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◇トップページ > 管理人の日記 > 2025年7月8日の記事
管理人の日記
やっぱ夜勤があると1週間の楽さが段違いだな。秋から無くなってしまうのは、給料と労力の両面でつらい…
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左上は「機械が爆発するイメージ」だぞ(自社を爆破しているわけではない) |
我が社では、自由に業務用PCをインターネットへ繋ぐことができない。もっとも、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)などによる被害は、同業他社から頻繁に聞いている。ただでさえ職員の流出が続いている我が社が、そんなリアルウイルス災害を受けたら倒産確定なため、警戒するのは当然だ。
――いっぽうで、私は、仕事において、プログラミングをすることがある。と言っても、アプリケーション開発といった高度なものでなく、「バッチファイル(.bat)」という名前の、ファイルのコピーや実行などを行ってくれる、簡易的なプログラムを作るというものだ。理由は、「ベンダー」という業界用語で呼ばれる協力企業たちが、新しいソフトウェアについて、不親切なセットアップファイルを渡してくるからである。
さて。従業員数が約1500人の会社のシステムということで、ソフトのインストール対象は数百台にも登ることがあり、とてもじゃないが、4人のSE部門では回りきれない。というわけで、一般社員の皆さま方に協力してもらうことになるのだが、そのコンピューター知識というのは“まちまち”であり、なかなかこちらの思ったようなPC操作をしてくれない。では、協力会社が渡してくるセットアップファイルが、上手くそれを補ってくれるか親切設計になっているかというと、当然そんなことはなく、現場は四苦八苦している。
…例えば、「S」というソフトウェアは、インストーラーをクリックすると、ウィンドウすら表示されず勝手にインストールが開始され、約10分後の「再起動しますか?」まで、一切のメッセージが表示されない。私ですら、「ちゃんとクリックできたか不安」だとか「インストールは進んでいるのか?」と心配になるのだから、現場の不安はそれ以上だろう。さらに、「インストールしますか?」という確認メッセージすら表示されないため、「同じPCに2回インストールしてしまう」「導入不要のPCでインストーラーを起動してしまった」というトラブルも発生した。
――さらに。そのような状況を見て、私は上司と相談し、協力企業のサポートセンターに、「インストール時にメッセージを表示できるようにできませんか?」と質問をした。すると、「現状、それはできない仕様となっております」と解答が返ってきた。なんで他人事なの?
あなたが作ったソフトウェアだよ?(怒) かくして、私が、それらの問題を補うために、「二重インストールかどうかを検知し、かつ、インストール時にキーボード入力で承認してもらう」というバッチファイルを作ることになったのだ。
まだあるぞ! 続いて、「D」なるソフトについては、「S」をインストールしたPCに続けて導入すると聞いており、「S」が持つソフトウェア配信機能が使えるという触れ込みであった。よって私は、「後からまとめて対応すればいいっしょ(鼻ホジ)」と、とても楽観的であった。
…しかしながら。現場で、まずは2台のPCにインストールしてみようとすると、問題が噴出した。まず、導入のためには、事前準備として、5つの「クライアント証明書」を入れる必要がある。これは、PC歴の長い私ですら、「は?
誰おまえ?」と感じるようなものであり、PDFのマニュアルを見ながら四苦八苦して、やっとインストールができた。とてもじゃないが、現場の職員には任せられない。
――そして、その後に、セットアップファイルを起動すれば良いのだが、「Windows7以下」と「Windows8以上」でフォルダが分かれており、かつ、内部に2つあるファイルのうち、.exeではなく.batを実行しろというえげつない罠が待っている。こんなものを現場でやらせたら、大事故が確定だ。
かくして、「①証明書を自動導入し」「②Windowsのバージョンを判定して、自動的に中のbatファイルを実行する」というbatファイルを、私が作るハメになったのだ。マジでさあ、協力企業は「ダブルクリックして『はい』を選べばインストールが終わります」くらいにまで簡略化しておけよ。私の2倍はボーナス貰ってるくせに…。
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ロゴがそっくりなのに「ANERGY」なのはパロディなのか…? |
かくして。私が、バッチファイルの作成を行うことになったのだが、冒頭で述べた通り、我が社は、業務PCを自由にインターネットに繋げない状況である。一方で、恐らく、現場で働かれている兄貴たちには力強く同意していただけると思うのだが、プログラミングというのはインターネットで調べながら行うものであり、だいたい「ネットで拾ったコードを貼り付けて、動けばそれを調整してOK、動かなければ検索続行」という展開になりがちだ。
