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回復禁止 低レベルクリアー プレイ日誌
そんな怒らなくてもいいでしょ |
旧DISC3の序盤が終了し、パーティを2手に分け、ウイユヴェール&デザートエンプレスを攻略していくパートである。
…まず、物語上で行うのは、黒魔道士の村を訪問することである。ここで、残った黒魔道士たちから話を聞き、ついでにボビィ=コーウェンという衝撃的な名前のチョコボが誕生する。わざわざ言うまでもないが、「人造人間である黒魔道士たちが、本物の生命の誕生を喜ぶ」というシーンであり、本作のストーリーにおける意味合いは小さくない。そこに「ボビィ=コーウェン」とかいう異物を入れてしまう辺りが、FF9の面白さである。
――その後は、クジャの隠れ家であるデザートエンプレスの場所を聞き、東の砂漠で流砂に飛び込むという衝撃的な行動をする。ちなみに、1回目は、普通に間違えて、アントリオンの登場する穴を選択してしまった。実際に砂漠に行ってみるとあんな感じなんですよw
そして、デザートエンプレスでは、やたらと怒っているジタンをなだめながら、パーティを2つに分割することになる。
…さて。ご存じの通り、ここでは、先に選んだ4人のパーティで「ウイユヴェール」を、そして残った4人で「デザートエンプレス」を、それぞれ攻略することになる。2つのダンジョンは、異なる難要素が存在し、ボスも出てくるため、パーティはよく考えて選ばなければならない。と言っても、低レベルクリアーにおいて、ここで詰んだ人は聞いたことが無い。まあ、低レベル以外に制限の無いプレイならば、“チョコボ稼ぎで手に入れたローブ”を装備できるキャラさえウイユヴェールに送っておけば何とかなるし、厳しめの追加制限を加えたプレイならば、それ相応の準備をしたうえで、セーブデーターを取っておくなどの処置をするからである。
――それに、あのDISC2の、アレクサンドリア連戦やイーファの樹と言った難関を乗り越え、いざDISC3に挑んできた人が、ここで挫折するようなことは、ちょっと考えづらいのだ。既に、低レベルクリアーの峠は越えてきており、残った難所はパンデモニウム雑魚3連戦くらいである。そういうわけで、これから低レベルプレイを始める人であっても、そこまでこの分割パートを気にする必要は無いだろう。
そういうわけで。私は、以下のようにパーティを編成した。
●ウイユヴェール組:ジタン・サラマンダー・クイナ・フライヤ
●デザートエンプレス組:エーコ・スタイナー・ビビ・ダガー
ウイユヴェール組については、ジタンを入れることは固定であるため、その他の3人を選ぶことになる。
…まず、ウイユヴェールでは、魔法(黒魔法・白魔法・青魔法のほか、召喚魔法と魔法剣も)が使えないため、その観点で選ぶと、ジタン+サラマンダー・フライヤ・スタイナーとするのが良い。しかし、ウイユヴェールのボスには、ローブを装備できる魔法使いキャラが非常に良く刺さるため、その枠として、クイナを入れていった。クイナは、魔法使いキャラの中で最もHPが高いうえ、フォークによる打撃もまずまずの威力を持つからである。
――そして、忘れ去られた大陸では、チョコボの穴掘りによって、サラマンダーとフライヤの強力武器が手に入り、早速ウイユヴェールでのボス戦で活かすことができる。そういうわけで、お遣い組は、ジタン・サラマンダー・クイナ・フライヤとした。
次に、デザートエンプレスへの居残り組については、「ジタンが居ないので、雑魚敵から逃げられない」という最重要ポイントは、いかなる編成でも決して変えられない。ジタンは、必ずウイユヴェールへと行くからである。
…そして、皆さまご存じの通り、デザートエンプレスのボスは、「いつでもリフレク」を装備できるキャラが1人居れば完封できる。「いつでもリフレク」は、魔石力15を要求し、Lv1では装備できないキャラも存在するが、それに該当するのはエーコ・ビビ・ダガーの3名であるため、どの4人の組み合わせにしても、必ず「いつでもリフレク」が装備できるキャラが1人以上は出てくる。そのため、ここで詰むことは無いと判断し、何も考えず、残ったエーコ・スタイナー・ビビ・ダガーとした。
