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FF12HD/かんたん低レベルクリアー

 



発狂ゾディかよ


 前回パートで大灯台地下層の攻略も終え、無事にFF12の要素も裏ボスの
ヤズマットとオメガmk.XIIを残すのみとなった。今回は、その2体との戦いについて記していくことにしよう。なお、題名が非常にふざけているが、内容自体は至極まともである。
 …その前に。前回書くのを忘れていた、
「ハントループ」の攻略を終わらせておく。このイベントは、ドラクロア研究所のクリア後に、フォーン海岸で行えるようになるものであり、内容は世界各地の専用レアモンスター31体を狩って報告するというものである。オリジナル版においては、報酬が「マクシミリアン」や「ホーリーの魔片」など非常にショボく、せいぜい専用レアモンスターから「トウルヌソル」の素材を集めやすいというくらいしか魅力が無い。そのため、各種のやり込みプレイなどでも「強敵の撃破」「報酬」の両面でスルーされることが多かった。
 ――しかしながら、INT/PS4版では一転して
報酬が大幅に強化され、極めて貴重なアイテムを入手できるようになった。特に、「最強の盾」「血塗られた盾」「源氏の小手」はそれぞれ他の手段では1個ずつしか手に入らない(一応、「血塗られた盾」はStage88のトライアル持ち込みで増殖可能)ため、ここで2個目を手に入れておく意味は大きいと言えるだろう。また、倒すべき敵としての能力については、ルース魔石鉱奥に登場する「ディズマ」のみ、なぜかゾディアーク級の攻撃力を誇る超凶悪モンスターへと姿を変えている。なぜこいつだけをこんなに強化したのだろうか?

 そんなわけで、ハントループの攻略を進めていくのであるが、大半の敵はせいぜい本編終盤で登場する通常のレアモンスターというくらいの強さであり、しかも
何故かほとんどの敵に「オイル」が有効であるため、それを使ってヴァンとアーシェの2人でどんどん焼き払っていく。
 …そして。ついでに、ハントループのレアモンスターは、倒すと二度と出現しなくなるため、レアアイテムなどは今のうちに全て「盗む」で入手をしておく。今回稼いだのは、トウルヌソル&マサムネIの素材になる「ヒヒイロカネ」「ソウルオブサマサ」「ソウルパウダー」「戦神のアシュリング」「ダマスカス鋼」、その他はアクセサリの「賢者の指輪」と攻撃アイテムの「コラプスの魔片」である。コラプスの魔片については消費アイテムということで、何故か
99個集めてしまった。まあ、そこまで使うことはまず無いだろうが、魔法使いの全体攻撃手段としてはかなり便利なので、トライアル攻略などでは積極的に用いていくことにしよう。少しでも役に立ちそうなアイテムがあったらすぐ99個集めてしまう…FF12プレイヤーのさがである。
 ――そんな感じで。敵を倒しつつ、最後にルース魔石鉱の最深部で出現する
「ディズマ」とも戦ってみたのだが、こいつ強いと聞いてはいたが予想以上の強さであり、物理攻撃は回避不能なうえに序盤から2000以上のダメージ&連撃ありと凶悪で、各種のガ系魔法や範囲攻撃は3000を超えるダメージを叩き出す。これに、終盤になると通常攻撃CT0&魔法CT0が加わってしまってどうにもならなくなったので、敵の「ボスでもモブでもなくエリアを切り替えてもHPが回復しない特性」を使い、ラインギリギリで戦って死にそうになったら隣のエリアに逃げるというインチキ臭い戦法を使っていった。まあ、こいつに関しても、その気になれば正攻法で勝てるのかもしれないが、もう気持ちは完全に裏ボス方向に向いていたので、これくらいの戦法でお許しいただきたい。

