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管理人の日記
冨樫は…!! そう…冨樫は…… 書 い て い た の だ 初 め は
ブリオンどうすんのよ |
伝説のナンセンス系ギャグ漫画「ボボボーボ・ボーボボ」の1巻に、意外なエピソードが載せられていることをご存じだろうか。それは、新人時代のボーボボ作者・澤井啓夫が、既に活躍しているジャンプ漫画家に質問をしてそれを漫画化するというものであり、「ボーボボ」の本編よりもジャンプ本誌への掲載は早かったようだ。そして、そのインタビュー対象は、「幽遊白書」「HUNTER×HUNTER」などで知られる冨樫義博(“とがし
よしひろ”)である。
――さて。ボーボボ1巻には、「その1」「その2」が、1ページで載せられている。「その1」の内容は、新人時代の冨樫が、ネーム(下書き)を断られて大変だったという、まあ雑談的な内容である。しかし、「その2」は、ボーボボ作者が「画力を上げるにはどうすれば良い?」と質問し、それに対して冨樫が「半年間・毎週19ページを、連載ペースで書きなさい」と答えるという衝撃的な内容であったのだ……。
まず。この「連載をするのと同じペースで書く」のが重要であるというのは、ごもっともな話である。ジャンプは週刊連載なのだから、何はともあれ、毎週19ページを書き続けることが重要、というか大前提である。世間では、仕事が大規模になればなるほど、「納期」を守るのが重要であり、人と人との信頼にも繋がる。そして、そういったスピード感が求められる中で半年間書き続けることで、実戦的な画力を上げられる…という考え方であろう。
…しかし。問題は、これを言っているのが冨樫義博ということである。ご存じの通り、「HUNTER×HUNTER」は連載中という扱いになっているが、休載が異様に多い。例えば、ジャンプの看板漫画である「ワンピース」とは、だいたい同じくらいの時期に始まったのだが、あちらが100巻を超えていることに対して、「HUNTER×HUNTER」は現在36巻までである。しばらく前までは、1年ほど休み、コミック1冊ぶん・10話ほどを連載し、また1年ほど休み…という月刊誌くらいのペースで連載をしていたが、現在はそれさえも尽き、2018年の年末を最後に3年連続で休載中である。おい、「半年間、毎週19ページ」どころか、「半年で合計19ページ」すら書いてないぞ!!
スピード感のある絵も魅力(※しかし連載のスピード感が犠牲に) |
そんなわけなのだが、悩ましいことに、内容自体は大変優れている。HUNTER×HUNTERは、いわゆる「能力バトル」的な面が強いのだが、単純な殴り合いや魔法的なものだけではなく、心理戦の要素が多く取り入れられている。また、絵についても、ジャンプには下書き状態で投稿するという悪癖が一時期あったものの、要所が押さえられており、アクションシーンの動きが手に取るように伝わってくる。そして、少年漫画とは思えないようなグロテスクな描写や難解なストーリー要素もあるが、そういった作風も人気の理由となっている。私も、37巻以降が発売するのならば、是非とも読んでみたい。もう「こち亀」も連載が終わった今、HUNTER×HUNTERは、私が名前と内容を知っている数少ないジャンプ漫画である。
…余談だが、「こち亀」は、連載が終了したのちも、2020年に2回、2021年に1回、それぞれジャンプに新作読み切りを掲載したようである。一方、「HUTNER×HUNTER」は、その2年とも1話も掲載しなかった。あれ? HUNTER×HUNTERより、こち亀のほうが載ってる確率が高くね??
というわけで。今から25年ほど前の冨樫は、当時連載前の新人であったボーボボ作者に対して、「毎週19ページを半年間書きなさい」と言っていたそうだが、四半世紀が経った今、あえて同じ言葉を送りたい。君が毎週19ページを描きなさい!
…いや、内容がつまらなかったら、こんな漫画は忘れ去って、別の物を読んでいれば良いのだ。けれども、面白いから困っているのである。もし、作者に書く気が無いのなら、長編のキメラアント編(と言っても、毎週連載をしていれば、3年ほどで終わるはずの量だが…)が完結したところで、物語も畳んでおけば良かった。実際に、アニメ第2作は、その絶好の機会で完結させている。
――だが、そこから原作では、わざわざ「暗黒大陸編」という新章を始めたうえで、しかもその移動中の船の中で、複雑怪奇な王位争奪戦に寄り道し、それすら途中で休止している。どういうことにしたいのか、サッパリ分からない。作者が終わらせたくないのか、ジャンプ編集部が終わらせたくないのか…。
さて。私が、HUNTER×HUNTERで印象に残っているものとして、暗黒大陸の驚異を伝える「ブリオン」というものが存在する。
――これは、どうも謎の遺跡を守っている植物兵器らしく、筋肉モリモリの男の首から上に「●」で表される球体が乗っているという、インパクト特大な見た目をしている。が、そのブリオンを発見するどころか、現在は暗黒大陸に上陸すらしていないのだ。これマジでどうするんだよ。牛の脳に住む正体不明のクロイツフェルト・ヤコブ病因子…それはプリオンね。109…それはビリオン。津波攻撃でLv1ジタンを倒せなくなった奴はシリオン。初代PS時代に出された自分のCDで遊べる怪奇音ゲー…それはビブリボンだ。私が知りたいのはブリオン!
モルゲッソヨじゃなくてブ・リ・オ・ン!!
やれ、初めて「ブリオン」の名前が出たのは、2014年6月ということだそうで、そこからもう7年半が経ってしまった。どうすんだコレ。頼む、遅くてもいいから、一定ペースで連載してくれ!
(2022年1月17日)
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