――まあ、実際には、デザートエンプレス側のボスとは、ちょっと変わった条件で戦うことになり、このメンバー選択は最悪に近かった。しかし、そのおかげで、逆に楽しめたようにも思う。やり込みプレイでは、何でも計画通りということは無く、突発的なトラブルに対応するのも面白かったりするのだ。
こいつ直接脳内に…! |
では、ジタン・サラマンダー・クイナ・フライヤの4名で、忘れ去られた大陸へと向かっていこう。
…まず、ここではクイナを仲間に入れていると、ク続の沼でカエルとりを行える。しかし、私は既に船入手直後の段階で99匹を捕まえ、クエールも倒している。まさか9999匹を捕まえてLv1でもカンストダメージを出すなんてするわけがないため、特に立ち寄らず、スルーをしていった。
そして、北のほうでチョコボを呼び出し、2つのチョコグラフを発掘し、2つのヒビも破壊する。
…さて、ここで手に入る装備品のうち、超重要なのは「カイザーナックル」である。サラマンダー用の攻撃力75の武器であり、この時点での他前衛キャラの攻撃力は40程度であるため、単純な数値だけでも強力である。しかし、それよりも注目すべきが、風属性を持つことである。風属性は、FF9において、飛行タイプの敵の多くが弱点としているうえ、「黒帯」などにより属性強化も容易である。よって、いつもの「バードキラー+MP消費攻撃」に、「風弱点+風強化」を組み合わせることで、他の物理キャラの更に2.25倍(合計5.0625倍)のダメージを与えられるのだ。
――ちなみに、この後に出現する敵について、ざっと攻略本を見てみたところ、どうも半分くらいの敵は風属性を弱点に持っているようだ。その中には、アーク・銀竜・神竜・デスゲイズ・永遠の闇といった要所に登場するボスたちに加えて、裏ボスであるオズマまで風を弱点としている。逆に、耐性がある敵は、ラスダンで登場するティアマット(風吸収。雑魚敵版を含む)くらいのものである。まるでFF12でいうエクスカリバー枠だな。
その後は、チョコボに乗ったまま、ウイユヴェールへと向かっていく。到着したら、まずは入り口にあるモグショップの品揃えが魅力的なので、ブースト機能を用いた宝石稼ぎで余ったギルを使い、全ての装備品を潤沢に購入しておく。
…そして建物内に入ったら、まず右に向かってスティルツキンからアイテムを購入する。ここでは、個数限定の「エメラルド」が目玉だが、それに付属する「ハイポーション」が既に99個に達していたため、「3点セットを売ってやろうと思ったんだけど、既に持ってるようだから、要らないよな?」という珍しいメッセージで購入を断られてしまった。もちろん、エメラルドは要るため、ハイポーションを売却して99個未満にし、3点セットで購入をした。
――そしてその後は、順路通り進んでいく。やれ、私が初プレイをした小学生の際は、顔がせり出して喋りまくるマジキチコーナーのせいで他は全て印象に残らなかったのだが、どうもここは、テラの歴史を記録するための資料館ということのようだ。クジャは、それを知って意図的にジタンを向かわせたのか、はたまた単に「魔法が使えない」「美意識に反する」という理由だけでお遣いをさせたのかは、考察が分かれるところであろう。
「生きることの意味」を問いかける、FF9らしいメッセージ(意味不明) |
そしてここでは、「エピタフ」という雑魚敵が登場する。この敵は、「石化」でこちらを石化状態にしてくるほか、攻撃を加えると、カウンター扱いで、味方キャラクターのドッペルゲンガー(幻影)を召喚する。この幻影は、同じ姿の味方キャラに9999ダメージを与える特殊攻撃を使用してくるため、なかなか厄介である。クジャがここに来たくなかったのは、美しい自分同士が傷付け合うのが許せないというキモい理由からであろう。
しかし、このエピタフは、2重の意味で、稼ぎに使える。まず、敵のうち、幻影のほうは、たっぷり経験値を持っているのだ。
…説明すると、この幻影は、1回のバトルで3体まで出現する(どうも、FF9のバトルシステム上、敵は合計4体までが限界なんだとか)。幻影は、1体1体が高めの経験値を持っており、全て撃破することで、その辺の雑魚パーティと比べ、3〜4倍という経験値を入手できる。これは恐らく、変なメンバーでウイユヴェールに来てしまった人に対する“救済”の意味が存在するのだろう。私は、このゲームの適正レベルが幾つかということは全く分からないのだが、Lv30くらいであれば、だいたい1戦で1レベルが上がるというくらいである。
