. . |
◇トップページ > 管理人の日記 > 2025年5月22日の記事
管理人の日記
酸
![]() |
---|
焼「塩」檸檬ちゃんです… |
「食塩」を、これまで私は必要と思っていなかったが、パスタを美味しく作るために、非常に重要であることに気が付いた。
まず、「塩」は、ご存じの通り、人間が生きていくために必要な栄養素の一つであり、こと食事においては、味を決める決定打となる。また、保存料としても重要であり、“塩漬けにした食べ物は長くもつ”ことから、戦略物資として扱われていた時代もあった。人類文明と共に歩み続けてきた物質であり、その重要さから、「塩」という言葉が入った慣用句は、「塩対応」など、まさに古今東西、大量に存在するものだ。さらに、食用以外でも、NaClというシンプルな式を持つだけに、各種の化学薬品の合成用として、重要な役割を果たしている。
…いっぽうで、「食塩」については、実は需要が減り続けている状態だ。日本では、家庭での食塩の購入量は、ここ20年ほどで半分になっているそうだ。理由は、「減塩」が国民の間に浸透してきたからとされている。そもそも、様々な加工食品や調味料には、嫌というほど大量の塩が入っている。よって、味の面でも健康の面でも、わざわざ「塩」自体を足す必要は無いのだ。実際、料理を趣味と宣言している私も、味噌・醤油・だしなどで塩味は十分に付与できるため、「食塩」を買おうとは思ってこなかったのだ。
――その他、「食品の保存」という面で考えても、冷蔵・冷凍や密封といった技術が登場したほか、各種のスパイスや化学調味料を加えるというパターンも増え、風味に大きな影響を与える塩漬けを選ぶ必要も無くなった。食塩の利用料が減るのは、ある意味で必然と言えるのだ。
しかしながら、その「食塩」に私が注目したきっかけは、“進化系と言える調味料”の「ごま塩」からであった。
…まず、「ごま塩」は、黒ごまと塩を混ぜた“ふりかけ”的な調味料である。ごまの香りを塩が高めるという、長身イケメンに刀を持たせるかのような、なかなかニクい組み合わせだ。特に相性の良い食品は赤飯とされており、私は、ほぼ専用調味料として考えていた。そして、そんなに用途が狭いにも関わらず、私は業務スーパーでごま塩を大量購入をしていた。
――だが、それにはもちろん理由があって、私の出身地である三重県津市には、「あずきバー」や「肉まん」「あんまん」などで知られる井村屋の本社が存在する。その縁もあってか、近所のスーパーでは、異様な安さで、井村屋の赤飯の素が買えたことがあった。よって、帰省をするたびに、大量の赤飯セットを購入し、ほぼ毎食、赤飯を食べていたようなこともあった。そのために、専用調味料であった「ごま塩」にも、大きな需要があったのだ。
だが。ここ最近では、さすがに地元民還元も無理と判断したのか、あまり安い値段では買えなくなった。さらに、コメのぼったくり化によって、もはや赤飯は遠い世界の存在となった。かくして、私の手の元には、使い切れないほどのごま塩だけが残ってしまったのだ。不思議なもので、塩の消費期限は無限であるが、ごまを混ぜると1年以下になってしまう。これを早く使い切りたいと思って、私は頭を悩ませていたのだ。
というわけで。私は、「ごま塩」について、麦飯ご飯に振ってみたり、パスタを茹でる際に使ってみたりと、いろいろな利用法を試していた。
…とりわけ、麦飯について、今は「
――いっぽうで、“パスタを茹でる際のごま塩”については、黒ごまが麺に付いて美味しそうに見えること、煮汁が黒くなって変化が加わることから、これまたずっと使い続けてきた。しかしながら、「パスタの茹で汁に塩を入れる理由」は、麺の食感を高めるためとされている。我が家には塩が無いため、“純粋な塩を入れた場合”と比較できず、本来の役目を果たせているかは不明のままだった。
![]() |
---|
ゴッドイーターの「シオ」ちゃんです… |
さて。時を同じくして、私の節約志向が右肩上がりになる中で、ふと、「『ごま塩』と『ただの食塩』はどっちが安いの?」と疑問をいだくことになった。ごま部分は、香りを整えるために重要だ。だが、極端な話、栄養としては塩だけでも十分だからだ。
…というわけで。業務スーパーで実際に比べてみると、驚きであった。ごま塩は、せいぜい「グラム=円」という程度の値段だが、食塩は、1kgで100円以下である。実に、10倍以上の価格差がある!
