たたかう禁止 低レベルクリアー プレイ日誌 - やり込みinFF

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たたかう禁止 低レベルクリアー プレイ日誌

 

【第15話 人生という名のFF】

 


 いよいよラストである。今回のお相手は、FF12の“三大裏ボス”として知られている「ゾディアーク」「ヤズマット」「オメガmk.XII」だ。こいつらは、これまでの敵とは別格クラスの戦闘能力を持ち、まさに「裏ボス」の名に相応しい、最終目標と言うべきモンスターである。いよいよ、FF12最後の戦いが幕を開けるのだ。
 ・・・と言いたいところだが、実は当プレイの戦力ではどいつもこいつも全く勝負にならなかったのである。一応、どの相手も「無理をしても倒せない」というわけでは無いのだが、これまでの自主規制を大幅に解禁しており、やり込みプレイとしての美しさなど皆無になってしまった。これはもう、実質的には「負け」と言わざるを得ない。やはり三大裏ボス、闇神・カオスなどとは強さの次元が違ったのである。
 ――と、いうわけで。最終話の今回は、どちらかと言えば「あとがき」という観点が強くなっている。まあ少々期待外れという感じであろうが、1年続いたプレイ日誌のラストということで、気合を入れて行ってみよう!!


1 倒せたことは倒せたが・・・ 〜VS ゾディアーク〜 (「バブル」「リバース」「銭投げ」「ダークマター」使用)


 最初の相手は、ラスト13体目の召喚獣:「ゾディアーク」である。この敵は、特殊魔法の「ダージャ」に50%の「即死」追加効果が有り常に一発全滅の可能性が存在すること、そしてHP<20%からは「魔法障壁」を繰り返し貼り続けて物理攻撃を完全にシャットアウトしてしまうことから、本作最高レベルの強敵として知られている。他の2体の“三大裏ボス”とは異なり、HPは33万と他の敵と同程度の量にも関わらず、最強の一角として認識されていることからも、コイツの凶悪さは筋金入りと言って良いだろう。
 ・・・が、今回プレイでは、俺はこのゾディアークに全く歯が立たなかったのである。もちろん、「ダージャ」の一発全滅は怖いのであるが、もはやそれどころではなく、相手が「通常攻撃CT0」を発動させたら普通に死ぬ。しかも、今回の敵はHP<50%というかなり高い段階から「通常攻撃CT0」を得るため、その時点で完全に手詰まりとなってしまう。もちろん、俺はこれまで「闇神」「カオス」のように、「通常攻撃CT0」を得る強敵たちも倒して来ることができたため、今回もそれを期待していたのだが・・・残念ながら、ゾディアークは闇神のように不要な行動を使用せず(「ブレイブ」などの補助魔法は2分弱も続き、「デスペル」は完全マバリアで反撃される。「コラプス」も使用確率が低く、「パニッシュレイ」も一定間隔でしか使用しない。むしろ「ダージャ」だけが休憩となるレベルである)、カオスのように「コラプス」の反射で即殺することも不可能である(敵のHPは50%でも17万もあるうえに、「被ダメージ返し」でHP戦略が潰されるため大幅に火力が減ってしまう。そもそも敵は「被ダメージカット」を持っており、与ダメージまで7/10に軽減されてしまう始末)。発狂ゾディは通常攻撃で4000ものダメージを与えてくるため、これではちょっと勝てないというものだろう。

