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シナリオ考察プレイ日誌
【第7話 「女神の騎士」
】 |
ラ「誰?」
カ「お前だよ」
ラ「いや女神を継ぐ者の事じゃなくて^^;」 |
さあ、いよいよ本プレイ日誌の山場である。第7話では、ウィルダネスのメインクエスト:「カイアス編」を取り扱っていくことにしよう。
…さて、カイアスと言えば、ご存じ『13-2』にて「ユールちゃんLOVE♥」という超個人的な理由で世界を滅ぼした人物と世間的に解釈されている。一応、【第1話】にて『13-2』〜『リターンズ』という流れについて考察をし、多少はカイアスの行動についてフォローをしてみたものの、やはり確証には欠けるものがあり、「カイアス=ロ○コン仙人」という印象を拭い切ることはできなかった。
――が、である。この『リターンズ』のメインクエストでは、カイアスとユールの物語に更に新しい情報が追加され、2作に渡ったカイアスの物語がついに完結するのである!
もちろん、それも一筋縄ではいかない解釈となる…どころか、言葉通りに受け取ると極めて不快指数の高い展開になってしまうのだが、それこそ考察の腕の見せ所である。やれ、カイアスもユールも、これまで神々の意志に幾度と無く翻弄されてきた被害者である。彼らの魂もまた、真の意味で救ってやらなければならないのだ。
というわけで。ウィルダネス編後半の「女神の神殿」では、例によって広場と通路が繰り返される構成の後、最上階でカイアスと戦うことになる。このカイアスは、時間経過で強くなることは無いが、本編屈指の強敵とされており、ネットでは苦戦報告も数多く聞かれるものだ。
…そんなわけで、俺はわざわざこのカイアス戦をメインクエスト最後に回し、サブクエストも適度に進めてライトニングを鍛え、さらにアイテム・装備ともにしっかり準備を整えていった。すると…1回で勝ててしまったのである。序盤は普通に「デプロテ」「デシェル」「ウィーク」を掛けつつ攻め、敵が「聖なる混沌」でブレイブ+フェイス(←!?)+ベール状態になったらしばらく耐える。今作のベール状態は、ステータスに対する耐性が数倍に上がるうえに持続時間まで短くなると非常に厄介だ。さすがにしばらく経つとベールは自動的に解除されるため、そうしたら「デスペル」でブレイブ・フェイスを解除し、再びデプロテ・デシェル・ウィークを入れる。その後、敵をノックアウトできそうになったので、オーバークロックで時間を止め、一気に「ファイラ」で攻撃する。すると10000近いダメージが出て、そのままカイアスを倒せてしまった。なに…?
本作屈指の強敵が、こんなアッサリで良いのか…??
――そんなこんなでメインクエストを終えると、最後に「リベンジオブカオス」という武器を手に入れることができる。これは、1週目NORMALの時点では攻撃力・魔力の上昇量も十分大きいが、通常の75%の値でノックアウトを成功させられるという極めて強力な追加効果を持ち、HARD以降も選択肢として選んでいけるほどの強武器なのだとか。さすがカイアス…前作の扱いがヤバかったからか、今作では相当優遇されてるな…。
考察:そのJ 〜「ユール」とは、「不可視の混沌」とは何なのか?〜 |
こいつぁ○園さん並みの黒幕だぜ… |
◆LRFF13/巫女パドラ=ヌス・ユールはかくのごとく語れり |
ユール「まずウィルダネス開幕で呼びかけたのは私」 俺「知ってた」 ユール「カイアスの魂を解放してやってほしい」 俺「おう」 ユール?「カイアスと永遠にありたい」 俺「ん?」 ユール??「ライトニングに協力します」 俺「はあ…」 ユール???「この女神の神殿でカイアスと一緒に暮らします」 俺「^^;」 ユール????「私たちのカイアスと共に居たいという思いが世界を壊しました」 俺「そうですか(真顔)」 ユール????「カイアスと居たいと願ったのも私です。 カイアスに永遠の命を与えたのも私です。 カイアスの解放を願っているのも私です。 つまり『不可視の混沌』とは、私たちの魂の集合体なのです」 俺「(^q)^」 ユール、ユール、ユール、ユール、ユール「って、なんで俺くんが!? 改めて、ありがとうございました!」 本当に世界の終わり |
では、さっそく行ってみよう。今回最初の考察は、「ユール」とは、また「不可視の混沌」とは何なのかということである。
…ウィルダネス後半で訪れる「女神の神殿」では、カイアスを追って階段を駆け上がる途中、何人ものユールと会話することになる。その正体は、産まれては死ぬことを繰り返してきた巫女たちの魂で、「カイアスを解放してほしい」「カイアスと永遠に暮らしたい」などと、カイアスに対する様々な想いを口にする。言ってることがバラバラなのも当たり前、この巫女たちは姿は同じだが、別の時代を生きた別の人物だからだ。そして最後に、総まとめ的なユールから「実は世界を滅ぼした『不可視の混沌』とは、私たちのカイアスへの想いの集合体だったんだよ!」という驚愕の種明かしがされるのだ。
――!!!!???? つまり、「不可視の混沌」=「ユールたちの想い」というならば、要するに前作で世界を滅ぼしたのはユールということになる。それだけでは無く、それら全てのユールに共通するのが「カイアスへの想い」ということは、つまるところユールが「カイアスおじさまLOVE♥」で世界を破滅させたということに…。うわああああああああああやめろやめろやめろやめろやめろやめてくれえええええええええ!!!!
