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管理人の日記
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あんまかわいい女キャラが居た記憶ない |
「逆転検事」は、逆転裁判シリーズのスピンオフの1つである。成歩堂のライバル検事にして、人気キャラの「御剣怜侍」を主人公に据えた推理ゲーであり、初代DSで2009年に『1』が、2011年に『2』が発売され、それらのカップリングである「御剣セレクション」も、2024年に現行機で発売済みだ。
…さて、この作品の特徴として、基本的に裁判パートが存在しない。なぜなら、御剣は検察側であり、それで被告人を有罪にしてしまっては、逆転ではなく順当裁判であるからだ。そういうわけで、「逆転検事」においては、裁判所ではない場所で犯人とバトルを繰り広げることになるが、「調査で証拠を集める」→「全て終わったら対決パートへ進む」→「証言をゆさぶり、矛盾しているところに証拠品を突きつける」というゲーム性は全く変わらず、シリーズ経験者であれば、親しみやすいスタイルとなっている。
――ちなみに、この作品の最重要ポイントは、例の「逆転裁判4」によって、シリーズの未来が絶望視されていた時に発売されたということだ。具体的な登場時期としては、本家『4』が2007年4月、そして『検事1』が2009年5月である。当時は、様々なスピンオフや、過去作のリマスターなども不在(しいて言えば、1の移植+追加シナリオの『蘇る逆転』と、『2』『3』のDS移植くらい)であったため、『4』のせいで、もう続編は無理なんじゃないかという空気が凄まじかった。そんな中、颯爽と舞い降りた「逆転検事」は、“完璧にシリーズを蘇らせる”とまではいかなかったものの、少なくとも、2つの作品で、絶望的な空気を吹き飛ばす活躍をしてくれた。その後、2013年に満を持して本家『5』が発売され、『4』の続きとして一定の評価を得られたことで、なんとかシリーズが繋がった。だが、その流れには、間違いなく『検事』シリーズも貢献してくれていると言えるだろう。
さて。私が「検事」シリーズを遊んだのは、細かい時期は忘れたが、確か『5』の前後くらいに、DS実機で、『検事1』『2』を、連続してプレイした記憶がある。当時、プレイ前に聞いていた話としては、「本家『4』の悪印象を払拭できる作品で、特に『検事2』は本家1〜3に迫る品質。『検事2』の黒幕は意外な人物」などという感じであった。
…そんな感じで、まずは『検事1』を遊んだのだが、まあ、この時点では、普通のスピンオフかなという程度の評価であった。事件のトリックや犯行の動機、そして全体に通底するシナリオなどは、『4』ほど極端に破綻しているわけではなく、推理ゲーとして遊ぶに足るレベルだ。ただまあ、全体に流れる低予算感に、主要新キャラの登場が“3話から”と遅めであること、そして異様な頻度で帰ろうとするラスボスなど、そこまで単体作品として質が高いとは感じなかった。ただまあ、「ライバルキャラである御剣を主人公に据えていること」「本家作品のキャラが多数登場するファンサービス的な演出があること」「サイドビュー視点により、様々なキャラのドットアニメーションを楽しめること」など、本家には存在しない目新しさも存在し、そういう意味で、まさに「スピンオフ」や「ファンアイテム」という感じのゲームであった。
――いっぽう、『検事2』については、まずは第1話の時点で、グラフィックが大幅にパワーアップしており、『1』の好評により、予算とやる気が増えたことが察せられる。各話の結びつきも強く、新キャラも増えたため、前作ほどに本家シリーズを前提としているわけではなく、バランスが良い感じとなった。そして、噂にも聞いていた黒幕は、確かに意外な人物であり、対決パートはそう長くなかったものの、長い長いゲームの結末として、飽きずに楽しめたように思う。全体的に、『1』より、見た目の質も、奥行きとしての質も、上がっている作品であった。
ちなみに。検事シリーズは、この2作で終了となった。ストーリー上の問題(御剣が検事をクビになったとか)は無いため、本気を出せば『検事3』も行けるかもしれない。ただまあ、本家が復活したため特にスピンオフの必要が無いこと、御剣テーマで10コ話にて十分な掘り下げができたであろうこと、そして、『4』の発端となる例の事件により御剣が更なる過密日程になることを避けてか、検事シリーズの新作は発売されていない。