 そんな感じで。全てのレアモンスターを撃破し、ハントループのイベントを終わらせた。
 …そして、エンゲージアイテムに関しては、3体のバンガにそれぞれ10個ずつ渡して
セイノーみんなでゴールをさせ、優勝商品として「血塗られた盾」などを入手する。さらに、ミリアム遺跡のゼロムス戦跡地でダークロードを繰り返し撃破する…というオリジナル版からのギル稼ぎを行い、ハントショップで999999ギル「最強の矛(いらない)「最強の盾」を入手、ついでに交易品でも、集めたアイテムを売却し、「トウルヌソル」「マサムネI」を購入する。それぞれ、バッシュとフランの最強クラスの装備品であり、活躍の場は見つけることができるだろう。
 ――というわけで。 これで無事に、小粒な寄り道要素は全て片付けることができた。残すは、もうヤズマットとオメガmk.XIIのみである。さあ、今回は彼らにどんな戦法で挑んでいくことができるのだろうか。前回の「たたかう禁止 低レベルクリアー」では、三大裏ボスに関しては、“事実上の敗北”と表現するしかない戦法でしか勝つことができなかった
【該当プレイ日誌】。今回は、その雪辱という意味も兼ねている。よし、やってやるぞ〜!!

まあこうなるわな


 そんなわけで、三大裏ボスの一角である
「ヤズマット」戦だが、いつも通りのハメ技でフィニッシュである。
 …というのも。ヤズマットに関しては、HPが5000万と法外に高いうえに、攻撃も魔神竜と比べて遥かに強力である。終盤の常時通常攻撃CT0での超発狂や全員9999ダメージ
すら超える「サイクロン」などは、低レベルクリアーの戦力下で対処できる限界を遥かに超えていると言えよう。それでも、低レベルで正面から戦うことにこだわるのならば、リバースの解禁はもちろんとして、MPを「亀のチョーカー」で補った上で数百万ギルを用意し、そのうえで数時間クラスで戦い続けなければならないだろう。または、途中退出を前提とし、物資の補給やセーブを繰り返しながら何度も戦っていくか。どちらにせよ、これまでのような「低レベル」「リバース封印」「ガンビットのみ」といった正攻法で挑んでいくのは現実的ではないのである。
 ――ただ。こいつに関しては、皆さまご存じの通り、2007年7月の時点で
100%成功するハメ技が当サイトにて発見されている。その内容は、2人が「蘇生」を繰り返しながら敵の「必殺」を回避し、もう1人が壁に隠れて「ダーガ」を反射するというものであり、特徴としては「初期レベルでも実行可能である」「キャラクターの配置さえ済ませればガンビットのみで確実に勝利できる」などの点が挙げられる。その導出過程や詳しい解説については、【初代低レベルクリアーの16話】【たたかう禁止低レベルクリアーの15話】などをご覧いただきたい。また動画に関しても、【ニコニコ動画の「FF12 ヤズマットハメ殺し作戦」】というものが投稿されており、大荒れになっているのも今となっては微笑ましいものである。もう10年以上昔の戦法なのか…。

 そんな感じのハメ技なのであるが、実は私は今回プレイを始める前…もっと言えば、
PS4版FF12の発表が為された瞬間から、この「ヤズマットハメ殺し作戦」の存続について危惧していた。理由は簡単、この戦法が、PS2版の際の「渋滞」を最大限に活用したものであり、それが解消されたPS4版では実行不可能になってしまうのではないかと思っていたからだ。
 …詳しく言うと、この戦法の最大のポイントは
「敵の『必殺』を『蘇生』で回避するという点である。そもそも技:「蘇生」は、「自分が戦闘不能になる代わりに対象の1名をHP全快で復活させる」というものであり、FF12には復活直後の非ターゲット時間があるため、この技を2名で連打しているだけで敵に一切気付かれることなくフィールドに存在し続けることができる。では、これに加えて、「リフレクで反射した魔法を相手に当てても気付かれない特性」を使うと、それだけで全ての敵を完封できてしまうのだろうか。答えはNOである。何故なら、FF12の基本システムとして、戦闘態勢に入っておらず、かつこちらからターゲットされていない敵は、一定時間ごとにHPを自然回復してしまうからだ。そして、その回復量は、ヤズマットクラスとなると1秒で50万にも達するため、そのままでは決して相手を倒すことはできないのだ。
 ――そのため、PS2版の頃のハメ技では、「ダーガ」「蘇生」「必殺」
(または「サイクロン」)全て相互に割り込み不能である特性を利用し、必ず「@ダーガ」「A蘇生」「B必殺」の順に順番待ちのコマンドを発生させていた。こうすると、「@ダーガ」のモーション中は「A蘇生」が発動せず、その間に「B必殺」までが積み上げられるが、「A蘇生」のモーションに「B必殺」は割り込めず、「A蘇生」の効果の発動によって「B必殺」の対象が消滅してキャンセルされる。その間に、次の「@ダーガ」「A蘇生」が成立し、以下ループ…という感じである。そしてこの際、敵は「B必殺」を構えているため、上記のHP自然回復の条件を満たすことはない。たったガンビット4行で成立する完璧なハメ技である。私が、FF12で最も好きな作戦だ。

