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2021年5月29日(土)
「ヨッシーアイランド(GBA版)」感想…マリオにダッシュボタンは不要?


 
今さら言うまでもない、2Dマリオ最高級の大傑作


 先日のDS版のクリア
【日記:2021/5/16】に引き続いて、今度は初代のほうの「ヨッシーアイランド(SFC/GBA)」をプレイしてみました。バージョンは、20年近く前に買ったGBA版のソフトが残っていたので、それをDSliteで遊びました。
 …さて、「ヨッシーアイランド」は、1995年に発売された
2Dマリオの本編作品であり、マリオの相棒である「ヨッシー」を主人公に据えたアクションゲームである。新アクションとして、「ふんばりジャンプ」「タマゴを作って投げる」などが用意されており、マリオとは一味違った操作感が味わえる。また、探索型のゲームスタイルを搭載しており、赤コイン・フラワーといったアイテムを集め、100点クリアーを目指すというやり込み要素が用意されている。全ての通常面で100点を取ると、高難易度のスペシャルステージが解禁され、こちらで100点を獲得するというのが、ゲームの大きな目標となる。
 ――そして、本作は、既に次世代機への移行が始まっていた時代のSFCゲームということで、グラフィックなどの演出が凄まじい。絵本のような世界観をベースとしつつも、ドット絵の書き込みが緻密であり、一部の演出はDS版よりも優れているくらいである。サウンドに関しては、特に強く印象に残るものではないが、逆に言うと、高度なグラフィック表現に見合った音響になっていると言える。
DS版は、音の演出が悪い意味で印象的だったため、なおさらだ。総合して、今更わざわざ私が言うまでもない、2Dマリオの中でも最高級の傑作と言える。

 ということで。この「ヨッシーアイランド」は、純粋な出来としても最高峰であるほか、SFC時代の任天堂ソフトが行き着いた先としての、歴史的な価値もある。まだプレイしたことが無い人が居れば、是非とも遊んでみてほしい。
 …その方法として、現在ならば、
「ニンテンドースイッチ オンライン」の配信タイトルとしてSFC版がラインナップされているため、該当サービスに加入していれば、追加料金なしでプレイ可能である。これを携帯機モードでプレイするのが、最も手軽な遊び方であろう。携帯機でのプレイなら、古いゲームであっても、抵抗を感じづらいと思う。後述する“GBA版での追加ステージ”は無いものの、質的にも量的にも十分なゲームである。
 ――また、GBA版は、当時のハードの都合上、若干の劣化が見られるものの、
FF6ほど極端な劣化版とはなっていない。そして、本編のクリア後には、「ひみつ」と題した追加ステージが6つ用意されており、既存面と比べても遜色がないどころか、それ以上にやりごたえのあるくらいのステージたちとなっている。そのため、機会があれば、是非こちらにも挑戦してみてほしい。ただ、プレイ環境としては、GBAのカセット版(? 当時はDL版が無かったので、この呼び方で良いのか分からない…)をGBAかDS関連のハードでプレイするという他には、3DSを2万5000円で買ってしまった人へのアンバサダープログラムと、WiiUでバーチャルコンソール版が配信されているという感じであるため、今から環境を用意するのは骨が折れるというのが難点かもしれない。

 ちなみに、GBAで発売された「スーパーマリオアドバンス」は、『(1)』〜『4』までのナンバリングが振られているが、ヨッシーアイランドを移植した『3』以外は、
かなり魅力に乏しい作品となっている。
 …まず『1』は、スーパーマリオUSAの移植であるが、これは
「マリオコレクション」の4作品のうち1つを移植しているだけであり、新ステージ等の決定的な追加要素があるわけでもない。また、『2』は、マリオワールドの移植ということで、元々の作品の人気は高いのだが、これもステージなどの大きな追加要素は無しである。追い打ちとして、現在では『1』『2』の収録作品のオリジナル版がスイッチオンラインで配信されており、その他の移植も多いため、GBA版をわざわざプレイする必要は全く無いと言えるだろう。
 ――そして、『4』については、マリオブラザーズ3の移植であり、これも「コレクション」4作品の1つなのだが、
全38もの新規ステージなど、多数の要素が追加されている。だが、その解禁方式に問題があり、「カードeリーダー+」という6980円もする周辺機器を購入したうえで、トレーディングカード形式のパックを購入して「コースカード」を読み込まなければ、全く追加要素は出てこない。まさに、有料DLC・課金ガチャ・関連商品商法の悪いところ取りをしたような最悪の方式である。しかも、本体部分はただの過去作の移植なのだ。もしこれが現代ならば、非難轟々は避けられないだろう。果たして、GBA時代に、全てを揃えられた人は居たのであろうか…。一応、WiiUバーチャルコンソール版では、全要素が最初から解禁されているようだ。

