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プリキュアの500kcalパンチ vs ネテロ会長 / やり込みinFF

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管理人の日記
最近の女子中学生はたくましいなあ

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■□■ 2022年2月6日(日) □■□
プリキュアの500kcalパンチ vs ネテロ会長


 
またこんなの書くからFF日誌が進まない…


 本日、プリキュアの新シリーズが始まったそうだが、その主人公の必殺技が、
「500キロカロリー パンチ」という名称であるという。500kcalと言うと、成人の1食よりは少し少なめ、お菓子としては少し多めという程度であり、あまり強そうな感じがしない。
 …しかしながら、計算をしてみると、
これはとんでもない数値だと話題になっている。TNT火薬500gぶんだとか、120mm戦車砲の1/6だとか、5.56mm小銃弾1000発分だとか。それだけの威力を、女子中学生が物理攻撃で出しているのだから、凄まじい威力だ。

 しかしながら、
これらのエネルギーでパンチ力を例えるのは、ちょっと適切ではないのである。というのも。「エネルギー」と「物質に対する破壊力」は、必ずしもイコールで結べるものではないのだ。
 …例えば、放射線による99%致死線量は、
7Gyと言われている。この線量を浴びて、何の治療も受けなかった場合、骨髄障害によって確実な死に至る。そして、Gyは、[J/kg]という次元を持つため、熱量への換算が可能だ。例として、私に死んでもらうことにしよう。私の体重を65kgとし、99%致死線量のX線を全身に均等被曝すると、そのエネルギー7×65 = 455 Jとなる。ここに、1cal = 4.18 J、1kcal = 1000 calという換算を使うと、99%致死線量の放射線は熱量換算で0.109 kcalに相当する。
 ――人体の比熱は0.83 J/g・Kとされているため、これだけの線量を浴びても、たったの
0.008 ℃しか体温が上がらない。それだけのエネルギーで、確実にを死に至らしめるのだから、放射線とは恐ろしいものである。

 だが。この放射線の威力を、上で登場した他の武器の威力と比べてみると、
おかしな話になってくるのである。120mm戦車砲弾(弾体10 kg、速度1600 m/s)の持つ運動エネルギーは、3062.2 kcalである。これの破壊力を正確に計算したいと思ったのだが、「戦車砲の貫通力」や、「想定している敵装甲の厚さ」などの詳細なデーターは公開されていない(そりゃそうだ)。そのため、仮に「3062.2kcalで、60cmの鉄板を貫ける」ということにする。
 …では、0.109kcalだった99%致死線量の放射線を30000倍の量にすれば、同じく戦車を破壊できるだろうか。それは、
絶対に無理である。まず、放射線は単純な物質には効果が薄いという性質があるので、戦車の装甲を破壊するのは困難、というかほぼ無理である。
 ――でも、放射線ならば、貫通して乗組員を殺傷できるのでは? 仮に、
「10MeVの単色X線を、60cmの鉄に向けて照射する」としよう。この場合の半価層(放射線の強度が半分に落ちる鉄の厚さ)のデーターが見当たらなかったので、3cmとする(鉛が1.69cmなので、鉄は2〜4cmの間ではあると思う…)。この数値の意味は、「3cmの鉄を通過すると、X線強度が半分になってしまう」ということである。よって、60cmの鉄を通ると、20回も半減され、104万8576分の1となってしまう。よって、乗組員の被曝線量は66.7mGyに留まることになる。50mGyを超えているので、RI規制法施行規則 第4章22条3号-ニに基づく健康診断送りにはできる。が、それで終わりだ。戦車砲と同じエネルギーの放射線を戦車に照射しても、戦車も乗組員も破壊できないのである。

 別の指標で考えてみよう。
女子中学生の500kcalパンチは、確かに強力であろう。しかし、同じく女子中学生が大好きであろうお風呂について考える。この冬は寒い。元々の水温を10℃とし、お風呂を水量200リットル・温度40℃とする。水の比重をぴったり1とすると、質量は200kgである。次に、カロリーとは、「1カロリーで水1gの温度を1℃上げる」という単位であるため、1kcalで1kgを+1℃、つまり200kg・30℃なら6000kcalが必要となる。
 …よって、風呂を沸かすエネルギーは、
12連500kcalパンチと同じであり、TNT火薬6kgぶん、戦車砲2発ぶん、5.56mm小銃6000発ぶんに相当する。しかし、これを聞いても、「だから何?」としか思わないであろう。そう、「だから何?」なのだ。500kcalパンチを、爆薬だとか戦車砲だとかで例えられても、正しい実態を反映しているとは言えない。エネルギーだけでは、物体の運動は評価できないのだ。

攻撃力10000で貫通とか最近の遊戯王すごいな(違)


 では。どうやって、プリキュアの「500kcalパンチ」を評価すれば良いのだろうか。それは、
人間の運動と比べれば良いだろう。
 …まず、私が真っ先に思ったのが、
山登りをし、高いところから飛び降りるという方法だ。500kcalというと、ちょっと少なめの昼食くらいだから、まあ3時間くらいは行けるかな…と思っていたのだが、意外や意外、山登りの消費カロリーは非常に大きく、500kcalでは1時間ほどしか歩けないのだという。そして、高さで言うと、1時間は大体300mほどの標高に値するということだ。
 ――となると、位置エネルギーは、皆さまが高校で習った通り、
mgh (m:質量[kg] g:重力加速度[m/s2] h:高さ[m])で表せる。また、速度について、運動エネルギーは0.5 × mv2 (v:速度[m/s])で表せる。そして、高さ300mの場所から、あらかじめ用意してもらった真空のチューブに向かって飛び降り、高さ0mで待っている敵さんに突撃するとしよう。この場合、上記の「位置エネルギー」「運動エネルギー」が等しくなるため、衝突速度はv=(2gh)0.5 = 76.68 m/sとなる。まあ、時速に直すと276 km/hであるため、間違いなくお互いに死亡するであろう。
 ちなみに、高さ300mで私が得た位置エネルギーは、体重を65kgとしてmghに代入すると、
45.71kcalとなる。なお、この考えの前提は「私が500kcalで山を登ること」なので、私の登山によるエネルギー変換率は1/10以下ということが分かった。日本人は労働生産性が低いから仕方ない(意味不明)