 しかしながら。今回のPS4版においては渋滞が解消され、
「ダーガ」「蘇生」「必殺」が全て相互に割り込めるようになった(「サイクロン」のみPS2版の時と同じ法則で渋滞が発生する)。これにより、「必殺」が予想外のタイミングで発動してしまったり、「蘇生」が早すぎて相手がこちらに気付けず、HP自然回復の条件を満たしてしまったりして、このハメ技の根底となる部分が覆ってしまうことが想定された。
 …が。試しにやってみると、やはり「2人で『蘇生』をしつつ『ダーガ』を敵に気付かれない壁際からを反射する」という、
PS2版の時と全く同じ戦法を成り立たせることができた。「必殺」は確かに発動する時は発動するのだが、その前に「蘇生」のコマンドが成立してターゲットが消滅するため、決して全滅することはなく、「ダーガ」による反射でダメージを与えていくことができる。あのヤズマットハメ殺し作戦は、PS4版でも成立したのである。
 ――しかしながら。PS4版だと、「蘇生」による消滅が早すぎて、そのままでは「ダーガ」を1名ぶんしか跳ね返すことができない。これは効率の低下だけでなく、ダメージによるMP回復にも関わってくるため、今回は「蘇生」要員の2名に
「血塗られた盾」を装備させ、わざとスロウ状態になっていくことにした。こうすると、微妙に「蘇生」の発動が遅れ、「ダーガ」を2名ぶん跳ね返せることが多くなる。まあ、タイミングがずれて1発しか反射できないこともあるが、オリジナル版と今回のPS4版ではそもそものダメージが大幅に違うため、それでもMP回復は足りてくれるのだ。

動画


 そんな感じで。今回の編成だと、バッシュとパンネロが「血塗られた盾」を装備して相互に蘇生を掛け合い、赤魔戦士のアーシェが
「トロの剣」を装備して「ダーガ」を跳ね返していくことになる。ダメージは、初期かつ相手のシェルが無い状態で14000程度「被ダメージカット」が発動したのちは10000弱と言ったところである。高速モードも用いたバトル時間は、ちょうど1時間と言ったところであろうか。予想より、かなり早く勝つことができた。
 …まあ、PS2版の頃の戦法は、渋滞を最大限に活用したものであったため、それが解消されて割り込めるようになったPS4版では、
作戦としての完成度は若干劣るものになってしまった。仮に、もし入力が少し遅れて「サイクロン」「蘇生」の順にコマンドが成立してしまえば、「サイクロン」の専用モーションには「蘇生」は当然割り込めないため、全滅を避ける手段は無いし、逆に相互の「蘇生」が早すぎると今度はヤズマットの自然回復の条件を満たしてしまうことも考えられる。とはいえ、実際のプレイでは1回やって1回で成功させることができたため、実用面での問題は無いと言えるだろう。
 ――そんなわけで。上の動画に関しては、PS4版でもこの「ヤズマットハメ殺し作戦」が成立するという、証拠的な動画となる。最初の1粒と最後の1粒を収録しており、合計時間は13分27秒に及ぶが、
もちろん全て見る必要は無いので、思い思いにご利用いただければ良いだろう。…ん、なに? 「開幕でリバースを使っている」だって? 細かいことは気にしないっ!!

さあ今回のメインディッシュです


 そんな感じで、ヤズマットの撃破に成功したわけであるが、アイツに関してはハメ技が成立する条件さえ成り立っていれば、あとはキャラクターの移動のみで勝てるということは分かっていた。
次のオメガmk.XII戦こそ、今回の真の戦いとなるのである。
 …しかしながら、今回はヤズマットだけでなくオメガmk.XII戦に関しても
かなり特殊な作戦となったので、最初にガンビット・装備などの編成のほうからご覧いただくことにしよう。結論から言うと、手動操作(キャラクターの移動)に関しては、ヤズマット戦の時と同じく解禁することになったが、それ以外の条件、特に「リバース」については一切解禁せずに勝つことに成功した。設定したガンビットは、なんと1行である。なん…だと…?

