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管理人の日記
還元が3%→1%に下がっても、元の株価を基準とした利回りは変わらない(?)
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何故か島村卯月になってしまった… |
「[8267]
イオン」と言えば、お馴染み、スーパーマーケット:「イオン」の運営会社である。地方都市に存在する大型ショッピングセンターの代表格であり、食料品や生活雑貨を皮切りに、必要な物を一通り購入できる。私も、様々な地域を渡り歩いてきたが、こと都心以外においては、イオンのあるなしで、生活レベルは大きく変わってくると言って良いだろう。一般人兄貴の皆さまがたはもちろん、私のように節約をキメている人間にとっても、全商品5%OFFの「お客さま感謝デー」を中心に、様々なお得サービスを適用し、「安くても楽しい生活」の実現に、大きく貢献してくれている。
――そして、投資対象としての「イオン」も、また人気であり、100株の保有により、全商品が更に3%OFFとなる「オーナーズカード」を獲得できる(※後からキャッシュバックされる形式)。イオンは、普段遣いに優れたスーパーマーケットのため、“そこでの商品が、少額とはいえ全て割引になるメリット”は、目に見えて大きい。誰でも名前を知っている会社ということもあり、「[2702]
日本マクドナルド」と並んで、優待銘柄の基本と言える存在だ。
ところで、私も優待銘柄には興味があり、イオン株については、常に購入の検討対象となってきた。しかしながら、現在の株価は高すぎであり、キャッシュバック率が見合っておらず、今の状況では、購入はかなり厳しいと感じている。
…具体的に言おう。“私が購入を検討していた頃のイオン株”は、だいたい3000円強というところであり、100株の値段は30万円ちょっとであった。投資の基準とされる「年間4%」の利回りを得るためには、約1.3%の配当を踏まえたうえで、概ね30万円弱の買い物をすれば良かった。当時は、肉・酒・菓子・カップ麺などを、今より多く買っていたこともあって、この額は、ギリギリで達成できそうと感じられた。そのため、「家庭を持てばイオン株を買う」などと、夢みたいな絵空事を描いていたこともあった。
――しかしながら、それから1年ほどで、イオンの株価は大きく上がってしまい、今の値段は4412円(7月11日終値)と、もはや約4000円とすら丸め込めない価格である。これで配当はほぼ変わらないため、新たに買う場合、基準となる「年間4%」の難易度は大きく上がっている。私は、お客さま感謝デー等を使って、月3回イオンに行くというのをルーチンにしているが、仮に、年間40万0000円を使うためには、月3万3333円=1回の買い物で1万1111円を消費する必要がある。だが、実際の買い物額は、この半分以下だ。現在、野菜や穀物など、食生活の中心物品について、イオン以外で調達することも増えている。「お客さま感謝デー」については、忙しかったり疲れていたり冷蔵庫が満タンだったりで、そもそも行かないことも増えた。どう考えても、4%の利回りを得るのは無理なのだ。
ところで。今回このように、私がイオン株に再度注目した理由は、この8月29日(31日は日曜日のため)をもって、イオンは株式分割を行うと発表されたからだ。内容は、1株が3株に分割されるというものだ。その際、株価は1/3となるものの、保有株も自動的にゴレイヌさんになる(※3倍に増えるの意)ため、金銭的な損失は無い。むしろ、新1株は約1500円となり、これまでよりも少額で購入できるということで、投資家にとってはメリットである。
…のだが、「オーナーズカード」の優待内容についても、同時に必要株数が3倍となってしまった。例えば、3%OFFに必要な株数は、従来100株だったのが分割後300株が条件となる。代わりに、下限が刻まれ、分割後200株で2%OFF、分割後100株で1%OFFの効果を、新たに得られるようになった。例えば新100株なら、約15万円の投資額により、イオン店頭にて、常時1%OFFの効果を得られる。さすがに、旧100株の44万円というのは、一発の投資額としては勇気が居るため、それが1/3というのは、ハードルが大きく下がったように思える。
――では、実際に計算してみよう。分割後1株を1500円とし、配当金を7円×2回=年14円と仮定する。これで、株の保有数を「新100株」「新200株」「新300株」、イオンでの月の買物額を「1万5000円」「3万0000円」「5万0000円」の3通りとする。計9パターンで、還元率を%表記してみよう。
●新100株 = 投資額15万円、全商品1%OFF、年間配当金1400円
・月1万5000円使用…1800円還元、計3200円、利回り2.13%
・月3万0000円使用…3600円還元、計5000円、利回り3.33%
・月5万0000円使用…6000円還元、計7400円、利回り4.93%
●新200株 = 投資額30万円、全商品2%OFF、年間配当金2800円
