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「FFX歌舞伎」感想…紛れもない“FF10”だこれ / やり込みinFF

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管理人の日記
ルールーのクネクネした動きが良かった(小並感)

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2023年3月19日(日)
「FFX歌舞伎」感想…紛れもない“FF10”だこれ


 
FF10の良さが分かっていらっしゃる感じですかな?


 先日、数年ぶりに東京へと遠征し、現在上演中の
「FFX歌舞伎」を見てきました。FF10が立体化されていた…。
 …まず、
「ファイナルファンタジー10」は、皆さまご存じの通り、2001年にPS2で初登場をし、FFシリーズの中でも、特に人気の高い一作である。そして、歌舞伎は、日本の伝統芸能である。この2つが、謎のコラボをし、「新作歌舞伎:ファイナルファンタジーX」として、上演されているのだ。

 さて、私は、FFシリーズは大好きであり、『10』も思い入れの強い作品である。今から5年前の2018年には、やり込み枠として、
【かんたんスフィア盤なしクリアー】なる日誌を連載されていただいた。当時としては、何らこだわりのない、普通のプレイ日誌を書き上げたという感じであったが、今なお、【YouTubeチャンネル】においては、多くの再生数を提供してくれており、意図せずとも当サイトの代表作になっている感がある。何気に、ラスボス戦の三本柱完全封印での攻略は世界初であり、その他にもモンスター訓練所もしっかり攻略しているということで、資料的価値も高いプレイ日誌となっている。
 ――いっぽうの“歌舞伎”と言うと、まあ名前は知っているという程度で、私はこれまで、見たことが無かった。今回、FF10が歌舞伎の世界観で再現されるということで、当初から強い興味は持っていたものの、
東京でしか上演していないという地理的な条件、そしてチケットが2〜3万円という独身貴族の金銭感覚をもってしてもポンとは出せない額であることから、見るかどうかは、かなり悩んでいたところがあった。

 しかしながら。今回は、再就職をして無事に1年を働き抜いた記念であるということ、そして既に半年前から企画をしていたこと、そして、かつて6年間住んでいた
らしい東京に、久々に行ってみようと思ったこともあり、この時期に、手間暇を掛けた東京観光をセッティングしたのだ。
 …もちろん、そのメインディッシュは、
「FFX歌舞伎」の観劇である。少し前に、化粧をした役者さんたちのキービジュアルが公開され、【その本気でやっているのか笑いを取ろうとしているのか絶妙に判断が付かない感じ】には、衝撃を受けたものだった。だが、私は、もうFF10歌舞伎を見ると決めていたため、各種の感想は完全にシャットアウトしていた。そうして、当日朝の時点でも、期待半分・不安半分という感じで、いざ開演を迎えたのであった…。

「これが無いとFF10じゃないっしょ」的な名シーンは、全て歌舞伎でも再現されている


 が、実際に観劇をしてみると、
これは紛れもなくFF10という出来になっていたのである。
 …まず、上映時間については、休憩を抜いて、
約6時間である。これにより、事前情報の時点で、だいたいFF10のイベントシーンのほぼ全てを網羅できるということは分かっていたが、実際に見てみると、まさしくFF10の全てが再現されていた。
 ――もちろん、実在の人物を使ったリアルタイムでの演劇ということで、ゲーム的なバトルシーンについては省略されている場面が多く、中にはダンジョンごと省かれているような例も少なくなかったのだが、それでも「これが無いとFF10じゃない!」みたいなシーンについては、全てが含まれていた。それどころか、一字一句…それだけでなく、声優の演技まで含めて完全再現されているような場面も多く、
圧倒的なまでの原作リスペクトを感じさせる。少し前に、この日記にて、前川みくの「恋」というコラボコンテンツの教科書みたいな題材を取り扱った【日記:2023/3/2】が、この「FFX歌舞伎」も、それに勝るとも劣らぬ神コラボである。生きていると良いことがあるという典型例だ。

 さて。私は、
無謀にも、SS席へと挑戦をし、結果、最前列近くの真ん中と言う、100%中の100%の席で、観劇をすることができた。
 …やれ、その席が、どれくらい凄いのかと言うと、例えば、原作でも、名シーンかつ終盤の難関となっていた某バトルは、因縁のあるアーロンとのソロ対決という形にアレンジをされていたのだが、その後のティーダ&アーロンという2名での、物語の根幹に関わる会話シーンで、アーロンを演じる役者さんが、ビッシリ汗をかいているのがしっかり分かるくらいの近距離だったのだ。
 ――いやあ、ゲーム的にはもちろん、演劇としても、あれだけの
歌舞伎バトルを演じた後なのだから、汗くらいかいていて当然である。だが、そういう後に、疲れた様子を見せず、ティーダに対して語る姿に、ゲームとしても歌舞伎としても、プロ精神を感じた。そこには、間違いなく“アーロン”が居た。

 ちなみに。ネタ的に言うと、最近、
例のアレで話題となった、「なんで寺院に機械があんだよ…」「まさか、アーロンさんもアルベドじゃないだろうな」が無くなっていたりだとか、「なぜにココにいらっしゃられマスのでしょうか?」とか「召喚士は通す、ガードも通す。キマリは通さない」といったセリフの言い回しが、ごく僅かだけ変わっていたという点もある。が、そういう細かい点が気になってしまうくらいに、基本的には原作再現が為されていたということでもある。また、「『シーモア:終異体』戦の展開」や、「『シーモア:最終異体』戦の起こる場所」など、改変されつつも、演劇として違和感の無い構成にされていたところも見逃せない。やはり、ロンゾ族の戦士は、「自爆」を必殺技とするのが宿命なのか…?
 ――また、その他にも、原作であるゲーム版FF10からの
追加シーンもあり、それは以下のような感じである。こんな感じで、真面目にゲーム版との違いを考察できるくらい、しっかりしたFF10だったのである。