 というわけで。普通に戦っていると、HP50%で「通常攻撃CT0」を得てからは防戦一方で少しも削れなくなってしまうため、ここは「リバース」を解禁せざるを得ないだろう。
 ・・・が、それでも俺は甘かった。「リバース」を使えば勝てると錯覚していたのである。確かに、「リバース」ではダメージを回復に反転できるため、理論上は全ての攻撃をシャットアウトすることが可能である。しかし、「リバース」の持続時間は僅か10秒ちょっとであり、しかも命中率が100%ではないという致命的な弱点が存在する(「インディゴ藍」を装備すれば100%になるが、1on1の状況で敵より先に「リバース」を成功させるためには、「エルメスの靴」が必須となる)ため、ミスした瞬間に戦略が一気に崩れてしまう。そして、そこまでして延命しても、魔法にせよ「遠隔攻撃」にせよこちらの火力が悲しいくらいに少ないため、なかなか相手のHPを削っていくことができない。そうこうしているうちに、モーションが渋滞して死ぬか、「ダージャ」で一発全滅するか、物資が切れて終了するか・・・全滅パターンだけはよりどりミドリである。
 ――と。恐ろしいことに、「リバース」を使ってもほとんど状況は変わらなかったのだ。結局、敵が「通常攻撃CT0」を得ると防戦一方になってしまい、まるで相手のHPを削れないうちに全滅パターンが訪れて終了してしまう。しかも、HP<50%のモードを乗り越えられたとしても、さらに凶悪なHP<20%の超発狂が存在するのだ。これではさすがに無理だろう・・・。


 そんなこんなで。残念ながら、まともな手段で「ゾディアーク」に勝つことはできなかったのである。
 ・・・しかし、せっかくここまで来たのだから、どんな手段を講じても倒しておくという行為だけはしたい。そして編み出したのが、以下の戦法である・・・。

「ゾディアーク」戦 装備&ガンビット
ヴァン
HP1582 / MP81
賢者の杖
デュエルマスク / ラバーコンシャス / エルメスの靴

1.HP<50000の敵 - ダークマター
2.「瀕死」の敵 - 銭投げ

3.自分自身 - リバース
4.味方1人 - フェニックスの尾
5.「ドンアク」の味方 - 万能薬
6.「ウイルス」の味方 - 万能薬
7.HP=100%の敵 - デスペル
8.自分自身 - バブル
9.自分自身 - デコイ
10.MP<50%の自分 - ハイエーテル
11.味方1人 - ヘイスガの魔片
12.敵1体 - 銭投げ
アーシェ
HP1704 / MP102
マインゴーシュ / デモンズシールド
デュエルマスク / ミラージュベスト / インディゴ藍

1.「リフレク」の敵 - バランスの魔片
2.HP<50000の敵 - ダークマター
3.「瀕死」の敵 - 銭投げ

4.味方1人 - フェニックスの尾
5.「ドンアク」の味方 - 万能薬
6.ヴァン - リバース
7.「ウイルス」の味方 - ワクチン
8.ヴァン - デコイ
9.HP<50%の自分 - エリクサー
10.MP<50%の自分 - ハイエーテル
11自分自身 - バブル
12.敵1体 - 銭投げ
パンネロ
HP1578 / MP123
マインゴーシュ / デモンズシールド
ローレルクラウン / ミラージュベスト / インディゴ藍

1.「リフレク」の敵 - バランスの魔片
2.HP<50000の敵 - ダークマター
3.「瀕死」の敵 - 銭投げ

4.味方1人 - フェニックスの尾
5.「ドンアク」の味方 - 万能薬
6.ヴァン - リバース
7.「ウイルス」の味方 - ワクチン
8.ヴァン - デコイ
9.HP<50%の自分 - エリクサー
10.MP<50%の自分 - ハイエーテル
11自分自身 - バブル
12.敵1体 - 銭投げ


 と、こんな感じで。見れば分かるように、今まで避けてきた「銭投げ」「ダークマター」をフル活用する戦法である。もちろんこんなものは、最悪の戦い方と表現せざるを得ない。
 ・・・というのも、まず「銭投げ」は、「『味方キャラクターの現在HPの合計』のダメージを与える」という防御力無視技であり、Lv1でも装備とバブルでHPを強化すれば、簡単に数千もの大ダメージを連発することができる。また、「ダークマター」は、「今まで『サビのカタマリ』によって与えた合計ダメージの1/3を与える」という特殊なダメージ攻撃であるが、要するにやり込みプレイでは「敵に60000のダメージを与える」という効果の攻撃アイテムと捉えてもらって問題無い。これら2つの攻撃をフル活用し、強引にゾディアークのHPを削りきってしまうのである。
 ――まったく。一応、当プレイの制限項目には「防御力無視技」というものは加わっておらず、そもそも防御力を無視するだけなら「遠隔攻撃」「バランスの魔片」でもアウトである。しかしそれらと比べても、この「銭投げ」「ダークマター」は、明らかにお手軽すぎる攻撃手段である。こんなものを使ってしまっては低レベルでも何でもない。それを承知で、この手を使うことにしたのだ・・・。

