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「遊戯王 タッグフォースSP」感想: 寂しいゲームですが… / やり込みinFF

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管理人の日記
未だにVita版と言っている人が居るがならばFF9にはPS2版があるのだろうか…

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『7』待ってます


 今年1月にPSPで発売された「遊戯王アークファイブ・タッグフォースSP」。まだ全然遊び尽くしたとは言えないのですが、とりあえず一通りプレイして評価も固まってきたということで、そのレビューを書いてみようと思います。
 …まず、本作の最大の特徴は、前作:「タッグフォース6」から3年半ぶりの続編だということである。そのため、『SP』で新規追加されたカードは実に約2000枚、エクシーズモンスターの大半からペンデュラム召喚の触りまでが新たに収録されている。新鮮度が命であるカードゲームにとって、この追加は他の全てに勝る重要ポイントであると言えるのだ。…が、そのカード収録枚数の話を除いてしまえば、この『SP』は歴代シリーズに遙かに劣る出来と言わざるを得ない。もともとダウンロード専用タイトルであり、新作で3000円というミドルプライスクラスの作品であるのだが、それをもってしても満足できるかどうかは微妙なところなのである。
 ――そのため、この作品に関しては、ファンの間でもかなり評価が分かれているのが現状だ。事実上、「ただデュエルするだけの作品」となってしまった。(;・∀・)「えっ、それの何が問題なの?」と思う方もいるだろうが、RPGで例えるならストーリーもレベルアップも無くひたすら闘技場で敵を倒し続けるのみといった感じである。それは、あまりにも寂しいというものではないか。

 では、『SP』の何が問題なのだろうか。それは、歴代シリーズの人気を支えていたサブ要素のほぼ全てが削除されてしまったことである。
 …例えば。「タッグフォース」では、アニメ「遊戯王」シリーズの世界観に基づいた演出が為されており、登場するキャラクターは全てボイス&3Dモデルが用意され、アニメのようなデュエルを楽しめるというのが大きな魅力の一つであった。が、本作ではボイス付きで喋るのは各作品たった5人ずつ・計25人だけであり、残りの9割近いキャラクターは全て無言である(※吹き出し台詞はあり)。3Dモデルに至っては完全削除されてしまった。歴代シリーズでは、アニメキャラどころかゲームオリジナルキャラクター(通称「モブ」までフルボイスで喋りまくっていたので、これはあまりにも酷い劣化であると言えよう。
 ――さらに。今作は「タッグフォース」と名が付いているものの、シナリオでタッグを組めるのはメイン25人だけである。これまでの作品では、登場する100人前後のキャラクター全てと2vs2のタッグを組むことができ、カードゲームとしてのやり込み要素になっていたのはもちろん、『3』以降はモブキャラとの会話も充実し、本作独自の世界観を盛り上げるのに大きく貢献していた。が、それが『SP』では25人だけとなり、一人一人のシナリオが長いわけでもないので、結果としてボリュームが大幅に減ってしまったのである。モブキャラなど、喋る台詞が「@デュエル前」「Aデュエル終了:勝利時」「Bデュエル終了:敗北時」しか存在せず、もはやそのキャラクター性を推測するのですら難しいレベルになってしまった。この点だけをもって『SP』を駄作と評価する人も多いほど、非常に大きな問題点なのである。

 さらに。それ以外にも、不満点は数多く存在する。まず、真っ先に挙がるのが、2015年の現在になって未だにPSPで発売されたということであろう。PSPとVitaでは画面画素数に4倍もの違いがあり、Vitaのほうが遙かに鮮明な画像を表示することができる。特に、本作のような細かい画像・文字を多く表示するソフトでは、その恩恵は極めて大きい。とはいえ、これに関しては『1』〜『6』の要素を使い回したかったことや、予算・制作期間の不足、そして去年はVitaがまだ今ほどの勢いが無かったことなど、同情できる点も多い。次回作の『7』をVitaで出してもらえれば、それでOKである。
 …また。本作ではSP=スペシャルということで、アニメシリーズ・全5作のキャラクターが全て登場するのだが、異なる作品間のキャラクターが絡むことは一切無いのである。ちょうど、アニメ最新作の「アークファイブ」は歴代作品をモチーフとした平行世界の戦いを描いた作品であるため、それに関連して全5作がクロスオーバーするシナリオを誰もが予想していたのに、である。しかも、GX・5D'sはタッグフォースの過去作品から、ゼアルは「デュエルカーニバル」からの引用であるため、実質的な新要素は「DM」「アークファイブ」の2作のみ。そして、過去アニメのキャラクターが登場すると言ったところで、前述の通りメイン5人以外はボイスすら付いていないのだ。
 ――他に、細かい点まで挙げてみると、「マップ画面が無く、タッグを組んだキャラクターを連れ歩くことができない」「やり込み要素の『チャレンジデュエル』が完全に削除された」「発売後に容量がたったの536MB・前作の約1/3であることが発覚し、カード画像はもちろん各キャラクターのエンディング絵まで大幅に画質が劣化した」「オリジナルカードは『1』〜『6』と『デュエルカーニバル』のものは収録されているが、今作新規の物は1枚たりとも存在しない」「メイン25人のシナリオも出来が良いとは言い難い」「フィールド魔法発動時に背景が変わらなくなった(一応、本作の発売前に『フィールド魔法は両プレイヤーが発動可能』とルール変更が為されたが、見た目が変わるのもデッキごとの個性の一つであったため寂しい。『後に発動したものを優先する』『半分に割って上下に表示する』など対処法はあったはず。ルール変更にかこつけた手抜きであると言われても仕方が無い)などの点も存在する。これらは確かに、一つ一つは大きな不満点ではないが、歴代シリーズの面白さを広げてきた要素の数々であり、それらを一気に無にしてしまった結果が、この『SP』の評価に繋がっているのだ。

 と。そんな感じで。この「タッグフォースSP」は、今までのシリーズ作で好評だったサブ要素の多くが削減ないし劣化しており、シリーズファンとしてはとても満足できるものではない。とはいえ、本作は3年半ぶりの新作であり、新規カードを収録しているというだけで一定の評価ができる。また、「デュエルカーニバル」のデッキ構築画面のように、ゲームプレイに深刻な影響をもたらす不満点があるというわけでもない。そのため、俺の最終的な評価は、「楽しめる要素が減ったことは残念であるが、デュエル面のみに関して言えばちゃんと遊べる出来になっている。早く続編出してくれ」というものである。
 …やれ、かなり厳しいところであるが、3000円という価格設定やシリーズ復活の複雑な背景を考慮すれば、ある程度までは不満点も我慢できるというものだ。今作はこんなものとして、できる限り早く正当続編の『7』を出して欲しい。当然、ハードはVitaで、歴代シリーズの要素盛り盛りで、である。
 ――というわけで。今までに作ったデッキは「RUM蠱惑魔テラナイト」「シンクロ影霊衣」「虚無クリフォート」などで、これから「シャドール」系列のデッキを製作してみようと思っている。こういう、リアルカードを買えない人でも手軽に遊戯王カードを楽しめるのは、本当にこのシリーズの良いところだ。もちろん、『SP』がシリーズ初でも問題は無いだろう。というわけで、『7』待ってますよ。

(2015年4月5日)

登録タグ/ 遊戯王カード
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