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3DS「スーパーマリオ 3Dランド」感想…時代背景を考えれば良作 / やり込みinFF

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管理人の日記
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2021年4月25日(日)
3DS「スーパーマリオ 3Dランド」感想…時代背景を考えれば良作


 
“あの時代の良作”ではあるが、スイッチの3Dワールドがある以上、現在では存在意義が薄い


 前に書いた3Dマリオ制覇計画
【日記:2021/4/13】の第1弾として、3DS「スーパーマリオ 3Dランド」(2011)をクリアーしました。携帯機としては優等生的ですが、いろいろと限界の見えるタイトルであり、名作には及ばないという程度の作品でした。

 まず、本作は、2011年11月に発売された。そもそも、大ヒットした初代DSの後継機である3DSは、2011年2月に発売したが、当初は
25000円という価格が足を引っ張り、あまり普及しなかった。そのため、たった半年で15000円への大幅値引きが行われ、そこから普及が進んでいったのだが、ロクにソフトも出ないまま40%もの値下げが為されたことは、当時としても物議を醸し出した。
 …さて、3DSと言うと、
私の中での印象が非常に悪いハードである。目玉の3D機能は、目が疲れるうえに、ちょっと正しい位置から離れると画面がブレてしまうような代物であり、ほとんどの場合はオフにしていた。また、私が3DSを買ったのは、遊戯王カードのゲームのため(2013年の「遊☆戯☆王ゼアル 激突!デュエルカーニバル!」)であり、その時は深く考えず、大きめサイズの「3DSLL」を購入してしまった。3DSLLは、画面が大きくなったくせに、画素数はそのままだ。よって、映る世界の全てがボケボケであり、その常軌を逸した画質の悪さに、最初は何か設定が間違っているのかと思った。そして、ディスプレイの発色も悪く、白色が黄色っぽく表示され、尿液晶などと揶揄された。色の綺麗さだけなら、前世代機の初代DSのほうが優れているくらいである。
 ――やれ。よく、“グラフィック”と言うと、3D処理性能の話だけをしているみたいになるが、それ以外にも「解像度
(画素数)」「発色」など、映像を評価する尺度は様々に存在する。そして、3DSは、全教科が赤点という感じである。頼みの3D立体視は、たまに遊びでONにされるだけだし…。結局、上画面は3D機能のために2倍出力で800×240となり、下画面も320×240と、あちこちに性能を回さなければならなくなり、どれも中途半端な内容となってしまっている。仮に、これらのドットを全て上画面に集中させていれば、700×400程度と、それなりの画面の精細さを得られていたように思う。結局のところ、3D立体視が1世代で終わってしまった理由はコレであると考えられる。

 余談だが。3DSについては、販売戦略の一つが、
「前世代において、他社製ハードで大ヒットした『某ハンティングアクション』を、3DSに独占供給させる(※他社製ハードの次世代機には出させない)というものであり、これもまた、私の中での印象を悪くする結果となっている。
 …やれ。件の“なんとかハンター”は、そういう契約だったのか、ハード特性を無視したガビガビの作品が、
5年半で5つも発売された。問題点として、まあ見た目については、見れば分かるので、わざわざ語る必要が無いだろう。その他に、操作性にも問題があったのだが、それを克服するために、「拡張スライドパッド」なる怪しげな周辺機器が発売された。しかしながら、本体に取り付ける形なのに無線通信、本体に取り付ける形なのに単4電池、本体に取り付ける形なのでゲームソフト取替不可、など気の狂った出来であった。私は、単体で完結することが魅力のゲーム専用機に、ここまでブサイクな周辺機器を取り付けたいとは思わない。そこまでしてでも、ライバルハードを潰すことが大切だったのだろうか…?
 ――ちなみに、ソフト発売元のほうも、
3DSでは絶対に出力不可能な高精細画像を、「※イメージ画像」という米粒サイズの文字と共に掲載するなど、騙す気マンマンであった。まあ、今となっては完全に過去の話であるし、当事者たちが口を割らない以上、結局のところ“噂”の域を出ることはない(割るわけがない)だが、本当にあの時代は、イカれていた。これに比べれば、現世代は、ハードもソフトも、かなりまともな内容になっているよ…。

400×240か…


 というわけで。
3DS自体への悪口が長くなってしまったが、ここからは「スーパーマリオ 3Dランド」の感想である。
 …さて、この作品は、3Dマリオながらも、「クラッシュ・バンディクー」のようなカメラ固定型
(一応、十字キーで僅かに動かせるが、これと言って必要な動作ではない)のジャンピングアクションとなっている。また、最近発売されたスイッチのB「3Dワールド+フューリーワールド」との関係は、B3Dワールド+フューリーワールドが、WiiUで発売されたA「3Dワールド」の移植+追加パックという位置付けであって、@「3Dランド」はその“前身”と言える作品である。よって、@と、ABは、移植ともリメイクとも違う関係である(シリーズ内続編?)