 さて。実際の戦略としては実に簡単なもので、ヴァンに「リバース」「デコイ」を集めて身を守り、「バブル」でHPを高めながら「銭投げ」で攻撃するのみである。敵は「被ダメージ返し」によってこちらのHPを削り、「銭投げ」のダメージは“現在HP”に依存するため、各キャラクターは適当なタイミングでHPを回復できるようにしていく。その後、敵がHP<50%で「通常攻撃CT0」を得た後に状況を崩されると、そこからのリカバリーは極端に難しいため、戦闘全体としてできる限り速攻を仕掛けていくようにしたい。そもそもこの陣形だと「コラプス」が来たらアウトである。
 ・・・そしてラスト、HP<20%の部分では、敵に「魔法障壁」を貼られると「銭投げ」も「ダークマター」も無効となってしまうため、その直前に敵が「気合い」「バリアチェンジ」と行動しているうちに、「ダークマター」(42000ダメージ)も含めた攻撃で一気に締めるようにする。実戦では、敵が更に「ダージャ」を使ってくれるという大幅な隙があったため、その間に全力攻撃を行うことで、ギリギリで勝負を終わらせることができた。
 ――と、そんな感じで。一応はゾディアークに勝つことができたのだが、さすがにこんな戦法を使ってしまっては駄目であろう。もはや当プレイならではの面白さというものが全く無く、明らかに失敗と言わざるを得ない。俺は、こんな方法で勝っても嬉しくないのである。まったく、なんでコイツこんなに強いんだ・・・。


2 例のアレ 〜VS ヤズマット〜 (「手動操作」使用)


 続いての敵は、ラストモブの「ヤズマット」である。そのHPは5000万という法外なものであり、倒すためには数時間ものバトルが必要となる。やれ、このような敵の存在に関しては、発売当時からかなりの賛否が吹き荒れたものだったが・・・全般に、FF12というゲームは“作業プレイを面白みに変える”という特性があり、その“最後の目標”としては実に上等なものとなっている。その体力を逆手に取ったやり込みも数多く実行されており、現在ではFF12に欠かせないモンスターとして定着していると言えるだろう。
 ・・・さて、こいつはHPが高いのはもちろんであるが、攻撃もそれ相応の激しさを誇るため、当プレイの戦力で真っ向勝負を挑むのは言うまでもなく無謀である。しかし、このバトルに関しては、「手動操作」を解禁したうえで最初に多少のコマンドさえ入力すれば、以降は全くコントローラーに触らずに100%勝利できる方法が既に確立されている。作ったのは何を隠そう俺である。
 ――その戦法は、簡単に言うと壁に隠れて「蘇生(技)「ダーガ」を繰り返すというものであり、その2つの技(+「リフレク」と幾つかのオプション)さえOKであれば、初期レベルでも問題無く実行することができる。よって、この「たたかう禁止 低レベルクリアー」でも制限項目に抵触する行為は特に存在しないため、その方法でヤズマットを倒してしまうことにしたのだ。逆に、この方法を使わないとなると、真っ向勝負は当然不可能であるし、魔神竜のように出入りを使って「攻撃」→「逃亡」をひたすら繰り返す戦法も、ただ時間が掛かって無駄なだけである。どうせ「手動操作」を解禁するならば、ハメを使っても同じであるということだ。

