身を防御するため、こちらとしてはリフレク反射で攻めれば、相手のリフレクを無視できるうえに火力も上がって一石二鳥と言えるだろう。
――ということで、今回のメインアタッカーは黒魔道士のヴァンに決まった。最後に決めるべきは使う魔法であるが、基本的にFF12の魔法で最も高いダメージを出せるのは、火属性を強化したうえでの「アーダー」なのである。しかしながら、入手は大灯台上層なうえに、裏魔法扱いのため使えるのは赤魔戦士、しかも敵は全属性を半減するという特徴を持っている。そのため、使うのは「コラプス」である。これで攻撃した場合、「HP満タン魔力UP」「フェイス」の効果を得たうえでのダメージは7000程度である。3人で跳ね返せば約20000ダメージとなるため、敵のHP119060を削りきるには十分であろう。
魔法回避の要素はもっといろんな盾に入れてほしかった |
そんな感じで、大まかな攻め手は決まったので、ここからは細かい部分を詰めていくことにしよう。
…まずは、敵の攻撃への対策である。わざわざ書くまでも無いことだが、敵は「リフレク貫通」を持っており、こちらのリフレク状態を貫通して魔法攻撃を行ってくる。そして、敵の「コラプス」をまともに浴びてしまえば一発全滅は必至であるため、必ず何らかの対策を行わなければならない。
――というわけで、ここはいつも通り「イージスの盾」の魔法回避率を用いて行くのが良いだろう。なお、今回プレイの条件で「イージスの盾」を装備できるのはバッシュ・アーシェ・パンネロの3名であるが、このうちバッシュ・アーシェの2名は魔法で「レイズ」を唱えることもできる。一方のパンネロは高いHPと回避率を両立できるため、物理攻撃も含めた総合耐久には向いているのだが、コラプスによって全てが消え去った大地でパンネロだけが立っていても仕方が無いということで、ここはバッシュ・アーシェの2名を投入していくことにしよう。
というわけで。メンバーはヴァン・バッシュ・アーシェの3名に決まりである。続いては、各キャラクターにどの役割を振るかという話である。
…まず。メインアタッカーとなるヴァンについては、「賢者の杖」「サークレット」「ローブオブロード」によって魔力を極限まで高めておく。アクセサリ欄については、今回は使い魔が登場しないため自由に決められるということで、永久リフレクを発生させる「ルビーの指輪」を装備させておいた。
――なお、「ルビーの指輪」については、装備選択の幅を広げるために人数分欲しいアクセサリにも関わらず地味に1個しか持っておらず、この時点になると2個目以降の入手も不可能という厄介な代物であった。オリジナル版では、普通にショップで買えるアクセサリだから気付かなかった。こんなことなら、ジャッジ・ベルガからもう1個だけでも盗んでおけば良かったよ…。
また、バッシュとアーシェについては、基本的には「イージスの盾」で魔法回避を行いながら、ヴァンをサポートする役割を行うことになる。まず、ヴァンの火力を上げるために必要なのは「HP満タン火力UP」と「フェイス」であるが、今回はアイテムによる回復が行えず、リフレクによって魔法まで跳ね返されてしまうため、アーシェはリフレク貫通の効果を得る「オパールの指輪」を装備して、「ケアルラ」と「フェイス」でサポートを行っていくことにする。なお、アーシェは「リフレクトメイル」を装備できず、「ルビーの指輪」もヴァンが持っていってしまったということで、「自分自身
- リフレク」を設定し、手動でリフレク状態を貼っていくことにする。これを忘れると普通にヴァンの魔法で叩き割られる。
…続いて、バッシュに関しては、非常時に「レイズ」で仲間を蘇生させる準備をしておきつつ、アーシェから「デコイ」を掛けてもらい、主に盾役として「たたかう」で攻めていく。今回、イージスの盾装備ということで、物理回避率にはあまり期待できないのであるが、アーシェとバッシュであれば、バッシュは「リフレクトメイル」で永久リフレクの効果を得ることができるうえに、アーシェはMPが高いため、バッシュのほうが戦闘不能になった場合の戦闘への影響が少ないのだ。ついで、「盾回避率UP」も3つ持っており、最大HPも若干であるがアーシェより高いというおまけ付きである。ちなみにやることは「たたかう」と「レイズ」のみである。敵には一応「スロウ」も効くのだが、リフレク状態と一緒にデスペルで解除されてしまうため、使うだけ無駄だ。
――そして、具体的な戦法としては、敵の「リフレク」を、逐一「デスペル」で解除していく作戦を取る。こうすると、敵は「『フレアー』か『コラプス』で反撃」→「リフレクを貼り直す」というキャロットちゃん的な固定パターンを繰り返すようになるため、戦いやすくなる…かどうかは微妙なところであるが、とりあえず今回はこの戦法を採用していった。やれ、渋滞が発生するPS2版ならば、これで敵味方ともに行動の固定化が可能だったため、間違いなく戦いやすくできていたのであるが…。