 さて、前述の通り、3DS自体は歪んだハードであるが、発売元としての意地があるのか、この「3Dランド」
3DSに合わせた作品となっている。
 …まず、3DSのグラフィック性能は、3D立体視
(あまり使われていない…)に全振りをしたためか、見た目はかなり控え目となっている。しかしながら、「3Dランド」3DSの性能を理解したうえで、記号的かつ原色を多用した分かりやすい画面作りをしており、プレイに支障を感じることは無い。また、固定カメラ型のアクションというのも、「マリオ64」「サンシャイン」のようなフルスペック路線を望んでいると肩透かしであるものの、「任天堂の、特に携帯ゲーム機を好んでプレイするユーザーの層」「3DSの操作性」などを考慮して、ちょうど良い落とし所に持ってきたと考えられる。また、不人気な3D立体視機能も、“だまし絵”のようなブロックの配置など、他ゲームよりは有効活用した場面が多い。
 ――また、このゲームが、
3DS発売年の2011年に登場したというのも重要である。新ハードの発売直後というのは、ソフトが不足しがちである。そして、ゲームというのは、流行り物であり、出すペースは重要である。後述するように、本作は水増し要素がとても多いが、それにしても、「これを買っておけば、ある程度は間違いない」という作品を、ハード発売年の年末という比較的早い時期に出せたのは、プラットフォーマーの“矜持”というものを感じる。

 そんなわけで、3DSの「スーパーマリオ3Dランド」は、3DSの比較的初期に、2Dのような操作感覚で遊びやすく、それなりの深さとボリュームもある作品として登場した。しかし、細かい部分を見てみると、
なかなかツッコミどころの多い作品となっている。
 …まず、本作は、
たぬきマリオがぶっちぎりの最強である。本作には、タイトルに「3」の数字を持つ作品として、「スーパーマリオブラザーズ3」(ファミコン/1988年)のオマージュが数多く入っている。「たぬきマリオ」の復活もその一つであり、本作では空を自由に飛べなくなったため劣化…と思いきや、尻尾を振りながら落下速度を遅くできるので、落下死を防ぎやすくなるうえ、飛距離が長いため仕掛けの多くを無視できる。一方で、攻撃性能としては、シリーズ恒例のファイアマリオに劣る…ということは無く、3D空間で当てにくいファイアボールに対し、たぬきマリオは尻尾を使った近接攻撃が可能であり、確実性で大きく勝る。加えて、本作には「全ステージのゴールポールで最上部を獲得する」という収集要素があるのだが、たぬきマリオがあれば、落下速度の低下によって大きく難易度を下げられるのだ。
 ――以上より、たぬきマリオは、
走・攻・守の揃った最強であり、完全に他のアイテムはハズレ扱いとなっていた。作中での扱いも、裏面の追加アイテムはたぬきマリオの強化版、同じステージで何度も失敗した際の救済要素もたぬきマリオ+ダメージ無効と、やたら本作はたぬき臭いの作品であり、スタッフ的にも強力な変身であることは十分に認識していたと思われる。

 また、本作では、水増し要素がとても多い。通常ステージである表面は、全47面構成であり、各ステージは駆け抜ければ30秒くらいで終わってしまうこともあるくらいで、ボリュームは少なめである。いっぽうで、エンディングを見ると、
表面と同等のボリュームを持つ裏面が解禁される。この裏面は、“表面の高難易度版”という程度であり、使い回しが目立つものの、なかなかの遊びごたえがあって、難易度的にも悪くない。
 
…だが、良かったのはここまでである。しかし、本作では、真の最難関である最終ステージを解禁するために、マリオとルイージの2キャラで全ステージをクリアする必要がある。よって、マリオでの表面&裏面で、そこそこダレてきたところで、もう一度ルイージを使って表面&裏面の全ステージをクリアするハメになり、ここで猛烈に水増しを感じてしまったのだ。正直、マリオとルイージの操作感も、わざわざ意識しなければ、ほとんど同じようなものである。ロックマンXシリーズのXとゼロくらい違うならともかく…。
 ――その他、本作は開発期間が苦しかったのか、
「ギャラクシー」からの謎な使い回しが多く存在する。例えば、お化け屋敷の曲は、ギャラクシーと同じである。また、アスレチック面の曲は、「マリオブラザーズ3」のBGMのアレンジ版なのであるが、どちらかというと「ギャラクシー」アレンジの再録という趣が強い。その他、聞くところによると、「大企業〜!」という奇声と共にマリオをトレースして追いかけてくるマネックという敵と、音楽に合わせて出たり消えたりする足場は、どちらも「ギャラクシー2」からの流用ということらしい。ゲーム全体のスケールダウンも含め、ちょっと悲しいものである。