 さて。プリキュアの500kcalパンチについては、どの部分が500kcalなのかは明言されていない。しかしながら、女子中学生というと、
ダイエットに興味を持つような年齢である。そんなことしなくていいのに…。
 …というわけで、ここでは、「パンチによって、体が消費するエネルギーが500kcal」という解釈をしよう。目安として、パフェ
(コップのような容器に、果物や生クリームが綺麗に盛られた、女子力の塊みたいなお菓子)が、だいたい500kcalくらいである。それを食べたとしても、500kcalパンチを繰り出すことにより、実質カロリーは0という考え方だ。よって、純粋な物理的エネルギーは500kcalではなく、中間搾取を受けて目減りすることになる。
 ――さて、その割合については、検索をしてみたところ、
【このような記事】を見つけられた。エルゴメーター(※自転車のような機械。心臓血管外科の先生が立ち会ってないと使えないアレ)を用いて計測した結果、人体の消費エネルギーからの仕事に対する変換効率は、2割ということである。残りの8割は、外部への物理的な運動としては現れず、無駄になってしまっているのだ。プリキュアについても、この割合は同じと考える。つまり、500kcalパンチのうち、400kcalが熱などとして消滅し、100kcalのみがパンチの威力になると考えるのだ。

毎朝 学校に行く前に感謝の正拳突き1万回とかやってそう


 そして。パンチの威力を考えるとき、うってつけの相手がいる。それは、
ネテロ会長である。「HUNTER×HUNTER」に登場するネテロ会長は、若い頃(と言っても46歳になってから)、祈りつつ正拳突きをする修行を続け、やがては「音を置き去りにするほどの速度」を得たという。
 …では、このエネルギーを計算してみよう。“音を置き去りにする”というのだから、音速である340 m/sは超えていると考え、
350 m/sとしよう。また、人間の腕の重さは、全体重の6.5%ほどであるらしい。ネテロの体格は、格闘家として均整が取れている感じであるため、6.5%という割合を適用できると考える。また、全体重は、90kgとしよう。すると、片腕の重さは、5.85kgである。
 ――そして。この腕に、
音速の異名を与えてみることにしよう。そのエネルギーは、0.5×mv2で、35.8万Jだ。だが、これをkcalに直すと、85.72kcalに過ぎない。前述のように、変換効率を2割とすると、全身で消費するエネルギーは428.6kcalとなる。惜しくも、500kcalには到達しなかった。ネテロ会長より、プリキュアのほうが強い…??

 では、プリキュア…“デリシャスパーティ プリキュア”の
なごゆい(リングネーム:キュアプレシャス)ちゃんのパンチの威力について考えてみよう。まずは、体重だ。女子中学生(14歳)の平均体重を検索してみたところ、49kgという無情な値が出てきた。だが、キュアプレシャス氏はアイドル的な要素も持っているため、頑張ってもらうためと、あとは計算のしやすさのために、体重41.84kgということにしよう。
 …さて、その片腕の重さを、同じく全体重の6.5%とすると、2.72kgとなる。ここに、500kcalの2割、つまり100 kcal = 418400 Jのエネルギーを与えると、速度は
555 m/sとなる。彼女もまた、音を置き去りにする怪物である。キュアプレシャス=メルエムだったか。
 ――ちなみに、キュアプレシャスの500kcalパンチを喰らっているのは、
フライパンのような形の敵である。見た目は、キュアプレシャスよりもかなり大きいため、鍋の部分を直径4mとしよう。調理用の26cmのフライパンが500g程度ということなので、単純にスケールを大きくすると、重さは1821kgである。こういう衝突界には、「重量キログラムメートル[kgf・s]」という単位があるらしく、それを用いて換算すると、500kcalパンチを食らうことにより、フライパン星人(仮)23.4m吹っ飛ばされることになる。おお、少なすぎず多すぎず、必殺技として絶妙なところになってくれた。やれ、この手の謎検証で毎回思うのだが、変なところで整合性が取れるのは何故なのか…。

 というわけで。キュアプレシャスちゃんの必殺技「500kcalパンチ」は、
ネテロ会長すら置き去りにするほどの威力があることが分かった。だが、ネテロ会長も、必ずしも負けてはいない。私は、勝手にパンチの速度を350 m/sと決めたが、これが379 m/s以上であれば、500kcalパンチを超えてくれる。
 …さて。ご存じの通り、HUNTER×HUNTERは、現在3年連続で休載中であるうえ、船の中での王位争奪戦が続いており、物語がハッキリ進むのはかなり苦しい。しかし、もし暗黒大陸まで付けたら、満を持して、あの
ブリオンが現れる。ブリオンは、キメラアントすら凌駕するほどの戦闘力を持つという(キメラアント:「B」 ブリオン「B+」)。ネテロ会長は、ご存じの通り、もう戦えない身である。だから、今後、暗黒大陸のブリオン戦でレギュラーメンバーが苦戦するようなことがあれば、その時はキュアプレシャスちゃんに助けてもらおう!

(2022年2月6日) 208 PV

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