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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌

 



イヒヒ(定型文)


 古代図書館をクリアーすると、
火力船を自由に動かせるようになる。これで、第1世界のほぼ全てが探索可能だ。新規に寄り道できるのは、ジャコールの町・ジャコールの洞窟・イストリーの村の3つであり、これまで通り、隕石のワープポイントで、タイクーンやウォルス方面にも戻れる。
 …なお、シナリオ進行については、ノーヒントなのであるが、「小さな島が連なった先の、三日月のような形の島」という、
あからさまに怪しい土地に存在する「クレセントの町」に入ると良い。第1世界で訪れていない場所も残り僅かであり、ここで詰むことはないだろう。
 ――しかしながら。クレセントに入ると、火力船が沈没する。
何かと船の壊れるゲームである…。直後に、同じく世界の移動手段として利用可能な「黒チョコボ」が手に入るうえ、もう少しシナリオを進めると、第1世界の最後の移動手段である「飛空艇」も手に入るため、入手直後に火力船を沈める派閥なども存在するそうだ。しかし、私はFF5の低レベルプレイが初なので、この時点でできることを、じっくり回収していきたい。

 ということで。まず行うのは、
南の島でのプロトタイプ稼ぎである。
 …さて、「プロトタイプ」は、南の海に存在する、森の無い島にて出現する。
あのオメガ様と同系統のモンスターであり、第1世界としては法外な強敵ながらも、FF5らしく、多くの対策が存在し、それを使って撃破することにより、様々な報酬を受け取れるようになっている。そのため、慣れたプレイヤーにとっては、実に美味しいモンスターとなっているのだ。
 ――そして、今回の低レベルプレイでは、まずは、こいつから盗めるアイテムを利用する。プロトタイプからは、
通常枠で「エーテル」を盗むことが可能である。このエーテルは、そのまま使っても有用なうえ、750ギルで売却できる。しかも、該当地域には、「プロトタイプ×1」のパーティしか出現しない。よって、この敵からエーテルを盗んで売ることにより、従来のミスリルソード稼ぎよりも、更に効率よくギルを稼いでいけるのだ。

 加えて。今回は、ギル稼ぎによる、大きな目当てが存在する。それは、
イストリーの村で販売している、3種の指輪である。価格は、どれも50000ギルという、第1世界の商品としては桁外れであるが、性能もぶっ飛んでおり、終盤戦でも利用価値がある。その内容は、以下の通りだ。


炎の指輪:炎吸収・氷無効・水弱点 / 物理防御+5・魔法防御+5・魔法回避+5%
珊瑚の指輪:水吸収・炎無効・雷弱点 / 物理防御+5・魔法防御+5・魔法回避+5%
天使の指輪:ゾンビ&老化無効 / 物理防御+5・魔法防御+10・魔法回避+10%



 さて。これらの指輪は、
FF5で初めての属性耐性を持てるアクセサリである。FF8から縛りプレイを始めた私にとっては、低レベルクリアというと『9』の印象が強く、属性吸収はやり込みの華というイメージだ。なんかやたらと属性が偏っているが、それでも真っ先に手に入れたいことには変わりない。
 …また、
パラメーターの補正値についても凄まじい。“第1世界”、まだ3部構成の1段階目ということで、能力値のプラスはせいぜい+1〜3という程度であったが、それが+5だとか+10という数字が踊り狂っている。そのため、属性吸収を抜きにしても、大幅な戦力アップに使っていけるのだ。

 そして。これらの指輪は、全て1個50000ギルであり、仮に全員分…つまり、3種類を4個ずつ買うとなると、合計で600000ギルが必要となる。さすがに、第1世界でそれだけのギルを貯めるというのは、とても大変である。
 …
だが、それはあくまで通常プレイでの話であり、やり込みと考えれば、今更どうということは無い。前述の、プロトタイプを使ったギル稼ぎは、時間効率が良いうえに操作としても難しくなく、他の手段で暇つぶしをしながらの実行が容易である。よって、他FFでさんざん稼ぎプレイをやってきた私にとっては、朝飯前・夕飯前・寝る前なのである。
 ――実際、「プロトタイプ稼ぎを始める時点」と、「指輪の全購入に必要な600000ギルを貯めた時点」で、ちょうど動画記録が残っていたので、そのプレイ時間を比較してみたところ、5時間しか経っていなかった。
たったの5時間である。やり込みプレイとなると、冗談抜きで、この10倍くらいが掛かるような稼ぎもある。余裕である。この5時間で、ゲーム攻略の幅が広がるのなら、願ったり叶ったりだ…。