追加ステージ最後の「はてしない ヨッシーのせかい」は今も忘れられない


 さて。いつものように話が逸れてしまったが、私が今回「ヨッシーアイランド」をプレイして感心したのが、
ダッシュボタンが廃止されていることである。GBAはボタン数が少ないから…と言いたいところであるが、SFC版の時点でダッシュコマンドは存在しなかったようだ。
 …さて、ご存じの通り、マリオシリーズにおいては、初代の「スーパーマリオブラザーズ」の頃から「ダッシュボタン」が存在し、押しながら左右移動をすることで、地面を高速で走れると同時に、助走を付けてダッシュジャンプをすることで、通常よりも飛距離が伸びる。マリオシリーズは、基本的には障害物をジャンプで乗り越えていく“ジャンピングアクション”であるため、この「ダッシュ」
ゲーム性の根幹を為す要素と言える。
 ――しかしながら。ダッシュがあまりにも重要であり、逆に“ダッシュを使用しないメリット”がほとんど無いため、
ダッシュボタンが常に押しっぱなしになるという問題が発生する。これでは、指が痛くなるうえに、コントローラーの寿命的にも良くない。しかも、2DRPG作品などと異なり、マリオシリーズではプレイ時間の大半がアクションシーンであるため、冗談でなくBボタンは押しっぱなしである。私が最近マリオをプレイしたハードでは、1つのボタンの周囲だけ明らかに汚れるのだが、それが“ダッシュボタン”なのだ。
 ということなのだが、今回プレイした「ヨッシーアイランド」では、ダッシュが廃止され、左右ボタンだけで走る動作が行えるようになった。それを、実際に私がプレイした感想としては、
ボタンの押しっぱなし操作から解放され、非常に快適であった。また、十字キーの連打速度によって移動速度を調整できるため、「移動が速すぎて困る」という場面も全く無かった。廃止の理由は、恐らく「敵を食べる」「タマゴを投げる」といった新アクションの採用によって、ボタン操作が過剰に複雑となることを避けたかったからであろう。

 そんなわけで。ヨッシーアイランドにおける「ダッシュボタン」の廃止は、私にとって実に良いことであったのだが、
その後のマリオシリーズでは、再びダッシュボタンが復活している。現状の決定版と言える「NewスーパーマリオブラザーズU デラックス」を始めとした2Dシリーズでは、全て“ダッシュボタン”が存在する。また、ヨッシー主人公の作品でも、地獄に一番近い島である「ヨッシーアイランドDS」では、“舌で舐めるボタン”と“ダッシュ開始ボタン”が同じになっているため、走り始める前にベロを出すという汚いヨッシーが数多く観測された。こういうことを避けるために、SFC版ではダッシュを廃止していたのだと思うのだが…。
 ――しかしながら。任天堂ファンの中でも、
とりわけ2Dマリオを遊ぶのは、保守的な人が多いと思われる。そして「Bダッシュ」は、同名の曲が存在するくらい、マリオシリーズの象徴的な操作である。そういう人たちのために、ダッシュボタンを廃止できないのかもしれない。
 ただ、私の考えとしては、ダッシュの無かった「ヨッシーアイランド」は実に快適であったため、他の作品でも、ダッシュボタンは廃止してほしいと思う。ゲーム性の都合上、ダッシュと歩きを使い分ける必要があったとしても、
通常移動をダッシュにし、「歩きボタン」を作れば良いだろう。