 ちなみに、アクション面についても、一つだけ疑問があって、それは本作の
ダッシュジャンプである。本作では、他の3Dマリオ作品と違って、基本のダッシュジャンプが最強という位置付けになっており、ダッシュジャンプで最大飛距離を出せるかどうかは、極めて重要となる。
 …しかし。私は、本作を一応は最後までやり込んだ
(隠しステージをたぬき無しでクリアするまでやった)のだが、未だにダッシュジャンプ周りの仕様はハッキリ理解できていない。恐らく、「地上でダッシュボタンを押すと、即座に最高速度となる。しかしながら、ダッシュジャンプを適用するためには、ある程度の助走が必要になる」というややこしいシステムになっているのだと思われるが、途中で段差があったり小ジャンプを挟んだりした場合の仕様がであり、コンプリート要素であるゴールポールの最上部狙いや、真の最終面の攻略では、幾度となく失敗をしてしまい、やる気を削がれてしまった。

グラフィックはゲーム性に関係…あります!


 ということで。まとめると、3DS/
「スーパーマリオ 3Dランド」は、3DSがソフト不足だった頃に出た良作ではある。また、内容としても、「任天堂ゲームのユーザー層が3Dゲームをどう理解しているか」「開発期間が短かったこと」などを考慮すれば、十分以上の出来であると言える。
 …しかし、こうやって条件を幾つも付けるということは、
逆に、そういう言い訳がなければ、これといった快作にならないという捉え方もできる。私としては、「3Dマリオ」には、大手メーカーの本編タイトルとして、パンチのある作品を望んでいた。では、この「3Dランド」が、「サンシャイン」「ギャラクシー」に相当する質があるかというと、残念ながらそのようなことは言えない。当時は、まだ「据え置き機は本格、携帯機は手軽」という分類が残っていた時代である。そのため、この「3Dランド」は、あくまで「3DSの初期に発売された」「携帯機向けの」「良作」に過ぎないのである。

 さて。2021年の現在では、スイッチにて、「3Dワールド+フューリーワールド」が発売されている。こちらは、「固定カメラ型の3Dアクション」という基本要素を踏襲しながらも、大幅なクオリティの向上が為されている。特に、
グラフィックの向上は眼を見張るものだ。忘れがちであるが、携帯機として、スイッチは3DSの後継機であり、たった一世代でここまで進歩するとは驚きである。まあ、3DSが世代相応から大きく劣っていたというのもあるが…。
 ――以上のことより、現段階では、「3Dワールド+フューリーワールド」があれば良く、
「3Dランド」は存在意義を失っていると言える。こういう旧作であっても、例えばDL版が980円などといった大幅なセールがあれば、輝きを取り戻すことがある。しかし、残念ながら、任天堂はそういう大胆なセールをほとんどやらないので、私のように、過去作を全て遊びたい! などと考えなければ、手に取る機会は無いであろう。

 そんなわけで。私の「3Dマリオ制覇計画」でプレイした3DSの
「スーパーマリオ 3Dランド」は、まあ時代背景を考えれば優等生的な良作ではあるが、しかし「3Dマリオ」の本編としては、インパクトに欠ける作品であった。今年始めにプレイした「サンシャイン」「ギャラクシー」に比べると、大きく引けを取ってしまう。
 …もっとも、そんな“自分の中で傑作と言えるようなゲーム”とは、そう簡単には出会えない。本作は、決して駄作というわけではなく、プレイした時間分は楽しめた。また、後の世代と比べることで、
改めて「3DSの時代」というものに対する理解を深められたのも、私としては良かったと思う。
 ――そして。次は、3Dマリオはいったん置いておいて、初代DS時代に購入して楽しめなかった
「Newスーパーマリオブラザーズ(DS)」と、「ヨッシーアイランドDS」を遊んでみたいと思う。15年前←!?と今では価値観も違っているので、ひょっとしたら楽しく遊べるかも…?

(2021年4月25日)

登録タグ/ ゲーム一般 3Dマリオ
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