アレとかコレとか、ボケが始まっているのか


 続いて。指輪購入のついでに、イストリー付近の森にて、
「ラムウ」と戦っておくことにしよう。
 …さて、ラムウは、FFシリーズ恒例の召喚獣であり、『5』では、寄り道して倒すことにより入手ができる。第1世界では、何故かイストリー付近の森を
徘徊しているほか、それで未入手の場合、次元の狭間にて再登場をしてくれる。なお、召喚魔法としての能力は、「サンダラ」よりも少しだけ高威力な雷属性攻撃を行うというものであり、全体対象でも威力が下がらないため、序盤〜中盤の戦いにおいて、まずまず使えるという感じである。

 そして。バトル面でのラムウは、ボス系耐性を持たないということで、
穴だらけである。例によって、「デスクロー」があれば、瞬時に瀕死へと追い込めるほか、「グラビテ」「ミサイル」といった、割合ダメージも有効である。暗闇やスロウといった効果大のステータスも入ってくれる。そのため、ボスというより、雑魚に近い強さと言えるだろう。さすが、旧スマホ版にて、一時的に戦闘BGMが雑魚戦に戻されていただけのことはある…。
 ――ということで。今回の低レベルプレイでは、まず「グラビテ」を連打していく。敵の最大HPは4000と、やや高めであるが、
このグラビテによって、一気に無と化す。その後は、約150ダメージの「ちけい」技を連発していたら、なんか終わってしまった。弱すぎる。炎/氷/雷の3兄弟の中では、一番後に登場するというのに、この弱さでは…。

 ちなみに。このラムウは、撃破後の会話もピンと来ない感じとなっている。
 …以下、まずはGBA版での全文を引用してみよう。


ラムウ「およ イフリート……? おぬしいったい……?」
イフリート「ラムウどの! ますます 技がさえるようで! もしできることならば……」
ラムウ「言うな イフリート! わしと おぬしの仲ではないか!」



 とまあ、この会話の後に、ラムウが仲間になってくれるので、なんとなく流れは分かるのだが、
なんとなくしか分からない。ラムウの「おぬし、いったい?」に対して、イフリートは答えていない。また、「もし、できることならば…」は、“バッツたちに力を貸してほしい”という言葉につながるのだろうが、それに対して「言うなイフリート!」と拒絶をしている。そこだけ聞くと、“違うのだ!”的なアレとしか思えないのだが、その後の流れから、「わざわざ言葉にしなくとも分かっている。我々の仲なのだし、そのお前が認めた主なのだから、着いていこうではないか」ということを言いたいのだろう。
 ――さて、こういうとき、私が参考にするのは、
海外版である。どうも、英語版(ピ版)では、以下のように訳されている模様である。


Ramuh: ...Ifrit? What are you doing here?
Iftit: Lord Ramuh! I see you have become even more powerful. If you would lend that strength to us...
Ramuh: Ifrit! No need to say more. You and I have never been enemies!



 さて。一行目は、日本語版の「おぬしいったい…?」から、
「こんなところで何をしているんだ?」という直球の疑問に変わった。そして二行目も、「技がさえるようで」を活かしつつ、続く言葉も、「あなたが力を貸してくれたら…」という分かりやすい問いかけになっている。
 …そして、三行目であるが、私はこの英文をパッと見たとき、“You and I have no enemies”、つまり「俺とお前が組めば敵なんて居ないよ」という
青春アミーゴ的なアレを想像していた。しかしながら、過去分詞のbeenが入っているため、「わしとおぬしは、そもそも敵同士じゃない」という意のようだ。
 ――ということで、「あー、そーゆーことね。完全に理解した
(←わかってない)という感じだった日本版に対し、英語では、仲間になる経緯が分かりやすく翻訳されている。つまり、シナリオの解釈に困ったら、海外版である。やれ、中学生とか高校生の皆さまは、つまらない学校のお授業に対して、「英語なんて勉強して何の役に立つの?」と思うことだろう。だが、英語を勉強しておくと、ゲームを理解するのに役立つのである…。

動画



こんな青魔法、使うかなあ…(さっそく使う)


 そして。一通りのギル稼ぎを終えたら、次は、行動範囲が広がった際の恒例ということで、
青魔法の習得を行っていきたい。



ミサイル(プロトタイプから)
 対象に、「現在HPの3/4」の割合ダメージを与える。命中率「75」の設定が残念だが、
敵撃破から捕獲まで、汎用性の高い青魔法である。
 習得は、「火炎放射」と同じく、プロトタイプから。エーテル稼ぎと、通常プレイでの「操る→自爆」による稼ぎに加えて、青魔法も複数覚えられるなんて、つくづく旨味の大きいモンスターなことだ…。