「オメガmk.XII」戦 装備&ガンビット
バルフレア 機工士/弓使い アーシェ 白魔道士/赤魔戦士 パンネロ ブレイカー/シカリ
HP3247 / MP37
アルデバランY / 石化弾
シーフの帽子 / ブレイブスーツ / バーサーカー
HP1998 / MP190
トロの剣
黒頭巾 / 白のローブ / 亀のチョーカー
HP3262 / MP50
フォーマルハウト / 石化弾
グリーンベレー / ブレイブスーツ / バーサーカー
(なし) 1.味方1人 - アレイズ (なし)
手動操作:「キャラクターの移動」のみ解禁


 …………
いや、さすがにこれは無いだろうと。FF12では、ガンビットの組み方がそのバトルにおける戦術の大半を占めるのだが、上で設定されているのは僅か1行である。しかも、バルフレアとパンネロはINT/PS4版で追加された「バーサーカー」によって常時狂戦士状態になっているため、アーシェが死ねばその瞬間に失敗が確定する。ところが、アーシェには「リバース」はもちろん、他のキャラクターへの「デコイ」などの防御手段が一切存在せず、敵の攻撃が当たれば確実に一撃死してしまうのだ。
 ――やれ。皆さまも、こんなのでは勝負にならないと思うだろう。
だが、勝てるのである。というわけで今回は、この頭のおかしな戦法について、その思い立ったまでの経緯を含めて、説明してみることにしよう。ヤズマットがガンビット4行(「蘇生」×2名と「自分自身 - リフレク」「ダーガ」。お好みで瀕死になるためのガンビットもどうぞ)で倒せるのならば、オメガmk.XIIはガンビット1行で勝てる。FF12の裏ボスは、こういう作戦で倒されてしまう運命なのか…?

こんなのに正攻法で勝てるかっ!!


 そんなわけで、オメガmk.XIIの特性から説明をしていこう。こいつに関しては、
INT版から大きく敵の特性が変わったことが有名である。まずは、共通部分から行ってみよう。敵は、その場から動かず、常時「通常攻撃CT0」「回避無視」を得た大ダメージのレーザー攻撃のみを使用してくる。また、防御面に関しては、常時「被ダメージカット」を得ているうえに、瀕死状態では「瀕死防御力UP」で物理ダメージを更に1/3に軽減してしまう。加えて、「バリアチェンジ」を持っているため、属性攻撃で攻めていくのも難しい。その他、ヤズマットとは異なり「被ダメージ返し」を持っているため、HP維持も工夫をする必要がある。ステータス攻撃も一切通用せず、意外なところとして「リフレク」が無効化されるため、ストップを相手に跳ね返すタイプのガンビットを組んで自動化を図ることはできない。
 …そして、INT版から変更された点としては、オリジナル版のオメガmk.XIIは、まずHPが10370699
1037069と、約1/10にまで減少した。その代わりに、物理攻撃が130155と強化され、「瀕死攻撃力UP」の上方修正も合わせ、終盤では10000を超えるような特大のダメージを与えてくる。また、通常攻撃に関しても、オリジナル版では「最も近い敵」のみをひたすら狙い続けるという特性があったが、INT/PS4版ではその性質が消滅し、代わりにランダムで選んだ対象を攻撃するようになった。そして、打撃の追加効果として、「狂戦士(5%)」が用意されている。
 ――ちなみに、本作のPS2INT版は、「インターナショナル」とは名ばかりの
完全日本国内オリジナル仕様であり、海外で発売されたPS2版FF12はオリジナル版相当(=ジョブ制が存在しない)のものなのであるが、このオメガmk.XIIのみは例外となっており、海外PS2版の時からHP100万&通常攻撃のターゲットがランダムになるなどの仕様変更を受けている…とこれまで考えられていたが、例えば「Hashmal FF12」(Hashmal:ハシュマリム(笑)さんの海外での名前)などのワードで【YouTube検索】をし、PS2海外版の戦闘動画を見てみると、明らかに最初から通常攻撃CT0を得ている。つまり、PS2海外版の時から、国内INT版に相当するモンスターの強化は行われていたのかもしれない。つまり、最も難易度が高いFF12は、PS2海外版ということになるのか…?

