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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
メガフレアはリフレクで反射できる。月の民もそう言っている |
第3世界序盤で、飛空艇が解禁されたところである。今回は、そのバトルパートである、バハムート&オーディン戦を取り扱っていこう。
…まず、バハムートについては、ピラミッドクリア後のイベントで、「北の山で待っている」という言葉を残して飛び去り、その言葉通り、第1世界のダンジョンでもある「北の山」の頂上で、ボスとして登場する。ちなみに、バハムートが復活した場所(ピラミッドの真東)と、ピラミッドから見た北の山の方角(北西)を考えると、どちらかというと西の山なのであるが、まあそれは良いであろう…。
――ということで。黒チョコボを使って、フェニックスの塔があった砂漠の近くに降り立ち、今度は反対の北側へと歩いていくと、北の山へと再訪ができる。なお、これだけ世界の環境が激変したにも関わらず、北の山はそのままである。登場する雑魚敵は変わらず、バハムート戦を除いて新規イベントも用意されていないので、さっさと頂上まで登っていってしまう。途中、毒の花をわざと踏み、全員をHP1にしておくことも忘れない。
では、ボスのバハムート戦に入っていこう。
…まず、今回は、敵の行動パターンが重要となるので、しっかり最初に整理しておきたいと思う。
とまあ、こんな感じで、バハムートの使用技は、非常に多彩である。少しでも分かりやすくするために、属性ごとに色を塗ってみた。FF5は、属性防御があまり潤沢には使えないゲームであるため、これらの攻撃を全て防いでいくのは難しい。
…さらに、上の表で白太字で示した「アクアブレス」と「ゾンビブレス」は無属性であり(FF5のアクアブレスは、砂漠種族の敵に特効を持つ、無属性技である)、低レベルの戦力で喰らってしまえば全滅が確定である。そのため、これらの攻撃を使うモードに留まることは、極めて危険だと言える。
いっぽう、バハムートの必殺技である「メガフレア」については、ナンバリング前作であるFF4と同じく、「リフレク」による反射が可能である。正面から受けると、全員が2000ほどのダメージを受け、ラスボスを倒せるようなパーティですら一発全滅の危険がある。一方で、4人で反射すれば、確実に9999ダメージを叩き込めるため、攻撃面の切り札としても使用可能である。
…なお、敵には、HP10000以下での特殊なカウンターが設定されており、「メガフレア」を受けた時に、更に「メガフレア」を使用する。通常、バハムートがメガフレアを受ける状況というのは、リフレクで反射をされた時であるため、このカウンター行動により、敵は反射されて追加の自滅ダメージを受けてくれるということになる。謎な行動である。
――もっとも、HP10000以下で4人でメガフレアをリフレク反射すると、ほとんどの場合はそのまま倒してしまうであろうから、実際には、この行動パターンを見る機会は、あまり無いであろう。「世界の半分をやろう」的な、竜王のちょっとした遊び心である(F外失)。
本家メガフレア
vs レベル3フレア |
さて、そんなバハムートとの戦い方だが、まず、敵には、暗闇・沈黙・スロウ・ストップと、様々なステータスが効くように思える。しかしながら、レベル値が「99」と高すぎるため、命中率持ちのステータス魔法を決めることは難しい。一応、敵は音波のカテゴリ弱点を持っているため、「愛の歌」のストップは必中となる。しかし、ボス耐性により、その持続時間はたったの30カウントとなるため、そう簡単に完封はできないのだ。
そこで、今回の低レベルクリアーで使うのは、完全のパターン化による撃破である。まず、私は、上記の敵行動のうち、いくつか安全地帯が存在することに着目した。現時点では、属性耐性を持つ装備は、それなりに揃っている。加えて、敵は、開幕以外の全てのモードで「たたかう」を使ってくるため、それを「まもり+かばう」によってシャットアウトすることを考えると、属性吸収は好ましくなく、属性無効が一番である。