火炎放射(プロトタイプから)
 単体に炎属性の魔法ダメージを与える。威力は「ファイラ」と同じであり、全体化もできないが、消費MPが10
5と半分になっていることが魅力だ。
 習得対象のプロトタイプは、倒すだけならば、さっさと操って「自爆」を発動させてしまえば良い
(「自分自身に自爆をする」という行動をさせるため、こちらの誰か1人が戦闘不能になることはない)。ただ、低レベルクリアーのために捕らえようとすると、なかなか面倒になってしまう。というのも、物理防御/魔法防御ともに「100」とぶっ飛んでおり、操っての自分打撃ですら、0ダメージに抑えられてしまう。
 さて。敵は単体攻撃しかしないため、「フェニックスの尾」を使い続けられれば、全滅することは無い。だが、あのオメガ様すら上回る特性として、
弱点属性を持たないため、弱点を突くことで自動的に発動する防御力無視は行えない。HPも5000と莫大であり、ボス系耐性を持っているため、自分「ミサイル」などの割合ダメージも無効化される。よって、そのままでは「HP1/8」という条件を満たすのは難しいのだ。

 そこで今回は、古代図書館の256ページから覚えた
「ガードオファ」を、さっそく使っていく。命中率こそ頼りないが、当たれば物理防御&魔法防御を半分にできる。だが、その消費MPは「19」と多く、レベル最大のファリスですら、1回唱えるごとに「エーテル」でMP回復をしなければならない。しかしながら、エーテルは、あろうことか、このプロトタイプから盗めるので、もはやその使用を敬遠する必要はない。
 ということで。まずは、「ブラスター」「マスタードボム」などの
猛攻(笑)をフェニックスの尾で耐えつつ、「火炎放射」のほうの習得条件を満たす。次に、「あやつる」で攻撃を封じ(その間の敵行動は、まず青魔道士に「ミサイル」を使ったあと、自分ミサイルを使い続ければ、操る状態は解除されない)、外れることも前提として、エーテルでMPを回復しながら、何度か「ガードオファ」を当てる。そうすれば、敵防御力は、100→50→25→12→6と下がっていくので、あとは、「ちけい」で発動する「とっぷう」(威力38)で少しずつ削って、捕獲を行えば良い。物資こそ大量に要求されるが、負ける確率は0%であり、そしてその物資はプロトタイプ自身から補充できる。やっぱ、プロトタイプって美味しいモンスターじゃん!

自爆(ボムから)
 自分が戦闘不能になる代わりに、対象に現在HP分のダメージを与える。
敵に使われた場合には厄介な特技の典型例である。
 さて、自爆した相手の経験値を回避するには、例によって、フェニックスの尾を先んじて入力しておき、それで蘇生させた後に「とらえる」で捕獲するという手でOKである。しかし、困ったことに、
「あやつる」では、味方側に自爆を使わせることはできないようだ。よって、敵が使ってくれることを待つしか無いのだが、「自爆」を宣言されてから「フェニックスの尾」でカーソルを合わせるまでのタイミングはそこそこ厳しいうえ、せっかくの自爆が、“青魔道士か、「ラーニング」を付けたキャラ”に飛んできてくれなければ、爆破され損である。
 そのうえ、ボムは最低でも2体で出現する
(まあ、そもそも単体出現だと、自爆した瞬間に蘇生させられない)のだが、1体目でラーニング条件を満たし、「よし!」と思ったところで、2体目がいきなり爆発してバトル終了となり、経験値を押し付けられる…などということも日常茶飯事である。その他、「あやつる」で登場する敵コマンドは「たたかう / 自爆」であり(「あやつる」では防御は選べず、GBA版ではコマンド飛ばしも無い)、自爆は選べない都合、どうしても「たたかう」を使わざるを得ず、状況が崩れやすくなってしまう。何かと面倒な相手なのだ。
 ということで。「『あやつる』で自爆を使わせて、フェニックスの尾で蘇生させれば楽勝っしょ〜?」という前印象とは裏腹に、
なかなか習得に苦労する青魔法となった。ちなみに、今回からは、やはり、WiiU本体の「まるごと保存」機能は封印していった。まあ、「ミサイル」によってHP調整が楽になったことと、「エーテル」の大量調達が容易になったことが理由であるが、それに加えて、やっぱり、リアルタイムセーブのようなものを使うと、ゲームが単なる作業になってしまう。私のやり込みプレイでは、そういうのは避けていきたいと思ったのだ…。

