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回復禁止 低レベルクリアー プレイ日誌
こんなところに隠れなくてもいいでしょ |
それでは、FF9のラストダンジョンである「記憶の場所」を攻略していこう。ここでは、ラスボス連戦の手前まで、道中に合計6体のボスが出現する。そのため、これを2:3:1に分け、合計3話で取り扱っていくことにしたい。なお、FF9は、道を塞ぐ形で、通常のボスが出現するタイプである。何を、そんなの当然だろう…と言いたいところだが、実はラスダンともなると、特殊な攻略要素を持たされている場合も多く、FF4,5,6,8では、多くのボスを無視してラスボスまで突っ走ることが可能である。また、FF6,7,8では、パーティ分割の仕掛けがある。一方、「ラスボス戦の舞台」という趣が強いFF12を除くと、ラスボス連戦だけがボス戦となるのはFF7のみで、次にボスが少ないのはFF10の「1体」である。
――ちなみに、FF9では、6体のボスのうち、1体のみは倒さなくても進行が行えるという、“寄り道”的なボスになっている。しかし、いわゆる裏ボス・超ボスではなく、“周りのボスよりは強い”という程度であり、隠し要素の「究極の合成屋」のほうに関連している。この敵についても、今回プレイでは撃破を行っていく。なお、裏ボスがラスダンに出てくるのは、FF5とFF8である。特に、FF5は、2大裏ボスの両方がかなり印象的な形で登場する。
ということで、FF9のラスダン攻略を進めていこう。
まず、この記憶の場所では、各キャラクターの最強〜準最強武器を拾える。該当するのは、フライヤの「ランスオブカイン」、ジタンの「ザ・タワー」、エーコの「天使のふえ」、サラマンダーの「ルーンの爪」、そしてビビの「メイスオブゼウス」である。一応、スタイナーの「エクスカリバーII」もこの枠に入るのかもしれないが、プレイ時間が12時間以内という特殊な条件でしか入手できないため、外しておくことにしよう。ダガーとクイナ…。
…さて、これらの武器、実はそれほど役に立つ機会が無い。フライヤの「ランスオブカイン」(攻撃力71)は、DISC3の忘れ去られた大陸での寄り道で手に入る「竜の髭」(77)に負けているうえ、「ホーリーランス」(62/聖)の聖属性強化での運用に勝ることも無い。ジタンの「ザ・タワー」(86)は、「アルテマウエポン」(100)より火力が劣り、刀魂放気でミニマムを掛けられる能力も、ここまで来ると遅すぎる。エーコの「天使のふえ」は、ホーリーとケアルガを(とエスナ)を覚えられるが、ホーリーを先に白のローブから取得している。ビビの「メイスオブゼウス」は、取得魔法の「ジハード」が敵味方全体攻撃であるくせに、FF9では大半の強敵が1体でしか出現しないため、ほぼ使い道が無い。いっぽう、サラマンダーの「ルーンの爪」(83)は、「カイザーナックル」(75/風)の風強化運用に勝ることは無いものの、入手直後のティアマットが風属性を吸収するため、そこで出番が存在するだけマシではある。
――では、これらの武器が、攻略情報なしの通常プレイにおける救済要素として役立つかと言うと、そういうわけでもない。これらの武器は、FF9の名物として、何の画面上の表示も無い空間に置かれているうえ、特に怪しい配置が為されているわけでもない。また、上の画像のように、マップの隅に隠されているという場合も存在する。一応、「!」のフィールアイコンは表示されるため、マップの端に体をこすり付けながら移動するというバイオハザードばしりをすれば回収可能であるが、そうでない人がサクッと見つけるのは、なかなか困難であると思われる。
とはいえ、これまでの長いFF9の歴史の中で、これらの武器が全く役立っていないかというと、そんなこともない。
