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管理人の日記
国に備蓄させても値段を釣り上げて売られるだけと分かったね。やはり自分で溜めるのが一番
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油がこんなに有るなんて勝ち組でしょ |
ここ数日は、経済ニュースも多く流れてきた。株式市場の次に気になるのは「物価高対策」であるが、残念ながら、私は非常に落胆した。一言で表現すると、「国の仕事は、時期が遅くて、規模もショボい!」である。
第1のニュースは、ガソリン価格だ。自民党政府の物価高対策として、「ガソリン価格を、『5月22日から』『10円』下げる」ということを行うそうだ。会見を開き、Twitter(現:X)に動画までアップロードするということで、自民党的には、夏の参議院選挙も考えに入れたうえでの、“物価高対策の目玉”ということなのかもしれない。確かに、選挙対策としては、インパクトが大きいと言えよう。負の意味でな!
…まず、現在のガソリン価格は、1リットルあたり170円〜180円というところだそうだ。そこを10円と言われても、「たかが10円?」という気持ちにしかならない。広く知られているが、現在のガソリン本体の価格は100円程度であり、そこに合計約70%という超高額の税率が掛けられて、実際の販売価格となっている。ガソリンが高いのではなく、税金が高いのだ。だから、「補助金を出して価格を下げさせる」なんて回りくどいことをせず、税金を下げれば良い話である。
――しかも、その開始が、「5月22日から」ということらしい。今から1ヶ月後である。遅すぎる…。ガソリンは生活必需品であり、自動車を自分で運転する人はもちろん、物流という意味では、この国のあらゆる物の値段に関わっている。それをたかが10円下げるのに、1ヶ月が掛かるというのだ。お話にならない。下手をすると、その1ヶ月で更に10円値上げをされてしまい、全く店頭価格が下がらない可能性すらあるぞ。
ちなみに、まずまず知られているが、ガソリン価格には「トリガー条項」という減税のためのルールが存在し、暫定税率の25.1円+それに掛かる消費税の2.5円=27.6円を、自動的に減税する仕組みが既に用意されているという。その“トリガー”が引かれる条件は、「3ヶ月連続で販売価格が160円を超えること」であるという。バグってるぞ。減税のためのルールが設定されているのに、わざわざ自民党がそれを止めているのだ。
…ちなみに、「トリガー条項」が凍結されている理由はハッキリしており、2010年にルールが定められたものの、東日本大震災(2011年)によって、一時的に適用が停止されたという。だが、それからもう、15年止まったままである。ネトゲ運営と同じであり、ユーザーが有利になるバグは一瞬で修正されるが、その逆は延々と放置されるのだ。ちなみにガソリン税のうち25.1円の部分は、「暫定税率」という名称だ。暫定(51年)。
――やれ、世の中には、「ガソリンの一滴は血の一滴」という言葉がある。これは、すごく日本感のあるセリフだが、もともとは第1次大戦時のフランスで始まったという。その際は、単に「石油という物資は、人間の命と同じくらい重要」という意味だったのであろう。ただ、“国を一匹の生き物”として考えた場合、物流とは血液の流れであり、それを支えるガソリンは、まさに血液と同等と言える。ガソリンは、国家にとっての血なのだ。それを、「1ヶ月後に10円だけ下げる」というのは、まさに、いつもの自民党様である。「自民党政治が、若者に伝わっていない」?
いや〜、そんなことはなく、しっかり伝わっていて、そのうえで支持されていないんだと思いますよ!
