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管理人の日記
いつもながら、週末はゲーム関連の課題(?)を片付けていきたい

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どう見ても天罰を与える対象が横におるやろ |
本日、ネット上で、トレンドに「アポピスの化神」という言葉が上がっているのを発見した。なぜこんな単語が…と思ったら、どうやら、9月末に発売した遊戯王カードの新パックで、初代遊戯王に登場する「リシド」をテーマにしたカードが多数登場し、「王家の神殿」や「アポピスの化神」「聖獣セルケト」など、懐かしいメンツが、実戦レベルの強化を為されたそうだ。
…ところで、リシドというと、今でも思い出すのが、バトルシティ編のシリーズボス:マリクによる、華麗な論点のすり替えである。元々、マリクとリシドは、「墓守の一族」であるが、正式な兄弟や師弟などではなく、捨て子としてリシドが拾われてきた。その点で、血統にこだわるマリクの父親(故人)に激しく叱責されたことをトラウマに思っており、リシドには「本当の家族として認められたい」という思いが存在している。
――いっぽうで。墓守の一族は、「神のカード」と呼ばれる、魔術的な力を持ったモンスターを操ることができる。その中の1枚である「ラーの翼神竜」を、リシド・マリクは扱うのだが、マリクの持っているものが本物であり、リシドのデッキに入っているのはコピー、偽物の「ラーの翼神竜」である。決勝トーナメントで行われる、城之内vsリシドの戦いは、このコピーカードを巡る展開で、予想もしない方向に動くことになる。
ちなみに。私個人の思い出としては、初代漫画版の遊戯王について、第1の長編と言える「決闘者の王国編」でハマり、そこからは単行本派として物語を追っていた。「2〜3ヶ月に1回」「410円(当時)の本を買う」という、たかがそれだけなのだが、それですら、小学生当時の金銭感覚・娯楽感覚では、大きなものだったのだ。しかしながら、長期連載ジャンプ漫画の宿命として、徐々にテンポが悪くなり、第2の長編:「バトルシティ編」が始まって少し経った辺りでダレてしまい、単行本を買わなくなってしまった。
――そんな私が、久しぶりに読者として復帰したのが、まさに、この「城之内vsリシド」の決着直前というパートであった(第215話)。偶然、ジャンプ本誌を使って1話だけ読んだのだが、ライフポイント50という絶望的な状況で攻撃力4625のモンスターを相手にする城之内、「マリク(リシド)」と表記されている謎のデュエリスト、しれっと包帯を取ってヒロインに参加している静香(城之内の妹)、そしてラーが召喚され「こ……これは!!」と驚愕する遊戯で次週へ続く…など、インパクト大の展開であり、たった1話でガッツリと私の心が掴まれ、そこからまた、私はコミック購入を再開するに至った。まあ、その後、やはり途中でダレてしまい、結局、初代遊戯王を完走できたのは、20歳を超えてから、アニメ版を使ってであったのだが…。
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それっておかしくないかな?(遊内失) |
さて。作中のデュエルでは、リシドが得意の罠カードを使った戦術で、城之内を事実上の敗北にまで追い込んだ。しかしながら、リシドの目的はマリクの影武者となることであり、そのために、既に勝利したデュエルで、あえて神のカードを召喚するというオーバーキルを行おうとした。しかし、それがラーの複製カードであったため、本物のラーの怒りを買い、デュエルしていた2名に天罰が下る…という流れだ。
ところで。リシドについては、マリクの対比としてか、義理堅い武人キャラとして描かれており、この城之内戦でも、「マリク」を名乗っていたにも関わらず、正々堂々としたデュエルを城之内に挑む。そのリシドが、自分を曲げてラーのコピーを使った理由は、マリクに「ラーの翼神竜を従えられれば、墓守の一族として認められる」と洗脳―ブレインコントロールをされたからである。わざわざ、マリク自身は大っ嫌いな父親まで出して、リシドのコンプレックスを刺激し、ラーの召喚を行わせた。ちなみに、マリクには、「千年ロッド」と呼ばれる千年アイテムで、他人の心を操る(+直接脳内で会話する)能力が存在するが、この洗脳能力は、特にここでは使われていない。マリク天性の心理操作なのだ。
