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管理人の日記
【呪!】VitaTVでのPSP版と、WiiUのGBAバーチャルコンソール、今後も現役確定
とりあえず、PS4とかスイッチでも出そうぜ? |
本日朝早く、海外の新作発表会で、「ファイナルファンタジー:ピクセルリマスター」という作品が公開された。いわゆる「ドット絵」で描かれたFF1〜6を、現行機にリマスターして移植するというテーマであり、対応ハードは携帯電話とパソコンになってしまった…。
――いやいや。そこは、PS4とかスイッチで出すべきだろうよ。まず、これらのFF1〜6が、現代にも語り継ぐべき名作であることには、今さら言うまでもないことである。しかしながら、以前にPS3/Vita/PSPストアの終了が発表されたときの記事(【日記:2021/3/31】。なお、現在はストア終了は撤回済み)にも書いた通り、これらのFF1〜6は、現行機と言えるPS4とニンテンドースイッチでは全く遊べないという問題が存在した。そこをまとめて補完してくれるのであれば、この「ピクセルリマスター」は、大いに意義のある作品と言えるだろう。単純にプレイするだけとしてはもちろん、現代ならば、動画やキャプチャ画像を作成する“配信用”としての需要も大きいと思われる。
…しかし、現実には、この「ピクセルリマスター」は、携帯電話とパソコンのみの対応である。そもそも携帯電話では、FF1〜6が既に配信されている。パソコンも、複雑で正確にはよく分からないのだが、似たような状況であると思われる。つまり、まだ需要が存在すると思われるPS4やスイッチで出さず、逆に欲しい人が極端に限られる携帯電話とパソコンでのみ出すというメチャクチャな状況となってしまっているのだ。何だコレ。後にPS4やスイッチにも移植する気かもしれないが、初出バージョンの評判が悪ければ移植先でも買う人は居ないぞ。
そして。対応ハード以外にも、問題は山積みである。今回の「ピクセルリマスター」について、本日公開されたのは、30秒ほどの短い映像(【YouTube】)なのだが、それを見たところ、内容面が満足なクオリティになるとは思えないのだ。
…さて。FFシリーズの旧作は、FF1・FF2・FF4を中心に、何度も移植が為されており、最終バージョンであるPSP版では、かなりハイクオリティなドット絵が楽しめた。FF3は、高クオリティのドットバージョンは無いが、代わりにDSでの3Dフルリメイクが存在する。一方、FF5と6は、携帯電話アプリとして移植が為されたが、宇宙人みたいな気味の悪いドット絵になっており、操作性とのダブルパンチで、大きくプレイ意欲を削がれるものであった。
――そんな感じで、単純に「ドット絵のFF」と言っても、様々なクオリティの作品が存在する。そのためか、今回の「ピクセルリマスター」では、統一された品質で2D作品のFF1〜6を移植するというのが、テーマの1つとなっているようだ。しかし、そのクオリティは残念な感じである。トレイラームービーには、ドット絵のFF1〜6のキャラクターが数多く登場しているが、例えばFF6のキャラクターで比べてみると、明らかにSFC版よりも新規絵のほうが劣っている。「ピクセルリマスター」のドット絵の品質は、せいぜいSFC初期のFF4と同程度であり、元々の質が頂点だったFF6や、FF1・FF2・FF4のPSP版とは、比べるべくもない。ドット絵にこだわった移植のはずなのに、過去最高どころか、オリジナル版と比べても劣化している点があるのだ。
………。ま、まあ、とりあえずPS4とかスイッチに配信しよう。話はそれからだ |
そして、更に不快な情報を追加せねばなるまい。この「ピクセルリマスター」が、海外イベントで発表されたのは、日本時間の本日午前4時台なのであるが、その後に、日本のFFシリーズ公式サイトでも、【ニュース記事】が作成された。それによると、「ピクセルリマスター」の特徴は、「これまでこの6作品(FF1〜6)はそれぞれ移植やリメイクが行われていましたが、今回は各作品のオリジナル版をもとに統一した品質で2Dリマスター」とのことである。
…いやいやいや! これは、どう考えても、GBAやPSPでの追加要素は収録されないパターンであろう。まあ、「FF3やFF4の3Dフルリメイク」は、“ドット絵”というテーマから外れるため、仕方ないかもしれない。しかし、「FF1,2,4,5,6のGBA版での追加要素」や、「FF1,2のPSP版での追加ダンジョン」、PSP版FF4でフル収録された「ジ・アフター」などは、FFシリーズ初期の名作に、新たな魅力を付け加えてくれるものであった。それらを全く収録しないようでは、決定版と呼ぶのは難しいのである。
――もちろん、この「移植/リメイクでの追加要素が収録されない」というのは、公式に明言されたことではない。しかしながら、わざわざ移植・リメイクの存在に触れたうえで、それでも「オリジナル版をもとに」と宣言していることから、追加要素を削ってくる可能性は高いと考える。これまでの移植での新規要素は収録されないうえ、「統一された品質でリマスター」と言ったところで、必ずしもクオリティが上がるわけではない…。原作やれば良くない?