 さて、話を今回プレイにおけるオメガmk.XII戦に戻そう。INT/PS4版におけるこいつは、瀕死時の攻撃によるダメージが
最大で10000を超えるため、「攻撃破壊」「リバース」のどちらかを使うことが多い。実際、低レベル・通常プレイなどの条件を問わず、ネットに上げられている攻略動画のほぼ全てが、このどちらかの手段を利用している。これらを使わない攻略は現実的ではない…とまでは言わないが、オリジナル版におけるリバース封印攻略よりも更に難易度は上がってくると言えるだろう。
 …さて。低レベルプレイにおいては、「攻撃破壊」は敵とのレベル差により絶対に命中しない
(小数点以下の確率でも命中しない)ため、「リバース」を使うことになる。なお、オリジナル版では、敵の「最も近い対象のみに攻撃を繰り返す性質」と、リバース(or石化カウント0)の対象にストップを掛ける作戦を組み合わせ、全ての攻撃をシャットアウトしつつ戦えたのだが、INT版から相手はランダム対象を攻撃するようになったため、この手段は使用不能となった。
 ――いっぽうで、通常の「リバース」については、
【第15話】で触れた通り完全なるバランスブレイカーに強化されており、オリジナル版では極めて状況が限られた全員リバース作戦ですら、容易に実行が可能である。そのため、例え低レベルの状況下であったとしても、「リバース」さえ解禁すれば楽勝なのであるが、そんなものを使えば勝てることは分かっているため、今回はあくまで封印の方向性で考えてみることにした。

「バニシガ」で素早く消えようとも必ず誰かが気付かれて崩壊していく


 というわけで。今回プレイでは、低レベル+リバース封印でオメガmk.XIIに挑んでみたのだが、結論から言うと
正攻法で勝つことは不可能だった。
 …まず、このオメガmk.XIIに対して、
小細工は一切通用しない。最初に使ってみた戦法は、盾役のパンネロに攻撃を集め、アーシェが「プロテガ」「フルケア」などでサポートし、バルフレアが「アルデバランY」で銃撃する…という、これ以上ないくらいの「正攻法」である。が、敵の打撃によって受けるダメージは、初期状態ですら5000〜6000と凄まじく、2発喰らえば戦闘不能になってしまう。しかも、敵は一切の無駄な行動を行わないため、「フルケア」では回復が間に合わない。「プロテガ」などの補助魔法を掛けたところで、すぐに戦闘不能になってしまうので全て無駄である。その他、味方への銃撃を回復に用いる方法など、いろいろな手を試してみたが、相手の凄まじい攻撃能力の前に、為す術がないというのが実情であった。
 ――かくして、長かったガンビットはどんどんと短くなっていき、
最終的には「アレイズ」「レイズ」や「フェニックスの尾」でお互いを蘇生しながら攻撃するだけのガンビットになってしまった。冗談抜きで、本バトルでは役立てられる行動がこれくらいしか無いのである。

 しかしながら。一応、「アレイズ」で復活した直後であれば、HPの高いパンネロとバルフレアは敵の攻撃を1発までなら受け止めることができるため、なんとか戦線を維持して「たたかう」を決めていくことができる。例えるなら、PS2オリジナル版の際に使われた、最後発狂のヤズマットに対して「アレイズ」「たたかう」のみを設定していく戦法に近いだろうか。
 …では、これをひたすら繰り返すことにより、オメガmk.XIIを倒すことはできるのか。
答えはNOである。敵は、瀕死状態になると「瀕死攻撃力UP」を発動し、物理攻撃によって最大で10000を超えるダメージを叩き出すようになる。明らかに「瀕死攻撃力UP」の上昇率とされる1.4倍を超えているのだが、どうもPS2版の際も計算が合わなかったらしい【当時のプレイ日誌】ため、魔神竜戦のような特殊な仕様なのかもしれない。
 ――さて、そうやって敵の攻撃が10000ものダメージを叩き出すようになると、
全ての攻撃で確実に一撃死するため、FF12の基本システムである「敵が通常攻撃CT0を得て、かつこちらが敵の攻撃で毎回倒される場合、戦線を維持することができない」という状況に当てはまり、戦闘の続行が不可能となる。一応、敵がこちらを感知するまでのタイミングにはムラがあり、運良く「たたかう」が入ることもあるのだが、すると今度は蘇生のほうのタイミングが崩れてしまい、2回連続で攻撃をされて全滅してしまうことがある。実戦でも、敵が瀕死状態になって少し経ったところで、バルフレアが「たたかう」をしている最中にアーシェが狙われて死亡、バルフレアはアーシェに「レイズ」を使ったが、敵の攻撃のほうが早く、そのまま全滅するに至ってしまった。瀕死まで行けるなら勝てそう! というところだが、敵の瀕死防御力UPを忘れてはいけない。敵が赤くなりはじめても、まだまだ撃破には遠いのである。

