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管理人の日記
ゲームだって、素敵な思い出になるのです。
甲乙付けがたい歴史的やり込みゲーです |
「PSP(プレイステーション・ポータブル)」は、2004年12月(←!?)にソニーから発売された携帯ゲーム機である。最近になって、やっと後継機であるPSvitaが本格稼働を開始し、PSPのことも“思い出”として語れるようになったと思う。そのため、今回記事にしてみることにしよう。
…まず、PSPの最大の特徴は、何と言っても携帯機で高性能路線が目指された初めてのハードということである。当時のゲーム業界では、「高度な映像表現は据え置きで味わうものであり、携帯機は性能が低くて構わない」という、今では有り得ない考え方が常識としてまかり通っていた。もっとも、当時の最新携帯ハードであるGBA(任天堂/ゲームボーイアドバンス)の性能はやっとSFC(任天堂/スーパーファミコン)を追い越したかどうかというレベルであったため、そのような認識になるのも仕方なかったのかもしれない。
――そんな中に、PSPが現れたのだ。まだブラウン管が主流だった時代にいち早く16:9のワイド画面を持ち、そして据え置き並みの高性能をひっさげてである。その他の機能としても、単体で音楽や動画再生・ブラウザ機能が使えることはスマートフォンが無かった時代としては驚異的であり、後期にはPSstoreに対応して初代PSのタイトルを600円で遊べるようにもなった。これだけのインパクトを持ったハードが2004年に登場したのだから、まったく驚くほか無いというものである。なにせ今から11年も昔の話なのだ。おかしいな、まだ6〜7年くらいしか経ってない気持ちなんだけどな…。
そんなPSPは、当初はライバルハードとの競争に押されて下火であったが、その持ち前の高性能さを活かし、少し経ってから評価がされるようになっていく。当時、2006年11月に発売したPS3がハッキリ言ってコケたとしか思えない惨状となっていたため、その代用品&携帯機ブームの機運も活かして、人気シリーズの大型スピンオフもPSPで発売されるようなことが増えていったのだ。
…そしてそんな中、今では伝説と呼べる存在になった「モンスターハンターポータブル」が登場したのである。当初の「モンスターハンター」は、PS2でオンラインタイトルとして発売しており、中程度のヒットを飛ばしていたが、それがPSPの協力プレイと合わさったことによりじわじわとブームが加速、大いにPSPは普及していった。そして、そのブームの絶頂期に発売された「モンスターハンターポータブル3rd」は、500万本という近年稀に見る大ヒットを飛ばしたのである。それはまさしく「社会現象」と呼ぶべきものであり、売り切れでなかなか購入できなかったことを覚えている人も多いだろう。
――そして。2011年末には後継機であるPSvitaが発売されたのであるが、その後もPSPでは「ゴッドイーター2(2013年11月:PSP/Vita)」など、多くのタイトルが発売し続けた。この息の長さもPSPの特徴であり、未だに愛用しているという人も少なく無いはずだ。確かに、いま見ると画面は荒々しいものの、それを我慢すれば普通に遊べる出来である。こんなにも素晴らしいハードが2004年に発売されたというのは、まったくもってエポックメイキング、いやもはやオーパーツとでも表現すべきだろう。PSPは、まさしくゲームの歴史を変えた傑作ハードなのである。
片手ソロでここまで頑張ってました(2009年9月の画像) |
では、そんなPSPでの、俺のお気に入りタイトルを挙げていくことにしよう。それはもちろん、「モンスターハンターポータブル2ndG」と「遊戯王5D's
タッグフォース6」である。実は、俺はPSPではそんなに多くのタイトルを遊んでいなかったりするのだ。
…まず、前者の「モンスターハンターポータブル2ndG」は、説明不用の共闘アクション金字塔、そのブームが加速する中で発売された作品である。「下位」「上位」に加えて、新たに「G級」が追加されたクエストはやりごたえ抜群であり、ボリュームは「ポータブル」シリーズの中でも最大級である。モンスターの動きやサウンド・グラフィックも素晴らしく、程良く理不尽なところがまた攻略意欲を沸き立ててくれた。俺も、時間にして500時間を超えるほどにハマりこんでしまった。恐らく、単品の共闘アクションをここまでやり込むというのは、今後二度と無いであろう。