――更に言うと、エピタフからの石化を回避できる「固まらずの術」も、入り口のモグショップで売っている「ダルクハット」または「ダイヤのこて」から取得できる。そのため、それらの装備品を使えば、エピタフの妨害を完全に無視できる。至れり尽くせりの親切さである。やれ、スタッフの一部が共通しているFFタクティクスは、極限に不親切なゲームだったのに…。
更に。エピタフは、低レベルクリアーにおけるAP稼ぎにも使える。
…というのも、前述の通り、エピタフはカウンター扱いで幻影を召喚するため、放っておいた場合、自身は「石化」による石化攻撃しか使わない。この状態から「金の針」を敵に使うと、一撃で倒せるうえ、エピタフ自身は経験値を持っていないため、AP2だけを獲得できる。「固まらずの術」さえ装備しておけば、全く被害を受けることは無い。そして、エピタフは出現率も高いため、これまでより遥かに簡単にAP稼ぎを行えるのだ。これも、ひょっとしたら、低レベルクリアーに対する救済処置なのかもしれない。
――ちなみに、本プレイにおいては、「金の針」による敵の撃破は回復攻撃とみなさずに許可している。理由は、石モンスターは強制戦闘とは関係なく、禁止してもAP稼ぎが面倒になるだけだからである。なお、石のモンスターは、エピタフの他に、ストローパーとガーゴイル(イプセンの古城に登場する「アガレス」の使い魔)が居るが、経験値を持っていないのはエピタフだけであり、「金の針」自体に“敵経験値を0にする”と言った効果があるわけではない。
ちなみに。この「金の針」での撃破時に出てくるメッセージの「石として生きることができなくなった!」は、FF9ファンの間で、静かな名言として語り継がれている。“石として生きる”とはどういうことなのか。そして、自身の存在を否定されたモンスターは、どうなってしまうか。否が応でも、これまで目を逸らしてきた“命を奪う感覚”を味わうことになる。これも、FF9のテーマの一つである「生きることの意味」を考えるためのセリフ…ではないと思う。
ローブ系ばかりが注目されるが、前衛系キャラでもそこそこ耐えられる |
そうして探索を進めていき、最深部にてボスの「アーク」戦である。この戦闘をもって、ウイユヴェール組は終了となるが、パーティ切り替え前に装備を変更する(外す)機会が与えられるため、フル装備で挑んでいって問題ない。
…ちなみに、「アーク」は、FF9の最強召喚獣でもあり、召喚をすると、プロペラ型の飛空艇のような形から何故か人形ロボットに変形し、ビーム砲撃によって闇属性の大ダメージを与える。世界設定上、どうもテラと関連する存在のようだが、詳しい説明は無い。召喚獣が戦闘中に変形するということで、未来のFF13世界から出張してきたのかもしれない。ちなみに、その演出は約1分50秒と、召喚獣の中でも極めて長い。FF7のナイツオブラウンド(1分15秒)、FF8のエデン(約1分40秒)と同じく、1個くらいこういうのがあっても良いだろ枠となっている。
――ところで、アーク召喚:「暗黒の運命」の攻撃技としての実用性は、例によって極めて微妙と言わざるを得ない。宝石を99個集めれば、高威力にはなるのだが、かなりの手間が掛かるため、通常プレイでは出番が無く、縛りプレイのレベルでも他の召喚を属性強化したほうが有用なことが多い。また、「闇属性の」「全体攻撃」の両方が、FF9の環境では力を活かしづらく、これらの特性が全て活かせるのは、せいぜいヤーンが複数体で登場した時くらいである。そして、取得には、超レアアイテムの「ふゆう石」が必要であり、裏ボスであるオズマを倒すか、究極の合成屋で「ふゆう石のかけら」を2つ犠牲にしなければならない。「ふゆう石のかけら」は、それ自体が個数限定のレアアイテムかつ有用な装備品であるため、それを2つも消費してしまうのは非常に勿体ない。というわけで、このアークは、完全にお遊び用の召喚獣と言える。やれ、このFF9での不遇さが考慮されたのか、FF10以降では、召喚獣のバトル面での扱いが、様々に変わっていくようになった。
話をアーク戦に戻そう。この敵は、ローブを装備していれば、物理攻撃によるダメージを極端に抑えられるということが有名である。
