. . |
◇トップページ > 管理人の日記 > 2025年9月18日の記事
管理人の日記
![]() |
---|
やはりCopilotの画像生成が、すぐ上限に達するようになってるね |
機械用語で「スプリッター」というと、主に、映像の分配器のことを差す。"1つの入力ケーブルに対して、2つ以上の画面に、同じ映像を出力できるようになる”という機能を持っている。私が現在行っている「デュアルディスプレイ」とは、似ているようで、異なる技術である。また、スイッチ(任天堂製品ではない)をカチカチと切り替えることで、映像の出力源を変えられる装置を思い浮かべる人もいるかも知れないが、それについては「セレクター」といい、見た目はよく似た装置だが、機能は全く異なる。「1本のケーブルから、複数画面に出力できるようにする」が、スプリッターの本質だ。
…しかしながら、この「スプリッター」、現在の日常生活で必要となる機会は、はっきり言ってゼロである。私が、かつて「スプリッター」を使ったのは、FF13のHDMI録画をするためであった。当時の装置は、遅延が酷く、PCディスプレイもフルHDに達していないような時代であったため、“ゲームを遊びながら録画する”には、全くの不向きであった。そのために、スプリッターを使って、「PC側」と「テレビ側」に映像を分配し、「テレビで遊びつつ、PC録画を行う」という環境を作り上げていた。細かくは覚えていないが、スプリッターで2万円、HDMIキャプチャ機器で3万円、それを動かすための専用PCが必要…と、いま考えると、途方もなくバランスの悪い環境であった。初期のHDMIキャプチャというのは、それくらい限られた貴族ヲタの嗜みだったのである。
ところが。現在では、ご存じの通り、キャプチャ環境が、PS3時代とは比べ物にならないほど向上した。例えば、PS4・PS5ならば、本体にキャプチャ機能があり、静止画・動画の両面で、なかなかの性能を誇っている。私もサイト作成には頻繁に使っており、正直、もう専用のキャプチャ機器など不要なんじゃないかと思うくらいだ。
…しかしながら、専用キャプチャ機器も負けておらず、ネット配信の人気によって需要が増えたためか、使いやすさ・性能・価格の全てがパワーアップしてきている。例えば、2014年に買った「MonsterX
U3.0R」という機器は、約2万円という手頃な価格ながら、「パススルー」と呼ばれる機能を持ち、スプリッターなしで、遅延ゼロのテレビ出力+PC録画が可能だ。私は、ビデオテープのような大きさを持ち、しかも電源を要求するスプリッターが不要となったことに、驚きと、そして喜びを感じたことを覚えている。残念ながら、4Kには対応しておらず、一線を退いたと言えるものの、今後もPS3・VitaTV・dアニメストアなどの保護コンテンツを録画するために必要となるため、壊れてもらっては困る。HDMIキャプチャ界で、一時代を作り上げた名機器である。
――また、PS5世代を想定し、現在も使用している「CRC-GVCAP01」という機器は、単体の4Kパススルーでテレビ側に出力しつつ、PCへの取り込みが可能だ。こちらは、日記にも残しているのだが(【日記:2022/10/1】)、MonsterXから10年近くが経ったにもかかわらず、約1万4000円と、むしろ安価で買えた。性能も十分であり、PS3等の保護コンテンツが表示できないこと以外、不満は無い(そこだけMonsterX
U3.0Rとの使い分けになる)。でも、そこから3年が経って、さぞお高くなったんでしょう?
…と思いきや、最新型の「05」が、今でも1万7820円と、そこまで変わらない価格で買えるようだ。これらの機器は、全て、単独での「テレビに出力しつつ、PCで録画する」に対応している。よって、映像を2つに分けることが仕事の「スプリッター」という機械は、一般的なキャプチャ界隈(?)において、全く必要性が無くなったと言える。
![]() |
---|
枚数が作れない以上、過去の没画像を復活させることも増えます… |
しかしながら。プロの世界では、未だにスプリッターが必要となる場面がある。そして、今日の問題は、他ならぬそのプロが、「スプリッター」という機器を知らなかったという問題だ。
…まず、本日朝の仕事は、世にも奇妙なディスプレイ異常から始まった。“画面の色がおかしい”と聞いたが、リモートでは正常であり、典型的な機器の不具合だ。そういうわけで、最初から現場にディスプレイを抱えていったくらいだったが、ディスプレイを取り替えてみても、砂嵐のような画面の異常が直らない。ならばケーブルだろうと、接続を確認したところ、何故か、高画質のDisplayPortケーブルを、最低画質のVGA(蒼いやつね)に変換し、それからモニターに繋いでいるという異様な配線をしていた。それを取りやめ、DisplayPortでの接続に切り替えると、画面が綺麗に映るようになった。ちなみに、私は機械オタクなので、その変態配線をじっくり分析したいところであったが、すぐにでも客が入ってくるということで、朝の対応はそれで終了となった。
――しかし、夕方になって、再び電話が掛かってきた。曰く、ディスプレイが正しく映っていないということだ。再び現地に赴くと、こっそりと背後にも画面があり、「@その画面」と「A異常があったディスプレイ」の2つに、まったく同じ画像を映るようにしているのだという。訳が分からず、@のディスプレイ配線を辿って、足元に置かれたプラスチック箱のフタを、開けてみると、そこに、“VGAケーブルが3つ刺さった機械”が入っていた。そう、これこそがスプリッターであり、PCの出力から、@とAの2画面に、同じ映像が出力されるようにしていたのだ。そして、DP-VGAの無理な変換を噛ませていたのは、このスプリッターがVGA専用であり、逆にPCはディスプレイポート出力しか無かったからである。というわけで、朝に取り替えたDPケーブルを、再びVGAに切り替えると、両方の画面が映ったが、当然の結果として、画面異常も再発した。これをどう直すかが、機械オタクとしての勝負である。
さて。我が部署には、「DP-VGAドングル」と、そして「VGAケーブルの予備」はあるが、さすがに「VGAスプリッター」なんてマニアックな機器は無いため、それが壊れている設定にしないために、まずはケーブルだけ取り替えてみた。すると、これまた奇妙な直り方をし、変換ドングルを切り替えたところ、台風の日のアナログテレビ(懐)のようだった画面が、綺麗になった…と思いきや、白や赤といった色は普通だが、なぜか紺・紫といった濃い青の色だけが、波打ったようなノイズを放っている。意味不明である。さらに、前の画面と後ろの画面、2つにミラーリングを行っているが、両方の画面で、同じように、「濃い青だけのノイズ」が発生している。残念ながら、どう考えてもVGAスプリッターの異常である。本当にありがとうございました。
というわけで。私の家ならば、「VGAスプリッターを新しく買う」か、または「これを機に、DisplayPortでのミラーリングができるようする」で終了だ。しかし現実には、ここから日本企業のキッショいキッショい点がスタートするのだ。
…まず、現場の人たちは、私が「スプリッターって知ってます?」と聞いても、「は?