…その観点から考えると、最良なのは、「HP30000〜25001」のモードである。敵の攻撃は、「ほのお」「アースシェイカー」「たたかう」の3種類であるが、「ほのお」は、あえて炎の指輪ではなく「珊瑚の指輪」を装備することで、吸収ではなく無効化できる。続いて、アースシェイカーは、あらかじめレビテト状態になっていれば回避可能である。これらの2つの属性攻撃によって、HPの状況が乱れることはない。よって、「たたかう」は、瀕死状態を保つことによる「まもり+かばう」で受け流せる。以上、このモードでは、100%安全を担保できるのである。
では、次に考えるべきは、「そのモードで安全を確保して、何をするか」である。ここが大丈夫だったところで、その後に適当な攻撃を仕掛けて、アクアブレスやゾンビブレスが飛んでくるモードで止まってしまっては、結局のところ、意味が無いのだ。
…しかし、FF5の恒例行事として、敵のレベル値を見てみると「99」とある。よって、攻撃手段として、「レベル3フレア」が使用可能だ。レベル3フレアは、前回のスティングレイ戦での使用により、レベル値と魔力のWドーピングで9999ダメージへと届かせられることが分かっている。よって、安全を確保している間に、「英雄の歌」と「魔力の歌」でファリスを強化し、その後に攻勢を仕掛ければ良い。
そして、最後のポイントは、敵の素早さである。バハムートの素早さは「40」であり、やや早めという程度だ。しかしこれは、シーフをマスターしてすっぴんへと引き継げば、容易に追い抜くことが可能である。しかも、ヘイスト状態になっていれば、更に倍速で行動できる。
…これがどういうことかというと、バハムートの行動直後にコマンドを入力すれば、次のバハムートの行動までに、ファリスは3回連続で攻撃できるのだ。まず、素早さがバハムートより速い時点で、ファリスが2連続行動が可能となることは、分かると思う。そこから、更にヘイスト状態で倍速であるため、ギリギリのところで、3連撃が可能となるのである。FF5のバトルシステムが、FF10のCTB並みにカッチリしているがゆえの作戦である。
――よって、その3連続行動を、全て「レベル3フレア」とすれば、9999×3=29997のダメージを与えられる。しかも、ファリスLv4に「青魔法」をセットすれば、必ずMPが27以上となり、「金の髪飾り」で半減することで、「レベル3フレア」(消費MP18→9)を3連発できるというおまけつきである。
というわけで。魔力とレベルの徹底ドーピングにより、ワンチャンスで、バハムートに29997のダメージを与えられることが分かった。
…さて、ここで、敵を「HP30000〜25001のモード」で止めていたことを思い出してほしい。そのモードでは、あらかじめ態勢を整えておくことにより、バハムート戦では唯一の、永続的に安全が確保できるモードとなる。敵がHP30000〜25001であり、そこから3連続攻撃で29997を削れるのだ。オイオイ、これじゃ…ミーの勝ちじゃないか!
――ちなみに。バハムートの初期HPは40000であり、そこから30000〜25001へと持っていく方法も問題になると思うかもしれない。しかし、最初のほうに書いたように、開幕のモードで使ってくるメガフレアを4人で反射すれば9999ダメージを与えられるため、そこから更に1だけ追加すれば、確実にHP30000〜25001のモードへと入り込めるのだ。なんだコレ。都合良すぎじゃないか!?
このバッツの開幕打撃が派手に重要 |
というわけで。実際の戦い方はこうである。まず、装備品についての準備だが、炎属性を吸収ではなく無効化するため、アクセサリ枠は「珊瑚の指輪」で固定となる。よって、「エルメスの靴」も「リフレクトリング」も使えないため、ヘイスト・リフレクを発生させる方法を考えなければならない。
…まず、リフレク状態については、イストリーの滝で入手しておいた「魔法のランプ」を、あらかじめ調整し、カーバンクルを呼び出せるようにしておくことで対応する。ノーコストな代わりに、一度使うと次は別の召喚となってしまうため、バトル中で1回しかリフレクを張れないが、十分である。