…具体的に、敵には4つ技があるが、そのうち全体物理攻撃である「たつまき」「ブーメラン」は、どちらも威力数値が「40」となっている。よって、物理防御力が「39」以上になるようにすれば、基本威力が最低値の「1」となり、最終的な被ダメージを10前後にまで抑えられる。この値は、「黒のローブ」「白のローブ」「光のローブ」を装備すれば、それだけで達成可能である。ということで、この敵は、上位のローブさえ用意できれば楽勝であり、チョコボ稼ぎで高めた戦力のテスト相手として扱われることが多いのだ。
――ちなみに、ローブが装備できない前衛キャラはどうかと言うと、HPが100程度しかないため瞬殺…ということはなく、物理防御力特化の装備を組み、キャラクターを後列に置けば、意外とLv1でも耐えられてしまったりする。この特性を活かし、かつ後列での火力低下を「なげる」で補ったのが、「低レベル+入店禁止クリアー」シリーズである(【初代の第6話】など)。
ちなみに、その他の2つの技のうち、1つは「プロペラウィンド」という名称であり、こちら全員を混乱状態にする。こんなものを喰らってしまえばパーティは即壊滅であるため、必ず「混乱回避の術」で防がなければならない。なお、「固まらずの術」と同じく、「混乱回避の術」も、習得できる装備品が全てモグショップで購入可能である。これ、モーグリとアークが机の下でガッチリ手を握ってるパターンじゃね?
…そして、もう1つの技は「フォトン」という名称で、単体のHPを1にする。なお、フォトン(photon)とは、「光子」と訳される用語であり、光を粒子で表した場合の名称である。ただし、ご存じの通り、光は粒子性と波動性を持つ(?)うえ、加速とか減速などという概念がなく必ず光の速度で伝搬する(?)ため、何が何だかよく分からない。作中の演出を見てみると、黄色に光るレーザーが曲がりながら目に見えるくらいの速度で飛んできている。しかし、光は直進するうえに、進行が確認できるような速さで進むことは無い。そのため、恐らく光ファイバーケーブルを発射し、その中に光を流すことで攻撃をしているのであろう。もちろん、そのケーブルでそのまま相手を貫いたほうが強い。
この辺りから、盗むによる入手品が強力になってくる |
さて。話が逸れ過ぎてしまったが、回復禁止プレイにおけるアーク戦である。敵の攻撃は、しっかり固めれば耐えられるのだが、回復行為自体が禁止のため、長続きはしない。ローブ装備のキャラでさえ、「フォトン」でHPを1にされたら、次の攻撃で確実にアウトである。
…ということで。今回は、サラマンダーを前列に置き、「カイザーナックル」による速攻を狙う。上で書いた通り、FF9の飛行モンスターはほとんどが風属性を弱点としており、カイザーナックルは風属性を持っている。また、「黒帯」によって属性強化が可能である。ここに、いつもの「バードキラー+MP消費攻撃」を重ねることで、合計のダメージ倍率は、1.5の4乗で約5.1倍に達する。これで、7000という大ダメージを与えられ、3発で敵を倒せるのだ。私の記憶では、9999ダメージすら出ていたような気がするが、そのためには、更に「トランス」か「睡眠中の攻撃」を加える必要があるようだ。
――さて。敵の技はランダムであり、「プロペラウィンド」はサポートアビリティで防ぎ、「フォトン」も所詮1人が瀕死になるだけなので、被害が少ない。そのため、何回か繰り返せば容易に勝利が可能であろう。ちなみに、サラマンダーは「たたかう」で攻撃する都合、前列に置くため、被ダメージも2倍となり、敵の攻撃で容易に撃沈してしまう…ということはない。前回、クエールから盗んでおいた「忍びの衣」を中心として固めれば、しばらくは敵の攻撃に耐えられるため、その間に打撃を加え、一気に倒してしまえば良いのである。
というわけで。アークは、倒すだけならば、サラマンダーの超強力な火力を使えば、あまり難しくない運ゲーとなる。
…ただし、今回は、敵から「ホーリーランス」を盗むことも狙っていった。ホーリーランスは、フライヤ用の武器であり、聖属性を持っていることから、属性強化や弱点攻撃による補正が乗り、フライヤ用の上位武器より強力になる場合が多い。逆に、ここで入手できなければ、次の機会はテラに行った後と、かなり遅めとなる。この後の戦いからさっそく役に立つので、是非とも盗んでおきたいのだ。