 その他の小技として、オメガmk.XIIに関しては視覚のみで敵を感知するため、「バニシガの魔片」で透明状態になってしまえば絶対に相手に気付かれないという特性が存在する。しかしながら、FF12の透明状態は、
何らかのコマンドを入力するとその瞬間に解除されてしまうため、特殊な戦法を用いる場合を除き、戦闘に活かしていくことはできないものとなっている。
 …しかしながら、私は、正攻法が駄目ならもう搦め手をするしかないと思い、この透明状態を用いた「特殊な戦法」をいろいろと試してみたのである。が、
結果は全て駄目であり、例えばアーシェが「アレイズ」を唱えると同時に、パンネロが「バニシガの魔片」を瞬時に使って隠れる手段を試してみたが、これでも狙われる時は狙われる。また、ドンムブ+透明+リフレク状態のキャラクターを通路からこっそり押し出し、さらに遠距離からそのキャラクターに魔法を反射させてオメガmk.XIIを攻撃する戦法を考えてみた。これに関しては「リフレク反射が届く距離+魔法の射程距離」、つまり10+10で距離20から攻撃できるはずであるが、敵のレーザーの射程は20を更に超えるため、実行は不可能であった。しかも、仮にこれが成り立ったところで、この方法だと敵の自然回復を防げないため、低レベルクリアーの火力では相手の回復量を上回ることはまず無理である。
 ――その他、「蘇生」を使った小細工なども試してはみたのだが、全て通用しなかった。やはり、オメガmk.XIIは、通常攻撃しかしないという単純極まりない敵であるが、それ故に純粋な破壊力を誇り、戦力が足りなければ門前払いされてしまうのである。残念だけど、これはリバース解禁安定かな…。

オメガー! うしろうしろ〜!!


 そんなわけで、私は半分諦めかけていたのだが、様々な手段を用いて戦っていくうちに、不思議と
蘇生役のアーシェがしばらく敵から攻撃されなくなる現象に気付いた。他の仲間が銃撃をして、そして敵の反撃を受けて沈んでいく中、その隣に立っているアーシェが不思議と攻撃をされないのである。終盤、相手が瀕死状態になると、この「アーシェが攻撃されない時間」が発生しなければ一切のコマンド入力を行えないため、かなりこの“隙”は目立っていた。
 …では、もしこの現象を意図的に引き出せるのであれば、果たしてどうなるだろうか。アーシェは絶対に死ぬことはなく、味方の蘇生のみに専念できる。そして味方は、相手に気付かれる前に「たたかう」を1発だけ決められる。そして、敵はこちらからのターゲット指定を受け、さらにレーザー攻撃を行っているため、HP自然回復の条件を満たすことは無い。よって、
あとはアーシェが「アレイズ」を使っているだけで勝つことができるのである。
 ――では、この「アーシェが攻撃されない時間」を引き出すための条件とは何なのか。それは、何となく見当を付けていた通り、
「敵の後ろ側に回り込むこと」である。どうも、オメガmk.XIIは正面しか感知をすることができず、敵の背後でじっとしていれば決して発見をされることは無い。また、オメガmk.XIIはその場から移動をせず、例えるならば中央を針で刺された昆虫標本のようにぐるぐると回転することしかできないため、それに合わせて後ろを取るように移動を繰り返せば、絶対に敵から発見されることは無い。ありがたいことに、「4本の足」「地面の模様」というガイド線まで存在するため、それに従い、「敵の後ろ足の間に入り込むように」「内側から2番目の円のあたりを左右に移動」し続ければ良い。あとは、味方に「アレイズ」を使用し、「たたかう」→死亡を繰り返していけば勝てるのである。こんな戦法で、あのオメガmk.XIIを倒せる…??