 ちなみに。マリオシリーズにおいても、必ずしも過去に囚われすぎているというわけではない。例えば、同じく存在が形骸化している
「残機」については、3Dマリオの最新作である「オデッセイ」では廃止が為されているようだ。
 …そもそも、家庭用ゲーム機では、「ゲームオーバー」という区切りは必要ない。そして、2D作品は、基本操作がシンプルであるため、私がプレイすると、完全クリア時には残機が100を超えているような場合も多い。
探索要素のある作品で、探索の結果が1UPだった際は、完全に外れ扱いであった。やれ、私は、ここ最近で多数のマリオ作品をプレイしたが、残機がゲーム性を左右すると思ったのは、高難易度の「サンシャイン」のみであった。その他の作品では、せいぜい香り付け程度にしかなっておらず、廃止されるのも妥当であると考える。
 ――ちなみに。「ダッシュ」で思い出したのは、
ロックマンシリーズである。あれも、『X』シリーズでは、初期設定だとAボタン(PSだと○ボタン)がダッシュという、モンハン持ちまがいの特殊操作を要求されるが、キーコンフィグでLボタンをダッシュにする(特殊武器変更は、X・Y、△・○あたりに割り振る)と、大幅に操作が行いやすくなった。この操作は、GBAの『ゼロ』シリーズから逆輸入したものである。GBAは、ボタン数が少ないこともあって、「メトロイド」のように、操作性が洗練された作品が多かったね。なぜ、2Dマリオのダッシュは、その後のハードで退化してしまったのか…。

 ということで。また話があちこちに脱線したが、まとめると、私の考えとしては、
「2Dマリオのダッシュボタンは廃止すべき」と思う。理由は、ダッシュをしないことによるメリットが少なく、プレイ中の大半でボタンが押しっぱなしになるだけだからだ。そして、実際にダッシュボタンが廃止された「ヨッシーアイランド」をプレイして、実に快適に感じたからである。
 …しかしながら、
実際には、2Dマリオのダッシュボタンは廃止されていない。これには、「Bダッシュ」がマリオの伝統として受け入れられているからか、操作が単純になりすぎることが敬遠されているのか、はたまた、私には分からない、深淵なる理由があるのかもしれない。
 ――そんなわけで。皆さまは、「ダッシュボタン」について、どう思いますか?

(2021年5月29日)

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2021年5月16日(日)
「ヨッシーアイランドDS」再感想…地獄に一番近い島


 
尋常ではない鬼畜ゲーで、音楽も狂った雰囲気


 先日の「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」
【日記:2021/5/1】に引き続き、今度は「ヨッシーアイランドDS」をクリアーしました(全ステージ100点&メダルコンプリートまで)サイコパスみたいなゲームでした。
 …まず、このゲームは、いわゆる「知育ブーム」の全盛期であった2007年3月に発売されたものであり、私は、GBA移植版の「ヨッシーアイランド(SFC)」をかなり気に入っていたことから、任天堂ソフト最後の希望として、発売直後に購入してプレイした。ただ、当時の感想は
クソゲーそのものという感じであった【日記:2007/3/8】など)。何が駄目かって、アクション面の細かい劣化点が多いことと、BGMが致命的なまでに悪いのである。2Dアクションの中でも最高傑作に近い「ヨッシーアイランド(SFC/GBA)」に比べ、大幅に劣る作品と感じたのだ。
 ――やれ、当時の私は、“知育ブーム”に対する世間の熱狂に付いて行けず、既にウンザリしていた。また、マリオシリーズの本編だと思っていた「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」も、そこまで深く楽しめる作品とは感じなかった。そこに、この「ヨッシーアイランドDS」と、1ヶ月ほど後に発売された
「逆転裁判4」が追い打ちを掛け、以後15年近く任天堂ゲームから離れることになったのである。しかし、その時と今とでは、状況が大きく変わっているため、また感想も変わってくるかもしれない。そう思って、全ステージ100点までプレイをしてみたのである。