――次に、ヘイスト状態については、「のむ:スピードドリンク」を使う。ファリスは、最後の3連続攻撃を成功させるため、素早さ42以上+ヘイスト状態が必須となり、ヘイストの発生は戦略の根幹である。また、レナ&クルルは、「英雄の歌」と「魔力の歌」でファリスを強化していくのだが、それについても、ヘイスト状態だと上昇速度を倍にできる。加えて、「のむ」では「英雄の薬」も使用可能であり、それにより、レベル値を+10できる。レベルと魔力だと、99に達するのが遅いのはレベルであるため、その差を補うために、「のむ」のコマンドが、最後まで無駄なく使用できるのだ。
そして。戦闘が始まったら、まずバッツは、適当に「たたかう」を使う。開幕、敵は「2ターン待機」→「メガフレア」を繰り返すため、リフレクはメガフレアの直前で貼れば良い。そして、ただメガフレアを反射するだけだと、敵のHPは30001で止まってしまい、上手く行かない。そのため、開幕のバッツが、少しだけ削っておくのだ。戦略上、他のダメージは、9999×4回となるはずなので、ここでは4以上のダメージを与えれば良いということになる。まさむねを装備して殴れば100くらいは余裕で出るので、全く問題は無い。
…そして、他キャラについては、既に述べた通り、3人娘が「のむ:スピードドリンク」で自身を加速させたあとに、レナ・クルルが「英雄の歌」と「魔力の歌」で、ファリスを強化しはじめる。そしてファリスは、まだ攻撃はしないので、初期値の低いレベルのほうを、「のむ:英雄の薬」で補っていく。
――そうして強化を開始しつつ、あらかじめ素早さを40以上にしておいたバッツが、3回目の行動として「魔法のランプ」を使う。すると、素早さ「40」のバハムートは、直後に3回目のターンが回ってきて「メガフレア」を使うことになるが、リフレク状態によって反射され、9999ダメージを受けて、「HP30000〜25001」のモードに入ってくれる。これで、開幕の展開は安定である(※実は、後に敵側素早さが+1
〜 -1の範囲で前後するという性質に気付き、かつ、バッツは装備の重さによって、実質素早さが「40」となっていたため、もの凄く厳密に考えると、安定してはいなかったのだが…)。
さて、次の「HP30000〜25001」の段階では、前述の通り、「珊瑚の指輪」「レビテト」「まもり+かばう」の組み合わせで、100%安全となる。
…しかしながら、この時点では、バッツは「魔法のランプ」を使っているため、「まもり」を決められていない。他の女子3人は、ファリスは攻撃役、レナ・クルルはもう歌しか聞こえない状態になっているため、「かばう」要員はバッツしか存在しない。よって、ここでは魔法のランプを使ったバッツが、必ずバハムートより先に行動をしなければ、安全を確保したとは言えないのだ。
――のだが、この問題は、既に解決ができている。というのも、魔法のランプのタイミング合わせのために、バッツの素早さを「40」と、バハムートの「40」と同値になるように調整している。しかも、バッツはまさむねによって初手を取っているため、実際のバトルは、必ず「バッツ
→ 少し後にバハムート」という行動順が繰り返されることになる。よって、魔法のランプ→メガフレアの後も、次に行動できるのは、タッチの差でバッツとなるため、そこでの行動を「まもり」にすることで、確実に安定期へと入ることができるのだ(※同上で、敵側素早さは±1だけ前後するので、完璧に行動ペースをハメることはできない。もっとも、「かばう」を使うのは必ず4ターン目であり、素早さ「51」のファリスに先行して、まさむねでさきがけを決めているため、バトルへの影響は無かった)。
その後は、手筈通り、安全な状況下で、攻撃役であるファリスのレベル値&魔力を、徹底的に強化する。
…そして最後は、「強化が終わり、かつ、バハムートが行動した直後」というタイミングから、ファリスが「レベル3フレア」を3連発する。ファリスは、素早さ41以上+ヘイストという状態になっており、FF5のATBシステムの都合上、素早さ40のバハムートに対して、3連続の攻撃が可能になる。
――さて。レベル3フレア×3回により、29997ダメージを与えられる。敵HPは40000であり、開幕メガフレア反射の9999と、バッツの僅かな打撃を加えれば、その合計値は40000を上回り、バハムートを撃破可能となるのだ。我ながら、無駄のない、素早らしい作戦を立てることができた。
あー、そういうことね。完全に理解した(←わかってない) |
というわけで。今回は、なかなか満足度の高い戦法を立てられたように思う。