 では、この作戦を成り立たせるための、枝葉の部分について説明をしていこう。
 …まず、アーシェのMPに関してであるが、そのまま「アレイズ」を使っていくとすぐにMP不足に陥ってしまうのだが、「ハイエーテル」など余分な行動を入れてしまうと、移動に失敗して敵に発見されてしまうことがある。そして、今回の作戦だと
アーシェが敵に発見される=終了であるため、思い切って「亀のチョーカー」を装備していくことにした。これでMPの代わりにギルで魔法を唱えられるようになり、MPを気にする必要は無くなった。なお、消費ギルに関しては、結果的には10万ギル程度で足りたため、大きな問題にはならないだろう。残った装備枠は何でも良かったのだが、どうせならということで、少しでもスピードを上げられる装備品を選んでいった。アレイズ以外のコマンドに関しては、そもそも意味のある行動が少ない上に、下手をすると移動を阻害してしまうこと、またリフレク反射以外の攻撃をすると背後であっても敵に気付かれてしまうため、男らしく「アレイズ」以外の行動は一切行わないことにした。かくして、ガンビットが1行という奇っ怪な戦法のアーシェが誕生したのである。
 ――また、バルフレアとパンネロに関しては、「バブルチェーン」を装備すれば序盤は敵の攻撃1発なら持ちこたえられ、運が良ければ銃撃を2発与えられるのだが、敵が瀕死状態になるとどうせ一撃で沈んでしまうため、意味は無いと判断し、自動バーサクの
「バーサーカー」を装備していくことにした。これにより、敵の反撃で確実に死んでしまうものの、銃撃1回あたりのダメージは1.5倍になってくれる。武器に関しては、機工士のバルフレアは「アルデバランY」「石化弾」、シカリのパンネロは「フォーマルハウト」「石化弾」を装備し、残った枠については、HPは「被ダメージ返し」で死なないだけあれば十分であり、余った枠に関しては、「ブレイブスーツ」以外はアーシェと同じく素早さを上げる装備品で組んでいった。

 そんな感じで、バトル開始である。まずは「バニシガの魔片」を使い、エスケープモードになって敵に近づき、リーダーのアーシェが相手の背後を取る。あとは前述の通り、味方を「アレイズ」で蘇生させながら敵の後ろを取るように移動をし続ける。
以上、これで勝てるのである。
 …というわけで。この情報に関しては、アルティマニアのモンスター章の「感知能力」の欄にも関連する内容が書かれており、オメガmk.XIIは「古代兵器」という特殊なカテゴリになっているが、恐らくは「兵器」と同じく前方の距離20しか感知ができないのであろう。なお、敵の「感知範囲」に関しては、
最近のFF12で流行の戦法となっており、背後に回り込んでリフレク反射で完封する…などの興味深い動画が数多く投稿されている。
 ――ちなみに。撃破後にいろいろ調べて気付いたのだが、海外ではどうも
2008年には既にこのオメガmk.XIIの「後ろに回り込むと感知されない性質」が発見されていたようであり、それを活かした初期レベル&ライセンスなしプレイでのオメガmk.XIIの撃破動画も投稿されている(どれが一番早いか分からなかったけどとりあえず参考:【YouTube】。まあ、今回プレイは、上に書いた通り、思い立った経緯が別であるし、こちらはライセンスを使っている代わりに移動のみ解禁(手動コマンドの入力や装備変更技などは無し)で敵を倒せているため、まあ別種のやり込みということでご容赦いただきたい。余談だが、オメガmk.XIIのこの性質が、海外では発見されて日本ではあまり知られていなかった背景には、国内版は敵のHPが1000万であり撃破に極めて多くの時間が掛かるが、海外版は最初から100万であり短時間での撃破が可能、という事情も関連しているかもしれない。これが10年前のおま国(おまえの国では発見できない戦法)ですか。