…そして、リシドは、ラーのコピーカードを使った結果、やはり偽物ということで、天罰を受ける。そして、倒れる直前に、「自分はやはり本当の墓守の一族では無かったのか」と自戒する。だが、ちょっと待ってほしい。ここでの問題は、あくまでコピーカードを使ったことであり、リシドが偽物の家族だからということは関係が無い。
――やれ、「ラーの罰が下るのは、『@コピーを使ったから』『A心の弱い者が召喚したから』のどちらが理由か」ということを検証するには、マリクが男を見せて神のコピーカードを使えば一撃なのだが、まあ奴が部下のために体を張るなんて有り得ないので、対偶として、「千年アイテムに関係の無い者が、本物のラーを使う」という例を試せば良い。実はこれ、既に原作で検証されており、ずばりその1つ後のデュエルで、「孔雀舞が、ラーの翼神竜を召喚」している。その描写からすると、少なくとも「神を召喚したこと」それ自体に罰は下っていなかった。よって、リシドが天罰を受けたのは、やはり、「本物のイシュタール家で無かったから」ではなく、「コピーカードを使ったから」で確定である。
やれ、この流れの華麗なところは、極めて自然に論点をすり替えたことである。ラーのコピーカードが危険なことは、マリクもリシドも承知の上だが、それを踏まえたうえで、「本物の墓守の一族ならば、ラーを従えられる」というところに議論を持っていき、そしてリシドを納得させてしまった。あまりにも自然すぎて、恐らく作者すら気付いていないのではないだろうか。
――ちなみに、バトルシティ編が終わったあとは、マリクは正義の心を取り戻し、これからは、マリク・リシド、そして姉のイシズと共に、3人で墓守の一族=家族として生きていくことにしたようだ。しかしながら、もしリシドが、「あれ?
あの時の事件で、やっぱりラーのコピーを使ったことが原因だったんじゃ…」などと思い出してしまえば、一瞬で家庭崩壊の危機である。マリクは、何となく闇マリクのせいにして許された感が出ているが、全方位へばらまいた強烈なヘイトを考えると、FF8のサイファーみたいな感じで、この先も表舞台には登場できないであろう…。
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こういうこと言う人、現実世界にも居るよね… |
ちなみに。もう一つ、ジャンプ漫画から、華麗なる論点のすり替えの例を挙げておこう。初代「キン肉マン」の、夢の超人タッグ編で、アシュラマン&サンシャインの「はぐれ悪魔超人コンビ」が、トーナメントに殴り込みを掛けるところである。
…さて、この場面では、カナディアンマン&スペシャルマンの「ビッグ・ボンバーズ」が★瞬殺★されるのが有名だが、今回話題とするのは、その少し前のシーンだ。キン肉マン(キン肉スグル)が、パートナーを見つけられず、タッグ大会に不参加となり、チーム枠が1つ空いてしまった。そこに、アシュラマンたちが「自分らを参加させてくれ」と申し出るのだが、「飛び入り参加は認められない」と、至極当然の理由で断わられる。それをアシュラマンは、「自分たちは元悪魔超人だから、参加が拒否されるのか」と、人種差別的な話へと論点をすり替え、そして強引に参加を認めさせてしまう(なお、この直後、キン肉マンたちも到着し、例の★瞬殺★シーンとなる)。
――やれ、このタッグトーナメントには、元悪魔超人のブラックホール・バッファローマンが普通に参戦しているため、「元悪魔超人は参加できない」というルールが存在しないことは明白だ。だがそこは上手くはぐらかし、オーディエンスも味方に付けることで、参加を認めさせてしまった。まさに、悪魔のマイクパフォーマンスである。なお、この後、アシュラマンは、「うまくいったな、兄弟!」と小声でサンシャインに話しかけており、最初から作戦づくであったことが分かる。昭和キン肉マンには珍しい、
(2025年10月10日)

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