 さて、そのような「ヤズマットハメ殺し作戦」に関しては、俺が2006〜7年にかけて連載した「FF12:低レベルクリアープレイ日誌」【第16話】(今風に言えば“おまけ”に相当する回)にて触れている。しかし、当時の俺の文体としては、「白い」「段落分けをしない」「何を書いているか分からない」という問題が存在し、今から振り返ってみるとかなり読みづらくなっている。よって今回は、2013年風のスタイルで、軽く当時の戦法を振り返ってみることにしよう。まあ、いわゆる「リメイク」のような感じである。まあ、6年と言えば、当サイトを開設してからFF12プレイ日誌を連載するまでの期間とちょうど同じくらいであるしな・・・。
 まず、この「ヤズマットハメ殺し作戦」で根底に存在するのは、「リフレク」の魔法反射による攻撃である。基本的に、FF12の攻撃射程は「道のり」で決まっており、壁の向こう側に存在する敵を攻撃することはできない。しかし、「リフレク」はその例外となっており、魔法を反射させることによって、障害物を無視して攻撃を行うことができるのだ。
 ――よって、壁を使って「敵は気づかないがこちらの反射魔法は届く場所」からリフレク反射で攻撃を仕掛ければ、それだけで勝つことができると思うかもしれない。が、そうは問屋が卸さない。FF12の敵モンスターは、「戦闘モードに入っていない場合、一定時間ごとに自分のHPを自動回復する」という特性を持っており、ただ壁の向こうから魔法を反射させているだけでは、自動的に相手のHPが回復してしまう。そしてヤズマットに関しては、その回復量が1秒に50万という莫大なものであるため、壁に魔法を話しかけているだけでは永遠に相手を倒すことができないのだ。

 では、その「相手がHPを自動回復する」という問題を、どのようにして解決するのか。簡単なのは、「相手に攻撃コマンドを入力させる」ということである。しかし、相手の攻撃を喰らってしまうのであれば、言うまでもなくそれはハメ技にならないし、そもそも敵には「サイクロン」という超広範囲の全体攻撃が存在するため、これを使わせてしまっては壁の向こう側のキャラも含めて全員アウトになってしまう。
 ・・・ところが、この問題は、意外にも「蘇生」という技を使うことで解決する。というのも、「蘇生」は「対象のキャラクター1人を戦闘不能状態から回復させ、代わりに自分が戦闘不能状態になる」という効果を持っている。まあ、仲間を復活させてもまた戦闘不能者が出てしまっては意味が無いということで、通常プレイで使う人は皆無であろうが・・・しかし、この技は見逃せない特性を持っている。FF12には、“ターゲットした相手が戦闘不能になると、あらゆる行動がキャンセルされ、入力し直しになる”という特性が存在する。そのため、上手いタイミングで「蘇生」を連打できれば、相手の攻撃行動を全て不発にすることができるのだ。そして、この場合に重要となるのが、「相手は攻撃行動を入力しているため、HPが自動回復することは無い」という点である!
 ――そして、この戦法では、さらに重要な一計を講じている。それは、「リフレク」で反射させる魔法は、闇属性最強の「ダーガ」を使用するということである。FF12では、ハード性能の問題からモーションの重い行動を複数同時に実行できないというシステムが存在し、「ダーガ」は「たたかう」「遠隔攻撃」以外の他の行動を一切同時に入力することのできない“割り込み不能の攻撃”となっている。一方、ヤズマットが距離を空けた対象に使用する「必殺」「サイクロン」も同じく“割り込み不能”であるため、他の行動が実行されていない時にしか発動されることはない。よって、これらの技を組み合わせることで、必ず「@ダーガ」「A蘇生」「B必殺orサイクロン」という順序で行動が組まれることになる。が、「A蘇生」によって「B必殺orサイクロン」でターゲットされたキャラクターは戦闘不能状態になるため、「B必殺orサイクロン」はキャンセルされ、再び行動は「@ダーガ」から組み直しとなる。これを繰り返すことにより、一切行動を実行させずにヤズマットを倒すことができるのである!!