黒の衝撃(ブラックフレイムから)
 最後に、経験値&ギル稼ぎモンスターとして有名な「ブラックフレイム」であるが、青魔法の「黒の衝撃」も覚えられる。その効果は、
対象のレベル値を半減させるというものであり、相手に対してステータス魔法が当たりやすくなったり、こちらが受ける被ダメージが下がったりするなど、重要な効果を得られる。ただし、この青魔法自体が命中率持ちであり、レベル差が大きな相手に当たりづらいというのは、本末転倒の感がある。
 さて、敵は、クレセント近くの列島において、必ず5体セットで出現する。こちらのメンバーが一度に捕獲しておける4体を超えているのであるが、「はなつ」で発動する技は、青魔法と同じく「黒の衝撃」であり、敵を倒してしまうことはない。よって、端から順番に、ちぎっては投げ…もとい、
捕らえては放っていけば大丈夫である。
 そして。具体的な戦い方としても、敵のダメージ技は打撃のみであるため、「フラッシュ」で暗闇状態にすれば、大幅に脅威度を下げられる。そのうえ、味方側が受ける「黒の衝撃」は、そもそも低レベルクリアーであるため、その効果は極小である。そして、与ダメージ手段としても、割合ダメージの「ミサイル」でHPを減らしていけば、不意に倒してしまう事故も防げる。そのうえ、「あやつる」を成功させた場合、「黒の衝撃」を自分に使い続ければ、操る状態を解除することは無いため、安全なターンスキップとしての活用が可能である。
 ということで。バトル終了まで、約10分という長期戦になったが、特に危険な点はなく、「黒の衝撃」を習得して、経験値ゼロで終わらせることができた。エーテルの大量消費も、もはや問題とはなるまい。うむ、
今後とも、こういう戦い方をしたいというものだな。



アクアブレス(ドルムキマイラ狙いで失敗)
 タイミング的には、この少し後になって「吟遊詩人」のジョブを手に入れた後なのだが、ここにまとめて書いておこう。
どうせ失敗だし…。
 吟遊詩人の「かくれる」を使えば、アクアブレスを喰らっても全滅しなくて済むようになるため、何とかこれで取得できそうに思えた。…が、
隠れたキャラだけ生き残ったところ、逃走扱いになってバトルが終了してしまった。世の中、そんなに甘くないということである。
 やはり、ドルムキマイラからアクアブレスを習得しようとする場合、かなり稼いで、HPの高いジョブにHPアップ系統のアビリティを付ける必要がありそうだ。ちなみに、前回は普通に「誰かにシェルを掛けてもらう」と書いたが、
魔法シェルは第2世界に入ってからしか買えないので、シェル状態になるには、青魔道士の「魔法バリア(瀕死でシェル)が必要である。キツい! …が、第5話のコメント欄で指摘していただいて気付いたのだが、「アクアブレスに耐えるキャラ」「青魔法をラーニングするキャラ」は必ずしも同じでなくても良い(アクアブレスを受けて戦闘不能になっても、ラーニング条件を満たせる)。そのため、私が考えていたよりも、少しだけ楽になった…はずだ。



 とまあ、こんな感じである。
 …個人的には、
プロトタイプ戦で「ガードオファ」が使えたのが意外であった。前回、256ページから習得をしたときには、「こんなの使うか?」と思っていたのだが、さっそく使用した。やはり、制限プレイは、選択肢が増えれば増えるほど面白くなる。今後も、どんどん青魔法を覚えていくことにしよう。

 さらに。書くのを忘れていたので、ここに書くのだが、寄り道として、
ジャコール地方にも足を進めていく。ジャコールの洞窟では、あの有名な「どくろイーター」が出現し、逃走させることで、経験値0で5ABPを獲得できる。
 …ただ、この稼ぎは、「同地域にはナッツイーターも出現する」「どくろイーターも、逃げずに攻撃をしてくる場合がある」「普通に倒すと経験値が入ってしまう」など、
繰り返しの単純作業としては難点が多い。そのため私は、ABP稼ぎには採用せず、引き続きガルラを切り裂きバッツし続けることにした。