――さて、そのホーリーランスは、16/256枠であるため、短期決戦が求められる本バトルでは苦しい。ただ、今回はサポートアビリティに余裕があり、「目利きの手触り」と「盗賊の極意」が使えるので、前回のクエール戦(64/256枠すらなかなか成功しない)よりは遥かにマシとなる。そういうわけで、何度か試行錯誤して、無事にホーリーランスを開幕の1発で盗みつつ、アークを撃破することに成功した。まあ、ラストは「ブーメラン」でサラマンダー以外は全員死亡という、かなりキツめな状況になっていたが…。
■動画■
地味に難しくて草 |
アーク撃破後は、メニューを開いて全員の装備を剥ぎ取り、目的であった「グルグストーン」を入手して、デザートエンプレスに話を移す。
…ここではまず、仲間を救出するため、シドを使って「だるまさんがころんだ」風のミニゲームを行う。相手は、FF7でも登場したヘッジホッグパイである。その判定はまずまず厳しいようであり、特に対策なく連打したところ、何度も引っかかってしまった。そこで、敵が2回連続で振り返ることは無い特性を使い、「ボタン連打は5回まで」と決め、慎重に進めていった。恐らく、タイムアタックでは地獄のようなパートとなるであろう。ちなみに、ヘッジホッグパイは檻の中に入っているため、目をつぶって耳を塞ぐか、はたまた自分が振り返って後ろ向きに進んでいくという方法で無視できるような気もする。
――そして、“だるまさんがころんだ”に勝利した後は、4つの重りを3つ選んで天秤の上に乗せることになる。まあ、天秤を踏み台として使うためなので、重い順に乗せれば良いのだが、簡単すぎて逆に難しいというものである。というわけで、せっかくだから失敗シーンも見たのちに、鉄・石・土のおもりを乗せ、時間制限の仕掛けを解除していった。なお、私は経験したことが無いが、時間切れとなっても、やり直すことは可能なようだ。
ちなみに、ここで流れるBGMの名前が「振りカエルと奴がいる」という題名であることは、FF9ファンの中で、そこそこ語り継がれている。
そうして時間制限イベントをクリアーすると、残留組の4人が集まり、「デザートエンプレス」の脱出を目指すことになる。
…この名称について、“エンプレス”は回りくどい構文で知られるのとは無関係で、「女王」という意味であり、“デザート”は「食後のお菓子」か「砂漠」である。ただ、お菓子は”dessert”、砂漠は"desert”であり、綴りが異なる。また、デザートには「見捨てられた」という意味もあるが、この場合は動詞として扱うため、正しい英語文法にこだわるなら“deserted”と受け身になる。そういうわけで、日本語訳は、まあ普通に「砂漠の女王」で良いだろう。ちなみに、海外版では「Desert
Palace」という何の変哲も無い名前になっているそうだ。
――そして、ここは、ちょっとした謎解きをしながら進めるパズル系のダンジョンとなっている。ただ、「基本的に全部つければ大丈夫」というヒントの通り、そこまで難しい内容ではない。むしろ困るとしたら、ホールのステンドグラスを点灯する仕掛けを忘れて、ボスが登場しないという点である。この場合、終点までは進んでいけるくせに、ボスが登場しなくなり、そのことを示す警告メッセージのようなものも出ないため、何が何だか分からない。FF9に限らず、初代PS時代のFFでは、「背景のうち、どれが仕掛けか分からない」ということが、まずまず存在したのだ。
そして、低レベルクリアー的に言うと、ここはジタンが存在しないため、「とんずら」を使えないという部分が難要素になる。
…ご存じ、FF9のLR逃走は、敵とのレベル差によって成功率が変わり、0%になることもある。初期レベルだと、だいたい旧DISC2の真ん中くらいを最後に、絶対にLR逃走では逃げられなくなるようだ。よって、ここで敵と遭遇した場合、経験値0で敵を倒すか、または経験値0で倒されるかのどちらかになる。敵は、団子のような見た目をした「グリムロック」については、青の形態の際に使ってくる「ストップ」をリフレクで跳ね返すか、または「魔法返し」で返せば、高確率でストップを決められる。しかし、他の敵については、こちらからの「ストップ」や、各種武器の追加効果の発動率も渋いうえ、相手からの攻撃も防ぎづらい。まあ、テントによって行動を封じるという手も使えるが、どちらにせよ突破にはかなりの手間が掛かってしまう。