動画


 そんな感じで。さすがに今回ばっかりは動画を投稿しないと信じてもらえないであろうから、上のものをご覧いただきたい。ただし、
例によって全てを見る必要は無く、適当にかいつまんで少し視聴していただければ、それだけで何が起きているかは分かっていただけると思われる。
 …ちなみに、この動画の戦法はかなり急ピッチで作り上げたため、いろいろと粗のある部分も存在する。例えば、メンバー3人に掛かっている「プロテス」は、正攻法の時に最初の一撃に耐えるために用意していたもの
(敵は「HP満タン攻撃力UP」を持っており、プロテス無しだと開幕がいきなりキツい)であるが、アタッカー2名が確実に死亡する今回の戦法では、プロテス状態は全く意味がない。また、スピードが上がる装備品をその場で付け替えたため、「白のローブ」によってHPが100上昇しており、その分だけアーシェのHPが最初から減ってしまっているのだが、これには戦術的意味は全く無い。もちろんデメリットも無いのだが、余計な要素によって、視聴者の皆さまを混乱させてしまうことになるかもしれない。イヴァリースの混乱は危険である。

 しかしながら。偶然出来上がっただけに、意外にも完成度の高いところもあって、例えば私は、一度目の撃破後に、より完成度の高い戦法に昇華させようと思い、自分をウイルス状態にして
全員のHPを1にして挑んでみた。こうすると、「アレイズ」でなく「レイズ」でも「HP満タン魔力UP」の効果を引き出せるほか、「全員HP1でオメガが倒せる」という非常にインパクトの高い絵面を作り出すことができる。さらに、これだと1発銃撃を行うごとに「被ダメージ返し」で確実に戦闘不能になってしまうのだが、こちらからターゲットを行っているため、敵の自然回復の条件を満たすことはない。行けるぞ!
 …と思ったのだが。この方法だと、
アーシェが「レイズ」で味方を蘇生させるタイミングと、オメガが回転動作するタイミングが完全に被ってしまい、上手く回り込めずに発見されてしまう事態が頻発する。何度かやってみたが、どうにもこの問題は解決できそうになかった。逆に、撃破時の作戦を振り返ってみると、「アレイズ」を使用するタイミングと敵が攻撃を行うタイミングが完全に一致しており、むしろ「これしかない」という完璧な時間に蘇生を行っている。また、バルフレアとパンネロの頭防具が「シーフの帽子(スピード+4)「グリーンベレー(スピード+3)とバラけている問題に関しても、どうせ敵に加えられる銃撃は1発で変わらないし、「シーフの帽子」は何故かINT版では入手の面倒なアイテムとなっており、「全員同じ装備にしたい」などと無理にこだわらなければ、集める必要は全く無いと言える。
 ――というわけで。今回バトルでは、偶発的な感じで突破口が見つかったような感じであったが、それは
単体で完結した完成度の高い作戦になっていたのである。うむ。こういう、偶然から始まる発見というのも、やり込みプレイの大きな魅力だな。

勇者の剣に関連する方々うしろに気を付けなさすぎ問題


 そんなわけで。オメガmk.XIIに関しても、
「手動操作:キャラクターの移動」のみ解禁することになったが、特に封印したい要素であった「リバース」に関しては、ついに本編では使わずに三大裏ボスまで倒すことができた(まあ、ヤズマット戦では、誘導の成功率を上げるために開幕のみ逆転を使っていたりするが…)。また、今回の結果により、既にハメ技が見つかっているヤズマットも併せ、「キャラクターの移動さえ解禁すれば、低レベルでもヤズマット・オメガmk.XIIを容易に倒すことができる」という成果を得ることができた。なにせ、ヤズマットはガンビット4行、オメガmk.XIIに至っては1行で勝てるのだから。
 …というわけで。これにて、
全13体の召喚獣&全45体のモブ&オメガmk.XIIの撃破という、FF12のバトル面での主要目標を達成することができた。今回は、難易度の低いPS4版であったものの、「リバース封印」という大きな成果を残すことができたのは嬉しい。また、手動操作に関しても、ヤズマット&オメガmk.XII戦にて「キャラクターの移動」のみを解禁するだけで済んだため、個人的にはとても満足の行く結果となった。

 しかしながら。FF12は、これで終わりではない。そう、
トライアルモードが残っているのである。そこでは、本編未登場の敵を含む様々な相手との100連戦が展開され、最後のStage100では、今作真の裏ボスと言える「ジャッジマスター×5」戦が展開されるのである。
 …やれ、前回トライアルに挑戦したのは、2007年のPS2INT版の頃であるため、それから実に10年もの時が経過してしまった。プレイ方針や自主規制の方向性は、当時と様変わりしたものだが、果たして今回はどんな戦いを楽しめるのだろうか。さあ、FF12最大最後の戦い、やってやるぜ!!

 

(2017年12月13日)

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