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確率は間違える / やり込みinFF

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管理人の日記
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2022年1月14日(金)
確率は間違える


 
なんかすごい合唱曲っぽい曲調


 問題である。アイドル
(略)スターライトステージに、ここ最近で追加された「ココカラミライヘ!」のランダム選出5枠に、歴代シンデレラガールアイドル10人(185人中10人)が1人以上選ばれる確率は、どれだけであろうか。元々、確率の話をしようと思っていたのだが、うってつけの題材が舞い降りた。
 …さて、急に確率のことを言われても、前提がハッキリしていないと解けない。そのため、まずはそこを定めておこう。


「ココカラミライヘ!」のMVには、10人が登場する。このうち、通常編成5人以外の残り5人は、均等確率の完全ランダムで選出される。
・アイドルの総数は、
190人である。
「シンデレラガール」の称号を持つアイドルは
10人である。どのポジションにどのキャラが登場しても、「プリンセス・オブ・テン」を着用しているため、ひと目でそれと分かる。
同じ人物が、2人以上登場することは無い。
・通常編成の5人は、「シンデレラガール」
ではないアイドルとする。

・以上により、「185人からランダムに5人を選んだとき、その中に『シンデレラガール』である10名が1人以上入る確率」を求めれば良い。



 というわけで。体感だと、
「200人近くから10人しか当たりがおらず、それが5枠だから…う〜ん、1/10くらい?」などと思ってしまうが、答えは約1/4(24.5%。50268255240/205206259440)である。だいたい、DEBUTからMASTERまで4難易度のフルコン埋めをすれば、1回は見られる程度の確率と言える。そして、その際、必ず専用衣装の「プリンセス・オブ・テン」を着用して登場するので、余計に印象に残ってしまうのだ。
 …ちなみに、計算間違いという可能性を考慮し、実際にカウントを取ってみたのだが、その際は
20回中4回であり、概ね計算通りと言えるような確率となった。まあ1/4をそのまま5倍すると5/20なのだが、確率が低いものはバラつくので、これくらいの誤差は許してほしい。

 では、この問題を考えるときに、どうすれば良いか。もちろん、組み合わせの考えを使っても良い
(1 - [175C5 / 185C5])のだが、もっと極めて単純な、頭の中だけでも立てられるような式が存在する。端っこから順番に決めていくのである。
 …まず、一番左の枠について、選出候補なアイドルは185人である。このうち、シンデレラガールは10人のため、そうでないアイドルは175人となる。よって、この枠にシンデレラガールが選ば
れない確率は、175/185となる。
 ――続いて、1枠目にシンデレラガールが選ば
れなかった場合に、連続して2枠目を考えていこう。残るアイドルは184人で、シンデレラガールは10人のままであるため、2枠目にシンデレラガールが選ばれない確率は174/184である。同様に、3枠目が173/183、4枠目が172/182、5枠目が171/181となる。これらが連続して起こることを考え、「5枠全てにシンデレラガールが選ばれない確率」は、(175/185)×(174/184)×(173/183)×(172/182)×(171/181)で、だいたい3/4となる。そして、この逆が「シンデレラガールが1人以上選ばれる確率」なので、確率は1/4となるのだ。

 よって。例えば、
「ココカラミライヘの背景にシンデレラガールが出るかどうかくじ」を運営する場合、1口100円として、400円以上を出してしまうと胴元が損をすることになる。逆に、「185人から10人だぜ? 確率低そうだろ?」などと上手く言いくるめて、相手側を「1回100円払うが、シンデレラガールが出たら自分は500円貰える」という賭けに持ち込めば、こちら側の有利となる。
 …やれ、上記の計算は、さほど難しくないどころか、確率の中ではかなり基本的な部類に入る。だが、さすがに暗算でサッとできる人はそうそう居ないであろうし、1/4という確率が体感に合っていると言い難いのだ。
賭博は刑法185条で禁止されています!

闇遊戯のように、単純明快に考えることが重要


 さて。何故こんな話を私が急にしたかというと、
確率は頻繁に間違いを起こすからである。
 …次の例は、漫画版の遊戯王である。「決闘者の王国編」が終わった後に、
背景こと御伽が登場する回で、「バーベット」という黒歴史が存在する。その内容は、御伽が遊戯たちに“確率が均等ではないイカサマゲーム”を仕掛けてきたため、遊戯もイカサマで返して御伽を言いくるめる…というものである。しかし、この遊戯が仕掛けたイカサマゲームが実は公平なゲームであり、★意味不明★な展開となってしまった。これは、作者の理論ミスであって、物語内容がそういう流れになっていたわけではなく、単行本では確率計算の部分だけが修正されている。私は、ジャンプ版を最初に読んだのだが、「これを計算すると、約2/3の確率で僕が負ける…!」という御伽の迫力に、まんまと騙されてしまったものだ。
 ――余談だが。この際の御伽は、城之内と遊戯に、「負けたら1週間、何でも僕の言うことを聞く」という
ホモビの導入みたいな条件を出している。これは賭博なのでは? と思ったが、日本の賭博罪では「一時の娯楽に供する物」は例外とされている。まあ、実際に、御伽が城之内に命令したことは「僕以外とは会話するな。命令にはワンと答えろ」である。まあ、男子高校生同士のじゃれ合い♂と言い張れば、賭博罪の適用は回避できるだろう。遊戯王は刑法185条に違反しない合法的な漫画です!!