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効果がミニマム |
次に、物価高の象徴といえる「コメ」についても、動きがあった。既に存在する無関税の枠を拡張することで、アメリカ産のコメ輸入を増やそうという動きがあったのだ。ただし、7万トンだけである。
…まず、ご存じ、コメについては、1kgあたり341円という莫大な関税が掛かる。よって、輸入米は一気に2倍以上の値段に跳ね上がり、海外米が参入するための大きな障壁となっている。しかし、そうやって高い関税を掛ける一方で、「ミニマムアクセス(MA)米」という制度も存在し、そこについては関税ゼロで輸入ができるようになっている。運用枠は77万トンであり、多くは家畜の飼料用などとして回っていて、一部がヒトの食用にも回っている。そして、今回の対策は、「MA枠を増やすことによって、関税ゼロでの輸入を増やし、コメの価格を下げる」という内容だ。
――やれ、私は、「空振りの地震注意報ごときで価格が2倍になる」という国産米の情けなさに失望し、関税をゼロにして、輸入米を大量に入れるべきだと思っている。しかしながら、すぐさまできる対策として、“既存の無関税枠を拡大する”というのは、悪くないアイデアのように思えるものだ。
ところがどっこい、このMA枠の拡大は、検討では、たった7万トンということらしい。ショボッ! 桁1つ間違えてないか!?
…ちなみに、これがどれくらいかと言うと、例えば、コメ不足が起こる前の2023年度の日本人のコメの消費量は、681万トンということらしい。国民1人あたり、51.1kgという計算になるそうだ。ということで、平時なら、「1%の輸入増」というのは、市場価格や消費行動に、それなりに影響を与えることだろう。だが、今は、コメ価格が一気に2倍に暴騰する有事である。そこに、たかだが7万トンを継ぎ足したところで、備蓄米と同じく、また転売屋:農協が買い占めて、価格を下げないためにチビチビ放出し、そしてバカ大臣が「なんで値段が下がらないか分からない…」とボケて終了だ。もうこれ共犯関係だろ。
――というわけで。無関税枠の追加が7万トンなんて規模では全く足りず、せめて10倍、または「第1弾として7万トン、その後に価格が下がるまで毎月7万トンずつの予定」などと、とにかく量を増やさなければ、全く意味が無い。しかもこれ、「検討」ということで、時期すら決まっていない。もう絶望的である。備蓄米と同じく、何の影響も与えられずに時間だけを無駄にして終わりであろう。まさに、「時期が遅くて、規模もショボい」である。
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現政権については、辞めたくてわざとやってるの?
って思う |
というわけで。「ガソリン」と「コメ」という、2つの生活必需品について、いかに自民党の対策がショボいかということを紹介させていただいた。
…やれ、そろそろ夏の選挙も近付いているということで、各党が選挙対策を打ち出してくる時期である。こういうものは、駅前の塾が「東大:◯◯人」と列挙しているように、多少は盛って言うものだ。が、自民党の策は、寄せて上げたうえで、この程度なのである。しかも、それで国民に喜ばれる、自分たちが投票して貰えると思っているらしい。自民党どもが、どれだけ庶民と感覚がズレているか、よく分かるというものだ。
ちなみに。では、「自民党政府」がすることが100%ダメなのかと言うと、そういうわけでもない。例えば最近だと、菅政権の携帯電話料金値下げは凄まじかった。私は、当初「どうせ大して下がらないだろう…」と冷ややかな目で見ていたものの、「下げろよ。あくしろよ」と国が圧力を掛けたところ、僅か数ヶ月で、半額近くにまで値下がりした。「ぼったくりの三大キャリアが下がるだけでしょ?」とも思っていたが、私の使っている格安SIMも料金が半分近くに低下した。私はこの時に、国というのは、物凄い権力を持っているのだなと、強く実感したものである。
…その他、糞ウイルス時のワクチン争奪戦なんかも、今の政府なら、「必要な時に足りず、いらなくなってから大量に届く」となりそうだが、実際には、やや遅れた感があったものの、大流行となる前に必要量を確保し、あの時は我慢強かった国民の協力もあって、諸外国と比べ、概ね対策は上手くいったように思う。私が活用しているNISA枠だって、政府が作ったものであり、2024年からは年間40万円→360万円と、大幅拡充をされている。自民党政府だって、やるときはやるのだ。
――だが、それらの点を踏まえたうえで、やはり、現在の物価高対策は0点であると評価せざるを得ない。今回、例に挙げたガソリン・コメは、まさにその象徴である。こんな「時期も遅くて、規模もショボい」というものは、論外だ。無能な政府には、退陣してもらう以外には無い。結局のところ、世の中は金なのである。
(2025年4月28日)
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