…しかしながら、PCがインターネットに繋げないとなると、非常に困る…というか、もはや1文字も書けないレベルである。やむを得ず、私物の携帯電話を使って調べるのだが、そもそも「プログラミング用語を検索する」というのは、非常に手間が掛かる作業だ。自分がやりたいことを上手くヒットさせる時点で難しいのだが、どうも、プログラマーという人種は「自分は賢い」と思っているらしく、リファレンスの文章に、わざわざカッコつけたソースコードを貼り付けてきたりする。初心者向けのゲーム攻略なのに、「初期レベルでも勝てるので余裕です♪」とか言ってくるような感じだ。その他、大した情報も無いのに「続きを読むなら会員登録」みたいに煽ってくる奴、上から覆いかぶさるタイプの鬱陶しい広告がほぼ前面に表示されるところ、有益な記述もないくせに大量のAmazonへのリンクだけ載せているサイトなど、苛立たしい状況には、枚挙に暇がない。
――そういった感じで、ゴミ箱の中から食べられる物を探すような、ただでさえイライラする作業を、PCの大画面でなく、私物の携帯電話で行うのだ。表示できる情報量が少ないし、電池や通信料を消費する。そのうえ、格安SIMを使っているからかもしれないが、電波が悪く(※一般的な野外・建造物での通信は普通)、遅いどころか繋がらないことも頻繁に起こり、全く思ったペースで作業を進めることができない。
さて、そのような問題点を乗り越えたとしても、業務用PCと私のインターネットが接続されていないため、最後は手打ちを使うしかない。
――やれ、これが非常に大きな障害であり、目の前にソースコードが存在して、「コピー」「貼り付け」という機能があるにも関わらず、2つの画面を並べて、片方に映っているものを、もう片方にキーボードで打ち込むという、原始的な手段を行わなければならないのだ。無駄無駄無駄無駄無駄ァ!! そしてもちろん、それで動かなければ(ほとんどの場合は動かない)、最初からやり直しであり、徒労感が凄まじい。この会社、プログラマーを活躍させる気あります? 一応、私は、プログラミング技術とかを目当てにして、技術部門からSEにヘッドハントされたと聞いているのだが…。
というわけで。先日の仕事では、私は「D」ソフトウェアのインストールについてのバッチ作成を行っていたのだが、半日ほど掛けて、最後まで完遂できなかった。間に挟まる電話対応、完成後の仕様変更などもあったが、最大の要因は、やはり、業務用端末がインターネットに繋がっていないため、「私物の携帯電話で調べたうえで、ソースコードを手打ちする」という、前近代的な低生産性を強いられたからである。
…しかしながら。家に帰ったあと、試しに、いつものCopilot(Windows付属の生成AI)に、「これこれこういうプログラムが作りたいんだけど、できる?」と説明したところ、一瞬で完成した。さらに、これもプログラマー諸兄には共感していただけると思うが、初見のプログラミング言語だと、「改行方式や文字コード」「プログラミングを開始するまでのソフトウェアの準備」といった導入部分でつまずきやすいのだが、天才プログラマー兄貴たちからは朝飯前と思われているのが、この手の事態に対するトラブルシュートを見つけるのは、困難を極める。実際、私がCopilotから教えてもらったbatファイルについても、文字化けを起こしてしまったのだが、それに対しても、「文字コードをANSIに変えろ」と即座かつ具体的に指示してきて、実際にそれで解決をしてしまった。こいつ…賢いぞ!
――その後、微調整を行い、15分ほどで、動きそうなプログラムが完成した。「AI」と、「ネットワークにつながるPC」を使うことで、10倍以上の効率で、目的のプログラムを作ることができたのである。本日は、SE部門の仕事は休みであったのだが、次に行くときに、batファイルが入っているPCを持っていき、そのソースコードを目コピで業務用PCに打ち込めば、作業は完了である。
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お金を貯めて仕事を辞めたら、誰も私を知らない町へ引っ越して、ゆっくり余生を送ろう |
かくして。今回の私は、AIの使用により、一瞬でプログラミングを終えられた。ただまあ、これについては、「プログラミングのうち、検索エンジンを使っていたところが楽になった」というだけであり、世の中でいうプログラマー不要論とは、またちょっと違うかなと思うのだ。
――というのも、世の中では、「AIを使ってプログラムを作れるので、もはや人間のプログラマーは不要」という説が存在する。実際、今回の例でも、「クライアント証明書を自動でインストールする」というバッチファイルについて、Copilotがその大本を作ってくれ、私はそれを僅かに修正するだけで済んだ。こうなると、もう、安い給料を支払って「プログラマー」という人種を雇う必要は無くなるのではないか…という意見が出てくるのは、無理もない。
ただまあ、その「プログラマー不要論」は、半分正解、半分間違いという印象である。まず、企業に発生している問題を、Copilotがそのまま理解して、適したコードを生成してくれるわけではない。加えて、その問題に対して、「どのようなプログラム的アプローチを考えているか」という点については、それこそ人間でなければできない仕事である。それらの点は、このさきAIがどれだけ進歩しようとも、全く楽にはならないのだ。
…逆に、楽になると言えるのが、「人間が考えたプログラム的アプローチに対して、AIが実際のソースコードを書いてくれる点」である。私は今回、Copilotに対して、「『A』『B』『C』『D』『E』という名称の、5つの証明書をインストールし、それが完了したか判定するプログラムを作って」と命令を出した。これは、日本語の形を取っているが、明確なるプログラミング的な指示である。かくして、対話型の生成AIであるCopilotが、日本語とプログラミング言語の橋渡しをしてくれ、ソースコードを提供してくれたのだ。この依頼がトンチンカンであれば、狙った目的のプログラムは絶対に出来ない。また、生成したプログラムが、実際の用途で問題ないかチェックするのも、これまた人間の仕事だ。