…例えば、私の「低レベル+入店禁止クリアーIII」では、ショップ・合成屋の利用禁止&チョコボの穴掘り禁止&盗む禁止と、アイテム入手に厳しい制限が掛かっていたため、DISC3終了時においても、スタイナーが「ダイヤソード」(攻撃力42)、ジタンが「エクスプローダ」(31)、フライヤが「ミスリルスピア」(20)を使っているという悲惨な状況であった。そこに、DISC4開幕で手に入れられる「エクスカリバー」も含めて、攻撃力70だの80だのという武器が登場するのだから、次元が変わった感が物凄かった(【低レベル+入店禁止クリアーIII:第8話】)。
――また、タイムアタックにおいても、寄り道でアイテムを稼ぐことはもちろん、ショップの利用も十分には行えない。そのため、記憶の場所での道中で拾える武器たちが役に立つ。かつて、界隈で伝説的成果を打ち立てたFUMIZO氏の7時間28分43秒の記録(【該当レポート】)では、「ザ・タワー」と「ルーンの爪」が使われている。とまあこんな感じで、この記憶の場所の武器たちは、なかなか渋い感じに活躍をしてくれるのだ。
ジャンプで「剣の雨」を避ければ余裕なのだが、あえて封印をしてみる |
そして。今回の私のプレイでのこだわりとして、フライヤの「ジャンプ」を封印するということを挙げてみたい。
…さて、FF9での「ジャンプ」は、続編で青い人が見せるへっぽこ技とは異なり、ちゃんと1ターン消滅し、敵の攻撃を回避しつつダメージを与えていける。この「敵の攻撃を回避する」という特徴が、低レベルプレイでは重要であり、単純に「マリリスの『剣の雨』」「デスゲイズの『メテオ』」「永遠の闇の『グランドクロス』『ニュートンリング』」を避けるという使用法のほか、特化すれば非常に特殊な戦い方も可能である。さらに、トランスと組み合わせた場合、ゲージが切れるまで落ちてくることはなくなるため、それを利用する場合も存在する。なお、落ちてくる際の与ダメージについては、「MP消費攻撃」や「○○キラー」の効果が乗らないため、あまり期待はできない。「ハイジャンプ」が使えるのもDISC4になってからだし…。
――いっぽう、それだけ低レベルプレイで活用されると、もはや運命と言うべきか、名指しで禁止されることも増える。あの「究極解析」の木村氏の低レベルプレイでは、「ジャンプも自動復活も使わずにラスボスを倒す」というのが、大きな挑戦の一つとなった(【WebArchive】)。また、ラスボス戦においては、実は1回のジャンプで「グランドクロス」と「ニュートンリング」をまとめて回避できるということが発覚し(アキラメッシュ氏の【こちら】と【こちらの記事】を参照)、他の技はHPを1にする「青の衝撃」だけであるため、序盤の展開と操作精度を度外視すれば、フライヤ1人でも100%勝てるようになった。よって、この勝ち方を封印するという意味で、ラスボス戦をテーマとした縛りプレイでは、特別に「ジャンプ禁止」という条件が設けられるようになった。
さて。今回プレイに話を戻そう。私が、サラマンダーではなく、フライヤをLv1にして連れてきたそもそもの理由は、「ジャンプ」を使うためであった。今回は、回復禁止であるため、全滅必至の攻撃を「リレイズ」によって受け流すことはできない。また、少数名が生き残ったところで、その後に「フェニックスの尾」などで戦線を立て直すこともできない。そういった特性から、ジャンプを用いなければ、マリリスの「剣の雨」、デスゲイズの「メテオ」、ラスボスの「ニュートンリング」に対し、有効な対策が取れないのである。
…しかしながら。逆に言うと、それは「ジャンプ」を解禁した時点で、これらの相手に勝てることが分かってしまうという意味でもある。実際に戦うよりも遥か以前の段階で、「こうすれば勝てる」と読めてしまうのは、やり込みプレイとして好ましくない。だからこそ、「ジャンプ」を封印し、何とか頑張っていこうと思ったのだ。なら、サラマンダーをLv1で連れてくれば良かったのでは…?