このイケメン顔で小学生男子みたいな言葉遣いは草


 というわけで。「火力船入手後」という時点において、やるべきことは、だいたいやれた。そのため、次の目的地であるクレセントに行って、船を沈める。なお、この船を沈めたのは、FF5の
★神モンスター★であるクレイクロウ様の慈悲という説が一般的である(後述)
 …さて、船は沈むわけであるが、その後すぐに
黒チョコボが手に入る。黒チョコボは、FF4と同じく、空を飛んで、森のみに着地ができるルールである(地面を走ることはできない。また、勝手に元の森へと戻ることは無い)。火力船との差異は、「ウォルスやタイクーン地方に直接行ける」「空を飛んでいる間は雑魚敵が出現しない」「リックスの町に新規に訪れられる」「逆に、森のない島には訪問できなくなる」という感じで、むしろ黒チョコボのほうが勝っているくらいだ。だが、少しシナリオを進めると、全ての特性を併せ持ち最強に見える飛空艇が出現するため、やはりこの黒チョコボも、あまり注目されていない。
 ――なお、FF4における黒チョコボは、トロイア〜磁力の洞窟を結ぶ交通手段として出現し、シナリオ進行に必須であった。だが、チョコボの森が微妙に町から離れたところにあったため、
小学生時代の私は発見ができず、物語進行が詰んでしまった。トロイアの町にあるチョコボ飼育小屋で、「その黒チョコボをこっちに渡せ!」と、ひたすら話しかけていたことを覚えている。その小屋にいる別の住人が、物語を進めるためのヒント(というか、ゲーム用語的には、“答え”そのもの)を教えてくれるのだが…。
 しかし、このFF5における黒チョコボの森は、小さな三日月島に存在する。他にできることもなく、実に分かりやすく森が置かれているため、さすがに詰むことは無いだろう。よって、もし小学生の私がプレイをしていたとしても、ここで進行不能になるということは無いはずだ。スーファミ時代も中期に差し掛かったということで、ユーザーフレンドリー化が進んだ結果…かもしれない。

 そして、黒チョコボを捕まえると、
「吟遊詩人」「狩人」という2つの新たなジョブが解禁される。
 …ちなみに、このクリスタルは、カルナック城の爆発で回収できなかった2つが手に入ったということのようである。まあ、カルナックとクレセントは、第1世界が星であれば、
世界の反対というくらいに離れているため、黒チョコボが飛び回っているときに飲み込んだのだと思われるが、ファリスは「カルナックが爆破したときに飛ばされてきたやつ」と言っているので、この森の近くまで飛んできたのを黒チョコボが食したという可能性もあるだろう。そして、どうでも良すぎて全バージョンで直されていないが、恐らく「爆破」ではなく「爆発」である。

 では、それら2ジョブの内容について、簡単に語っていこう。
 まず、
「狩人」については、マスターで「みだれうち」を習得できるジョブというのが有名だ。ABPは累積600とそこそこ遠いが、通常プレイでの最強攻撃手段であり、それだけのために育成をしていく価値がある。
 …また、私としては、累積ABP60で習得できる
「ねらう」が使えるのではないかと考えている。FF5の通常攻撃は割と外れるので、命中率が100%になる効果はありがたい。アビリティ枠を圧迫するが、ステータス系の魔法剣と組み合わせると面白いのではないか…と思っている。
 ――いっぽうで、最初に覚えられる
「どうぶつ」は、全く役に立たない。“ノーコストのランダム技”という位置付けは「ちけい」に近いが、こちらはレベル依存であり、低レベルクリアーで発動するのは「ミシディアうさぎ」「りす」だけである。「ミシディアうさぎ」は、FF6の時と異なり、本当に何もしない。「りす」は、だいたい150程度の魔法ダメージを与えられるが、それだけであり、もっと有能な攻撃手段はいくらでも存在する。一応、レベル系特技と組み合わせて、呼び出せる動物を無理やり増やすという荒業もあるが、恐らく、今回プレイにおいて、ゲーム終了まで一度も有効活用されることは無いだろう。動物じゃなくておっさんでも呼び出すべきだったな…。

この勝手に逃げ出す性質さえなければ、更に便利だったのだが…


 続いて、
「吟遊詩人」は、なかなかの名ジョブである。まず、前作FF4で吟遊詩人だったギルバートは貧弱キャラであったため、それで弱いというイメージを持たれがちだ。あろうことか、戦闘だけでなく、ストーリー面においても弱々という徹底っぷりである。
 …そしてFF5においても、「うたう」「かくれる」も、攻めたり守ったりといった他ジョブに比べて分かりやすい魅力が無く、私の通常プレイでは触らないまま終わってしまった。もっとも、当時の私は、ナイト・白魔道士・召喚士などといった、非常に分かりやすいジョブしか使っていなかったのだが。これでは、FF5の深淵を理解できたとは、とても言うことはできない…。