…ところで、この第17話の題名である「天かける竜」は、遊戯王シリーズのアニメ第1作:「デュエルモンスターズ」に登場する曲名から取っている。この曲は、海馬に関連するシーンで流れることが多く、“海馬のテーマ”的な扱いをされることも多い(【YouTube】)。突き抜ける空をイメージしたかのような明るい曲調であり、アニメの序盤から終盤まで、要所要所で使われているBGMだ。
そして、この「天かける竜」が流れる場面で最も印象的なのは、やはり、アニメオリジナルのKCグランプリ編における、「海馬vsジーク」戦(194-195話)であろう。その内容を、めっちゃ早口で説明してみよう。
…デュエルのクライマックスで、海馬は、除外されたモンスターを大量に召喚する「次元融合」を使い、自身の場に「エメラルドドラゴン(攻撃力2400)」「混沌帝龍 -終焉の使者-(3000)」、「青眼の白龍(3000)」×3という5体のモンスターを揃えた。だが、ジークの場にも、「ワルキューレ・ヴリュンヒルデ」(当時はアニメオリジナルカード)というモンスターがおり、ドラゴン族の数だけ攻撃力を上げる効果で、攻撃力は3300となり、さらに、守備力を下げて戦闘破壊を無効にする効果を持ち、それは合計2回まで使用可能である。よって、海馬の5体のモンスター展開は、全くの無駄であるように思えた。しかも、そこから海馬は、攻撃力2400のエメラルドドラゴンで、攻撃力3300のワルキューレ・ヴリュンヒルデに自爆攻撃を仕掛け、ライフを950→50と、ギリギリまでに減らしてしまったのだ。
――ところが、それにより、ドラゴン族の数が減って、敵モンスターの攻撃力が3000へと減った。次に、混沌帝竜-終焉の使者-で攻撃を仕掛け、敵の「戦闘破壊を無効にする能力の使用回数」を1回に減らすとともに、相打ちで攻撃力も2700に下げた。そこから、青眼の白竜×3で連続攻撃を決めて、ワルキューレ・ヴリュンヒルデを戦闘破壊し、最後はダイレクトアタックで、相手のライフを3600→3300→3000→0と、ピッタリ削りきってしまったのだ。
では、このシーンの何が良かったのかというと、視聴者もジークも、途中までサッパリ意味が分かっていなかったところである。
…さて、デュエル展開としては、「次元融合」を発動した時点で、海馬の勝利が確定していた。エメラルドドラゴンの自爆攻撃でライフを50に減らしたところなど、勝負を諦めたようにしか思えないのだが、既に海馬の頭の中には、勝利へのルートが見えていた。それゆえ、全く臆さずに、5体のモンスターでの連続攻撃を行えたのだ。見ている側の感想としても、「どうした血迷ったか!?」→「何かおかしいな…」→「あれ、これって勝ってね?」という感じであり、その構成が100点満点である。
――そして、BGMの使い方も見事であり、魔法カード連打のところは、あの「ドロー、モンスターカード!」で有名な「クリティウスの牙」が流れるが、そこからしばらくは無音となる。が、視聴者&ジークが、「これ、ひょっとして終わってるんじゃね?」と気付いたあたりで、「天かける竜」が流れ始めるのだ(まあ、そんな絶妙なタイミングで、ライフポイントの表示が間違っていたりもするが…)。そして、最後はフェイバリットである青眼の白龍の直接攻撃で、ピッタリ相手のライフをゼロにできた。そりゃ、こんだけ上手く決まれば、高笑いもしたくなる。間違いなく、海馬のベストバウトであろう。
さて。何が言いたいかというと、私のやり込みもこうありたいなということである。先の行動を全て決めており、事態が始まれば、あとはスルスルスルと糸を引っ張るだけで、全ての絡みがほどけて、勝利へと繋がる。そういうパズル的な面白さが、やり込みプレイにはあると思うのだ。
…例えば、今回のバハムート戦ならば、レベル値と魔力の強化を終えて、ファリスが「レベル3フレア」を使い始めた時点で、もう3連続の攻撃は確定しており、その時点で勝利は決まっていた。もっと言うと、バトル開幕からこの展開になるよう、全てが計算ずくであった。動き全てが罠であり、私は、手のひらの中で、バハムートを遊ばせていただけだったのだ。さすがに、もう20年以上もやり込みプレイをやっているが、ここまで全要素が無駄なくハマるのは珍しい。やっぱり、ゲームの縛りプレイって、面白い…!