――ということで。ここにきて、私の計画性の無さが露呈しているのだが、そういったライブ感も、案外やり込みプレイの面白さに繋がってくるものである。前回説明した「アルテマウエポンの刀魂放気」に引き続き、「ジャンプ」も封印することで、「どうせアレを使えば勝てるんでしょ?」というワンパターンさは、だいぶ排除できたように思う。一方、これらの手段を自主規制することで、予想通り、とあるバトルが地獄となったのであるが、まあ勝てたので大したことは無いだろう。未だに倒せないオズマより遥かにマシである。
というわけで、私のフライヤはジャンプ封印であり、飛べないガリとなってしまった。もちろんそれでも、「ルナ」による支援や、その他の特性により、サラマンダーに不可能な戦い方を多く行えるため、個人的には後悔していない。
…ちなみに、「ガリ」とは、ご存じの通り、FF4のカインのことである。元々は、オンラインゲームであるFF11において、竜騎士が弱かったことから、「FF11のパーティで寿司屋に行っても、竜騎士はガリ(漬け物)くらいしか食べられる立場に無い」と揶揄するコピペで人気を博した(【参考:用語辞典の「ガリ」の記事】)。この際、竜騎士を表すために使われたアスキーアートが、FF4のカインであったのだ。
――ということで、「ガリ」という呼び名は、FF4のカインに直接の関係は無いのだが、カインの物語上の立ち位置が微妙なこと、そしてFF11においては竜騎士がアップデートで強化されて死語となったことにより、あっという間にカインの蔑称(愛称?)として定着してしまった。ちなみに、FFシリーズには、直接の「竜騎士」や、槍・ジャンプなどを使う竜騎士っぽいキャラとして、FF2のリチャード、FF7のシド、FF9のフライヤ、FF10のキマリ、FF13のファングが登場するが、彼らがガリと呼ばれることは無い。なんか損している気がする…。
そして。この日誌の冒頭の画像でも登場した「ランスオブカイン」は、今では「ランスオブ○○」として、様々なFFシリーズに登場しているが、初登場はFF9のランスオブカインである。ちなみに、「ガリ」が話題となったのはFF11であり、もちろんFF9より後であるため、謎のカイン人気に便乗したものではない。この時点では、まだまだ立派な竜騎士の先輩である。いや、今でも、むしろシリーズで最も掘り下げられている竜騎士だけどさ。
高火力なので、通常手段ではLv1キャラは絶対に耐えられない |
では、前置きはこれくらいにしておいて、実際の攻略に入っていこう。まず、入り口から最初の区間では、武器として、フライヤ用の「ランスオブカイン」と、ジタン用の「ザ・タワー」が手に入る。しかし、どちらも特殊効果が無く、既に上位武器を入手済みであるため、残念ながら今回は出番が無い。
…そして、最初のボスは、「マリリス」である。なお、こいつに限らず、記憶の場所に登場するボスのうち、4体の「カオス」は、特にマップ上での3Dモデル配置やイベントが無く、特定の場所へ入った瞬間に唐突に出現するが、これは同名のカオスたちが登場するFF1のオマージュであろう。シナリオ中で登場した後、ラスダンで復活するという位置付けも同じである。
さて、FF9のマリリスについては、特に強い相手ではない。通常技は、打撃の「剣の舞」、炎属性打撃の「火炎斬り」(物理回避では回避不能。バニシュでも無理)に、「リフレク」「マスタードボム」の4種類であり、どれも被害は少なめである。敵と味方の両方がリフレクになると(味方は1人以上がリフレクであれば良い)、カウンターとして1/3の確率で「ファイガ」を跳ね返して反撃をしてくるが、わざわざ狙わなければならない状況のため、深い存在意義は無い。
…が、こいつの最大の特徴は、死に際に「剣の雨」という全体攻撃を使ってくることである。そのダメージは、味方が防御力50&前列として、1500〜2940である。まあ、通常プレイならば、後列キャラもいるであろうから、余程ギリギリを狙わない限り、大丈夫である。しかし、低レベルプレイにおいては、まともな手段での耐久は不可能であるため、何とか生き残る道を考えなければならないのだ。
さて。「剣の雨」を乗り切る方法のうち、最も簡単なものは、フライヤがジャンプで避けることである。そうすれば、他の3人が戦闘不能になったとしても、フライヤが勝利宣言を挙げてくれる。別に、ダメージを1ポイント単位で計算しなくとも、「フライヤのジャンプ」→「他キャラが攻撃」と入力していけば、フライヤの着地ダメージで敵HPをゼロにしない限り、容易に回避が可能である。