――というわけで。ここは、基本的にはタイムアタッカーの気持ちになり、ノーエンカウントを狙っていくのが良いだろう。と言っても、完全にタイムアタックと同じではなく、序盤から中盤に掛けては、ちょくちょく戻ってセーブすると楽になる。特におすすめなのが、「扉を通りつつ9つの灯籠を付けるエリア」をクリアした後に、戻ってセーブする手段である。ここで中間地点を作れば、攻略難易度は大幅に下げられるであろう。
そして。今回の私の低レベルプレイでは、通常の低レベルプレイの雰囲気を味わうために、あえてリマスター版の便利機能を封印する手も考えた。ただ、リマスター版では、何も設定しなくとも基本のエンカウント率が下がっているようであり、そのまま進んでも、初代PS版と同じ難易度にはならない。
――そういうわけで、今回はバッサリと、高速モードおよびエンカウントなし機能を使い、ダンジョン攻略を簡略化していった。ちなみに、結果的に、このダンジョンは2回クリアーすることになったので、そういう意味でも、便利機能で楽にしていったことは良かったと思う。まあ、正直なところ、「敵と遭遇したらリセット」という手を使うだけなら、最初から遭遇自体をなくしていっても同じだと思うので…。
なんか君、字の色が暗くない? |
そうして、ダンジョンの最後で、ボスである「ヴァリア・ピラ」戦をスタートする。
…さて、こいつは、FF9の低レベルプレイの中でも、最弱レベルのボスとして知られている。まず、敵は、デザートエンプレス内にある6つの「妖紅珠」によって自身の能力を強化しようと試みるのだが、これが普通に進めていると全て回収しているため、「失敗」「失敗」「失敗」「失敗」「失敗」「失敗」と並んだ挙げ句、「妖紅珠による性能の向上に失敗しました」(原語はカタカナ表記)というメッセージが表示される。何を見てヨシ!って言ったんですか?
――また、敵は魔法を使って攻撃してくるのだが、仮に全ての強化を行えたところで、こちらのリフレク状態への対策を持たないため、「いつでもリフレク」があれば完封ができてしまう。よりによって、自分にリフレクを掛けるのに、それに跳ね返して攻撃するというパターンを持たないということが、その情けなさを増大させている。そして、仮に「いつでもリフレク」を封印したところで、敵は単体攻撃しか使ってこないので、「フェニックスの尾」で戦闘不能を解除していけば、何の問題もなく勝ててしまう。やれ、こいつはデザートエンプレスの防御システムのようだが、ぜんぜん守る気を感じない。どこぞの制御システムみたいに、無慈悲な透過レーザーで焼き尽くしてくるくらいの気合が必要である。
ちなみに、リマスター版の独自仕様として、どうもコイツは文字設定の色を間違えている。
――説明すると、こいつの言葉は、機械っぽさを表現しているのか、「『通路』ノ妖紅珠ニヨリ、防御ステータスヲ向上」といったふうに、カタカナで、かつ色付きで書かれている。しかし、リマスター版では、いったん色が付いたあとの白字部分が、白でなく灰色になっている。具体的には、「合計6個ノ妖紅珠ヲ検出シマシタ」という感じであり、だんだん小声になっているみたいな雰囲気すら感じてしまう。もちろん、初代PS版にはこのような仕様はなく、色付き部分以外は純粋な白字で書かれているため、リマスター版のミスである。まあ、ただそれだけのことなのだが、ただでさえ情けないボスにこのようなミスまで追加されてしまうのは、奇妙な偶然を感じてしまう…。
なんだこの固さは… |
というわけで。敵のヴァリア・ピラには、「@6つの強化パーツが全て回収されてしまう」「Aいつでもリフレクへの対策を持たない」「B使用するのは単体攻撃のみである」という弱点があるため、通常の低レベルクリアーでは、なかなか難関にできない戦いである。
…そのため、今回は幾つか自主規制を設けて、こいつへと挑んでみた。まず、@の強化パーツについては、「妖紅珠を回収しない」という策を取る。紫色に輝いているポイントをあえて調べないという方法でダンジョンを進めていくため、かなり妖しいプレイとなる。またAのリフレク関連については、「味方にリフレク状態を発生させない」という制限を用いる。「いつでもリフレク」はもちろん、魔法リフレクやカーバンクル召喚も封印である。そして、最後のBについては、今回は回復禁止プレイであるため、そもそも戦闘不能の解除はできない。よって、単体魔法でも、十分な脅威となるのだ。