 そんな
「ヨッシーアイランドDS」の再プレイの感想としては、頭のおかしなゲームであった。特に、難易度とBGMのミスマッチがイカれている。
 …まず、本作は、率直に言って、出来が良いとは言えないゲームである。その意味は、
細かい部分について、SFCの「ヨッシーアイランド」と比べ、劣化点が多すぎるということだ。例えば操作性、例えばドット絵の品質、例えばカメラ動作、という感じである。DSは、SFCとは比べ物にならない性能を持つハードであり、それでSFCよりも劣化しているのは、情けないとしか言いようがない。
 ――具体的に、作中では、赤ちゃん時代のクッパ
(SFC版からの流用)と大人クッパ(DS版の新規)が相対する場面があるのだが、大人クッパのドット絵のクオリティが悪く、かなり浮いてしまっている。また、DSの2画面をアクションに活かしているのは意欲的とも言えるが、おかげで上下画面の両方を見ねばならず、視点の悪さも相まって、2つの画面を広々と使っているのに狭苦しいという妖しいゲームになっている。

 が、そんな細かいところまで気にしていては仕方がない。私は、それらをとりあえず保留したうえで、全ステージ100点クリアーを目指していって、驚いた。
このゲームは、とんでもなく難しいのである。特に、最終ワールドのW5と、隠しステージであるスペシャル&ひみつは、地獄そのものであった。
 …具体的に何が難しいのかと言うと、本作は1ステージが長いうえに、中間ポイントが少ない。しかも、概ね4つほどに分かれたエリアは後戻り不能であるため、最後まで進めて満点を取れないことに気づいても、もう挽回は不可能である。というわけで、
100点クリアーは、攻略サイトがなければ理不尽の域である。また、SFC版で救済要素となっていたアイテム使用が無いため、「中間ポイントを通った後に1発でも喰らったら即終了」みたいな場面が普通に存在する。そして、敵・仕掛け・即死トラップの配置も巧妙であり、難関ステージでは1ミス即終了でかなり前の中間ポイントからやり直し、という場面が散見される。ただクリアーするだけでも難しく、満点攻略などは2Dマリオの最難関と言って良いだろう。でも、他の2Dマリオ作品にも、スペシャルステージなどの難関があるから…と言いたいところであるが、「ヨッシーアイランドDS」は、他作品のスペシャルステージを、中間ポイントで3つ繋げて、連続クリアを要求するくらいの難しさであるな。
 ――そして、そんな超凶悪難易度を、
雰囲気ぶち壊しのファンシーな音楽が彩ってくれる。「ヨッシーアイランドDS」のBGMは、明るすぎるうえに音が軽く、あまり良い出来ではない。しかも、それでポップな感じのゲームならともかく、本作は煮えたぎる釜の上でヨッシーを綱渡りさせるようなゲームのため、まさに正反対であり、ミスマッチと言わざるを得ない。SFC版の「ヨッシーアイランド」も、そこまで音楽が評価されていたゲームではなかったが、DS版と比べると、ゲームの雰囲気に合っており、よく出来ていたと思う。ちなみに、DS版では、効果音も情けない感じになっていたりする。

 そんなわけで。具体的に、私が「ヨッシーアイランドDS」で苦戦したステージはと言うと、まあ前述の通り、最終ワールドのW5と、スペシャル&ひみつは全て苦戦したのであるが、その中から1つずつピックアップをしてみることにしよう。
 …まず、通常ステージでは、5-5の
「ちょ〜なが〜い どうくつ」である。ご存じ、SFC版6-5「すご〜くなが〜い どうくつ」のオマージュであるが、難易度は桁違いである。まず、どちらも強制スクロール面であるが、長さはSFC版が約6分、DS版が約11分であり、後者のほうが2倍近くなが〜い。また、DS版では、あらかじめ把握しておかなければアイテム収集が不可能な地点が複数あり、そこで失敗して、何度も中間ポイントまで戻されてしまった。特に、第1〜第2チェックポイントの道が上下に分かれるところと、第2チェックポイント〜ゴールまでの難易度は激烈であり、クリア直前に「やっと100点だー!」と思ったところで上から落ちてきたフラワーに喰われて失敗した時には、奇妙な声が響き渡ってしまった。
 ――また、クリア後では、ひみつ1の
「ヨッシータワーへようこそ」を挙げたい。スペシャル系統のステージと違い、「ひみつ」はエンディングを見さえすれば解禁される。そして、ステージの題名自体は、実に楽しげである。ただ、その実態は、「足元に迫ってくる溶岩から逃げながら、敵の猛攻を凌ぎつつ、アイテムを集めて最上階から脱出する」というデスゲームみたいな内容である。ステージの性質上、中間ポイントが存在しないことと、スターのお守りの個数が苦しいため、ダメージも減らさなければならない。例によってBGMは、軽く楽しげな感じであるため、完全に気が狂っている。なお、攻略サイト様では、序盤のステージでは、本作について「任天堂の株価は日本トップレベル」などと持ち上げていた(?)ものの、ゲームが進むにつれて辛辣な文章が増えていき、このステージのことは「ヨッシーを苦しめるために作られた悪の要塞」と評している。それって、このゲームそのもののことじゃないかな?