 具体的な吟遊詩人の強さとしては、まず
「うたう」については、敵にストップを掛ける「愛の歌」や、レベル上昇で火力を増やす「英雄の歌」が、よく取り沙汰される。愛の歌は、あのオメガに効くということが知られている。殺戮兵器にも愛が理解できるのだ。
 …また、
「かくれる」については、防御不能の全体攻撃が来ても、全滅を回避できるようになる。ちなみに、上で述べた通り、雑魚戦で隠れた場合、隠れたキャラだけになると逃走扱いになってしまうのだが、もちろん元々逃げられないボス戦ではそのようなことは無く、戦闘続行が可能である。そして、FF5は、いつでも「あらわれる」で戦線に復帰でき、防御によるターンスキップも自由である。FF5には、「行動がルーチンであり、各ターンごとに3つの行動から1つを選ぶ」という性質を持った敵が多い。よって、相手の行動パターンを把握すれば、隠れたり現れたりを繰り返しているだけで勝てるボスも存在する。しかも、たったABP175でマスターでき、この性能の「うたう」「かくれる」を、他ジョブへと移行できるのだ。

 さらに、装備武器の竪琴については、
表示されている攻撃力とは無関係の特殊効果を持つ。
 …特に、伝説の12武器である「アポロンのハープ」は、圧倒的な性能を持ち、オメガ・神竜戦などに持ち出されることも多い。攻撃力45というのは
(ゴブリンパンチでのみ適用)であり、実際は攻撃力75の魔法攻撃である。そして、竜とアンデットに対しては、威力が8倍…つまり、攻撃力600となる。これがどれくらいかというところだが、あの有名な弱点突きのアクアブレスと同じ威力となる。低レベル&無強化でも、だいたい2000程度のダメージとなるようで、十分なダメージソースとして利用可能であろう。
 ――また、その他の特性についても、有用な点がてんこもりである。音波による攻撃部分は“追加効果”という扱いなので、ダメージ魔法扱いであり、決して回避されることは無い。意外にも魔法防御力を無視しないのだが、600という莫大な攻撃力の前では些細なことである。ちなみに、FF5では、「竜の口付け」という、対象をドラゴン族にする
(&ボス系耐性を付ける)という、どこぞのバスターブレイダーのような特技も存在し、あらゆる敵を竪琴によって殺害していくことが可能である。これアレだ、楽器の形をした、FF12の銃だ。
 ちなみに。FF4のギルバートについても、原作でもメンバーが固定であったため、弱いなりに活躍できる場面もあったのだが、メンバーチェンジが可能となったGBA&PSP版では、多くの強化が施されている。様々な追加装備が用意され、「アポロンのハープ」「ロキの竪琴」によって、あらゆる敵を
音殺することが可能になった。そのうえ、「かくれる」が、本編終盤の敵や裏ボスたちに適用可能となったため、通常攻略から縛りプレイまでで使える名キャラと化している。吟遊詩人は、一見するとチャラそうであるが、実際には味わい深いジョブなのだ。

60ダメージの時点でキツいが追加のスリップで死ねる。しかも1ターン2回使ってくることも


 では、黒チョコボ編の最後として、新規に訪れられるようになった「リックスの村」への訪問も行っておく。
バッツの出身地であり、物語進行のために必須ではないものの、幾つかのイベントが見られ、名曲:「はるかなる故郷」も聞ける。
 …そして、低レベルクリアーで重要な点もあって、
まずは消耗品を半額で購入できる。最重要の「フェニックスの尾」こそ買えないのだが、その他の消耗品を大量購入し、今後の激しい戦いに備えておく。また、バッツの旧家では、「誘惑の歌」を覚えられる。
 ――最後に、道具屋では、
3つの巻物アイテムを購入可能だ。巻物は、「なげる」で使用でき、火・雷・水の弱点を突けば、1000ダメージと、低レベルクリアーでも高い火力を持つ。200ギルと安く、3種類を99個買っても、たったの59400ギルと、常用可能な攻撃手段だ。次に購入可能なのは第2世界の中盤なので、ここで必要数を買っておくことにする。ただし、使いすぎて、バトルを無味乾燥にすることだけには、気を付けていきたい。

 では、物語進行を再開していこう。黒チョコボで古代図書館を訪れると、シド&ミドと出会い、今度は流砂の砂漠を越えようという話になる。
 …ちなみに、流砂の砂漠については、このイベントより前、つまり古代図書館に入れるようになったのと同時から訪れられるものの、その時点では入り口近くの流砂に戻されるだけである。
ただし、その最速タイミングでも、砂漠の雑魚と戦うことはできる。その3体の敵のうち、「サンドベア」という敵からは、第1世界で最強の武器となる「ジャベリン」を盗める。その時点では、装備可能なジョブがすっぴんしか居ないうえ、両手持ちも魔法剣も不可能なため、コンボ性に乏しい。ただ、こういうものは集めてから使い道を考えるべきだと思うので、私は、いつも通り人数分を盗んでおいた。