――なお、続編の「3rd」は、その出来自体はまとまりの取れた良作なのであるが、「2ndG」よりもボリュームと難度が落ちてしまったこと、そしてマンネリ感をぬぐいきれなかったことから評価が分かれている。俺の感想としても、「モンスターとマップが新しくなっただけの凡庸な続編」というものであり、「2ndG」ほど没頭することは無かった。しかしながら、もしあれが今生の別れだと知っていれば、また違った印象で向き合えていたかもしれない…。
また、後者の「遊戯王5D's
タッグフォース6」は、ご存じアニメの世界観で遊戯王カードの対戦を楽しめるゲームであり、2011年9月に発売され、収録パックは「PHOTON
SHOCKWAVE(“銀河眼の光子龍”)」まで、世界観は当時アニメが終了した直後の「5D's」をモチーフとしている。
…さて、その特徴としては、カードの購入代金や収納スペースや対戦相手(← ………)などを考えずに遊戯王カードでの対戦を楽しめること、アニメの世界観を味わえることなどがあるが、最も大きいのはその手軽さであり、「いつでも」「どこでも」遊戯王カードが楽しめるという特徴が、携帯ハードであるPSPに最高にマッチしていた。そのため、暇潰しや移動時、そして眠る前のプレイなどなど、人生のあらゆる場面で大活躍したのである。やれ、プレイ時間は9600時間という有り得ない数値になっており、これはさすがに寝落ちを含むのだが、実時間だけを考えても1000時間を優に超えることは間違いないだろう。やれ、個人的にはアニメ「5D's」がシリーズ最高傑作だったことと併せて、今なお思い出に残っているゲームなのだ。
――ちなみに、この作品の3年半後、ダウンロード専用タイトルとして2015年1月にPSPで「タッグフォースSP」という新作が発売されているが、これは収録カードが増えた以外は全ての面で『6』に劣っており、3000円という価格をもってしても満足できるかどうかは微妙である(【2015/4/5】)。そして、アニメ最新作「アークファイブ」がとんでもない出来になってしまったこと(【2015/11/3】)も併せ、俺の遊戯王への興味は急速に薄れていってしまった。だからこそ、今でもシリーズの中で最も印象に残っているのが、『6』というわけなのだ。もちろん、またアニメが楽しめる出来に戻り、そしてVitaで真の正統続編である『7』が出てくれるというのが一番の願いなのであるが…。
携帯ゲームハードの歴史を変えた傑作機だと思います |
そんなこんなで。PSPは、「携帯機は低性能で構わない」という固定概念を変えた、まさにゲーム史に残る傑作ハードと言えるのだ。このサイトを見ている方の中で、「全くPSPのお世話になっていない」という人はかなり少ないであろう。それくらいヒットした携帯ゲーム機であり、その後のゲーム文化にも大きな影響を与えた。というか、いま現在でも少し目をつぶれば普通にプレイできるレベルなので、まだ「思い出」という領域にすら達していない人が多いかもしれない。まったくもって、2004年に発売されたとは思えない驚異的なハードなのである。
…さて。そのPSPの後継機としては、ご存じの通り2011年12月からPSvitaが発売されている。しかしながらこれに関しては、同時期に発売された某クソハードがゲーム業界最低最悪レベルの超々々々々々黒歴史(※どの陣営にとっても利益が無い!)をやらかしたこと、そして発売当初はスマートフォンに真っ向勝負を挑んでしまったことなどから、PSPほどのヒットを飛ばすには至っていない。しかし、2016年現在になると、「ゲーム専用機としての操作性」と「性能・価格・手軽さのバランス感」が評価され、少しずつであるが幅広いユーザー層に受け入れられて来ているようだ。俺も、2015年には良作タイトルも3作を遊ぶことができ(【デジモンストーリー
サイバースルゥース】/【ゴッドイーター2
レイジバースト】/【ネットハイ】)、やっと自分の中でもPSP→Vitaの完全移行が完了したという感じである。だからこそ、こうして今回、「PSPの思い出」という記事を書くことができたのだ。
――そんなわけで。PSPは、俺の長いゲーム人生においても大きな存在感を残してくれた。このPSPが有ったからこそ、「携帯ゲーム機は陳腐で良い」という誤った印象が正され、高品質なゲームを携帯ハードで遊べるようになったのだ。PSP、君に会えて本当に良かった。生まれてきてくれてありがとう。
(2016年1月26日)
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