――ところで。現在は、地味に逆転裁判シリーズの展開が止まっている状態であり。本家『6』が2016年・『大逆転2』も2017年ということを考えると、『4』なんて目じゃない、もうじき10年の新作なしとなる。やれ、「123
成歩堂セレクション」など、各作品のカップリング移植は、本数としてはそれなりに好評ということらしいのだが、それで完全新作が出ないというのは、現環境でどのように「逆転裁判7」を出すか、決めあぐねているということかもしれない。そして、その状況を打破するために、御剣+歴代検事の同窓会的な「逆転検事3」が出るなんてのは、意外と有り得るかも…。
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この2名の邂逅が、お菓子コンテストの事件というのは意外だった |
ところで。そんな「逆転検事」で、特に印象的だったのが、『1』『2』の両作に存在する、「対決〜プレスト」という楽曲だ。
…さて、逆転裁判シリーズでは、「尋問BGM」と呼ばれる楽曲群が存在する。文字通り、法廷パートで、被告人の証言を聞く際と、その尋問時に流れているBGMだ。さらに、裁判が進んで事件の核心に迫ると、尋問BGMは、「アレグロ」というアップテンポな編曲バージョンに変化し、ゲームを盛り上げてくれる。以上は、逆転裁判の全シリーズに共通する仕様だ。というわけで。新しい作品をプレイする時は、「今回の尋問BGMは、どんな曲かなあ」というのも、大きな楽しみの一つとなっていた。
――ちなみに、それらの楽曲群で、最も記憶に残っているのは、『本家2』のアレグロ版(【YouTube】)である。同作は、シリーズ第2作ということで、全体的に高難易度だ。それだけでなく、恐ろしい雰囲気だったり、大切な人が命の危機に陥ったりという状況が多い。例えば、第2話では「凄惨な交通事故」「おどろおどろしい儀式」「燃え盛る炎のイメージ」「血まみれの証拠品」といった、もはやホラーと言っても良いような演出が組み合わさり、アレグロBGMの曲調も相まって、怖い。また、第4話では、クライマックスに近い尋問シーンで、シリーズの定石:「証言をゆさぶって、『今の発言は重要か?』という趣旨の選択肢が出たら、必ず『重要』と答えて追及する」とは異なる進行が要求される場面が、1ヶ所だけ存在する。初プレイ時の私には、そこが解けず、困惑しながら、総当たりで証言に証拠品を突きつけていくハメとなり、非常に長くアレグロBGMを聞くことになった。やれ、他作品の尋問BGMのアレグロ版は、「犯人を追い詰める勇敢さ」といった前向きな雰囲気を受けることが多いが、何故か『2』だけは、焦りを感じるような曲調であり、むしろこっちが追い詰められている気分になってくる。
さて。そんな尋問BGMなのだが、「逆転検事」シリーズには裁判パートが存在しないため、“尋問”ではなく「対決」という題名になっているが、基本的な構造は同じ…と見せかけて、なんと3段階目として、「プレスト」というバージョンが用意されている。ちなみに、シリーズおなじみの「追及BGM」も存在するため、純粋に新規楽曲が増えたということになる。
…やれ、私が『検事1』を初プレイしたときは、いつもの尋問BGMが、少し早くアレグロ版に変わった感じを受け、その曲としての印象も中途半端だったことから、「まあ、スピンオフだし、こんなもんか…」と思っていたのだが、その後に、核心部分で、更にアップテンポな完全新曲が流れ、「なんだコイツっ!?」と思ったものであった。ここぞという場面で投入される楽曲であり、場面転換少なめ・テキスト長めでダレがちな検事シリーズに、強い緊張感を与えてくれる。なお、その後の本家・大逆転にも輸出されておらず、完全に検事シリーズのみの独自演出だ。
――ちなみに、初めて流れたときの強烈な印象からか、私は『検事1』のプレストのほうが好きである(【YouTube】)。各事件で1回しか流れない…と思いきや、とにかく帰ろうとするラスボスの事件では2回流れて、それがまた、楽曲の良さとラスボスの往生際の悪さを印象付けてくれた。
そう言えば、前回のシリーズ振り返り記事で、本家『5』を回想したことがあったが、あの時も音楽の話であった(【日記:2025/8/18】)。やれ、“ゲームのBGM”というのは、食事における「匂い」みたいなもので、本体のおまけと思いきや、味(映像?)や食感(操作性?)などと同じくらい、全体の体験を左右し、その後も印象に残るものだと思う。
(2025年8月30日)
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