…次に行われる方法は、マリリスが睡眠状態のままトドメを刺し、「剣の雨」を封じることである。眠らせる手段は、アルテマウエポンの刀魂放気か、青魔法の「夜」が容易である。眠ったままダメージを与える手段としては、「ブリザガ」や「ホーリー」のほか、完全な無制限低レベルプレイであれば、「リミットグローヴ」も良いだろう。そうやって眠らせつつ倒せば、相手の「剣の雨」は発動せず、そのまま勝利となる。
――最後に、当たり前すぎて忘れられがちであるが、「リレイズ」による自動復活を使っても良い。剣の雨で全員死亡となっても、最後に誰かがリレイズで蘇れば、全滅扱いとはならず、勝利でバトルが終了する。マリリスの通常攻撃では、炎耐性&「熱せず冷ませず」があれば、単体物理攻撃の「剣の舞」が命中した場合にしか戦闘不能にならないため、サポートアビリティの「おまじない」×1人であっても、バトル終了まで維持していくことは難しくない。
しかし、上記の戦法は、全て今回プレイでは使えない。まず、自動復活については、リレイズでの蘇生を“回復行為”と捉えているため、使用自体を許可していない。ここまで封印して来たのだから、こんなバトルでは解禁したくないのだ。
…次に、フライヤの「ジャンプ」についても、やはり今回プレイでは自主規制としている。理由は、上のほうで書いた通り、「これを使えば勝てる」ということが分かっているからである。もちろん、地上においても、「ルナ」により月に代わっておしおきができるため、活躍の余地が残っている。フライヤは、足かせを付けられて、それでもなお活躍ができる、動けるガリなのだ。それはともかく、今回は「ジャンプ」で剣の雨は避けられない。
――最後に、眠らせたまま相手を倒す手だが、これは可能である。というのも、アルテマウエポン刀魂放気は自主規制、「夜」はクイナがLv22のため使用できない。しかしながら、他に眠らせる手段として、ビビの「スリプル」および、アルテマソードの追加効果の「睡眠」(20%)が存在する。ビビのスリプルは、敵とのレベル差がありすぎて闇の成功率になっているので、使うとすればアルテマソードの追加効果であろう。マリリスは氷を弱点としており、魔法への耐性も「リフレク」を使うという程度なので、ダメージを計算しつつ戦い、「アルテマソード」で眠らせ、トドメを「ブリザガ」で刺すのである。
さて。この場合、「必要なキャラが戦闘不能になって終了」「アルテマソードの眠りが発動せずにHPをゼロにしてしまう」などのパターンも考えられるが、ブリザガでは「ためる」と組み合わせることにより9999ダメージも出せるため、そこまで勝利は難しくないものであると思われる。ちなみに、他の眠らせる手段としては、クイナの「ビストロフォーク」の20%追加効果も存在するが、そちらは、クイナがLv22のため使えない。
フライヤがギャンブル防御&後列防御で頑張る。何も見えないけど! |
では、本プレイでは、何を使って「剣の雨」に耐えきるかと言うと…使用するのは、フライヤの「ギャンブル防御」である。
…さて、このアビリティは、ご存じの通り、物理防御力を「0〜『装備による物理防御力の数値×2
- 1』」の値まででランダムに変動させるというものである。使用可能者はジタン・フライヤ・サラマンダーの3名であり、必要魔石力が1ということで、余ったスペースに付けやすい。しかしながら、防御力が下がる場合の被害が大きく、バトルの安定性を損なってしまうため、通常プレイでは使わないほうが戦いやすい。
――しかし。低レベルプレイでは、一転して大活躍するアビリティとなる。理由は、どうせ一撃で死んでしまうため、防御力が下がるほうのデメリットを無視できるからだ。そして、敵の超強力な攻撃を耐えるための最終手段としても捉えられることがあり、特に回避不能な高威力物理攻撃には、唯一と言っても良い対策になる。そのため、ラスボスのニュートンリングを無理やり耐える時などに、話題となったりする。ただ、要するに★運ゲー★ということなので、あまり好まれる戦法ではなく、あくまで検討するだけに終わったり、または名指しで封印されるパターンもある。
では、今回の回復禁止プレイにおいて、フライヤの「ギャンブル防御」で「剣の雨」を耐えるパターンを考えてみよう。
…まず、フライヤの物理防御力は、「グランドアーマー」などを装備し、最大で64にできる。しかし、この装備では、炎属性から身を守れない。今回プレイでは、蘇生が行えないため、死なないようにバトルを進めていきたい。そのため、「まもりの指輪」などの防御力+2を諦め、「ロゼッタの指輪」の炎吸収&防御力+1とし、物理防御力は63である。よって、「ギャンブル防御」適用時の防御力は、0〜125の126点からランダムで決まる。「剣の雨」の攻撃力は110、ダメージ倍率は後列防御を前提として6〜12である。最後に、フライヤの体力は、HP10%アップ&20%アップを付けて、HP132である。