「ヤズマット ハメ殺し作戦」 簡単な説明
@ キャラA ダーガ
(リフレク反射)
割り込み不能、かつヤズマットの弱点を突く「ダーガ」がポイント。
「ダーク」「ダーラ」では、「A蘇生」が同時に発動し、タイミングがずれてしまう。
A B・Cのどちらか 蘇生 B・Cの両者がお互いを対象とし、自身を戦闘不能状態にしつつ相手を蘇生させる。
割り込み不能の「@ダーガ」と「B必殺orサイクロン」に重なることは無い。
B ヤズマット 必殺
サイクロン
関知範囲外のキャラAは対象にできないため、必ずキャラBorCを対象とする。
結果、「A蘇生」で対象は戦闘不能となるため、行動はキャンセルされる。
その間に「@ダーガ」「A蘇生」のゲージが溜まるため、行動パターンが崩れることは無い。
「B必殺orサイクロン」は両方割り込み不能の行動であるため、「A蘇生」と同時に実行されることは無い。
行動自体は入力させているため、基本システムの「自動回復」が発動することも無い。
「リフレク反射」により、上記の行動パターンをひたすら入力しつづける。
キャラA
(アーシェ)は、壁に隠れつつ反射魔法でヤズマットを一方的に攻撃できる場所に配置する。
キャラBとC
(ヴァン・バルフレア)は、互いを「蘇生」で回復しつつ、ヤズマットが関知できる場所に配置する。
すると、「A蘇生」によってB・Cは戦闘不能状態になるため、「B必殺orサイクロン」はキャンセルされる。
そのため、「@ダーガ」で一方的に攻撃しつつ、基本システムの「自動回復」の発動を阻止することができる。

@ABは互いに全てが割り込み不能であるため、同時に発動して行動パターンがずれてしまうことは無い。
そしてBがキャンセルされてから次のBを敵が入力するまでに@Aは成立するため、永遠に「@→A」のみが実行されるパターンを繰り返すことができる。


 と、こんな感じで。なんか狐にアレされたような気持ちであるが、これで本当にヤズマットをコマンド入力抜きで倒すことができるのである!
 ・・・そのほか実戦では、極限低レベルの状況下であっても「魔法チャージ」によるMP回復がギリギリで間に合ったりするなど、まさに“完璧”としか言いようのない噛み合わせが存在し、このハメ技を見事完成へと導くことができた。やれ、今から6年前・FF12発売から1年とちょっとという段階で、このような優れた戦法が生み出されたのは、それこそ“奇跡”と呼ぶべきで、ましてや俺自身がその戦略を作り出したというのには、驚くほか無いというものである。まったく、「やり込み界」というものは、そういった偶然の積み重ねにより進化してきているのだ・・・。


3 うわぁ・・・ 〜VS オメガmk.XII〜 (「手動操作」「リバース」使用で勝てることを確認)


 最後の敵は、クリスタル・グランデの最深部で待ち受ける「オメガmk.XII」である。こいつは1000万という体力を持ち、ひたすら「通常攻撃CT0」での打撃のみを使用してくるという、ストロングスタイルのモンスターである。シンプルゆえに戦力が重要となるバトルであり、制限プレイでは難敵になることが多い・・・というかスルーされる場合のほうが多いような・・・。
 さて、コイツはご存じの通り、「最も近い敵のみを攻撃する」という特性を持っているうえに、バトル全体を通して一切移動することは無いため、「ストップ」「リバース」状態の盾キャラを前方に置いておけば、「ストップ」で時間が止まって「リバース」の効果が切れることは無いため、全ての攻撃をシャットアウトすることができる。後は、「ストップ」をかけ直しながら、適当に遠くから攻撃していればOKなのである。
 ――ただし、FF12のガンビットには「無駄遣い防止機能」というものが存在し、「ストップ状態の対象に『ストップ』を更に上書きすることは無い」という性質が存在する。これが実に厄介であり、実戦では約1分ごとに毎回ストップを手動でかけ直す必要が存在するのだが、逆に言えば気を付けるのはそこだけである。こいつは、「手動操作」「リバース」さえ使えれば、制限プレイであっても強力な敵とはならないのだ。