ちなみに。動画では、ほんの僅かだけ展開を焦ったせいで、レベル3フレアで9999でないダメージが出てしまったりしている。とはいえ、逆に、それくらいまで、時間的に無駄の無いギリギリを狙っていったということでもある。これくらいは、ご愛嬌ということで、どうかお許しいただきたい。
――それよりはむしろ、「敵側素早さが、ランダムで-1〜+1だけ変化する」という仕様に後で気付いたため、ほんの僅かだけ、ピッタリ決まらなくなってしまったのが残念である。開幕の待機時間だけじゃなくて、素早さ自体が変化してしまうんだなあ…。
◆動画◆
1分過ぎたら斬る(※1分前に斬らないとは言っていない) |
では、続いて、もう1体の召喚獣である「オーディン」戦を取り扱っていこう。
…まず、FF5でのオーディンは、バル城の地下に出現する。バル城は、第2世界の建造物であるが、オーディンに挑めるのは、第3世界になってからだ。というのも、「第1世界の、ジャコールの洞窟における、壁を登ったあとの何も無い場所」と「第2世界の、バル城地下における、開かずの扉」という2つの仕掛けが繋がって、ようやくオーディンの元を訪れられるようになるのだ。世界の超融合という設定を利用した、FF5ならではのギミックである。
さて。オーディンは、元ネタである北欧神話では、神の中の神という存在である。しかし、FFシリーズでは、馬に乗った武人になっており、必殺技は、何故か和風の「斬鉄剣」である。まあ、オルトロスがタコになっているのと同じ現象だ(元ネタでは、双頭の番犬)。他にも、FF4のオーディンは、本物のバロン王が転生した姿であったり、FF13ではライトニングさんの時空を超えた相棒となったりしており、キャラクター付けについても、武人らしい、義理堅い性格で描かれることが多いようだ。
…そして、FF5においては、バル城の地下で、石像を上半身だけにする謎の仕事に従事しており、プレイヤーキャラクターとは1分しか戦ってくれない。すなわち、「1分以内で敵を倒す」という、時間制限バトルになる。なお、その仕組みは、「戦闘開始から1分が経つと、強制的にバトル終了となって、その後のイベントでゲームオーバーになる」というものである。よくある、「1分が経つと、全滅技を使ってくる」という形式ではない。
――ちなみに。FF5オーディンは、戦闘開始前のセリフも、地味に語り草となっている。そこでは、「1分しか戦わない」という状況を説明したうえで、「はい
/ いいえ」の選択肢を、親切にも、2回も出してくれる。他の召喚獣は、「我を倒して、力を示してみせよ!」みたいな、戦闘民族系のセリフがほぼ全てを占めているなかで、このような親切さは異質である。しかも、いざ勝負をすると決めたあとも、「知らんぞ…。」と言い残す。親切を通り越して、何やら小心者の現代日本人のようだ。
ところが。いざ戦闘となると、このオーディンは、戦闘前の誠実さとは裏腹の、ド畜生な戦法に出る。なんと、1分経つ前に斬ってくるのだ!
…というのも。前述の通り、このオーディン戦では、1分が経過すると、バトルが強制終了し、イベントによってゲームオーバーとなる。そして、それとは無関係に、オーディンは自身の2ターン目に「斬鉄剣」を使ってくる。その威力は、ランダム性の強い1000前後のダメージを全体に与えるという程度であり、このバトルに挑む段階だと、パーティが半壊する恐れがある。それに焦ってしまえば、決して1分のタイムリミットには間に合わないのだ。
――まあ、一応、擁護をしてみると、オーディンは「1分経ったら斬る」と言ったが、「1分より前には斬らない」とは言っていない。というわけで、戦闘中に斬鉄剣を使い、そして1分後にはギガグラビトン剣を振るったとしても、何ら嘘はついていないということになるのだ。
ちなみに、ナポレオンとかいう、オーディンに乗ったライトニングさんのパクリみたいなおっさんは、かつて「信頼させるのは、最後に一度裏切るためである」という名言を残したそうだ。なるほど確かに、戦闘前の誠実なセリフで油断させておき、直後の戦闘中に裏切るというのは、勝利を求める戦い方としては合っている。これもある意味、武人として全力を尽くしているということ…か?