というわけで。ゲーム中の台詞から直接的に解釈をすると、要するにカイアスはユール一人のために『13』で救われた世界をわざわざ滅ぼし、ユールはカイアス一人のためにそれを後押しした…という、名状するのもおぞましい最低最悪のストーリーになってしまう。さすがにこれは無い、いろいろな意味で無いので、何か別の解釈を考え出さなければならないのだ。
…そこで俺が考え出したのが、「ユール=女神の残留思念」という説である。ご存じの通り、女神は「ユール」という人間を幾度となく転生させ、自らの力を送って時を詠ませていた。また、その歴史を記録する役割として、カイアスに永遠の命を与えた。そして、時に超常の力をもたらし、現実世界に「奇跡」を起こしていた。だが、そうやって幾度と無く女神が現実世界に混沌を送り込んだことが、世界を歪めていたと捉えれば良いのである。
さて、この「ユール=女神エトロ」説には、一つ根拠となる要素が存在する。それは、上の画像でユールが発言している台詞である。
…というのも、例えばユールが「カイアスを解放してほしい」と思うのは別におかしくないし、「カイアスと永遠に暮らしたい」と発言するのも有り得ることである。しかし劇中では、「彼に望まぬ生を与えたのもの私」と発言している。これはつまり、ユールが個人的にカイアスに永遠の命を与えたということになるのだが、いくら何でもさすがにそれは無理だろう。というかそもそも、カイアスが不死身の肉体となったのは女神エトロの「混沌の心臓」を持っているからである。これらを正しく解釈しようとするためには、やはり「ユール=女神エトロ」と解釈するのが自然となってくるのだ。
――そう考えてみると、この女神の神殿でのユールの台詞は、全て「ユール」の発言とするよりも、「エトロ」が話者であるとしたほうがしっくり来る。ブーニベルゼがホープを器として解放者を監視していたのと同じように、エトロもまたユールの身を借りてこの世界に降り立っていたのだ。やれ、このゲームの世界観からして、ユールの精神にどれくらいの割合でエトロの魂が混じっていたかは不明であるが、もはやユールが女神エトロの写し身であることには何ら疑いようが無いものだ。発言内容がバラバラなのも、ユールが人間として産まれる際、その時の自身の心を送り込んだからなのだろう。
何はともあれ。そのように「ユール=女神エトロ」と考えると、「カイアスに永遠の命を与えたのはエトロ」「カイアスと共に生きたいと思ったのもエトロ」「カイアスの解放を望んだのもエトロ」…と、いうことになる。ご存じの通り、女神エトロは移り気な神なので、こういうことを起こしても何ら不思議では無い。自分を守って力尽きたカイアスに永遠の命を与えた、使命を与えたカイアスを道具ではなく仲間として慈しんだ、自身の殺害を決意したカイアスを恨むのではなくその魂の解放を望んだ…全て、3作に渡って我々を振り回した女神エトロならば有り得そうだと言えるのである。
――ところで。実際にゲームをやっていただければ分かるように、ユールとカイアスの間にはただの信頼だけではなく、一種の恋慕関係のようなものが見られる。もっともカイアスの側では、ユールのことを「幼子のようなもの」と発言しているためその気は無いようだが、では果たしてユールのほうはどうだったのか。それは、分からないのだ。また、当サイトの解釈では「ユールの精神は女神エトロと混ざり合っている」のだが、ひょっとしたらカイアスを恋い慕っていたのもユールではなく女神エトロだったのかもしれない。人々を愛した女神エトロは、きっとその心も人の子のようだったのだろう。
考察:そのK 〜カイアスが選んだ結末とは?〜 |
ようやくしおらしくなってきたカイアス |
◆LRFF13/追われてみたのはいつの日か |
カイアス「500年前『不可視の混沌』のせいでこの世が滅んだわけです」 ライトニング「知っています」 カイアス「つまりユールたちはこの世に有ってはなりません」 ライトニング「呪われていて悲しいですね」 カイアス「女神の力は、その気がなくても、存在するだけで世界を歪めます。 解放者が新しい世界を作っても、私たちが居てしまっては台無しでしょう。 自分らは混沌の領域に残って、魂の循環を務めることにします」 ライトニング「それがあなたの償いなのですか?」 ユール「いいと思います」 カイアス「さあさあ、もうお帰りください」 |