ゲーム版では、終始無言であった“とあるキャラクター”に、21年半ごしで、セリフが付与された。それにより、歌舞伎版の解釈では、スピラの根幹である「死の螺旋」が、最初から計画的に作り上げられたものであるということが明確となった。
討伐隊のルッツに、ブリッツ選手であるという設定が追加された。なお、配役の関係ということであろうが、それによってボッツが消滅し、レッティ&ジャッシュが名称不明の1選手に統合され、オーラカで最も名の知れた選手であろうキッパも、ギガグラビトンに飲み込まれてしまった。ちなみに、ビサイドオーラカとルカゴワーズ以外のチームも、そもそも存在しない扱いとなった。
シーモアの過去についてのシーンが追加され、彼がどのような意図でゲーム中の行動に至ったのかが明らかになった。
アルベド族長のシドに、メインキャラの一人として、皆の“父親”として振る舞おうとしているというエピソードが追加された。




野村って神じゃね? 理想のFF絵師って感じ…


 というわけで。私の感想としては、「FFX歌舞伎」は、
まさしくFF10であった。現実世界の演劇であるが、そこには間違いなく、FF10の全てがあった。
 …やれ、最初にも述べた通り、このFFX歌舞伎は、東京でしか上映をしておらず、4月12日までの、約1ヶ月の期間限定である。そのうえ、観劇料は、
2〜3万円と、社会人の金銭感覚をもってしても、そう簡単に出せるものではない。また、上映時間についても、12時から21時と、実質的に丸1日となるような感じであり、軽い気持ちで視聴を行えるような感じとはなっていない。
 ――ただ、それでも、私は、
FFファンとして、見て良かったと思うのだ。FFシリーズは、間違いなく、私の人生にとって、永遠の相棒となる存在である。そして、そんなFFシリーズが、立体化される機会など、私の残り30〜40年程度の人生においても、そうはあるまい。繰り返し述べるが、この歌舞伎は、空間・時間・金銭の全てで、莫大な制約を受けるものである。だがそれでも、私は、見ておくべきだと考えるのだ。間違いなく、この「FFX歌舞伎」は、私のFFシリーズについてのエピソードとして、これから先、ずっと記憶に残り続けるであろう。上映時間の、“1日の午後全て”という形式も、むしろ、大作ゲームを一気に遊んだという感じで、心地良い疲労感を得られるというものであった。

 ちなみに。あえて、良くなかった点について述べてみると、SS席チケットの特典であるアクリルスタンドの質が
最悪であったということが挙げられる。
 …やれ、東京から今の住居に帰って、ビニールの封を開けてみて驚いたのだが、その全体が、
引っ掻いたかのように傷だらけとなっている。私が受け取った後は、プラスチックのケースに入れて保護をしていたため、あちこち引きずり回されたかのような傷が付くことは有り得ない。また、このアクスタは、台座に対して立体部分を差し込むような形式となっているのだが、台座の穴に対して立体部分の突起が大きく、上手く差し込むことができない。私は、アクスタというもの自体が初めてなのであるが、これはあまり出来が良い部類のものではないのだろうな…と感じた。イラスト部分は実に素晴らしいうえ、今回の公演の記念として、今後、長らく飾っておきたいと思っていただけに、この質の低さは、残念と言うしかない。
 ――また、会場での販売グッズの中に、
歌舞伎アレンジBGMのサウンドトラックが無いというのも、悲しいものである。「FFX歌舞伎」の劇中で流されるBGMは、主題歌である「素敵だね」を含めて、全て和風のアレンジが為されており、「どの曲がアレンジされて流されるのか?」というのも、観劇のうえで大きな楽しみであった。単品でも聴き応えのあるクオリティであり、是非とも、サウンドトラックCDを出していただきたいものである。
 
追記(2023/3/20):アクリルスタンドについては、全ての部品の表裏に、薄い保護フィルムが貼ってあるということであり、それを剥がすことにより、「表面が傷だらけ」「台座へのフィット感が低い」という問題を、解決できるという仕様でした。この情報は、ぽてねこびーむ【Twitter:@ellngeroide】様よりいただきました。ありがとうございます。エボンの賜物だな!

 そういうわけで。この「FFX歌舞伎」は、私にとって、大満足のものであった。
 …さて、何度も述べている通り、この歌舞伎は、様々な制約があり、FFシリーズが好きだからといって、そう簡単に観劇できるようなものではない。だが、
私は間違いなく、掛けた手間以上の物を得ることができた。
 ――そういうわけで、現時点においても、残り半分くらいは上演期間が残っているということで、可能な皆さまには、是非とも見ていただきたいと思うものである。まず間違いなく、FF10ファンであれば、満足をしていただけるであろう。この先、FFシリーズが立体化される機会など、最後かもしれないだろ。人生は有限であるので、今の機会を活かしていただきたいものだ。勢いがある時は勢いに乗るッス、これ、ブリッツの鉄則!

(2023年3月19日)

登録タグ/ ゲーム一般
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