 いっぽう、その一つ前の、御伽が城之内に出した、
「トランプの『』から2枚を選んで、同じ色が揃ったら勝ち」というゲームについての理論は、普通に合っている(公平に見せかけたインチキゲームである)。城之内は、2枚の組み合わせは(赤・赤)(赤・黒)(黒・赤)(黒・黒)の4通りで、当たりはそのうち2通りなので、確率は1/2…という、普段のキャラクター性からは考えられないような理論を頭の中で導いている。
 …しかし、これは誤りである。仮に、カードに名前を付けて、赤1・赤2・黒1・黒2という表記にすると、組み合わせは(赤1・赤2)(赤1・黒1)(赤1・黒2)(黒1・赤2)(黒2・赤2)(黒1・黒2)となる。
赤と黒が出るハズレの組み合わせは、実は見た目の2倍存在するのだ。しかし、これを頭の中で整理しながら考えられる人は、童実野高校どころか、どこの高校にもそうそう居ないであろう。確率を勉強していれば、組み合わせ数は4C2=6通りで、当たりは2通りしか無いため、確率は2/6=1/3…という計算ができるかもしれない。こっちは、まだマシな部類である。
 ――が、
その後の闇遊戯の解説のほうが、遥かに分かりやすい。「2枚同時に選ぶ」というところがややこしくなる原因であって、順番に1枚ずつ選ぶとする。「赤・赤・黒・黒」から、1枚目に赤を引けば残りは「赤・黒・黒」、1枚目に黒を引けば「赤・赤・黒」となるため、どちらの場合も当たりは1つなので1/3である。これならば、暗算も容易であり、小学生でも分かるような単純明快な理論である。こういう考え方をするように心がけなければならない。

こんな確率計算ばかりしていてはオーファンさんに笑われてしまう


 さて。
まだまだ確率についての失敗例は存在する。最後に、私がこのサイトにおける計算で失敗した例を挙げてみよう。
 …例えば、私は、0.5%の確率で発動するラッキーブレイカーについて、「発動回数の期待値を1にするための攻撃回数は200回」と書いたことがある。しかし、この解釈は、何もかも正しくない。ラッキーブレイカーは、2回以上同時に発動しても意味が無く、“1回発動するまでの確率”で考えたほうが良い。例えば、100回目までに発動する確率は、39.4%である。この際の
「発動回数の期待値(?)は0.5となるが、ここに「発動する:しない」の分水嶺があるわけではない。“コインを投げて表裏”と同じく、50%の勝負にするためには、138.3回が必要となるのだ。
 ――よって私は、「100回以内にラッキーブレイカーが成功したら勝ち!」というギャンブルがあったら、それを0.5%×100=50%で平等な勝負だと思い込み、まんまと相手の罠にハマってしまっていたことになる。
賭博は刑法185条で禁止されています。

 そして。同じくFF13において、無成長・ラスボス戦のエリクサー0個攻略における後半の陰陽モードでも、計算誤りをしたことがある。
 …そこでは、だいたい1モードを2/7の確率で乗り切れ、4モードで相手のHPを削り切ることが可能となる。ただし、本来なら失敗となるモードであったとしても、累積で1回だけ召喚獣を使ってスキップ=成功扱いにできる。この条件での勝率を、「4モード中、1回は召喚獣で飛ばせる。そのため、3回を乗り切れば良くなり、(2/7)×(2/7)×(2/7)=2.3%である」という計算をしたこともある。
しかし、これも誤りである。
 ――さて、これについても、高校数学における教科書的な考え方が有効である。「●●○○○○○」と7つの碁石のような物を袋の中に入れ、
1回ごとに記録して戻しながら、ノートに並べる試行を考える。は自力で乗り切れる(2/7)、は乗り切り失敗(5/7)としよう。これを4つ並べて、「○」が1個以内なら勝利パターンである。例えば、「●●○●」は3モード目に召喚を使って勝利、「●●●●」なら召喚なしで突破、「○○●●」は1モード目で召喚を使ったが2モード目もディエス・イレが来て敗北(3,4モードは実際には行われない)…という感じである。
 というわけで。ここまで整理できれば、あとは楽勝だ。「●●●●」の確率は(2/7)4「○●●●」の確率は5/7×(2/7)3で、以下「●○●●」なども同じである。よって、合計の確率は、(2/7)4 + 4×[5/7×(2/7)3] =
7.3%である。ケチの付けようがない、スッキリした理論体系となった。

 ということで。結論として、
確率について、人は間違いを犯す。私も頑張ってはいるつもりだが、やはりどうしても、“自分の直感”を第一に考えてしまい、その誤りを訂正できないまま、間違った理論体系で結果を導いてしまう。でも、それは大きなミステイクである。
 …まあ、やり込みプレイでの確率計算なんかは、後から幾らでも直せるから良い。ただ、
刑法185条で禁止されている賭博行為については、多額の負債を負う危険性があるので、皆さま気を付けてほしい。「自分は頭が良い」と思っている人でも意外と間違うので、油断は禁物である。傾向として、一見有利な話を向こうからわざわざ持ち込んできた時は、疑ったほうが良いかな…。

(2022年1月14日)

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