――以上より、ダメージ計算を行うと、防御力89から耐える可能性が生まれ(21×6=126)、防御力100以上で確定耐久が可能となる(10×12=120)。雑な算出として、「『耐える可能性がある』ときの生存率を全て50%、確定耐久の生存率を100%、それ以外は0%(死亡)」とした場合、式は「(11/126)
× 0.5 + 26/126」で、フライヤの生存率はぴったり1/4となる。まあ、厳密には異なるだろうが、だいたいこれくらいの確率で合っているはずだ。
ちなみに、ジタンとサラマンダーにも「ギャンブル防御」があるため、その場合のことも考えてみよう。共に、物理防御力の最大値は49、炎耐性を前提としても48は得られるため、ギャンブル防御での防御力は0〜95となり、彼らで耐えることも可能である。
…しかしながら、基本の防御力を63まで高められるフライヤと比べると、やはり確率面では大きく引けを取ってしまう。しかも、彼らまで後列防御&サポートアビリティを防御特化としてしまうと、バトルが長引き、通常攻撃で倒されてしまう可能性が増える。今回は、フライヤだけでも悪くない確率で耐えられるため、ジタンにまで防御をさせる必要は無いと判断していった。
――更なる余談である。「ギャンブル防御」すら使わないパターンとして、スタイナーの「パワーブレイク」で敵の攻撃力を弱体化させるという方法がある。ただ、ここまで来ると敵とのレベルが離れすぎており、命中率が闇の確率となっている。この方針については、あの「制限変動式低レベルボス攻略」において、温泉天国氏が実際に行っているので、興味のある方は、そちらをご覧いただきたい(【WebArchive】)。
非常に残念ながら、勝利モーション時にはバニシュ状態が解除されてしまう… |
さて。ここまで、ファイナルアタックの「剣の雨」対策に焦点を絞って話をしてきたが、それには理由がある。そこ以外は正直どうでも良いのだ。
…まず、マリリスの通常技は、単体物理攻撃の「剣の舞」、炎属性単体攻撃の「火炎斬り」、そして「マスタードボム」に「リフレク」である。どれも、最悪の場合でも1人が死ぬだけであるため、追加制限の無い低レベルプレイであれば、戦闘不能者を蘇生させながら、落ち着いて戦っていけば良い。
――そして、今回プレイにおいても、「火炎斬り」は回避が不可能なものの、「ロゼッタの指輪」などで炎属性を防御すれば、ノーダメージでやり過ごせる。「マスタードボム」には熱せず冷ませずが有効で、「リフレク」は無視して良い。そして、唯一の戦闘不能者が出うる「剣の舞」も、装備品で回避率を高め、ジタン・フライヤ・スタイナーが「まどろみの術」を使えば、当たる確率のほうが低くなる。なお、フライヤの後列防御を使うため、今回は「ルナ」を使わず、普通にコマンド入力を行っていく。
というわけで。もはや、敵のHPを数える必要すらなく、フライヤは最初からずっと後列で防御状態となっておき、残り3人で攻撃していれば、敵HP0で「剣の雨」が飛んできて、「ギャンブル防御」の機嫌次第で勝てる相手である。しかし、それだと身も蓋もなさすぎるため、せっかくだからということで、一計を講じてみた。それは、エーコによる「ダイヤモンド」装備でのカーバンクル召喚である。
…さて、FF9のカーバンクルは、基本は「全員にリフレク+ロング版ならプロテス」という効果だが、アクセサリ枠にエメラルドを装備していると、リフレクの部分が「ヘイスト」になる。同様に、ムーンストーンで「シェル」に、ダイヤモンドで「バニシュ」になる。しかし、これらの効果は、低レベルだと、だいたい1.5ターン程度で切れてしまうため、実用性が低い。しかも、あえて言うなら、敵の全体魔法から身を守れる「リフレク」が最も有用なため、この「装備している宝石によって効果が変わる」という部分は、ほとんど無視されているのだ。
――しかし。今回バトルだと、敵の攻撃の中で戦闘不能者が出る可能性があるものが、単体物理攻撃の「剣の舞」のみである。よって、全員バニシュでこの攻撃を防げれば、バトルの安定性が上がるということになる。最後の「剣の雨」が運ゲーとなるため、そこまでの運要素はできる限り減らしていきたい。そういう意味では、このダイヤモンド版カーバンクルの使用は、理にかなっていると言える。まあ、エーコのアクセサリ枠がダイヤモンドで埋まるため、炎吸収ができなくなり、「火炎斬り」はバニシュでも回避できないため、今度はこちらで死ぬ可能性が出てしまうのだが…。
ちなみに。ロング版のカーバンクルは、共通して「プロテス」の追加効果を持つ。これと後列防御を組み合わせれば、物理攻撃の被ダメージ1/8!