誰おまえ?」と首をかしげていた。しかしこれは当然である。「スプリッター」なんて加齢臭の漂うワードを知っているのは、一般人では非常に限られるだろう。若くて可憐な女性職員たちが、足元のブラックボックス(クリーム色)に入っている謎の装置を、知るわけないというものだ。
――さて、どうやら、その機械は“別部門の協力企業が担当している”ということらしく、まずは縄張り意識を守るために、そこへ電話を掛けることになった。仮にN株式会社としよう。ここが本日の最悪ポイントだ。私は、技術面の協力企業ということで、喋り出しから「御社の装置のVGAスプリッターが壊れたので、交換できますか?」と言ったのだが、恐ろしいことに、「何それ?」みたいな反応をされた。ええっ! 映像機器を販売するサービスをしているのに、その社員さまが、自分の機械で使われている「スプリッター」を知らない!!
しかも、話していくと、機器の型番すら聞く前に、「それは弊社のサポート外であり、交換対応はしない」の一点張りだ。いやいや、あなたの会社が提供している映像サービスでしょ? 私は肩の力が抜け、“おまえ馬鹿だろ”という気持ちを込めて、「あなたの会社の機械が壊れたのですが、何もしないということで間違いないですね?」と合計3回聞き直したが、本当にその通りであったようだ。すげぇ!
これでバカ高い保守代を請求してくるのか!!
というわけで。そのクソ会社との電話を切り、私は部内の様々なところに連絡して、最終的に、別の会社が、明日訪問に来るらしいということが分かった。しかし、実はこの問題、既に解決できている。まず、私が実際に現地に赴き、調査をして、「スプリッターが原因」と断定した。さらに、そのスプリッターの機種をインターネットで検索したところ、どうやらAmazonで約3000円で購入可能で、土曜日に届くらしい。よって、無駄飯喰らいの協力企業なんて呼ぶ必要なく、上司の承認(笑)なんてトロい物もいちいち待たずに、現地の人に「新品を注文するので、金曜日だけ我慢して使ってほしい」と伝え、そして、月曜に朝一番でスプリッターを取り替えれば、それで終了である。私に任せれば、とっくに問題は終わっていたのだ。
そういうわけで。私個人ならすぐ解決できた問題が、様々な人間が介入したおかげで、無駄に時間が掛かり、そしていちいち手数料が発生するという、最悪の展開となってしまった。
…そして、私が特に言いたいのは、協力企業というのは本当に無能ということである。F通の使えなさを筆頭に、本日登場したN株式会社も、自社の映像製品で使っている「スプリッター」すら知らず、しかも「サポート外」の一点張りで、自社機械の故障に対し、何もしない。「故障したらこちらに連絡ください」みたいなことを言い、電話番号まで書いておいて、この対応である。むしろ、電話を掛けたのが私で良かった。現場の女性職員が、ただでさえ機械が壊れているところにこんな仕打ちまで受けたら、きっと泣き出すぞ。
――やれ。このような協力企業(笑)たちだが、ほとんどの場合、我々より数倍というレベルで高給取りである。しかも、足らぬ足らぬと、すぐ値上げしていく。そのため、価格転嫁のできない我が業界は、どんどんと圧迫され、同業他社では経営破綻が頻発しているという。なぜ、最低賃金レベルで奮闘している現場の人間が潰れ、無能の協力企業たちが生き残っていくのか。死ぬのはてめぇだよ、バカ野郎が!
やれ、世の中には、「日本人は勤勉」だとか「日本企業には技術がある」「ものづくり」などと、未だに言っている人間が居るらしい。働いたことのない輩の妄言である。実際、我が社の協力企業は、どうやら日本を代表するメーカーたちが揃っているようだが、物は高価なくせにイマイチで、サービスも遅くて劣悪だ。いつも思っているが、君たち、機械ぜんぜん好きじゃないやろ。
――というわけで。私が、もし「株式会社
やり込みinFF」を始めるとしても、コイツラの機械だけは絶対に買わない。いやそもそも、日本企業の製品なんて、高くて質が悪いから、検討対象に入らないかなあ。
(2025年9月18日)
2025年9月18日の記事を表示しています。