※通常ステージです。あと喰らったら満点は不可能


 そんなわけで、15年ぶりの
「ヨッシーアイランドDS」の感想は、常軌を逸した超凶悪難易度に対し、気の抜けた音楽が流れ続けるという、サイコパスみたいなゲームという感じであった。
 …ただ、個人的には、
こういう方向性にしたことは、ある意味で良かったと思う。というのも、繰り返しになるが、本作は基本部分の出来が悪く、SFC版の「ヨッシーアイランド」を超えるどころか、同等にすら達せていない点が多い。なら、それで難易度まで低かったら、本当に味が薄いだけのゲームで終わってしまうのである。そのため、狙ったかどうかは不明であるが、本作を2Dマリオ最凶難易度としたのは、正解だったのかもしれない。BGMも、まあ狂った雰囲気を演出するという意味では、この作品に合ってはいると言えるのかな。
 ――ちなみに、私が最近プレイした「スーパーマリオ サンシャイン」も、かなりの高難易度であった
【日記:2021/2/11】が、あちらは独特の操作性や、難易度バランスの悪さが、難しいと感じる原因であった。それに対し、「ヨッシーアイランドDS」は、操作の簡単な2Dアクションであるうえ、序盤から裏面に向けて順調に難しくなっていく。それで、これだけの苦戦を強いられるのだ。さすがに、これがマリオシリーズでは最難なんじゃないかな…。

 ということで。結論を言うと、「ヨッシーアイランドDS」は、基本部分の出来が良くないうえに、気の狂ったような難しさに反して、明るいBGMが流れ続ける、イカれた雰囲気のゲームである。しかし、それだけに
奇妙な魅力を持っている作品とも言える。
 …まあ、本作は決してクオリティは高くないし、万人向けとは程遠く、プレイ中はウンザリしたりイライラしたりすることも多かった。しかし、
意外と楽しんでしまった自分が居たことも事実である。たぶん、100人がプレイしたら、1人くらいはハマる人が出てくるのではないだろうか。
 ――ということで。15年ぶりの「ヨッシーアイランドDS」の感想は、
サイコパスみたいなゲームであるが、変な魅力が存在するというものであった。まさに、「ヨッシーサイコパスDS」である。本作は、マリオシリーズを“一般向けの優等生なゲーム”だと思っている人には、全くお勧めできない。ただ、ヨッシーを地獄の釜に叩き落として登ってくるのを見届けたいとか、傷だらけになったヨッシーを回復させて再び苦しめることで憎しみを増やしたいだとか、お互い苦しめあうことに愛の成就を感じるとか、剣山の上で逆立ちさせて尻から花を挿入したいだとか、そういう奇行に魅力を感じる方は、是非どうぞ。

(2021年5月29日)

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2021年5月1日(土)
DS「Newスーパーマリオブラザーズ」再感想:特別つまらなくはないが…


 
あんま痛そうじゃないんだよなあ


 少し前に中古屋で購入した
「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」をクリアしました。15年ぶりの再プレイの感想は、「言うほどつまらなくはないが、かといって特別に面白いわけでもない」というものでした。この記事も、便宜上、【「3Dマリオ」のタグ】で管理させていただきます。
 …さて、この「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」は、今から15年ほど前、2006年の「知育ブーム」の際に発売され、
日本国内600万本という指折りのヒットを飛ばした作品である。しかし、私も当時プレイをしたが、あまり面白いとは思わなかった【日記:2006/6/5】など)理由は、既に任天堂の2Dアクションとして、「スーパーマリオワールド」「ヨッシーアイランド(SFC/GBA)」と言った伝説的な傑作が存在するのに、それらと比べて、特に優れた出来とは思えなかったからである。
 ――だが、それにも関わらず、世間では「売り上げ! ゲームの新たな進化! 誰でも楽しめる!」と大絶賛されており、それに私は強い違和感を覚えた。やれ、「誰でも楽しめる」とはこの手のゲームで頻繁に出てくる言葉だが、
私はその「誰でも」ではないということだろうか。そして、その後に発売した「ヨッシーアイランドDS」「逆転裁判4(カプコン)酷いクソゲーだったことが決定打となり、私は任天堂界隈から15年も離れるに至ったのだ。