守りの指輪と言えば、個人的にはFF9 |
さて。そんなオーディンは、HPが17000もあるということで、無策で挑んでは、なかなか1分以内に削り切るのは難しい。
…しかしながら、オーディンには、石化が有効という明確な弱点が用意されている。魔法回避率が80もあるため、魔法ブレイクや召喚カトブレパスだとやや厳しいのだが、「魔法剣ブレイク」ならば成功率は100%である。その際は、ブレイク剣の打撃部分の命中率も必中とする「ねらう」や「みだれうち」があれば、より盤石となるだろう。
――なお、オーディンは、作品によっては雷に弱くなっていたり、逆にFF13では雷を得意技にしていたりするが、FF5では特に雷とは関連性が無く、石化が最大の弱点となっている。同じ場所に出現する「石像」が、ブレイクを使ってくることもあるというのに、豪快すぎる弱点だ。ちなみに、FF6でも、崩壊後の「古代城」にてオーディンが登場するのだが、その際も、お化けタイプのドット絵の敵に、石化をさせられて敗北していたりする。
というわけで。オーディン戦は、低レベルクリアーでも、「魔法剣ブレイク」を使えば容易に勝てる…のだが、低レベルにおけるオーディン戦には、もう一つ特徴がある。それは、低レベルだと個数限定アイテムである「守りの指輪」を盗めるという点だ。
…さて、守りの指輪は、バトル開始時にリジェネが発動し(ありがちな「常時リジェネ」ではないらしい…)、かつ、物理防御・魔法防御が10上がるなど、悪くない性能を持つ。ただ、最速入手がピラミッドのクライマックスということで、ぶっ壊れアクセサリである「エルメスの靴」と、ほぼ同時期のデビューになってしまう。そのうえ、その他の対抗馬も、属性吸収装備や「リフレクトリング」などの列強であるため、「守りの指輪」が使われることは少ない。ただ、決して弱すぎるアクセサリというわけではないため、「まさむね」による初手ヘイスガを採用するのであれば、一考の余地は存在する。そして、それを、低レベルプレイだと、ピラミッド・孤島の神殿・イストリーの滝・オーディンからのレア盗みで、人数分である4個を入手できるということだ。
さて。ここまで、なぜ“低レベルでは”と限定してきたかというと、守りの指輪には、もう1つ入手手段があって、それは、フェニックスの塔に出現するバージョンの「ソル
カノン」から、レア盗みをするという方法である。フェニックスの塔の壁モンスターは、フロアを切り替えれば何度でも戦えるため、「守りの指輪」は数も期間も限定ではなくなる。
…ただし。前回日誌でも触れた通り、フェニックスの塔の壁から出現するモンスターは、逃げられず、経験値をゼロにする手段も無い。よって、低レベルクリアーでは、ソル
カノンから守りの指輪を盗むことはできない。そのため、正真正銘、最大4個の個数限定アイテムということになるのだ。
――まあ、前述の通り、「守りの指輪」の実用性はそこまで高くなく、特に低レベルプレイでは、役立つ場面は無いだろう。だが、ちょうど人数分が揃えられるというところに、何かしらの作為を感じる。そういうわけで、今回の私の勝利条件は、「守りの指輪を盗みつつ倒す」というものになったのだ。
8倍ゴブリンパンチ×6回で沈むまでに、4回の「ぬすむ」が行える |
では、守りの指輪を盗みつつの、オーディン撃破について考えていこう。
…まず、主な攻撃手段とするのは、お馴染み、8倍ゴブリンパンチである。オーディンのレベル値は「2」と設定されているため、そのままでもバッツとレベルが一致するが、ここは「レベル2オールド」でレベルを1に下げ、レナ・クルルの2名に攻撃させたほうが良いだろう。レナとクルルには、前回、シーデビルから盗んでおいた「ディフェンダー」を二刀流(1本だけ「エクスカリパー」)させており、物理攻撃力は199 or
198となる。これで8倍ゴブリンパンチを放つと、だいたい3000ダメージとなり、HP17000のオーディンを、合計6発で撃破できる。
――また、敵は、1ターン目は何もしないが、2ターン目には「斬鉄剣」を必ず使ってくる。敵の素早さは「50」と高めに設定されているため、最短で、時刻138には「斬鉄剣」が飛んでくるということになる。これは、非ヘイスト状態かつ素早さに気を使っていない場合、味方側2セット目の行動が間に合わないという程度であり、なかなかに厳しい。1分の時間制限に加え、この「時刻138」が、本バトルにおける、もう一つのタイムリミットとなるのだ。ちなみに、あの「ギガグラビトン」が飛んでくるのは、「時刻263」であった。なお、FF5とFF10には、レベル5デスが有効という共通点がある(意味不明)。