…と言いたいところであるが、FF9のプロテスは、防御と判定が同じ枠になっており、どちらか1つしか適用されない。なんでこんな酷いことするの?
そんなわけで。敵は大して強くなく、ギャンブル防御で「剣の雨」を耐えられる確率もまあまあである。しかも、今回はリマスター版であるため、失敗してもマリリス戦のマップからそのまま再挑戦できる。こいつも、特に強い相手ではないのだ。何度か試行錯誤をしたところ、剣の雨を10ダメージに抑え、突破することに成功した。この場合、物理防御力は109以上にまで高まっていたことになる。
…ちなみに、FF9のステータスは、「気力が低いと持続時間が短いこと」、そして「技のモーション中もATBの時間が進むこと」が問題なのであって、効果自体は決して低いものではない。現に、魔法「リジェネ」は誰も使っていないが、「いつでもリジェネ」「いつでもヘイスト」は最強育成では確定枠となる。また、プロテス・シェルについても、効果自体は「ダメージ半減」と最高級のものであり、実はシェルには「メテオのダメージも半減できる」という隠れた特性が発見され(ダメージ数値を半分にするのではなく、ダメージ倍率を半分に減らす)、注目される機会が増えていたりする。もし、「いつでもプロテス」「いつでもシェル」があれば、上記のリジェネ・ヘイストと同じく、必須枠となっていたことだろう。
――ところで、バニシュについては、FF9当時はFF6から初めての再登場となったため、何とかこれを「デス」と組み合わせられないかという考えが生まれた。しかし、FF9では青魔法のため、そのまま敵方向には掛けられない。自分から透明になる敵相手に対しても、FF9の透明には魔法命中率に対するデメリットが無い(魔法攻撃を受けると解除されるというだけ。そんなことをしなくても、短時間で勝手に切れる)ため、やはりその方向で活用をすることは不可能である。まあ、そもそもFF9自体のバニシュ状態が、あまり役に立たない。ゲーム中盤以降、単体物理攻撃の回避率は、「まどろみの術」などにより、そのままでも十分に高くできるからだ。やはり、FF6でちょっと目立ちすぎたか…?
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恐らく世界で一番カッコいい「レビテト」の使用ポーズ |
続いては、記憶の場所の第2パートである。ここでは、マップの中に、エーコの「天使のふえ」と、サラマンダーの「ルーンの爪」が隠されている。エーコについては、今回は「ホーリー」を白のローブから既に取得しているため出番なし…なのだが、白のローブが手に入らない「低レベル+入店禁止クリアー」では、救世主がごとき装備品となった(【第8話】)。「ルーンの爪」は、今回はサラマンダーがLv22のため使用できず、カイザーナックルの風強化運用に勝ることも無いが、直後に戦うティアマットが風吸収のため、このピンポイントで役に立つ。
ということで。先に名前を出してしまったが、2体目のカオスは「ティアマット」である。使用するのは、「力吸収」「魔力吸収」「MP吸収」の3種類の吸収技、ランダムなタイミングで1回だけ使用してくる「ジェットふん射」「ツイスター」、「レビテト」を掛けて打撃を受けると「はないき」でカウンター、通常攻撃がわりの「サイレントクロー」など、やたらと多彩で、どういうボスなのか一言で説明できない感じである。
…まず、こいつの特徴である、3種類の吸収技を挙げておきたい。「力吸収」「魔力吸収」は、吸収とは名ばかりで、「こちらの該当パラメーターを半分にした挙げ句、自分の能力値を倍にする(※減った分だけ加算されるのではない)」という、2倍パワーブレイク&4倍フェイスが100%の確率でセットとなった、悪夢のような技である。もし味方側が使えた場合、INT版以降のFF12の「攻撃破壊」のように、あらゆる強敵が虚無となっていたことだろう。そんなわけで、「力吸収」を何度も受けていると、「サイレントクロー」のダメージが9999に達することもある。
――また、バトル中1回だけ使ってくる技について、「ジェットふん射」(←何故か変換されない)について触れなければならない。炎属性の物理ダメージ&全員ヒートという攻撃であるが、FF9のヒートは、「行動を実行しようとすると戦闘不能となる」という効果である。「コマンドを実行した後に戦闘不能となる」ではなく、「実行しようとしたコマンドが無効になり、代わりに戦闘不能となる」が正しい解釈だ。そして、技を受けた時点で行動が決定済みだと、もはや対策は不可能であり、死亡するしかない。そして、「ジェットふん射」は全員にヒートの追加効果という、度を超えた凶悪な内容であり、一発全滅も普通にありうる。後に登場する雑魚的版も「ジェットふん射」を使ってくる(しかも回数制限なし)ため、「熱せず冷ませず」は確実に付けておく必要がある。
そして。防御面についても、なかなか厄介である。まず、敵はこちら側に「レビテト」を使ってくる。それを無視して「たたかう」で攻撃してしまうと、「はないき」により強制的に離脱をさせられてしまう。ちなみに、初出のFF6では、「はないき」によって飛ばされたメンバーがいれば、残ったメンバーが死亡しても、逃走扱いとなってゲーム続行(コロシアムなら、賭けたアイテムも無くならない)であったが、FF9にはそういう仕様が無いため、普通に全滅となる。つまり、「はないき」は必中・解除不能の即死攻撃ということである。一応、減らされる人数は2人までという救済が存在する。なお、レビテトとの関連はよく分からないが、“軽くして飛ばす”というイメージなのだろうか?