 そして。今回は、そんな曰く付きの作品を15年ぶりにプレイしたのだが…その感想は、冒頭に述べた通り、
「言うほどつまらなくはないが、かと言って、特別に面白いわけでもない」という感じである。
 …まず、この「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」の基本ルールは、
一般的な横スクロールの面クリア型2Dアクションである。過去の2D作品と比べ、追加アクションは壁蹴りくらいで、これと言った大きな新要素は無い。タッチパネルや2画面も、フレイバー程度であって、特に大きくは取り入れられていない(もっとも、それらの要素をミニゲームに集約させたのは、無難だと思う)。パワーアップは、チビ→キノコ→ファイアの基本パターンであって、その他の強化はごく僅かな場面にしか登場しない。コンプリート要素としては、各ステージに「スターコイン」がというアイテムが3枚存在するほか、寄り道ステージが幾つか存在するが、スペシャルステージやタイムアタックといった“裏面”的な遊び要素は無い。
 ――また、演出やグラフィック・サウンドにおいても、DSは初代PSや64並みの性能を持っていると思われるのだが、それをフル活用した場面はあまりない
(全くないというわけでも無い)。本作では、ドット絵と3Dが混合した表現が採用されているのだが、そのうちドット絵部分の出来が悪い。クリボーやノコノコといった基本の敵は、ボケボケのくせにヌルヌル動いており、出来の悪いドンキーコングといった感じである。テレサは、大型の固体は3Dなのだが、小型は2Dであり、後者は立体感が無く不出来である。極め付きに、砦・城ステージで登場する杭は、Windowsのペイントで書いたようなショボすぎる外見であり、思わず笑ってしまった。3Dはともかく、ドット絵の出来が悪いのは、言い訳できないというものだろう。

 と、まあ。こんな感じで、
「○○は、無い」という書き方が大半なことから分かるように、このゲームは、決して出来の良い作品とは言えないのである。
 …やれ、上でも挙げた「マリオワールド」「ヨッシーアイランド」は、システムや演出面での目新しい要素が非常に多く、マリオシリーズの本編を名乗るに相応しいタイトルであった。では、この「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」が、その系譜を継いだ正統続編かというと、
とてもそうは言えず、むしろ退化してしまっている。単品での出来が、これといって優れているわけではない。また、3DSの「3Dランド」のように、開発が忙しかったとか、ゲーム初心者向けにするためにはやむを得なかったとか、そういった考慮すべき要素も、特には思いつかない。
 ――まあ、システムをシンプルにしただけなら、当時のユーザー層を考えれば仕方ないかもしれない。それにしたって、もう少し遊び要素を追加するとか、ドット絵についてもSFC以上に立体感のあるハイクオリティなものにするとか、いろいろできたであろう。似たような時期に発売した「ギャラクシー」と比べても、斬新さでは大きく劣っている。
どうしてこんなものがマリオシリーズ最大級に売れてしまったのか、よく分からない…。

