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FF12HD/かんたん低レベルクリアー
最終回である。今回は、本編ラストバトルである空中要塞バハムートでの4連戦を取り扱ってみよう。
…と言っても、前回までで「本編の三大裏ボス」と「トライアルモード」の攻略を既に終えており、正面から戦っていては敵にならない。そのため、若干ながらこちら側の戦力を制限しつつ、バトル自体はサクッと終わらせ、「あとがき」的な内容をメインで書いていきたいと思う。
ちなみに、例によってここにしかスペースが無かったから書くのであるが、皆さまご存じの通り、空中要塞バハムートは「ラスボス戦の舞台」ということで、突入すると二度と外に出ることはできない。しかしながら、PS4版においてはオートセーブが普通に行われるため、突入前の通常セーブを残しておかなければ、ラスボス撃破後に寄り道要素を回収しようと思ってもデーターが無いということが起こってしまう。オートセーブは便利なシステムであるが、ここだけは落とし穴となっているので気を付けておきたい。
――ついでに、このラスボス戦については、全4連戦のうち、最終戦の直前のみにオートセーブが行われるという妙な感じになっている(一応、1戦目の終了後にエリア切り替えラインをまたぐことで、2戦目の直前のデーターは作成可能)。最終戦は4連戦で最も強力な相手ということが考慮されたのだろうか。そして、そのバトルで試行を繰り返す場合、トライアルモードと同じ理由で装備やガンビットの変更が面倒になってしまうのだが、今回は本編ということで、「そのオートセーブのデータで『トライアルモード』を開始し、編成を変更したうえで適当にステージをクリアして、そのデーターを『本編』で再度読み直す」…という強引な手段で、編成を変更した状態でラスボス最終戦から再開することができる。トライアルモードの仕様上、最大で99回までしか行うことができないのだが、まあ気にする人は居ないであろう。このテクニック、「トライアル持ち込み」ならぬ「トライアル逃げ込み」とでも名付けようか。このラスボス最終戦のほか、エリア切り替えラインを超えても戦闘が中断されない一部MAPでの立て直しに使える…かもしれない。
この強さでも2軍…PS4版恐ろしや |
そんなわけで、空中要塞バハムートでのラスボス4連戦に挑んでいくわけであるが、今回は少し趣向を変えて、本編で陰の薄かったヴァン・フラン・バッシュの3名を使って戦い抜いてみたいと思う。
…やれ、この3人の中では、黒魔道士のヴァンこそアタッカーとして、機工士のバルフレアと相互互換で参戦することが多かったが、ナイトのバッシュはゾディアーク戦でのアタッカー役が「ホーリーの魔片」に奪われたことによって最大の出番が消失し、フランなどネタを除けばヴィエラ族出身の期待のマラソンランナーというくらいの活用法しか無かった。だからこそ、この最後の場面にて、ヴァン・フラン・バッシュの3名を活躍させてやるのである。
ただ、この3人組は急遽寄せ集めで作ったメンバーということで、バランスの悪さが様々な部分に出てくる。
まず、このパーティでHPが最も高く、盾役として適しているのはフランであり、デュエルマスク&ミラージュベスト&バブルチェーン装備でHP9442という、これまで盾役として活躍したパンネロを上回る全キャラ最大の体力(モンク1つで全てのHPアップライセンスを獲得可能)を誇るのだが、強力な盾を装備することができず、武器にも特殊な効果を持ったものは無いため、利便性でパンネロに大きく劣り、結局バトルで活躍することは一度も無かった。