では続いて、カイアス側の考察を進めていこう。今回考えるのは、「カイアスが選んだ結末とは結局何だったのか?」ということである。
…これまで何度も書いてきた通り、カイアスは前作『13-2』のラストで女神エトロの殺害に成功し、世界の崩壊を導いた。それはユール個人のためだったのかもしれないし、呪われた命を押しつけた女神を憎んでのものだったのかもしれないし、はたまた滅びの未来を確信し神を呼び戻すためだったのかもしれない。そのどれにしても、カイアスの目的は『13-2』のエンディング時点で達成され、その際に自分の命も失われた…はずだった。だが、カイアスは死ねなかった。ユールたちの魂=様々な時代に遺してきた女神エトロの残留思念が、カイアスを呼び戻したのである。かくしてカイアスは混沌に囚われ、死ぬことも「生きることも」できなくなったのである。
――では、本項目で話題にするのは、そんなカイアスがライトニングと出会い、どのように変わったかということである。一見するとカイアスは、戦闘を通して大きく意見が変わることも無く、下手をすると戦った意味すら無かったかのように思うかもしれない。が、しっかり考えてみると、カイアスもまた解放者との戦いを通して魂を救われた一人なのである。今回は、そんなカイアスが選んだ「結末」について、考えてみることにしよう。
さて。作中で最初に出会った時のカイアスの望みは、「自身が消滅すること」であった(神殿に入った際にハッキリ発言している)。その望みは、この世界が滅びてしまえば叶えられるため、当初のカイアスの行動は「このまま全てが消えていくのを待ち続ける」というものであったと推測される。「ゲーム中で『HPが徐々に減っていく』と表現された能力」で解放者の侵入を拒んだのも、「消えゆく自分の運命を邪魔されたくない」という思いがあったからこそだろう。
…が。バトルを終えた後のカイアスは、その方針を大きく変える。自分たちに取り憑いている混沌の正体について説明し、魂の解放は望めない旨について説明をする。そして、世界の運命を解放者に託し、その新しい世界では自分こそが女神の代役として魂を鎮めようと決意したのである。別にカイアスは、エンディングにてポッと出でエトロの代わりを務めたわけではない。解放者の力を認め、この世界の命運と新世界の未来を託すに足る人物だと確信したからこそ、自身が不可視の深淵で生け贄になることにした。カイアスは、この戦闘の時からそれを決意するようになったと考えるのが自然なのだ。
――やれ、そもそもカイアスは、自分の感情を露わにするようなタイプでは無い。だから、このように深読みを要する演出となるのも至極当然の話なのである。むしろ、「@ユール」「Aユール!」「Bユール!!!」であった『13-2』のほうが異様なのだ。『13-2』のストーリーって……。
ところで。これらのメインクエストの会話の中で、俺的に気になる台詞が一つある。それは、カイアスの「あれ(ユールのこと)の力は強すぎる。世界に害を為す気が無くとも、ただ存在するだけで否応なしに世界を歪める」というものである。これはもちろん、単にユールが超常の力を持っているということではなく、もちろん背景にある女神の存在を念頭に置いたものであろう。
…つまり、こういうことだ。「@世界に害を為す気が無くとも」というのは、女神エトロが様々な「奇跡」を起こして現実世界に干渉していたことを示している。確かにそれ自体は、「人が死ぬのを見たくない」という、純粋な善意だったのであろう。だが、「A存在するだけで否応なしに世界を歪める」という台詞にも表れているように、女神がもたらす混沌は正常な世界の運行を著しく乱す物であった。ユールに力を与えて未来を見通し、人の世に有り難き「奇跡」を起こす…それを幾度と無く繰り返すうちに、正しい時の運行が乱れていき、ついには世界の崩壊を招いてしまった。このカイアスの台詞からは、そういったことが読み取れるのである。