最近まで積んでいたWiiU版です。このステージだけでマリオが30人ほど海に還っていきました…


 というわけで。今回プレイした「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」については、
「当時の知育ブームのユーザー層に合わせて、よく売れた」という点以外に、積極的な評価点を見つけることは難しい。内容は、「特別に悪くは無いが、かと言って目新しい要素も無い」という程度であり、初心者向けとしても、歴代ユーザー向けとしても、取り立てて秀でた点は感じられない。当時の私は、この作品を「クソゲー」と評価したが、期待していた内容(「ワールド」「ヨッシーアイランド」の正統続編)との落差が原因であるため、自分の中での「ガッカリゲー」と呼ぶのが妥当であると思われる。
 …まあ。一応は、
「楽しめた人が多い」というのは、大きな評価点と言える。そして、私がその後にプレイした「ヨッシーアイランドDS」は問題点だらけの作品であるため、そういった極端なクソゲー要素が無いというのも、やや後ろ向きながら、長所と言えるだろう。
 ――ちなみに、2Dマリオなら何が良いのかと私に聞かれれば、私は
「ヨッシーアイランド(SFC/GBA)」が今なお最高傑作だと思っている。GBA版の「マリオアドバンス3」ならば、現在ではプレイ環境を用意しづらいものの、「ひみつ」と題した追加ステージが6つ存在し、そのどれもが出来が良く、やり応えがある。また、現行機ならば、スイッチの「マリオブラザーズU デラックス」は、遊びやすさ・ボリューム・奥深さのバランスが良く、かなりいいところまで行っていると思う。中古でも5000円くらいするが、その難点が無視できるのなら、最良に近い選択肢となるだろう。

 なお、その後の展開であるが、売り上げ面における大成功が評価されたのか、それともゲーム初心者には2Dマリオが適切と判断されているのか、
「Newスーパーマリオブラザーズ」でシリーズ化が為され、各ハードごとにシリーズ内続編が発売されるのが恒例となった。
 …具体的なラインナップとして、「Newスーパーマリオブラザーズ Wii」がWiiで2009年に、「Newスーパーマリオブラザーズ2」が3DSで2012年に、「NewスーパーマリオブラザーズU」と追加パックの「NewスーパールイージU」がWiiUで2012年と2013年に、そしてWiiU版の2作を移植した「NewスーパーマリオブラザーズU デラックス」がスイッチで2019年に、それぞれ発売されている。スイッチ版はWiiUの2作の移植であるが、その他は別物であり、一部の素材に使い回しが見られるものの、ステージ構成は別物となっている。
 ――ちなみに。私は、上記の中で、WiiU版の「NewスーパーマリオブラザーズU」を、最近になってプレイした。その際には、「あまり進歩が無い」などと思ったものであったが、DS版と比べた場合、
「滞空時間を伸ばす空中スピンの採用」「ムササビマリオ、アイスミサイルマリオといった強化のバリエーション」「フル3Dによる統一感のあるグラフィック」「スペシャルステージの登場と、多彩なおまけモードの追加」などなど、大きく進化している。どうも、DS→Wiiの際に、さすがにDS版はあんまりな出来と判断されたのか、大幅なパワーアップが為されたようだ。そして、現行のスイッチ版は、追加パックの「ルイージU」も同梱されているため、質・量の両面で優れた一品になっており、スイッチの操作性も近年の任天堂ハードの中で最も秀でていることから、決定版に近い内容であると言える。まあ、ソフトの値段が未だに定価とほぼ変わらないのは、私にとっては難点であるが…。

100点満点クソガイド?


 というわけで。今回15年ぶりにプレイした「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」は、これと言った前向きな評価が出来る作品ではなかった。ただ、その他の作品と比較することで、あの2006年という時代を考えるうえでの良い材料となった。
 …個人的には、この辺りの時期が、“知育ブーム”による粗製乱造のピークであって、
当時の判断として、ここで任天堂ソフトから離れたのは妥当であったと思う。一方で、その後の展開を現役で見届けなかったのも、これまた少し勿体なかったかなと考える。なお、ソフトウェア面については、この辺りの時期が底であったようだが、ハード面については、Wii・3DS・WiiUといったおかしなゲーム機を出し続けていたため、その辺りで判断を誤ったというのもある。これらに比べると、スイッチは、随分まともな内容になったものだ。逆に、ここ15年くらいの任天堂ファンにとっては、物足りないのでは?

 そして。私が次の作品としてプレイしているのは、同時期に発売された
「ヨッシーアイランドDS」である。
 …こちらは、打って変わって
問題点まみれの作品であり、2007年当時の私の評価も酷いものだった【日記:2007/3/8】など)が、今プレイしてみてもヤベぇゲームであると感じる。ただ、まあご存じの通り、この日記の文章は良ゲーを褒めるよりもクソゲーを叩いたほうが面白くなることが多いので、それを意欲にして、コンプリートを目指して頑張ってみたいと思う。

(2021年5月29日)

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