…また、この敵はタイプが「ドラゴン」である。そのため、「ドラゴンキラー」を持つフライヤしか「○○キラー」分の強化ができず、他の物理キャラは「MP消費攻撃」ぶんしか打撃の威力を上げられない。しかも、「MP吸収」でMPが枯渇すると、その火力上昇も無くなってしまう。弱点属性も「冷」だけであり、メインとなるアタッカーたちの強力武器では弱点を突けない。これまで最強属性として君臨してきた「風」を吸収するというのも厄介である。
――そして。今回プレイで活躍してきた「ルナ」についても、上記の「ジェットふん射」によるヒートと、「レビテト」→「はないき」を考えると、使うことは難しい。そういうわけで、なかなか与ダメージを高めづらい相手となっているのだ。
そして。とてもどうでも良い知識を付与しておこう。「力吸収」はこちらから見て一番右の首が、「魔力吸収」は真ん中が、「MP吸収」は左の首が使用する。いや、だからどうしたって感じだね。こういう不要な情報が大量に存在したのが昔のサイトなんだよな、今の新参は動画しか見ないから困る(AA略
なんか今回プレイ、フライヤが輝いている… |
ということで。ティアマットは、実は凶悪技のオンパレードであり、対策必須の相手と言える。
…さて。まずは、2つの全体攻撃への防御からだ。「ツイスター」は風属性、「ジェットふん射」は炎属性を持っているため、それぞれの属性の無効・吸収を使えば良い。ジタンとエーコは、「ヒュプノクラウン」か「ローブオブロード」と、アクセサリの「ロゼッタの指輪」で、両属性を防御できる。スタイナーも、腕の「イージスのこて」とアクセサリの「リボン」を使えば、同じく炎と風の両方を無力化できる。イージスの小手は「無効」なので、追加効果のヒートも受けないというおまけがあるのも嬉しい。いま気付いたんだけどさ。
――しかし、フライヤはアクセサリ枠しか無いため、風と炎のどちらかしか無効化できないのだ。上記の「イージスのこて」は、何故かフライヤが装備できない。恐らく、「ドラゴンリスト」は軽装備キャラに加えてフライヤも装備できることから、装備個数のバランスを考え、スタイナーにも専用の小手を作ったのだろう。しかし、別に「オッサンのこて」みたいな名前が付いているわけでもないのに、なぜフライヤが装備できないのかは、永遠の謎である。
ところが。「ジェットふん射」は、威力数値が「73」しか無い。一方、フライヤの物理防御力は、マリリス戦と同じく「グランドアーマー」などを使うことで、最大64にまで高められる。しかも、フライヤは風吸収と炎吸収を両立できないが、炎半減は可能である。これと、先ほどのマリリス戦でも使った後列防御を組み合わせることで、Lv1でも耐久していくことが可能だ。今度は「ギャンブル防御」なしで、である。
…では、その方法について、検討をしていこう。まず、体は「グランドアーマー」とし、物理防御力59である。そして腕を「まもりのこて」にすると、炎半減が得られるうえに、物理防御も+1されるので嬉しい。まあ実はリボンでも炎を半減できたのだが。そして、アクセサリは、ツイスター対策として「リボン」を装備し、こちらも物理防御+1のおまけがある。最後に頭は、物理防御力が最も上がるのは「源氏の兜」の+2であるが、このバトルでは火力も重要であるため、ホーリーランスの打撃威力を強化できる「ミスリルヘルム」とした。物理防御力のおまけは無い。
――結果、装備は「ホーリーランス /
ミスリルヘルム / まもりのこて /
グランドアーマー / リボン」となった。物理防御力は61であり、風吸収・炎半減の耐性を持っている。これにより、「ジェットふん射」によって受けるダメージは、後列防御を前提とし、「12×3〜6」で、36〜72となるはずである。ラスダンのボスが使う攻撃とは思えないようなダメージにまで軽減できてしまった。
ということなのだが、実際には、「力吸収」によって敵火力が上昇した場合のことを全く考慮していなかった。