――最後に。この考えでいく場合に重要となるのが、「カイアスは『ユール=女神エトロ』ということに気付いていたのか?」ということであろうが、『13-2』の頃は「始めようユール女神無き世界を」とかノリノリで言っていたことから恐らく気付いていなかったのだろうが、この『リターンズ』の頃には、自身たちが選んだ結論も踏まえ、とっくに察しが付いていたであろうと思われる。だからこそ、『13-2』であれほど敵意を向けていた女神に対して、本作のカイアスは何の怒りも漏らしていないどころか、むしろ哀れみすら感じていた。そう思うと、とても感慨深いものがあるというものだ。
ちなみに、この「カイアスが女神の代役をやるつもりでいる」という件についてであるが、ラストシーン直前までライトニングは自分が混沌の世界に残ろうと考えていたため、カイアスのことはサッパリ忘れていたか、そもそも真意が分からなかったか、はたまた自分が犠牲になることで彼らのことも救おうとしたかであったと思われる。まあエンディング辺りはぶっちゃけ勢いで押し切っているため、あまり細かいことは気にするべきではないのかもしれない…。
…何はともあれ、最後にカイアスが女神の代役を買って出たおかげで、新世界における魂の循環は守られ、そしてAF700年をノエルと共に過ごしたユールも巫女の宿命を断ち切られ(世界の行方を人の力に託したため、もうユールの身を借りて監視する必要が無くなったから)、人間として新世界で生きることができるようになった。そしてカイアスは、ユールたちと共に混沌の世界でさまよう魂を鎮め、新たな命に転生させる役を務めることになったのである。
――そしてここでも、普通に考えると「多数のユールに囲まれたカイアス超ハーレム♪」などという犯罪臭のする結末になってしまうのだが、「ユール=女神エトロ」という解釈で捉えていくと、最終的にカイアスはエトロの落とし子たちと共に女神の座に残ることになったのである。これまで、カイアスは女神の真意を知らず、すれ違いながらユールを守り続けてきた。だが、最後の最後に、彼は真の意味で「女神の騎士」と呼べる人物になったのである。
つよそう |
そんなわけで。今回は「ユール=女神エトロ」であり「カイアス=女神の騎士」という驚愕の説が飛び出した。まあ、この強引な解釈にはかなり評価が分かれるだろうが、何はともあれこれなら『13-2』で見られた未来から来た奴らが前作のエンディングを粉砕して消えていくという最低最悪の展開は阻止することができる。また、言葉通りに受け止めると「カイアスはユールのために世界を壊し、ユールはカイアスのためにそれを黙認した。最後カイアスは混沌の深淵で多数のユールに囲まれて幸せに終了」という変態チックなシナリオも、背後に見え隠れする「女神の意志」という点を中心にして捉えてみると、なかなかもって深く考えることができることが分かったのである。
…とはいえ、もちろんこれは説の一つに過ぎず、絶対にこのように解釈しなければならないというわけではない。このカイアスの物語は、『13-2』と『リターンズ』の世界観と密接に関わる要素であるため、皆さまに関しても作中・それ以外の様々な要素を参考に、自由自在に考察していただきたいものである。そうすれば、これまでよりも遙かに13シリーズに対する理解が深まること請け合いである。
そんなこんなで。このカイアス編のクリアをもって5つのメインクエストを全て達成できたということで、物語はいよいよ最終日へと進んでいくのだ。
…多くの人々の努力虚しく、この世界はついに滅びの時を迎え、それをもって至高神ブーニベルゼがこの世界に聖誕することになった。一方、ルクセリオでは「忘却の禊」が今まさに行われようとしており、そのままだとヴァニラが命を失ってしまううえに死者の魂まで消滅してしまう。そして、その儀式の成就をもってブーニベルゼの計画は完遂し、神の創造した理想の世界に人々は転生することができるのである。
――では、それらの要素を受けて、果たしてライトニングたちはどのように動き、そしてどのような結末に至るのか。いよいよ、3作に渡ったこの壮大なシナリオも完結の時を迎えた。少し短かったが、この「シナリオ考察プレイ日誌」も残すところ2話、どうぞご期待いただきたい。
(2015年6月4日)
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