 さて。今回の「たたかう禁止 低レベルクリアー」でも、例によって真っ向勝負は不可能であるため、「手動操作」「リバース」を解禁するしかない。となると、上記の簡単攻略法が実行できることになる。こちらの攻撃は、アーシェが「バイオ」を反射させれば消費MPよりも回復MPのほうが大きくなるため、他の補助・回復魔法などを含めても、永久機関を成立させることができる。バッシュは、リフレク貫通を持つ「オパールの指輪」を装備し、アーシェのHPを「ケアルダ」で回復しながら盾役のフランに「ストップ」を上書きし、MPが足りなくなったらアーシェから「アスピル」で吸収する。これで、理論上はオメガmk.XIIを倒せることが確認できた。
 ・・・が、問題はなんと言っても「ストップ」かけ直しの手間である。当初の戦法では、オメガmk.XIIを「リフレク」状態にし、その相手に「ストップ」を反射させることで、無駄遣い防止機能の発動を押さえつつ盾役の「ストップ」を上書きする予定であった。ところが、実際にオメガmk.XIIに「リフレク」を放ってみたところ、そこには「レジスト!」という非情すぎる文字が表示されていた。オズマかよ!!!!
 ――というわけで、残念ながら相手に魔法を跳ね返して「ストップ」を上書きするという作戦は、実行に移すことができなかった。そして、初代低レベルクリアーで使用した「ストップの追加効果を持つ武器で盾役を攻撃してストップ状態を上書きする」という手も、「たたかう」が禁止されている今回プレイでは使用できない。よって、今回はひたすら手動で「ストップ」を上書きしていくしか無いのである。

 まあ、どちらにせよ、「手動操作」「リバース」さえ解禁すればオメガmk.XIIに勝てるのだから、“多少の時間が掛かる”などということは、今さら大した問題にはならないと思う方も居るかもしれない。しかし、今回はその時間の規模と手間が桁違いなのである。具体的に計算してみると、「ストップ」が切れるまでの1分弱の間に、「バイオ」によって5回ほどの攻撃を入力することができる。「バイオ」の1発のダメージは約600であるため、1ループのダメージは「(600*3)*5 = 9000」となる。敵のHPは1000万であるため、およそ1000ループ・・・つまり1000分ということで、要するに約20時間となってしまうのである。
 ・・・まあ、これくらいならばFF12にはよく有ることと思うかもしれないが、今回はアイテム稼ぎのように「セーブ→リセット」で中断することは不可能であり、しかも1分という短いスパンごとに複数のボタンを使用して操作を行わねばならない。もちろん、ミスをすればその時点で全てが水の泡となり、最初からやり直しである。正直、かなり心に来る・・・。
 ――というわけで。今回は、勝てることを確認した時点で実際には倒さずにギブアップしてしまったのである。普段なら気合を入れて何とかしようと思えるのであるが、正直俺はここまでのゾディ&ヤズマット戦でかなりダレてしまっており、折しも実生活も忙しくなってきてしまったため、このあたりで諦めざるを得なくなってしまったのだ。しかも、仮に20時間頑張って倒したところで、その結果は「倒せました♪」と1行書けるだけであり、戦略的に目新しいことは何一つとして存在しない。まったく、なんという不毛な戦いであろうか・・・。



4 あとがき


 とまあ、そんなこんなで。約1年続いた「たたかう禁止 低レベルクリアー」も、これにてついに完結である。
 ・・・やれ、最後の三大裏ボス戦が悲惨すぎたことで忘れかけていたが、今回プレイでは自分がやりたかった戦法をいくつも試すことができ、「グランドアーマー」「守りの指輪」「イージスの盾」など今まで陰が薄かった装備品も多く利用して、カオス・闇神などの強敵にも戦略を練って勝利することができた。だから俺は、今回のやり込みは実に成功であったと思うのである。
 ――思えば、FF12における前回やり込みの「低レベル+入店禁止クリアー」では、制限がカツカツすぎて戦略がワンパターンになりがちであり、1ボスを倒すために莫大な稼ぎが必要で、ラスボス付近などはどうしようも無い戦法でしか勝つことができず、しかもモブを禁止していたため裏ボス方面にも手を出すことができなかった。その反省から、今回はメイン制限をシンプルにし、「自主規制」で難易度を上げていくという方針を取ることにしたのである。正直、中盤あたりは装備品・魔法が強力すぎて失敗したかと思ったが・・・最終的には、制限が上手くハマり、絶妙なゲームバランスを味わえたように思う。特に、“ガンビット縛り”をしたことは大きく、「たたかう禁止=万能ダメージ攻撃が使えない」という状況下で、敵ごとに戦略を練っていく楽しみを存分に満喫することができた。これぞFF12、戦略型RPGの頂点である。