・月1万5000円使用…3600円還元、計6400円、利回り2.13%
・月3万0000円使用…7200円還元、計1万0000円、利回り3.33%
・月5万0000円使用…1万2000円還元、計1万4800円、利回り4.93%
●新300株 = 投資額45万円、全商品3%OFF、年間配当金4200円
・月1万5000円使用…5400円還元、計9600円、利回り2.13%
・月3万0000円使用…1万0800円還元、計1万5000円、利回り3.33%
・月5万0000円使用…1万8000円還元、計2万2200円、利回り4.93%
ということで、利回りについては、新100株~300株で、全く変わらない。この結果は、意外であった。当初の私は、「3%OFFでも元を取るのが難しいのだから、1%還元なんて雀の涙」というふうにまとめよう考えていたが、その方向性は撤回することになった。
…ただまあ、結局のところ、「4%の利回りを得るためには、年間40万円程度を買い物する必要がある」というのは、分割前と変わらない。また、当たり前であるが、新300株と新100株では、還元率は変わらないが、還元額は1/3に低下し、持ち株が少ないと、お得感も下がってしまうものだ。
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題:世界に一つだけの株 |
そういうわけで。イオン株については、配当+オーナーズカードによる利回りは、分割前と分割後で、実は全く変わらない。
…よって、理屈の上では、“今まで買わなかった人が、分割をきっかけにイオン株を買う”という理由は存在しない。むしろ、現在の1株4400円という水準は、かなり割高であり、持っている人は売ってしまっても良いと思うくらいだ。
しかしながら、実際には、イオン優待の「オーナーズカード」には、大きなメリットがある。それは、日々の生活で、細かくお得感を出せることだ。
…やれ、皆さまご存じの通り、株価というのは、欧州情勢以上に複雑怪奇であり、上がったり下がったりを正確に予測することは不可能である。なんか、グラフに線を引いて、ああだこうだと言っている人間もいるが、ただお絵かきであり、通信量の無駄遣いだ。
――しかも、この情報過多の社会では、皆さま重々ご存じの通り、周りの銘柄のことが、どうしても気になってしまう。そりゃあ、周囲の人間が、「パチンコで勝ったぜーい!」「お馬さんが(略)」「自転車が(略)」「ガチャ(ry」と常に言ってくるようなものだから、当然である。
さて、そういった環境で、精神をやられないためには、日々の生活で、少しずつでも良いから、投資によるお得感・達成感を得ていくことが重要だ。その手段として、オーナーズカードによる細かい還元は、非常に有用である。額は1~3%と少ないものの、「普段の買い物が、少しずつ割安になる」ということの安心感・コツコツ感は、分かりやすく堅実だ。そう考えると、今回の株式分割では、「オーナーズカードを持てる」という利回りには現れないメリットが、1/3の価格で得られるようになり、これまでよりお得感が増したとも考えられるだろう。
――ちなみに、上のほうで述べた通り、元の株価を基準として、新100株・新200株・新300株は、完全に対等である。「3%」→「1%」は、元の株価を基準とすれば、全く損をしていない。「オーナーズカードを持ちたい!」が主たる目的の場合、特に気にせず、新100株を購入すれば良いのだ。
さて。既に述べた通り、株価というのは予測不可能である。もう、情けないので細かい購入銘柄は書かないのだが、ご察しの通り、私もだいぶ燃やされてしまっている。「あの銘柄にすべきだったかなあ」とか「いま乗り換えるべきなんじゃ…」みたいなことは、それこそ、四六時中考えているものだ。
…しかしながら、やはり重要なのは、資産運用を続けることだ。どのような方針であれ、損益を出したうえで投資をやめるのは最悪であり、長く続けることが重要だ。その意欲として、「買い物という具体的な行動で」「細かいお得を積み上げられる」という性質を持ったイオン優待:「オーナーズカード」は、利回りでは測れない精神的アドバンテージを与えてくれるだろう。
――というわけで。今の私は、割とマジで、イオン株を買うのはありと思い始めてきた。なぜなら、「オーナーズカードを持ちたい!」と、前からずっと思ってきたからである。なお、「分割後100株」による優待が成立するのは、来年2月末からだ(8月末は「分割前が基準」と公式が明言している)。よって、ここから8ヶ月強で、機会を見て、新100株(旧34株)の購入に挑戦してみようと思っている。やれ、記事を書き始める前と、書き上げたあとで、全く方針が異なるのだが、このブレも投資にはよくあることだ。もちろん、利回りを重視して買わないというのも合理的だし、“旧100株を持っていて、新300株となる人”が溢れた200株を売るというのも有り得るだろう。人類の叡智:完全放置も、引き続き有用だ。ん~、どの株にしようか迷うぜ!
(2025年7月12日)
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