さて。今回の縛りは、デザートエンプレスを探索し始めてから、「せっかくだから」と思い付いたものである。そのため、急ごしらえゆえのガバガバ感が存在する。何がガバガバかって、今回のエーコ・スタイナー・ビビ・ダガーというメンバーだと、敵に有効打を与えられる手段が極めて限られるのだ。
…まず、敵は「防御ステータス向上」により、物理防御力を40に上げてしまう。これが非常に大きな問題であり、通常の武器攻撃では、まともな物理ダメージが通らない。と言っても、フライヤかクイナを使えば、サブイベントで手に入る武器の攻撃力数値が70前後と高いため、「たたかう」で普通にダメージを与えていける(サラマンダーはカイザーナックルが風属性を持っているので、後述の全属性無効により除外)。
――しかしながら。今回は、残留組の打撃要員がスタイナーである。スタイナーは、強力な物理アタッカーとして高名であるが、この時点での最強武器は攻撃力が42であるため、防御力を差し引いた基本威力は2となり、MP消費攻撃+バードキラーで強化しても100程度のダメージしか与えられない。さすがに、この威力では厳しすぎるため、何か別の攻撃手段を考えなければならないのだ。
更に、そこに、第2の関門である「全属性無効」が立ち塞がる。これにより、ダガー&エーコの宝石99個での召喚魔法と、エーコの「ホーリー」、そしてそれらと属性強化を組み合わせたコンボ攻撃が封じられる。これらの耐性により、まともな攻撃手段がほぼ無くなってしまうのである。
やれ、もしフライヤかクイナをデザートエンプレスに残留させておけば、通常攻撃で普通にダメージを与えられていたし、クイナの「レベル3デフレス」で厄介な防御力も下げられていた。また、サラマンダーを加入させれば、「呪い」で弱点属性を作り、そこを突破口とすることも可能であるうえ、「なげる」なら飛行タイプなので1.5倍の大ダメージを与えられるなど、様々な対策が取れていた。
――しかし、よりによって、私はそれら3名を全員ウイユヴェールに送ってしまったため、最悪に近いメンバーでヴァリア・ピラに挑むことになってしまったのである。スタイナーは打撃ではまともなダメージが与えられない。ダガーとエーコの属性攻撃は封じられる。ビビもあっという間にMP不足で息切れとなってしまう。これでどうやって戦えば良いのだ…。いや、そもそも、こういう場面を乗り越えることこそが、やり込みプレイの醍醐味である。
FF9の魔法エフェクトはレベルが高いものが多いと思う |
では、この状態のヴァリア・ピラにまともなダメージを与える手段として、何が残っているのか。それは、ビビの「フレア」と、ダガーの「バハムート」である。どちらも無属性攻撃であり、敵の強化後の魔法防御力「20」を容易に突破可能である。ビビのフレアは、そのまま放っても、だいたい3500程度のダメージを与えられる。また、ダガーのバハムートは、チョコボの穴掘りによって一足先に使用可能となり、この時点では宝石を集めての強化ができないものの、2500ほどのダメージとなる。
…ただし、フレアの消費MP「40」に対しビビはMP48、バハムートの消費MP「56」に対しダガーはMP46であるため、「消費MP半減」を用いて、それでもフレアは2発、バハムートは1発が限度である。回復禁止プレイであるため、MPの補充はできない。敵のHPは12120であるため、これらを全て使い切ったとしても勝利できず、息切れになって、そのまま単体魔法で一人ずつ消し飛ばされるのを待つだけとなる。
――そこで今回は、ビビの「ためる」を兼用する。ダメージ的には、だいたい2回の「ためる」を用いた後に、フレア×2を使えば、バハムートと合わせて、敵を倒しきれる計算となった。他の攻撃手段は、ほとんど意味が無いため、エーコとスタイナーはビビのサポートに専念し、ダガーもバハムートを1回使ったあとはビビの支援に徹していく。
では、具体的な戦い方を考えていこう。まず、防具面では、氷属性を無効化できる「ダルクハット」などを用いて、敵の属性魔法に対する防御を固め、できる限り長く生存できるようにしていく。回復禁止で蘇生ができない以上、まず死なないことが重要である。
…そして、エーコについては、ビビに「ヘイスト」を掛けていく。敵の素早さは「26」と標準的であるため、タイムコントロールを用いれば、ビビが2倍速で行動できる可能性が出てくるからだ。なお、この際に使う武器は、あの「妖精のファイフ」である。やっぱり、ヒルギガース戦で1/256を乗り越えていれば、活用法はあったんだ!