…また、ヴァンは、黒魔道士として強力な攻撃魔法とステータス魔法を唱えられるが、「フルケア」「アレイズ」「プロテガ」「シェルガ」「ブレイブ」「フェイス」などの回復・補助魔法を使用できず、ステータス魔法のうち「サイレス」「スリプル」は赤魔戦士でも唱えられるため、支援能力としては「ブライン」の存在くらいしか独自の強みが無い。魔法も、弱点を突けない戦いでは際立って強力なものではなく、そうなると防御能力の低さなどデメリットばかりが目立ってきてしまう。事実、ステータス魔法の大半が無効化され、弱点も突きづらい裏ボスクラスのバトルでは、スタメン落ちすることも多かった。
――最後に、バッシュの時空魔戦士は、MPが完全に死んでおり、サポート魔法の大半も赤魔戦士や魔片で代用が可能なため、こちらも「ストップ」くらいしか独自性が無くなってしまう。一方のナイトの側では、極めて強力な「最強の盾」を装備可能かつ「盾回避率UP×3」を持っているということで、装備的には盾役に適していると言えるのだが、HPが1893と低く、軽装備でそれを高めることもできないため、盾役として運用するのには難がある。総合して、戦闘能力のバランスに欠ける部分が多く、やはり1.5軍〜2軍と言わざるを得ないメンバーなのである。
MPHPですぐ瀕死になれるのは、HPが高くMPの低いPS4版ならでは |
しかしながら、この3人が使いづらいというのは既に百も承知である。それを、あえて戦いで活かす方法を考えていきたい。
…まず、主力として用いるのはフランであり、全身を「マサムネI」と源氏装備で固め、「MPHP」で瀕死になってバーサク&ブレイブ状態で攻撃を仕掛けることにより、約4000というかなり大きなダメージを与えることができる。これは、あの最強キャラクター・レダスの2倍という凄まじい値である。その他の性能についても、実回避率53%・実連撃率54%と、なかなか悪くないものを持っていると言える。ただし、このもののふ的な使い方をする場合、モンクのHP+3035という能力が完全に無駄となってしまうため、噛み合わせが良いとは言い難いのが実情だ。
――ちなみに、刀の与ダメージは魔力によっても上昇するため、「源氏の鎧」よりも「ローブオブロード」のほうが最終的なダメージが大きくなる(約1.16倍)のだが、そうするとローブオブロードのMPアップが邪魔になってMPHPで瀕死になれないため、とりあえず当初は採用を見送っていった。なお、もののふは魔法を一つも覚えないので、「加ダメージチャージ」を習得せず、常に低MPに保っておくというのも一つの手かもしれない。しかしながらMP0で「MPHP」を使うと自殺する。やばいと思って蘇生させてもだいたい無限ループで自殺する。
そして、時空魔戦士&ナイトのバッシュは、そのフランをサポートする要員となる。
…まず、バッシュは盾役として使っていく。最大HPが低いのは難点であるが、やはり強力な盾を装備できるという点は大きいし、バッシュ以外となると、フランは当然瀕死状態で攻撃しているので外し、消去法でヴァンになってしまうのだが、ヴァンが盾役というのはバッシュ以上に有り得ない。そのため、バッシュは自身に「デコイ」「バブル」を唱え、その後はフランに「バヒール(瀕死度を高めて連撃回数を上げるため)」「ヘイスガ」、その他の必要なキャラに「ブレイブ」「フェイス」を配り、何もすることがなくなったら「たたかう」で攻撃を仕掛けていく。
――というわけで、悪くない戦い方に思えてしまうが、2軍落ちするキャラがそんな強力なわけがないということで、まずMPが36しか無いため、「亀のチョーカー」は必須となる。また、物理に魔法に回避にと行うべきことがとても多いため、せっかくのナイトとしての攻撃能力は全く活かすことができない。そして、「プロテス」「シェル」系統が使えないため、攻撃を回避できないと、HPの低さからすぐに倒されてしまう。やるべきことが多すぎるうえに、特化しても専用キャラより弱いという、何ともまあ悲惨な状況になっているのだ。