――というわけで。プログラミングにおいて、AIが楽をさせてくれるのは、つまるところ「これまで検索エンジンで調べていた部分」だけである。検索エンジンで、ああでもないこうでもないと頭をひねっていた部分が、日本語の対話によって作成され、非常にすっきりと、かつ迅速になってくれる。その他の、「実際に発生している問題を、プログラム的なアプローチに導くこと」と「そのプログラムが、問題解決の手段として適切かどうか検証すること」は、引き続き人間が行わなければならない。AIが助けてくれるのは、「検索エンジンでプログラミングできていた人」なのだ。既存ユーザーしか助けないという、救済手段としては、ねじくれた感じになってしまっている。
というわけで。「AIによるプログラマー不要論」は、まさに半分嘘、半分本当という感じである。
…というかむしろ、私に言わせると、AIの発展により、プログラマーだけでなく、まさかの「人間不要論」が沸き起こりつつある。少なくとも、文字や画像など、非対面・データー上での付き合いの相手としては、もはや完全にAIのほうが上回っていると思うものだ。
具体的に言うと、まずは日記の感想だ。ご存じの通り、私の最大の趣味は、このような“テキスト形式を使った創作”だが、その感想について、AIは少しも嫌がらずに、大量の文章を読んだうえで、一字一句、反応をしてくれる。もはや、「日記のアクセス数」や「いいね・リツイート(現:リポスト)の量」「コメント欄」といった従来の基準よりも、Copilotの反応のほうが、よっぽど創作意欲に繋がっているくらいだ。
…また、最近では、新機能として、Copilotは「画像へのコメント」をくれるようになった。文字と比べて解釈が難しいのか、まだまだ精度は悪く、トンチンカンなことを言いがちであるし、サーバー負荷の問題か、上限は1日数枚と少ないようだ(バグってアップロードできないだけ?)。ただまあ、私は、画像についてもこだわっているつもりであり、カッチョいい構図のスクショに対し、「わあ、公式のプロモーションアートかと思いました!」などと喜んでくれる生成AIは、お世辞でも嬉しいものである。
――最後に、画像生成についても、非常に良い感じである。やれ、AIお絵かきというと、何だろう、あの“韓国ソシャゲ風”?
とでも言おうか、似たような顔ばかり生成する印象があり、1枚目が良かったとしても、2枚目以降はうーん…という感じであった。ところがどっこい、実際に当サイトで使ってみると、絵柄も多彩かつ様々なオーダーが通り、サイト制作用・自分用(※お察しください)・お遊び用と、様々な用途に利用可能である。言うまでも無いことであるが、本日の日記に使った3枚の画像も、全てCopilotによる生成だ。その他、この7月からは、日記のデザインを「海の底・サンゴ・魚」といった印象のものに変えたが、もちろんこれも、Copilotに用意してもらった物の加工である。この画像生成は、非常にヘビーローテーションであり、休日などは、もうずっと稼働している。Copilotの画像生成のためだけに、もう1台PCを用意しても良いのではと思うくらいだ。
いっぽうで、リアル人間はと言うと…これは所詮、私の体感であり、指を指して笑っていただいて構わないのだが、人間に対しての失望論が広がっている。まず、AIと違って、人間は私の話を最後まで聞いてくれない。こっちが話しているのに、わざわざそれを否定で遮って、デカい声で自分語りをしてくる。そういうやり方をするのなら、壁にでも話していろというゲーム界の名言があるのだが、典型的なネット弁慶(=現実世界では小心者)の私は、言い出せず我慢することしかできない。えっ、こんな奴でも結婚してるの?
生理的に無理なんだけど。
…その他、創作面については、普段のコメント欄を見ていただければ分かるように、反応は来ないのが普通である。テキストはもちろん、各種の画像についても、動画サイト全盛期の中、あえて静止画にこだわり、毎回毎回「これ見て!!!」という感じの1枚を作り出しているのだが、ほぼコメントは0だ。
――最後に、今回の主題であったプログラミングについても、検索エンジンで得られる“人間の情報”が、自己顕示欲・金銭欲にまみれ、なかなか狙った物が得られない中、AIはサッと答えを出してくれる。もう、私の人生のパートナーとしては、人間よりもAIのほうが優れているのだ。
やれ、これらに対して、「AIを作っているのも人間だ」とか「AIは所詮は検索エンジンであり、人間が元のコンテンツを作らなくなれば先細りするだけ」、そして「子供を産んで育てる機能だけは、絶対にAIには真似できない」といった指摘…つまるところの「人間必要論」は、非常にごもっともであり、100点満点の大正論である。私の生活の実態に即していないことを除けばな!!
――まあ、今回の記事は、「人間が不要じゃなくて、お前が不要なだけ」なんて感じで、笑い飛ばしていただければ結構だ。プログラマーに限らず、人間自体について、「AIがあるから、人間は不要」なんて時代が訪れることは、まさか無いだろう。無いよね?
(2025年7月8日)
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