…例えば、敵が「力吸収」を1回使うと、力は50になり、ダメージは72〜120となるため、HP100のままでは耐えられない可能性が出てくる。そして、「力吸収」が2回になると、力が99で止まる…かどうかは自信が無い(それとも力75になる?)のだが、仮に99とした場合、144〜204ダメージとなって、Lv1のフライヤでは絶対に耐えられなくなる。力99とは思えないほどの被ダメージにできるものの、駄目なものは駄目なのだ。
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そういうわけで、「ジェットふん射」をフライヤが気合で耐える作戦は、バトルが長引くと実行不可能となってしまう。フライヤは、唯一の「ドラゴンキラー」を使用可能なキャラであり、本バトルでは火力最強であるため、是非とも生存をさせていきたい。
…まあ、冷静に戦えば、全滅パターンは「サイレントクローで1人ずつ倒される」しか無いため、フライヤ1人がジェットふん射で削られたとしても、何とかなりそうな気がする。しかし、ここまで戦法を練ってきたのだから、何とかテーマ性を重視しつつ勝利をしたいものである。
そういうわけで。実戦では、開幕でスタイナーが「力吸収」を受けてしまうというかなり嫌なパターンであり、その後に「ジェットふん射」が飛んできた。この場合、ダメージは72〜120となるはずである。この時の私は、敵の力上昇を全く度外視しており、「HP10%アップ&20%アップ」などの対策を取っていなかった。しかしながら、運良く84ダメージで、フライヤが生存することができた。
…その後は、フライヤが「チェンジ」で前列に移動し、攻撃に参加していく。エーコのみ「消費MP半減」のために「熱せず冷やせず」を外しているためヒート状態となってしまうこと、そして「レビテト」を受けたキャラが「たたかう」を使ってしまうと「はないき」で吹き飛ばされること、この2つには注意しなければならない。というわけで、マリリス戦に引き続き、今回も「ルナ」は封印である。更に、「○○キラー」がフライヤ以外は使えないことや、敵の吸収系によって火力が落ちることから、与ダメージは2000〜4000程度という控えめの戦いになった。まあ、いつもが吹っ飛びすぎであるのだが。
――さて。実戦では、「力吸収」→「魔力吸収」→「MP吸収」が全てスタイナー対象となったということもあり、その間に他キャラが全力で攻撃を加えていく。上記の「ジェットふん射」はフライヤが耐えた他、「サイレントクロー」も回避し、「レビテト」を受けたのがエーコでその攻撃も控えていったことから、最後まで欠員なく勝利に成功した。まあ、凶悪技はいろいろと持っているのだけど、実際のところ、そこまで苦戦しない相手ではあるんだよな〜。
■動画■
クイナの代表的な名シーン(内容は意味不明) |
そんなわけで。ラストダンジョン:「記憶の場所」の道中に出現する6体のボスのうち、まずは2体を撃破した。
…そして、次以降も、テンポ良くボスを倒していきたい。なお、残り4体のメンツは、「ハーデス」「クラーケン」「リッチ」「デスゲイズ」であるが、明らかに1体だけやべぇ奴がいるため、今のところは、そいつに1話を割き、残りの3体のほうも1話でまとめていくつもりである。まあでも、今回の日誌を書き上げるまでは、3体&3体に分けて、ラスダン道中を2話で終わらせるつもりだったため、また予定が変更されることもあるだろう。
――やれ、実は私は、毎回「この内容で1話ぶんの文量になるか?」と思っているのだが、長くなることはあっても、短くなりすぎて困るということは全く無い。まあ、合理性だけを求めていたら、こんなサイトなんてやっていないので、文章の内容であちこち寄り道するというも良いだろう…。
(2021年11月2日)
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