 さて、そんな感じの最終話を書いているのは、2013年の3月である。残念ながら来月から俺も社会人となってしまい、今までのようにゲームをプレイすることはできなくなるだろう。それと同時に、ゲーム業界の様相も様変わりしており、今では“進化し続けるFFの正統続編”などとても望めない状況になってしまった。だからもう、今後はこのようにプレイ日誌をガッツリ連載できるようなことは無いかもしれないのである。
 ・・・だからこそ、今回は自分の中でもできる限り「ゲームの面白さ」というものを皆さまに伝えていこうと、心に決めていたのである。果たして、それは伝わっただろうか? これを機に、FF12のやり込みプレイをやってみたり、新しい楽しみ方を見つけていただけるようなことがあれば、俺としては実に嬉しいものである。まあ今回は俺自身が最高に楽しかったから、俺の中では既に成功してるんだけどな!!!
 

「たたかう禁止 低レベルクリアー」 最終結果まとめ

メイン制限
・極限低レベル(1,2,2,3,3,3)
・「たたかう」の使用禁止
HPアップライセンスの取得禁止
・「ミストナック」の使用禁止
・ソフトは「オリジナル版」を使用する

主な「自主規制」項目
・「手動操作」(コマンドはガンビットのみ+手動操作でのキャラ移動を行わない)
・戦闘中のメニュー画面の使用(メイン3人が全滅したら終了、途中で装備・ガンビットを変更しない、など)
・「バブル」「リバース」の使用
・「ニホパラオア」の使用
・その他、「銭投げ」「ダークマター」など、安直すぎる攻撃手段の使用

「自主規制」項目を解禁した敵
・「キングベヒーモス」(「手動操作」「パーティ外蘇生」)
・「魔神竜」(「手動操作」「リバース」「パーティ外蘇生」)
・「ゾディアーク」(「バブル」「リバース」「銭投げ」「ダークマター」)
・「ヤズマット」(「手動操作」)
・「オメガmk.XII」(「手動操作」「リバース」、勝てることを確認しただけで実際には倒していない)
※他の「メインシナリオ」+「召喚獣」+「モブ」で出現するモンスターに関しては、全て解禁なしで撃破に成功した

最終セーブデーター
「クリスタル・グランデ / カンブル・ピス」
プレイ時間:199時間06分56秒
プレイ期間:2012年3月25日〜2013年3月19日



 やれ、自分でも意外であったが、今回プレイで「自主規制」を解禁したのは僅か5体のみであった。逆に言うと、それ以外の戦闘では全て、「手動操作」「バブル」「リバース」などを使用せずに勝利することができたということである。自分としても、当プレイのテーマ性を尊重できて、実に嬉しいものだ。比較的地味な「HPアップライセンスの取得禁止」という条件も、「被ダメージ返し」を持った敵との駆け引きを振り返ってみると、実に絶妙な制限であったように思う。やはり今回は、「制限項目」という船出の時点で成功していたのだ。今後とも、このようにゲームを遊んでいきたいものである。

 ――そんなこんなで。今回プレイの「思い出」について話し出すとキリが無いので、この辺りで終わりにしておくことにしましょう。まったく、今回も長ったるい文章になりましたが、どうも最後まで読んでくださってありがとうございます。また、どこかでお会いしましょう。ご愛読ありがとうございました! つる先生の次回作にご期待ください!!\(^o^)/

 

(2013年3月19日) 121 PV

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