 そして。シドたちとともに訪れると、まずボスの
「サンドウォーム」と戦うことになり、これを倒すことで、砂漠の奥へと進むことが可能である。
 …さて、このサンドウォームは、ATBシステムを活かし、
3つの穴を移動しながら戦闘を行う。間違えて穴のほうを殴ってしまうと、ダメージを与えられないばかりか、「グラビテ」が飛んでくる。よって、サンドウォームを狙ってタイミング良く攻撃するか、または反撃覚悟で全体魔法を使うことになる。
 ――とまあ、プレイヤーの体験としては、もぐら叩きのような感覚で分かりやすい。しかし、
内部的にはかなり複雑なことをやっているようで、「3つの穴」「3つの穴から顔を出すサンドウォーム」「それらを管理する見えない本体」という合計7体の敵により、このようなゲーム性を実現しているようだ。私が現場のプログラマーなら、から始まる有名な叫び声とともに、血反吐を出していたところである。詳しくは、「チョコボと学ぶサンドウォームの生態」【ニコニコ】という動画を見ていただけると分かりやすいであろう。

 そして。サンドウォームは、
低レベルクリアーでは、なかなかの難関となる。厄介なのは、60固定ダメージの「りゅうさ」だ。軽減不能の全体60ダメージという時点で、低レベルキャラたちは致命的な損害を受けるのだが、困ったことに、こいつにはスリップの追加効果が存在する。スリップは、徐々にHPが減っていくという、お馴染みのステータスだが、減少量は固定であるため、低レベルでは相対的に大きなダメージを受けることになる。しかも、FF5では、スリップのダメージによって、普通にHPがゼロになるのだ。
 …実際には、「次のターンが回ってきて行動を実施する」までに、更に追加で30くらいはダメージを受けることになる。60+30で
90である。しかも、スリップは、時間経過と戦闘不能以外では解除されないため、自発的な治療ができず、耐性も持てない。低レベルクリアーにとっては、この僅かなダメージだけでも致命傷となりうるため、極めて厄介なステータスなのだ。
 ――しかも、極め付けに、サンドウォームは、前述のような複雑なルーチンで動いているためか、
「りゅうさ」を1ターンで2回使ってくることがある。さすがにこれでは無理だろう…。まあ、歴史の長いFF5ということで、こいつも瞬殺以外の戦法が存在する。方法としては、青魔道士の「魔法バリア」で流砂の本体部分のダメージを30へと半減し、ヘイストによって手数を増やしたうえで、「HP30%アップ」なども兼用して持久戦というやり方になるようだ。

 さて。今回プレイ時点での私は、そこまで思いつかなかったので、
諦めて、忍者の「すいとん」を3回使って撃破した。忍者は素早さもなかなかなので、これで問題なく勝利が可能である。敵HPが3000、すいとんのダメージが1000前後なので、3発で倒せなければ4発目を投げれば良い。途中、全体攻撃ということで、反撃のグラビテが飛んでくるが、もちろん完全に無視である。
 …というわけで。
特に工夫の無い瞬殺となったが、まあ、私はFF5自体が多分15年ぶりくらいであるうえ、低レベルクリアーは初回なので、これくらいで許してほしい。もし、FF5の本当の意味での“完全版・決定版”が出て、2回目の低レベルクリアーをやるのなら、もっと凝った戦法にしてみたいな…。

動画



ネ 申


 サンドウォームを倒すと、流砂の砂漠を進んでいけるようになる。画面下に進んでいけば、この時点での目的は達成可能だが、実は第3世界のダンジョンである
ピラミッドも拝むことができる。入り口には鍵が掛かっており、上に登ってみても何もないのだが、3つの世界の繋がりを感じられる仕掛けである。
 …その後、砂漠の外に出て更に進むと、滅びの町ゴーンという場所に着く。“町”という名前であるが、利用できる施設や住民などは存在せず、手に入れられるアイテムも無い。そこでは、例の
「変なのだ…」のおじさんが元気に歩き回っているので、それを追い詰めると、物語を先へと進められる。なお既に、タイクーン王は、誰も入り込めない流砂の砂漠を、空を飛んで渡ったらしいだとか、このゴーンでも亡霊のような姿を見せるだとか、様子が変なのであるが、とっくの昔にエクスデスへと体を乗っ取られており、超人的な能力を発揮しているのだと思われる。
 ――そうして、ゴーンの地下から、ワープポイントでクレセントの地下へと移動をする。
実はこれも、世界の反対側と言えるくらいに距離が離れているのだが、まあテレポートで異世界にまで移動してしまうFF5なのだから、今さらという感じだろうか。

