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愛のある移植…星野源/前川みく:「恋」 / やり込みinFF

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管理人の日記
この星野源さんとかいう人、みくにゃんの踊ってみた上手いな

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2023年3月2日(木)
愛のある移植…星野源/前川みく:「恋」


 
みくにゃんの良さが分かっていらっしゃる感じですかな?


 「愛のない移植」の典型例が、どこぞのカタカナ1文字であるのなら、
「愛のある移植」のほうも挙げておくべきだろう。
 先日、
「アイドル(略)スターライトステージ」にて、アイドル(登場キャラ)「前川みく」のカバー曲として、星野源の「恋」が追加された。これが、他に例の無いくらいの、「愛のある移植」なのだ。

 まず、星野源といえば、シンガーソングライターというやつであり、私のような世間一般の芸能から全く離れている人間ですら、名前を聞くことがあるくらいの、
売れっ子・人気者である。そして、「恋」は、星野源の代表曲と言える1曲であり、2016年の秋冬期に放送されたドラマ:「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌として、通称「恋ダンス」とともに、大ブームを引き起こした。
 …さて。星野源は、どうもゲームが好きという人物像が知られているようであり、アイドルマスターの中では、
「前川みく」のファンだという。その縁もあって、2016年の12月には、シンデレラガールズ公式絵師が、「恋ダンス」を題材とした、前川みくの良さがよく分かっていらっしゃるイラストを描き下ろしたりするなど、当時はいろいろと話題があった。
 ――とはいえ。このように、芸能人が「○○が好き」と言う時は、宣伝であったり、はたまたイメージ戦略であったりすることも多い。芸能人は、それこそ政治家以上に、“人物像”というのが商売道具だからだ。しかしながら、その後、2017年より先には、これといった直接的な話題も無かったため、ファンの中で
星野源×前川みくというカップリングは、ときどき思い出されるネタになるくらいであった…。

 が。先日、2023年2月22日に、唐突に、前川みくのカバーという扱いで、星野源の「恋」が、「スターライトステージ」
(以下、デレステ)のプレイ可能楽曲として追加された。もっとも、2月22日は、にゃん・にゃん・にゃんで猫の日としても知られており、ゲーム中でも、前川みくの誕生日としても設定されている。また、デレステのゲーム内にて、「カバー曲」というだけなら、既に多数が収録されている。というわけで、ただ「前川みくカバーの『恋』が遊べるようになった」というだけであれば、まあ、“誕生日に良いプレゼントを貰ったね”という程度で終わる話であった。
 …しかし、この収録が凄いのは、豪華な特殊仕様である。まず、デレステ版の「恋」には、
3DのMVが収録された。本ゲームには、音ゲーの背景&観賞用ムービーとして、2Dと3Dの演出が用意されており、カバー曲は大半が2Dのみであった。全キャラクター・全衣装で踊れる違和感の無い3Dムービーを作るための労力だったり、歌&ダンスで権利問題が複雑だったり、などという問題があるのだろう。しかし、デレステ版「恋」は、話題曲であり、かつ、原曲がダンス要素で話題になったということも考慮してか、3DのMVが用意された。これ自体、カバー曲としては異例である。
 ――しかも、MVは、例の
良さが分かっていらっしゃる構図のある「通常バージョン」と、星野源自身のPVをモチーフにした「オリジナルバージョン」の2種類を引っ提げて、である。収録初日から、全く異なる2種類の3DMVがあるというのは、デレステ完全新曲にすら存在しない、前人未到の領域である。

 さて。その3DMV自体の出来については、比較動画が多数アップロードされているので、一つだけリンクを貼ってみることにしよう
【ニコニコ】。いや…こりゃ凄いわ。原曲の星野源の動きはもちろんとし、バックダンサーのダンスや、特徴的な構図などが、ほぼ全てゲーム内で再現されている。
 ――しかも、いわゆるプリレンダムービーとは異なり、これはリアルタイムのMVとして作られている。つまり、
190人のアイドルと、1人あたり20着前後ある様々な衣装を、自由に組み合わせて鑑賞することが可能なのだ。大丈夫? エンドフェイズに爆発したりしない??

今からでも応援しますので、どうぞ次も期待させていただきます!


 ちなみに。この星野源の「恋」がデレステへの移植を後押ししたエピソードの一つに、シンデレラガールズ公式絵師の「杏仁豆腐」氏が2016年冬に書いた、前川みくのイラスト
(上図、左上)が挙げられる。
 …が、絵単体だけではなく、むしろ、
これに付けられた神のリプライのほうもセットとなり、話題性が増した。その元投稿こそ削除されているのだが、内容は、“公式イラストレーターに対して、それと知らずに、絵を褒め称える”という内容だ。「みくにゃんの良さがわかっていらっしゃる感じですかな?」という、何とも言えない芳香は、狙ったネタでは決して出せない、正真正銘の天然物である。
 ――とはいえ。まあ、ゲームのイラストレーターというと、私も名前を知っているのは、天野喜孝・野村哲也・鳥山明くらいである。そして、前述のリプは、決して悪意で書かれたものではなく、むしろ善意のみがこもっている。そして、「公式絵師」という下駄を外されたが、そのうえで純粋に絵を評価されたことが嬉しかったのか、最近でも杏仁豆腐氏は、「みくにゃんの良さがわかっていらっしゃる感じ」などと、自分でネタにしている
【該当ツイート】【良さが分かっていらっしゃる対象】そうだ。

 というわけで。この星野源:「恋」の、前川みくカバーは、何が欠けても実現しなかった。星野源が前川みくのファンをやめていたら、代表曲「恋」がダンス要素で話題とならなかったら、そのイラストを公式絵師が書かなかったら、その投稿に
神のリプが付かなかったら…。
 そしてもちろん、カバー制作が決定したのちも、単なるキャラのカラオケで済ませず、“2種類の3D演出を作って、原曲MVを徹底的に再現する”という、
ゲーム制作スタッフの狂気的な熱量があったはずだ。星野源の、【インスタ】(よく知らない)によると、星野源側に声が掛かったのが2年半前ということであり、制作現場では、それより前から準備が進んでいたのだろう。
 ――さて、元の「恋」はもちろん人気曲であり、ただ単純な移植でも、一定の話題性は出せただろう。しかし、そこに甘えず、スタッフも、
源にゃんの良さが分かっていらっしゃる感じとなり、再現に徹底的なこだわりを見せた。明らかに、ゲーム完全新曲を超える労力が掛かっている。だが、それがいい!

 さて。
さすがにこれは極端すぎる例だが、私は、商業・非商業を問わず、創作活動というのは、こうあるべきだと思う。作家性の強い作品は、頭がおかしくなったかのようなこだわりがあって、初めて世間に評価され、長く語り継がれるようになるのだ。それは、作品に対する「愛情」と呼んでも良いだろう。逆に、“元ネタがあるから、シリーズ物だから、楽をできる”…そんなことを考えている人は、どうぞ帰って。早く。

(2023年3月2日)

登録タグ/ ゲーム一般
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