そんなわけで。今回の「ピクセルリマスター」は、念願であったFF1〜6の“現行機”への移植と思いきや、対応ハードが携帯電話&パソコンという需要不明の状況になっている。そして、品質面においても、ドット絵のクオリティが特別に高いわけでもなく、GBAやPSPでの追加要素も収録されない恐れがある。何なんだこれは。PSP版を再移植してくれたほうがよっぽど嬉しいぞ。
――まあ、こんな内容であっても、せめてPS4やスイッチといった一般的なゲーム機で出てくれるのであれば、シリーズをまとめて遊びたいという人や、画像・動画を配信したい人に向けた物として、一定の需要はあるだろうし、私も購入しておきたい。しかし、携帯電話とパソコンについては、私はゲーム機と思っていないため、全くやる気が起きない。これで値段が1800円とかになるならまだしも、恐らくは強気の価格設定をしてくるであろう。本気で、どういう層に売りたいのか、私には分からない。まあ、まともな移植の少ないFF5やFF6については、他よりはまだ需要があるレベルだろうが…。
ということで。この「ピクセルリマスター」は、初報からダメな雰囲気が漂っており、この先の運命は極めて苦しいと言える。
…やれ、ここからどう軌道修正をすれば、この「ピクセルリマスター」は、名作たちを移植した“決定版”となりうるのか。そうだね、一番の理想は、「PSP版をベースとしたハイクオリティなドット&追加要素盛り盛りで、FF1〜6をリマスター」というものなのだが、「ハイクオリティなドット」も「追加要素盛り盛り」も実現されそうにない。ならば、FF1,2,4はPSP版を、FF3はDS版を、FF5,6はSFC・GBA・アプリ版のいいとこ取りバージョンを、それぞれリマスターして、PS4やスイッチといった現行ゲーム機に移植するというのがあるだろう。決定版を名乗るのなら、最低でもこれくらいはやってくれないと困るのだが、現実は非情であり、劣化版を需要不明ハードに出すだけである。そもそも、対応ハードがアレなので、「嫌なら買うな」というレベルですらなく、買えないのである。このままの移植では、私にとっては、FF5&6の携帯電話アプリ版、つまりガッカリ版と同程度の存在になるだろう。
――あい分かった。ここは、思い切って、FF1〜6という情報が間違いだったことにしよう。つまり、FF7〜13を、あえてドット絵で移植するのである。これならば、原作のドットが無いため、“劣化版”という言葉自体が存在しなくなる。また、ゲーム全体が追加要素のようなものなので、何が減った・何が増えたという話も問題になりにくい。そして、初代PS以降で3D化したFF、その中でも特に賛否の分かれやすいFF12や13についても、ドット絵という舞台に表現を移せば、異なる面が見えてくることもあるだろう。我ながら、その場しのぎで考えた割には、中々のナイスアイデアである。今回の、FF1〜6の情けない移植は、FF7完全リメイクの発表前のFF7リマスター(【日記:2014/12/7】)のように、その後の展開への布石であってほしいなあ…。
(2021年6月14日)
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