 そして。カタパルト
(クレセントの地下)では、飛空艇を発進させるのだが、その際に、「クレイクロウ」という敵と戦闘になる。今回、初めて知ったのだが、コイツはFF5で屈指のネタボスとして親しまれているようだ。
 …というのも。こいつはHPが2000と低いうえに、
雷属性という明確な弱点を持っているため、それを突くことで瞬殺が可能である。また、リクイドフレイムやサンドウォームなどが、様々なギミックでインパクトを与えてくれたことに対し、クレイクロウは純粋に弱いだけだ。しかも、「盗む」によって、何故か弱点攻撃が可能な「珊瑚の剣」を入手できるため、制限厳しめの縛りプレイですら、それを使って倒せるようになっている。
 ――ちなみに、このカタパルトでは、クレイクロウを倒すまで外に出ることはできない。もっとも、ショップこそ使えないものの、無料回復ポイントがあるうえ、沈んだはずの火力船が何故か礼儀よく停泊しており、そこに入ってのレベル上げも可能である。よって、後述する動画により、「火力船は、FF5を愛する小学生たち
(当時)が、ここで詰んでゲームをやめてしまわないよう、クレイクロウ様があえて沈めておいた」なんて奇説が提唱されていたりする。

 そういうわけで。このクレイクロウは、
ネタとして愛されているボスである。ニコニコでは、【クレイクロウ様がエクスデス・神竜・オメガどもを瞬殺していく動画】や、【最悪条件でクレイクロウ様に挑む縛りプレイ】などが投稿されている。FF13でいうゼノビア様のような存在なのであろう。上記の、「クレイクロウ様が火力船を沈めてくれたんだよ説」も、これらの動画で提唱されている。
 ――余談だが、最近の話題として、2022年に発売された「FFオリジン」において、
まさかのFF5枠で、このクレイクロウ様が抜擢されている。同作は、FF1だけでなく、歴代ナンバリングの世界観をモチーフとしたダンジョンが多く用意されている。そして、FF5からは「機械遺跡」と題して、ロンカ遺跡をアレンジしたようなダンジョンが登場しており、そこでのボスがクレイクロウ様なのである。同作では、FF5のエビっぽい見た目から一転し、“機械のサソリ”という感じにグレードアップしている。また、必殺技として「波動砲」を習得し、あのオメガの能力すら取り込んでいる。さすが、FF5で真の最強モンスターと言われるだけのことはあるわ…。

 というわけで。クレイクロウには、
どうやっても勝つことができる。そのため、今回の私は、「珊瑚の剣」などの雷属性武器を装備し、「月の笛」でバーサク状態になって攻めていくことにした。何故そんなことをするかって、蒼魔法が好きだからである…。ファリスの打撃なら、大体700という大きめのダメージを与えられるので、3発での撃破が可能である。
 ――ちなみに。その他の倒し方を述べてみると、例えば忍者で「らいじん」を使えば、2〜3発で終わりであり、準備としても、リックスで巻物を買っておくだけなので、もっとも簡単である。また、同系モンスターのカーラボスのように、全員が黒魔道士となって、サンダラやサンダーを連発していく戦法でも良いだろう。もちろん、無制限系の低レベルで大活躍をするロッド使用でも良い。そして、敵はレベルだけは43と
無駄に高いため、ステータス攻撃は効きづらいのだが、ポイズンで毒にして「かくれる」で放置をしたり、スリプルで眠らせ続けたりしても良いだろう。クレイクロウ様は、詰み防止のため、あえて手加減をしてくれているのだ。じゃあここで出てくるなよとか言ってはいけない。

動画



なんか地味にこの顔グラフィックもいい味を出してないか?


 そんな感じで、今回は、火力船解禁〜飛空艇入手までを取り扱っていった。なんか毎回、
青魔法とジョブの話ばかりになっている気がする…。
 ――そして、次は、
ロンカ遺跡の攻略である。第1世界最後のダンジョンであり、様々な演出と複雑な敵で唸らせてくれる。やれ、第1世界も中盤から終盤と言える状況になり、正直言ってバトル面での難易度は急激に低下してきている。だが、安直すぎる戦法を、いつもの“自主規制”によって制限していくことにより、面白さを維持していきたい。それに、「バトルに勝利する」という意味での難易度は低いが、私にとって、FF5は新しいゲームであり、「システムを勉強する」という面の難しさを加えれば、総合的な難易度は低いとは言えない。さあ、次回も、いろいろな戦法で戦っていきたいな…!

 

(2022年11月12日)

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