そういうわけで。バトルはまず、「まさむね」を装備したバッツが初手を取り、「レベル2オールド」を決める(t=42)。お馴染み、レベル条件さえ突破すれば、命中率は100%で、耐性すら貫通する(まあそもそも、オーディンに老化耐性は無いが)。次に、エルメスの靴で加速したファリスが、「ヘイスガ」を放って、味方全員をヘイスト状態とする(t=43)。あえて、エルメスの靴は、ヘイスガ要員のファリスだけに装備させているのだ。
…さて。ヘイストを掛けたことにより、レナとクルルのその時点での待機時間も半分になり、結果として、クルルは
t=56 に、レナは t=59
に、それぞれターンが回ってくる。どちらも、「レベル2オールド」を決めた
t=42 の時点より、10カウント以上進んでいるため、既にオーディンのレベル値が「1」へと下がっており、初手から8倍ゴブリンパンチを決められるのだ。「エルメスの靴」で最初から加速してしまうと、これはなかなか難しい。
――その後は、バッツとファリスが「盗む」を、クルルとレナが「ゴブリンパンチ」を使い続ける。細かすぎるので省略するが、結論だけいうと、レナが
t=135 に使う「ゴブリンパンチ」が、累積6発目となり、オーディンにトドメを刺せる。なお、オーディンが「斬鉄剣」を使ってくるのは、最速で
t=138 であり、かなりギリギリを狙っていたということが分かる。いや、私ぶっちゃけノリで戦っていたのだが、ここまで絶妙な次元で戦っているとは想定外だ。
ちなみに、レナが素早さ43であっても、計算上、6発目の「ゴブリンパンチ」は
t=136
に発動するため、確実な勝利ができる。しかしながら、素早さが42にまで下がると、t=138
となってしまって、場合によってはオーディンに「斬鉄剣」を使われてしまう。というわけで、FF5の素早さは、1ポイント単位で勝負が決まってくる、極めて重要なパラメーターであると言えるだろう。
ところで。忘れていたが、今回バトルの勝利条件には、「守りの指輪を盗むこと」というものも存在した。戦略の都合上、使える「盗む」の回数は4回である。オーディンは、レア枠にしかアイテムを持っていないため、盗むが成功さえすれば確実に守りの指輪を手に入れられるのだが、レア枠ということで、まあ、なかなか成功しない。
…しかしながら、「まさむね」で初手を取るバッツには、「エルメスの靴」ではなく「盗賊の小手」を装備させているため、気持ち程度であるが、レア盗みの確率を上げられている。なお、これによるデメリットは、「エルメスの靴」で加速して2番手となるファリスが、即座に「ヘイスガ」を唱えているため、全く遅れは存在していない。これまた、あえて「まさむね」で唯一のエルメス靴キャラを先回りすることによって誕生する、絶妙な調整であった。もちろん、プレイ中はそこまで考えていなかったが…。
――最後に。実時間の「1分」という制限であるが、ゴブリンパンチはモーションが短いため、これまた、全ての行程を終えても、約10秒を残してバトルを終了させることができる。かくして、「t=138の斬鉄剣」「1分の制限時間」の両方を、固定パターンで克服することができた。
ということで。これで勝てることは決まったため、あとは、「守りの指輪」を盗むことを成功するまで、ひたすら繰り返すだけである。
――まあ、このオーディン戦については、プレイ中は何も考えていなかったという問題もあるが、先のバハムート戦に引き続き、オーディン戦でも、ATBシステムを活用したバトルを繰り広げることができた。そうか、これが、発売から30年、暁の戦士が世界を救ってから、バッツたちの冒険が始まるほどまでに時間が経ったとしても、語り継がれる、“FF5の面白さ”というものなんだね…!
◆動画◆
ストーカー「早く来てくれ…」 |
というわけで。今回は、第3世界で飛空艇を手に入れた直後に行えることのうち、召喚獣戦である、バハムート&オーディン戦を取り扱っていった。
――さて。“第3世界冒頭の、飛空艇入手直後の寄り道”については、さすがにできることがなくなったということで、次はいよいよ、第2の石板ダンジョンである、「孤島の神殿」へと挑んでいきたい。例によって、実は今回である17話に、孤島の神殿の攻略も含む予定だったのだが、いやはや、それはさすがに長すぎでしょう…。そういうわけで、次回も、だいたい1週間後くらいの更新になると思われる。また見てね!!
(2023年2月27日) 877 PV
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