最後に、ヴァンに関しては、必要なステータス魔法を掛けたのち、あとは「ブリザガ(賢者の杖で強化可能)」か「ショック」あたりで適当に攻撃を仕掛けていく。黒魔道士がするべきことは基本的にこれしか無い。なお有用なステータス魔法として、1戦目のガブラスと2戦目のヴェイン戦では「ブライン」が、3戦目の[D.C.S]ヴェイン=ノウス戦では「オイル」が存在するが、最終戦の不滅なるものには全ステータス異常が無効化されてしまう。
…さて、今回のラスボス4連戦では、基本的に弱点属性が存在せず(3戦目のセフィラには弱点があるが、ヴァンが突けるのは実質2属性だけなので、「最もHPが低い敵
- ショック」あたりで普通に攻めたほうがいい。また、その戦いでは本体もオイル状態にできるが、完全マバリアを貼ってしまうので、有効活用するのが難しい)、行動封印系も効かないため、ステータス異常で行動を封じて魔法で一方的に攻撃…という、中程度の強さまでのボス・モブに多く通用する作戦を用いていくことができない。黒魔道士は、2軍とまでは言わないが、やはり終盤の超強敵を相手にしたバトルでは活躍が難しくなってくることは間違いないだろう。
――ということで。よく、FF12の黒魔法はバランスブレイカーなどと言われることがあるが、オリジナル版においては大ダメージを与える条件が限られ、漫然と使っても全く強くないため、バランス崩壊どころかリスクとリターンの釣り合った性能であると考える。INT/PS4版では、火力と利便性が大きく向上し、トップクラスの能力を誇るようになったが、他ジョブもなかなか強力であり、大ボス戦で活かしづらい特性も変わっていないため、やはり全体のバランスからするとぶっ壊れとまでは言えないように思う。ちなみに、2ジョブ目のウーランは、アイテム強化くらいしか役立っていない。
せっかくのオイル→ファイガ反射が完全マバリアされてしまうのはとても残念 |
そんな感じで。今回のフラン・バッシュ・ヴァンというパーティは、まず各キャラクターで2ジョブの噛み合わせが悪く、そしてキャラクター同士の連携も微妙とあって、パーティとしての戦力は低い。しかし、不安定なのは承知のうえで、このラスボス4連戦に挑んでいくのである。
さて、上記の通り、パーティの強さは1軍メンバーに及ばないのであるが、フランの火力はシナリオ攻略レベルとしては圧倒的であるため、この一本槍を用いるだけであっという間に敵を片付けていける。開幕の「ガブラス」戦は、「フルケア」や「アグレッサー」など凶悪な行動を全て無視し、ただ殴っているだけで終了してしまった。これ本当に低レベル?
…続いて、2戦目の「ヴェイン(ドーピングコンソメスープ前)」については、フランが殺されて状況が崩れたうえに、ラーサーがエクスポーションでフランのHPを回復させるという妨害を仕掛けてきたりもしたが、MPHPからの「瀕死の自分
- バッカスの酒」でサクッと状況を立て直して切り崩していった。この2戦は、敵の回避率が高くて爽快感を得られなかったというくらいで、バトル面での問題は全く存在しなかった。
――さらに、第3戦の「ヴェイン=ノウス」であるが、こいつに関しては「ガ系魔法を多用するがリフレクでの反射が有効である」という特性があるため、全員がリフレクを貼り、魔法による補助を切ってアイテム主体で攻めていく。セフィラについては、フランの打撃と共に、ヴァンが「敵2体以上で味方に
- コラプス」で殲滅し、その後は「味方1人
- ファイガ」でオイル状態にした本体を攻めていく。ただ、今回の敵は途中から完全マバリアを貼ってしまうため、敵のガ系魔法を反射して火力に変えることはもちろん、こちらの「ファイガ」でオイルで3倍&ガブラスも含めた4人ぶんの反射で合計12倍ダメージを与えられないのはとても残念である。4連戦で唯一、黒魔道士がメインとなりうるバトルだったのであるが…。
この威力は許されませんよ… |
