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管理人の日記
ビートマニアやDDRなどの“音ゲー”も、人の声が入るようになったからこそのゲームですね
ペルソナシリーズ本編は、『5』以外はVitaで全て遊べるということで良いのだろうか |
私が現在プレイしている「モンスターハンター:ライズ」は、やたらと歌いまくるゲームである。まず、拠点のBGMからして、またしても濃いグラフィックの受付嬢が歌っている。それを皮切りに、マップや戦闘シーンを問わず、とにかく声の入ったBGMが多いのだ。
――そこで私は、ふと「コーラス入りのBGMって、これまでどんなものがあった?」と思い立ち、その歴史を振り返ってみることにしたのだ。
まず、当サイトで取り扱っているFFシリーズだと、本当に生演奏の曲がゲーム中に使えるようになったのは、PS3の『13』からで、主題歌として肉声の曲が入ったのも『8』から…と思いきや、あったではないか。FF7のラスボス曲が、思いっきり歌っている。ただ、当時の次世代機である初代PSへとハードが移ったとはいえ、まだまだ性能的な制約が大きかったらしく、内容は「短いフレーズの歌詞を何度も繰り返す」というものになった。また、音質も、必ずしもクリアとは言えない。ただ、それらによって、逆に「塩酸
シメジ ヒラメ 出目金」で知られるような、伝説的な曲になったように思う。
…その後、FF8以降の作品では、それぞれ主題歌が恒例となり、ゲーム中のイベントシーンで流されている。それ以外での、“肉声”の使い方となると、『8』では、“魔女のテーマ”的な位置付けとして「FITHOS
LUSEC WECOS VINOSEC」という歌詞のコーラスが、様々な場面で用いられている。FF9では、主題歌のアレンジである「記憶の歌」が登場し、ヒロインの1人であるダガー(ガーネット)が歌っているという設定で、ゲーム前半部で多く流れる。どちらの作品でも、ただ主題歌をエンディングで流すというだけでなく、“声”が様々な演出に取り入れられているのだ。そして、PS2にハードを変えた『10』では、キャラクターボイスが導入されて、人声の特別感は薄くなったものの、作中世界の宗教曲として「祈りの歌」が登場し、多彩なアレンジで登場する。
――というわけで。FFでは、初代PSの作品から、積極的にコーラスBGMが用いられてきたのだ。考えてみると、SFC時代の『6』でも、オペライベントや、ラスボス第1形態の「オ〜バ〜ケ〜のQ〜太郎〜」など、“人の声”を強くイメージした演出が数多く為されていたの。だから、ハード性能が上がった『7』以降で、多数の“声”が取り入れられたのは、至極当然だったのかもしれない。
いっぽう。FFシリーズの、バトルシーンのBGMとしては、イベント曲よりも制限が大きいのか、『7』のラスボス以降は現れず、『13』で久々に登場した…と思いきや、『10』でも、クライマックスのバトルでロックなBGMが流れていた。ということで、戦闘BGMでコーラスが取り入れられているのは、『7』『10』『13』と、何故か均等な感じの並びの作品である。すると、次の『16』は、またラスボス戦で歌いまくってくれるのだろうか。意外と、「エルシャダイ」のライブシーン(?)みたいに、気の狂った感じの使用法をしてくるかも…。
…なお、やや例外的な扱いとなるが、FF13のシリーズ内続編である『13-2』では、何かが外れたのか、コーラス付きのBGMが、バトル・イベントを問わず、異様に増えている。ただ、『13-2』は、冷ややかな目で見られることが多いが、私はBGMについては大成功だと思っている。
歌とトンネルが来ると「あ、最終ステージだな」と思うシリーズ |
では、FF以外のゲームの話を挙げてみよう、私が知っている中では、やはりメディア容量の増加した初代PSの時代から、主題歌を採用するゲームが増えたように思う。例えば、「メタルギアソリッド」などは、やはりあちらも、当時の業界の最先端を走っていた作品であった。当時小学生だった私は、作品のテーマ性など全く理解できなかったのだが、エンディング曲の民族的で物悲しい雰囲気は、この作品は単純なハッピーエンドで終わったのではなかったのだなあと思わせてくれた。「パッケージの裏」とか「ヒデオ」とか、男と男の殴り合いとか、そういうことばかり覚えていたにも関わらず、である。
…そして、初代PS時代からプレイしていた「エースコンバット」シリーズでは、PS2での『04』から、最終ステージでコーラス付きの曲が流れるという伝統が生まれている。そのため、その後のシリーズ作品をプレイして、ちょっとしたクライマックスの場面になったとしても、「あ、まだ歌ってないからラストじゃないな」みたいな、変な印象が発生するようになった。トンネルとともに、今後もシリーズの定番になっていくと思われる。
――また、「ときめきメモリアル」は、オープニングとエンディング(と、バットエンド)が全て歌となっている。この作品では、魔王ヒロインである藤崎詩織の声優が主題歌を担当しており(バッドエンドでは男友達の声優)、ゲーム版の“キャラソン”である。その演出が、リアルタッチのゲームとは異なる、アニメ作品のような雰囲気を醸し出していた。なお、初代「ときメモ」は、プレイステーション版で有名となったが、初登場はPCエンジンというCD-ROMゲーム機であり、低予算作品であったという。それが、恋愛シミュレーションというジャンルで一時代を作り上げるのだから、世の中は分からない。
そして。かなり後の、2010年代になってからプレイした「ペルソナ4」(私の時は、Vita版の「ザ・ゴールデン」)では、“日本人の思い浮かべる洋楽”をテーマとしているのか、通常戦闘からイベント曲まで、何かと歌付きのBGMが流れる。この作品は、2008年発売であり、対応ハードはPS2であるが、3DモデルはFF9みたいな極めて慎ましい出来となっている。ただ、止め絵を多く使用したアニメ的な作りと、前述した鮮烈なBGMにより、私にかなり強い印象を残したゲームであった。なお、「ペルソナシリーズ」という枠で言うと、どうも前作の『3』から、洋楽風のBGMが用いられ始めたようだ。その後の『5』でも、演出の方向性は同じとなっており、完全に定着をしたようである。
――ちなみに、「ペルソナ4」では、「移動画面で敵に攻撃して戦闘を開始すると、先制攻撃でバトルを始められる」という、今のゲームでは基本となったシステムも投入されている。声を多く使ったBGM演出といい、私は『FF13-2』はペルソナ4から影響を受けたのではないかと思っているものだ。
そんなわけで。以上の話題の大半は、SFC→PS→PS2と、ゲームの進歩が著しかった時代の話である。
…やれ、最近では、ゲーム機の性能が青天井になってきたためか、コーラス付きのBGMが普通になっており、いざ流れたとしても、「あ、また歌ってるな」というくらいにしか思わなくなってしまった。モンスターハンターだと、『ライズ』だけでなく、『アイスボーン』でも、「これは…歌…?」という感じで、声の入ったBGMが大量に存在した。良くも悪くも、人の声は“楽器の一つ”となってしまった感がある。
――やれ。ここ数年は、しばらくゲーム業界が進歩してきたが、今現在は、個人的には停滞感を覚えている。そのため、これから普及するであろうPS5や、まだ見ぬ任天堂次世代機などで、これまでに無いような、全く新しい体感をさせてほしい。もう“人の声”は普通になってしまったので…そうですね、次のプレイステーションは、静脈から投与する感じでどうかな…。
(2021年8月5日)
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