そんな感じで戦っていくと。ヴァンの「コラプス」が物凄い速度で発動をし、凄まじいペースで相手のHPを削っていくことができる。「HP満タン魔力UP」と「フェイス」があれば7000*3、蘇生直後で「フェイス」が無くとも5000*3ものダメージを与えることができるのだ。あなたは本当にレベル1の空賊見習いですか? 当然、PS2時代のように、1発ごとに渋滞を引き起こすことも無い。明らかに、これが本来の最強魔法の立ち位置というものである。
…いっぽうのエクスデスの攻撃に関しては、初期こそ打撃が「HP消費攻撃」によって2倍の威力を持つものの、即死するほどの火力ではない。敵の全般的な行動ペースは遅く、アーシェの「ケアルラ」「レイズ」「デスペル」も時間通りに発動するため、やはり怖いのは「コラプス」のみである。今回バトルでは、1回だけ使われてしまったが、運良く巻き込まれたのはヴァン・バッシュの2人であり、まあヴァンは対抗手段が一切無いためさすがに死んでしまったが、バッシュが盾で受け流し、すぐに「レイズ」で蘇生させ、攻撃を再開する流れを作り出すことができた。
授かった(取得するだけ) |
というわけで。特大魔法の打ち合いとなった今回バトルは、ヴァンの火力が勝り、あっという間にこちらの勝利で決着を付けることができた。実バトル時間は、僅か1分15秒である。と言っても、長期戦になるとMP切れでの墜落が目に見えたため、この速さは期待通りというものである。
…やれ、PS2時代では、今回バトルのように大型魔法を使おうとすると、すぐに渋滞が発生してしまい、結局のところ「たたかう」を連打するだけが最強となってしまうことも多かった。しかしながら、その渋滞が解消されたPS4版は、魔法のモーション時間なども含めて、これまでとは異なる考え方が必要となってくる。これは素直に、PS4版の新要素として歓迎して良いものだろう。ひょっとすると、これが本来意図された大型魔法のバランスなのかも?
――反面、渋滞をあえて利用するという手法もPS2時代の時には存在し、これまたFF12の戦略性の深さを増す要素の一つとなっていたため、設定で「渋滞が起こるモード」などが用意されていればなあ、とも思う。あれだ、2Dシューティング作品を移植する時の、処理落ちONモード的な感じである。ほら、渋滞が発生することでしか実行できない特殊な戦法も存在するしな。ヤズマットハメ殺し作戦とか、他にもヤズマットハメ殺し作戦とかさ。
そして。召喚獣撃破後恒例のライセンス取得については、ナイトのHP+350と悩んだが、機工士の「デコイ」「オイル」取得のほうを選んだ。どちらも魔法使いキャラクターなしで補助を掛けて戦略の幅を広げることに役立てられるアビリティなのだが、「HP満タン魔力UP」などが無い機工士だと命中率が著しく低いため、実用性はかなり薄いと言って良いだろう。おとなしくナイトのHPにしておいたほうが良かったかも…?
――さて、今回はバトル自体の難易度が高いというわけではなく、戦略的にもまだまだ詰めの甘いところが多い(MP残量が大事なバトルなのにアーシェのMPが最初から減っている、バッシュが死んでからのリーダーチェンジが遅い、バトルスピードは最速にすべき、短期決戦なのでヘイストも重要、アーシェのリフレク持続が切れないように工夫する、終わってみたら何故かバッシュがファイアフライを装備していた、など)ものの、「コラプス」の打ち合いというド派手なバトルであり、PS2時代との違いが見た目的にも分かりやすいということで、せっかくだから動画を用意してみた。長さは約2分30秒、まあそのうち半分程度は飛ばしても良い内容なので、暇潰し程度にご覧いただければという感じである。なに、冒頭はカットしてバトルシーンだけで良い?
それだとフランが活躍しないでしょうが!!
◆動画◆
そんな感じで。今回のエクスデス戦においては、「渋滞が発生しない」というPS4版での新要素によって、新しい戦略でのバトルを楽しめた。難易度自体はそこそことはいえ、PS2時代の頃には不可能だった大型魔法の連発は感覚的にまったく新しいものであり、お腹いっぱいになることができた。
…が。次のゼロムス戦においては、この「PS4版の新要素」が完全に裏目に出てしまう結果となったのである。詳しくは次回書くのだが、システム的にも戦法的にも、単なる前回プレイの劣化版・ゴリ押しを最適解とせざるを得なかった。この辺りは、オリジナル版とINT版の対立なども含め、前々から有った議論であるのだが、今回PS4版の登場により、その問題は更に加速してしまったと言えるだろう。
――やれ、今回の渋滞の解消というのがPS4版の“光”の面であれば、次回取り扱うのは“闇”のそれである。光と闇が合わさり最強に見えるとかそういう話ではない。FF10のHDリマスターと言い、移植版は何らかの負の側面を持たなければならないというジンクスでもあるのだろうか…?
(2017年8月30日)
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