そんな感じで、FF12のラストバトルである「不滅なるもの」戦へと進んでいくのであるが、こいつに関してはこれまでの楽勝ムードから一転して、なかなかの強敵になっているのである。
…理由としては。そもそも、この「不滅なるもの」は、ラスボス4連戦でも群を抜いて強く、本編シナリオでは文句なし最強と言える相手である。そして、オリジナル版の頃から「寄り道して召喚獣を倒していると、その数に比例してパラメーターが上昇する」という特性が存在していたのだが、INT/PS4版ではその上昇率が引き上げられた。さらに、「貫通ホーリー」「ギガフレアソード」「テラフレア」の基本の威力数値も上がっており、結果として最強状態での「テラフレア」は全体に5000という許しがたい威力を誇るようになってしまった。もっと具体的に言うと、全ての召喚獣を倒したこの状況では、敵のパラメーターは物理攻撃106/物理防御78/魔法防御73/力83/魔力67(さらに、HP減少によって、物理攻撃/物理防御はそれぞれ最大で+10される)と裏ボスクラスのものとなり、全ての攻撃のダメージが2000〜3000程度というとんでもない数値に達してしまう。そして、最終的には「通常攻撃CT0」「魔法CT0」の両方を得て、この威力の攻撃を乱打してくるという恐ろしい相手となっている。
――しかしながら。技と能力値に優れている反面、オプションには恵まれておらず、まず強敵の基本である「回避無視」が存在しない。また、「瀕死攻撃力UP」「瀕死魔力UP」「瀕死防御力UP」「被ダメージカット」「被ダメージ返し」といった厄介なものが全て存在しないため、対処はそこまで難しくない相手であると言える。ただし、物理防御78/魔法防御73という値(物理防御はバトルの状況で増加し、最大88になる)はとんでもなく、攻撃力数値が100を超えるような強力な技を使ったとしても、ダメージは他の敵に攻撃した時に比べて半分程度にまで軽減されてしまう。黒魔道士のヴァンなどは、減ったHPを「ドレイン」で回復するガンビットを組んでいたのだが、0ダメージという恐ろしい事態に陥ってしまったくらいだ。
さて、今回バトルで敵の使ってくる難行動として、HP60%〜40%の間の「ガ系魔法連発モード」と、HP<20%での最後発狂における「テラフレア」が存在する。この2つだけは、漫然と戦っていると詰みかねないため、きちんと対策を練っていかなければならない。
…まず、「ガ系魔法連打モード」については、例えるなら魔神竜の「ペトロブレス」連打モードが一番近いだろう。攻撃の威力自体が、ヴァンは1発貰えば即死、バッシュはそこそこの確率で回避ができるものの当たれば終わり、フランも「源氏の盾」の5%で受け流せなければ終了である。そして、このモード中は、CT0で魔法のみを使ってくるため、無駄な行動がほとんど存在せず、他と比べても際立って対処がしづらくなっているのだが。
――対策として、まずMP不足で「亀のチョーカー」が必須となるバッシュを除き、ヴァンとフランは「バブルチェーン」で基礎HPを上昇させていく。またフランは、「MPHPでわざわざ瀕死になる」→「バッカスの酒を使ってから攻撃開始」などとチンタラやっているとなかなか攻撃を行えないため、瀕死状態にはせず、バーサクだけで攻撃を仕掛けていく。本当はバーサクも切りたいところであったが、そうすると敵のガ系魔法を受ける度に全員で「エクスポーション」を使うような状況が続き、なんとエクスポーションが枯渇してしまったため、ある程度は前掛かりになって攻めていかなければならない。
また、バッシュに関しては、「亀のチョーカー」で事実上MPが無限に使えることを利用し、ナイトの「ケアルガ」でHPを回復してみることにした。魔力が低いため、回復量は最低1000、フェイスとHP満タン魔力UPで2200程度まで上昇する。まあ、魔力に関係なく全回復できる「フルケア」がどれだけ優れていたかということを物語るエピソードであるが、これでも全体回復ということでエクスポーションよりも使いやすいため、積極的に用いて、苦しい魔法連打モードを乗り越えていく。一応、敵は隙の大きな「貫通ホーリー」(ただし威力は当たれば即死クラス)や死者は出ない「貫通デスペガ」を使ってくることもあるため、その間にダメージを蓄積させていけば良いだろう。
