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管理人の日記
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太っているほうがモテる時代がまた来る…か!? |
本日の職場でのトラブルは、「印刷物の文字が小さい」である。いわく、7月の機器取り換えをしてから、Excelの表を印刷したときに、文字が小さくて、読みづらくなってしまったのだという。
…というわけで、まずはいつも通り、リモートで確認をしてみたが、「ExcelファイルをPC上で表示した際」は普通であり、「プリンタの用紙設定」が、A5やB5など、A4用紙に対して小さくなっていることもない。さらに、“リセットをすると元に戻る”という言葉をヒントに、端末管理台帳(各パソコンやプリンタなどの設定が格納された、巨大なCSVファイル)を確認してみたが、周りの端末と比べて、特にデーターが破損している感じは無かった。
――そんなわけで。こんなもの、私に分かるわけがない! 最近、ありがたいことに、私を指名気味に呼んでくれる人も出てきたが、そういうものは、だいたい私をパソコンの先生か何かと勘違いして、やたらと難解な問題を指定してくる。だが、インターネットで検索して出てこないものは、私にも解けないのだ。私など、ただの通りすがりの機械オタクであり、本物のプロとは違うのである。
そんなわけで。電話を受けてから数日が経ち、私は完全に諦めムードとなっていた。しかしながら、本日、近くを通る予定があったので、実際に訪問して、調べさせてもらうことにした。私としては、それで「分からない」と決心をつけるつもりであった。だが、現地では、「文字が大きかった頃の印刷物」と「文字が小さくなった後の印刷物」の両方が有ったため、その2つを比べてみると…瞬間的に分かってしまった。フォントが、「MS
Pゴシック」になっていない!
…さて、「MS Pゴシック」は、それこそ、Windows95くらいの時から使われている、超古参フォントである。当時は、現在のようなオサレな液晶ではなく、真四角に近いようなレトロスタイルな画面であり、発色や画素数といった性能は、言うまでもなく低かった。そんなパソコンでも、可読性を維持するために作られたのが、MS
Pゴシックである。その感覚は、ゲームでいう「ドット絵」に近い。現代フォントのように、“滑らかな字を拡大縮小している”のではなく、文字サイズごとに手打ちを行っている(「ビットマップフォント」というらしい。対義語は「アウトラインフォント」)。そのため、低解像度&小さな文字の組み合わせの際に、たいへん読みやすく、かつてPC環境で大活躍をした。
――いっぽうで。このドットフォントは、あくまで“PC画面に表示するための仮の姿”ということらしく、印刷をすると、普通の太字フォントとなる。この特性は厄介であり、「PC画面で表示をしたとき」と、「実際に印刷したあと」で、文章の見た目が大幅に異なってしまう。そして、「印刷後のMS
Pゴシック」は、お世辞にもカッコいい・読みやすいと言える雰囲気ではなく、太字なうえにミチミチで、大量に並ぶと非常に読みづらい。Windows付属のメモ帳で、何も考えずに印刷すると、フォントが「MS
Pゴシック」になってしまうのは、かなり厄介であった。さらに、中途半端に滑らかな太字となってしまうため、“ドット絵”的な面白さもなくなってしまう。まさに、日本語版の「COMIC
SANS」である。
というわけで。私のようなエンシェント・パソコンオタクにとって、「MS Pゴシック」の見た目は、あまり良くない意味で、印象に残っている。しかし、今回は、その負の印象のおかげで、職場の「印刷物の字が小さい」という問題の本質に、気付くことができたのである。
…さて、今回の問題が起きた現場では、機器取り換え前には、恐らくだがWindows7や8.1といった古めのOSを使っており、特にフォントを指定していないExcelファイル(恐らく、他の機械から自動出力されたものだろう)が、自動的にデフォルトフォントの「MS
Pゴシック」で印刷されていた。ところがどっこい、その標準フォントが、Windows11への機器変更で「游ゴシック」に置き換えられてしまった。「游ゴシック」は、確かにすらりと美しいフォントだが、画面そのままで印刷してしまうため、細く小さく、パッと見の可読性が悪い。このような流れにより、現場の人には、「設定を変えていないのに印刷物が読みづらくなった」…つまり、何もしてないのに壊れたと感じられてしまったのだ。
――ちなみに、「游ゴシック」は、Windows10から標準搭載されて、各種UI等にも使われているフォントだ。実際、該当OSを使っている方々は分かるように、汎用性の高い、美しいフォントだ。しかしながら、それは実際の職場だと、必ずしも優れているとは言えないということが分かった。ご存じの通り、日本社会は、お先真っ暗な高齢化一直線であり、私も何かデザイン系のものを作ると、「小さい字が読めない」と真っ先に苦情を言われる。また、日本の職場では、フルデジタルにすれば良いのに、未だに資料を紙に印刷して保存していることも多い。そういった環境下で求められたのが、「カッコ悪いけど、読みやすい」という、MS
Pゴシックだったのだ。なお、Vistaで初登場した「メイリオ」は、「画面上の表示」「可読性と美しさ」「印刷時の見た目」といったバランスが割と取れていたと思うのだが、游ゴシックは、ちょっとその辺りがイマイチのようだ。
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領域展開「無量空処」 |
ちなみに。本日は、別の現場に行った際にも、「ちょっと困っている件があるんだけれど…」といった前置きで、急遽、仕事を依頼された。内容は、「Windows8.1のPCで、タスクバーに表示されているアイコンが小さすぎて、視認&クリックがしづらい。何とかならないか」ということだ。またパソコンの先生扱いされている…。
…が、これは非常に簡単で、まずタスクバーを右クリックし、プロパティを開く。すると、「小さいタスクバーボタンを使う」という項目に、おせっかいにもチェックが入っているため、それを外す。以上である。これで、先方の意図されていた設定になったらしい。なお、現場には4台のPCが有ったが、よほど困っていたのか、やり方を教えてくれと言われ、すぐに4台とも大きなボタンとなった。
――ところで、その現場は、コールセンターのような場所であり、メインは電話交換台で、その補助としてPCを使っていた。よって、椅子からPCディスプレイまでの距離が遠く、それで小さなタスクバーボタンは見づらくなっていたというオチだ。こちらもやはり、Microsoftの想定した環境と、現場の実態が合っていなかったという例だ。こうやって、実際に私の元に意見が寄せられるということは、字が小さくて困っている人は、大勢いるのであろう。
というわけで。私の意見としては、Windowsはオサレを目指すべきではないと思うのだ。むしろ、クソデカUIで、カッコ悪いと馬鹿にされるくらいが良い。オサレ感は、Appleにでも任せておけば良いのである。それに、“Windowsは字がデカすぎる”と思うような人は、だいたいの場合、自分で調べて設定ができる。今の、「最初は小さくし、設定で大きくもできる」というのは、逆なのである。
――ちなみに、投資家にはそこそこ知られている話だが、“アメリカの時価総額ランキング上位”…つまり最強企業のうち、20年前と今で、唯一、トップ10を維持し続けているのが、マイクロソフトだ。そんな歴史ある企業なのだから、もっと古参に媚びないと駄目だろう。産まれて初めてパソコンを使うようなオバチャンが、2,3分で使いこなせるくらいの、そのレベルのデザインにしないと。
(2025年9月5日)
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