まあ、「ヘイスト」だけなら「エメラルド」を装備すれば良いのだが。
――次に、スタイナーについては、意外なところとして、「メンタルブレイク」で魔法防御力を下げていく。こんなもの当たるわけがない…と思いきや、2回に1回くらいの割合で命中し、魔法防御力を「半減」してくれるのだ。だいたい、1発当てれば、ビビとダガーによる魔法ダメージを1割ほど増やすことができ、スタイナーのMPなら3回まで使用することが可能である。まあ、要するに気休めなのだが、これ以外だと「バイオ剣」で500くらいのダメージを与えて以降は棒立ちというくらいしかやることが無いため、それよりは遥かにマシである。
さて。このパターンで戦う場合、意外にも敵の「リフレク」が脅威となる。何故なら、ビビのフレアが跳ね返されてしまえば、味方が死ぬことはもちろんとし、MPを無駄に消費してダメージが足りなくなり、その瞬間に失敗が確定するからだ。
…そのための対策としては、時間経過での自然解除を狙っても良い。今回、私はデスペルの存在を完全に忘れていたため、ダガーがラムウの召喚を使っていった。ダメージ自体は、敵の「全属性無効」で0となってしまう(「Guard」扱い)が、演出によって時間を稼ぐことで、ステータスの解除を近づけることができるのだ。なお、それ以外にも、エーコが「デスペル」でリフレクを解除するという手もあるのだが、私は単純に存在を忘れていた。
――また、ビビとダガーについては、敵のステータス攻撃に対する注意も必要である。というのも、「消費MP半減」に魔石力「11」を要求され、「熱せず冷ませず」を装備する余裕が無いからだ。ダガーについては、要求魔石力が「8」と少ない「MP20%アップ」があるが、これを装備してMP55であり、バハムートの召喚には1ポイントだけ足りない。無念…。そういうわけで、ビビとダガーは、敵の「ブレイズ」「マスタードボム」(5個以上の妖紅珠で強化された場合に使用)を防げないため、特に「マスタードボム」対策として、行動タイミングには気を付けていきたいし、掛かった場合は、できる限り時間を長引かせ、早期解除を狙っていきたい。今回バトルでは、エーコの「ヘイスト」によるタイムコントロール&ヘイスト状態の維持、敵味方のステータス解除への時間経過と、なかなか戦略的な時間管理が要求されるのだ。別に全然そこまでは考えていなかったが。
というわけで。実戦では、ビビの「ためる」は2回で良かったのだが、敵のリフレク状態に阻まれ、3回の「ためる」を使うことになった。これと、3回中2回が命中した「メンタルブレイク」の効果も含め、「フレア」による与ダメージは7000にも達し、2発で相手のHPを0にすることができた。
――ちなみに、上で述べたことだが、私は「デスペル」の存在を忘れていたため、それを使っていれば、「ためる」が2回で済み、もう1ターンだけ戦闘を短くできていたはずである。まあ、あれだ、そのおかげで難易度が上がったうえに、「ラムウであえて召喚することにより、ステータス解除までの時間を稼ぐ」という面白い戦法も実行できたため、結果オーライとしよう。あれだな、きっと私は、無意識のうちに「リフレク状態を解除することの禁止」という自主規制を敷いていたんだよ…。
■動画■
飛空艇に気合で追い付く、ガルバディア魂に溢れる船 |
そういうわけで。今回は、ウイユヴェールとデザートエンプレスという、パーティを2つに分ける場面を攻略していった。
…しかし、その後もパーティ編成が完全に自由になるわけではなく、エーコが離脱したまま、物語が進んでいく。このエーコは、その後のダンジョンのボス戦で強制的に参加するうえ、そのボスが低レベルクリアーでの難関となる。離脱後から戦闘開始までにエーコの装備を変更する機会は無いため、あらかじめデザートエンプレスで準備を整えておかなければならないのだ。こういう、編成が不自由になるのは、あまり得意ではない…。
――というわけで、次はグルグ火山の攻略からとなる。ここさえ超えれば、飛空艇が手に入り、物語が新たなパートへと進む。最近はなかなか良いペースで更新ができるようになってきたので、このままの状態を維持して、一気に完結まで持っていくぞ〜!
(2021年8月22日)
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