続いて。HP40%〜20%の間は、敵は「通常攻撃CT0」を得て物理攻撃を連打してくるが、これは回避可能であり、本バトルでの味方側の物理回避率はヴァン50%・フランが53%・バッシュが92%と非常に高いため、全くと言って良いほど怖くない。アグレッサーを使うと弱くなる珍しい敵である。一応、敵は魔法障壁によって物理攻撃をガードしてしまうのだが、普通に切れるまで待ってからダメージを与えていけば良い。
…そうしてHPが20%以下に達すると、いよいよ最後発狂となり「ギガフレアソード」→「しばらく攻撃」からの「テラフレア」を使ってくるのだが、これは全員に5000という大ダメージを与える攻撃であり、さすがに今回プレイの水準でも被害は甚大、かつ「ギガフレアソード」と違って回避率により受け流すこともできない。そして、今回は「プロテス」を使えるキャラも居ないため、バブル状態になっていたとしてもヴァンとバッシュは耐えることができない(一応、「クイスモイトの靴」で更にHPを+500するという手も有ると言えば有るのだが)。
――よって、耐久ができるのは、バブル状態にしたフランだけとなり、フランならモンクのHP+3035の能力を活かしてHP特化装備にしなくてもOKなのだが、不都合なことにフランは狂戦士状態で敵を殴る役割のため、その場合は生き残ったところで味方を蘇生することができない。よって、バーサクを切るということが考えられるが、上で書いた通り、ガ系魔法連打モードの際には、狂戦士で強引に押し切るくらいのパワーが必要となる。
では、この板挟みをどうするのかと言うと、簡単なことで、ガンビットを用いて「HP<30%の敵
- たたかう」「自分自身 - バッカスの酒」の順に設定するのだ。こうすると、瀕死一歩手前の敵に対しては「たたかう」での単体攻撃を繰り返し、その以前の状況では「バッカスの酒」を使ってくれる。「瀕死の敵
- たたかう」でも似たようなことはできるが、バーサク状態は約1分間持続するため、ある程度は猶予時間を作っておいたほうが良いのだ。
うーん、固い… |
さて、これでガンビットは完成となるのだが、一つ問題が存在する。それは、不滅なるものは「円形の戦場の外側(円周上)」をぐるぐる回りながら攻撃するというパターンを取り、その移動はこちらのパーティの状況とは無関係に行われる。そして、敵はフィールド上のあらゆる場所からこちらを補足して攻撃を使用できるのだが、こちらのキャラクターはいつも通り敵が遠くに離れすぎると相手を見失ってしまう。それで何が起こるかというと、HP<30%の状況でも、相手への「たたかう」がOFFになって、自分に「バッカスの酒」を使ってしまう場合があるのだ。そうなると、「テラフレア」を耐えたところでフランは味方に「フェニックスの尾」を使えなくなり、そのまま高確率で全滅するに至ってしまう。
…しかしながら、この問題はガンビットでは解決不可能であるため、もう思い切ってそのまま戦っていくことにした。「テラフレア」の使用タイミングは、瀕死になって「絶対防御」を使ってから8回目の行動時、以降は行動32回間隔であるが、初回の「テラフレア」使用後に魔法障壁と完全マバリアは解除されるため、次の「テラフレア」が飛んでくるまでの間に相手のHPを0にすることは十分に可能である。そして、フランがバーサク状態で無かったとしても、確実にテラフレアを乗り切れるとは限らない(フランのHPがほぼ満タンで、かつ「テラフレア」の次の行動も乗り切れた場合にのみ、他キャラクターの蘇生が間に合う)ため、むしろ1発目の「テラフレア」が終わったあとは狂戦士状態になってほしいくらいなのだ。