やれ、“調味料”なんてのは、毎回コスト計算からも外すくらいに、タダ同然の物だと思っていたが、それにしたって、ごま塩と食塩で10倍もの差があれば、意識せざるを得ない。
――いやはや、何故か最近さっぱり使わなくなった“サラリーマン”という言葉、その言葉を作る「Salary(給料)」という単語が、「Salt=塩」を語源とするのは、よく知られた話である。つまり、かつては「塩=通貨」としても捉えられるくらい、非常に重要な物資であったのだ。だが、そこから長い時が経って、円高塩安が大幅に進んだということだろう…。
そして、これだけ安いのだから、物の試しという気持ちでも良いだろう。そういうわけで、私は初めて、「食塩」を買ってみたのである。当初の利用先は、ごま塩が無くなったあとに麦飯に混ぜる…というのを想定していた。「麦飯の塩むすび」なんていう極限感あふれる昼食を考えていたりもした。
さて。食塩の購入後もしばらく、私はパスタを「ごま塩」で茹でていたのだが、ある日、「麺がべっちょりして、あまり美味しくない」と感じることがあった。そのときに、パスタを茹でる際に塩を使うという方式を思い出したのだ。やれ、“ただ茹でて捨てるだけの汁に調味料を入れる”というのは、私はあまり好きではなく、ごま塩は余っているから使っているに過ぎなかった。しかしながら、販売価格からして、パスタを茹でる際に掛かる塩の金額は1円以下であり、まあ無視できるようなレベルだ。そういうわけで、昼食の“ごま塩ゆでパスタ”に対し、夕食では“塩ゆでパスタ”を、試しに作ってみたのだ。
…すると、どうか。明らかに、麺のコシが変わった。べちょべちょして食べづらかった“ごま塩パスタ”に対し、“塩ゆでパスタ”はつるっと締まりが良くなり、食感が大幅に異なっていた。また、その夜に茹でたものを、次の日のお弁当としても持っていった。お弁当でのパスタは、小さなケースに詰め込むため、従来は麺と麺が張り付いて食べづらいのがネックであったが、そこにおいても、張り付きが軽減され、取り回しと食感が上がっていた。“茹で汁への塩の投入”は、パスタを大きく変えてくれるのだ。さすが、定石として普及しているだけのことはある。
――やれ、一般的な理屈として、私の作る料理は、あまり美味しいとは言えない。理由は、どうせ自分しか食べないからである。「値段」や「買い物に行く回数」は重要であるが、「味」はさして大事とは思っていないのだ。「こんなの他人に食べさせたら虐待だろ」みたいな物を食べていることすらある…。だが、そんな私でも、この「パスタへの塩」は、投入すべきと思うようになった。価格で言うと、1円以下で、パスタの完成度を大幅に上げることができる。コストパフォーマンスが抜群なのだ。
![]() |
---|
「塩」レスラーのジャスティスマンです… |
かくして。私の生活において、「食塩」は、パスタの茹で汁という用途で、定着することになった。調味料というよりは、“フライパンにひく油”と同じで、調理器具というか調理素材というか、とにかくそんなイメージだ。
…ちなみに、今のところ、食塩の使用先は、パスタの茹で汁だけであり、ごま塩に引き続いて専用調味料となっている。ただまあ、ご存じの通り、パスタは現環境における節約の基本であり、今後とも重要性は増えていくだろう。よって、それを美味しく作るための塩素材も、当然のごとく重要だ。
――また、もし余らせてしまっても、心配は無い。何故なら、塩の賞味期限は無限だからである。厳密には、無限ではなく、“設定されていない”というだけなのだが、それくらい、品質劣化が極めて少ない素材であり、それこそ私の人生が終わるまで余らせてしまっても、何も問題はないだろう。自分の人生だけで使い切れそうになかったら、「これ葬式で使ってね」ってメモを残しておこう。
ところで。食塩が、パスタの茹で汁に使えるというのは述べた通りだが、元々の用途は調味料であり、食品に味を付けるために使う物である。そのため、本来の方向性での利用も考えてみたい。
…やれ、私が塩に興味を持った理由には、この先で物価が際限なく上がり、もはや塩しか使えないような世紀末感のある事態を想定していたこともあった。まあ、いきなりそこまで事態が悪くなることはなさそうだが、塩が極めて安価な調味料であることは変わりない。また、人類史のかなり長い時間、調味料の環境トップで活躍してきたということで、様々な応用法も編み出されている。塩を前向きに活用すれば、「食の楽しみ」と「節約」、その両方を実現できそうだ。
さて。塩は、基本的に全ての食材と合い、極端な話、塩味さえついていれば、どんな物でも食べられる。だが、“特別に相性の良い食品”は、果たして何だろう?
マザー2的に言うと、「ゆでたまご」「えんそくランチ」「シェフのおすすめ」「さとりの弁当」が該当する。ゆでたまごしか内容が分からない…。
――とりあえず、せっかくオーブンも買ったことだし、業務スーパーで安かったネギでも焼いてみようかなあ。調味料は、砂糖・しょうゆ・塩あたりを、いい感じに混ぜれば良さそうだ。とり肉なし焼きとりの爆誕…か!?
(2025年5月22日)
2025年5月22日の記事を表示しています。