そんなわけで。実戦では、初回の「テラフレア」から状況を立て直している際のゴタゴタでフランが敵を見失い、自分に「バッカスの酒」を使ってしまうという事態が起こったのだが、これ幸いと攻撃ペースを上げていく。その後、バッシュの「ケアルガ」によってHPも全回復し、「HP満タン攻撃力UP」と「ブレイブ」「バーサク」の効果も得たフランが殴っていくが、敵の物理防御力は非常に高く、ダメージは1500程度と伸び悩む。だが、敵のHPも残り45000程度と少ないので、連撃で一気に切り崩していく。そのまま、無事に不滅なるものを撃破することに成功した。ふう…思ったよりも強かった…。
スタッフロールはPS4画質にリマスターしてあります。他ムービーもそうしてほしかった… |
というわけで。これにてFF12をクリアできたことで、今回の「かんたん低レベルクリアー」は終了である。
…なお、エンディングに関しては、当然であるが内容はPS2の頃と全く変わっていない。冷静になって見てみると、「最高指揮官が戦死した」という音声通信だけで勝手に戦闘を止める両軍(変声装置の存在が一般に知られていなかったとして、声がよく似た別人の可能性もある。そもそもアーシェは死んだとされていたはずだし、反乱軍の指揮官はオンドール候なので、彼が「帝国軍の艦隊を撃破して有利な状態で講和を結びたい」と判断した場合、戦闘は終わらないことになる)、何故かシュトラールはもちろんとしてオンドール候にも聞こえているバルフレアの音声通信、バルフレアしか修理していないうえにたった1人の行動で再浮上するバハムート(他の乗組員は一体…)、そして周りが全部空き地なのにわざわざラバナスタの真上で乱闘する帝国軍と反乱軍などなど、不可解な内容が多い。これまでとことん渋い世界観を貫いてきたFF12からは一転して、言ってしまえば“いつものFF”らしい演出となっている。そして、これらの要素を一気に消し去る「バルフレア――!」のインパクトが凄まじい。恐らく、FF12で最も話題にされたセリフは、「オイヨイヨ!」か「バルフレア――!」のどちらかではないだろうか…。
――ちなみに、その後の「Kiss Me Good-Bye」が流れるエピローグでは、思い出したかのように渋さが取り戻され、名誉も母国も仕えた国も捨ててイヴァリースのために「ジャッジ・ガブラス」となったバッシュ、シュトラール盗難でバルフレアたちの生存が明らかになった事象を「持ち主が持っていったんだから仕方がないわ」と表現する渋いパンネロ、レイスウォール王墓脱出後に「もっと良いお宝を見つけたら返す」とバルフレアが取り上げていたアーシェとラスラの結婚指輪を最後の最後で返す、つまりバルフレアは「もっと良いお宝」を見つけられたということで、つまるところそれは“王女の愛”だったのではないか…という渋すぎる解釈も可能なシーンなど、全体的に見てこれぞFF12という物語の締め方になっている。FF12は、スタッフの変更によりシナリオが変わったという噂もあるが、この渋さは間違いなくイヴァリース作品というものであろう。
そんなわけで。シナリオは終わったということであるが、今回のPS4版にはジョブシステムがあり、キャラクターごとに明確な個性が生まれたということで、キャラクター&ジョブ評価というものをやってみたいと思う。
――やれ、この手のプレイ日誌では、「キャラ評価」が恒例とされることもあるが、そのルーツは、当サイト開設前から存在し、私にも大きな影響を与えた【FF極限攻略 SWEET POTATO】様に由来する。いま思うと、いわゆる“個人サイト全盛期”が、ちょうどFFやり込みの全盛期とも重なっていた。あの時代と今とを比べると、ゲーム内容も録画環境も個人的な文章力も大幅に進歩したけど、それを楽しむ担い手のほうが少なくなってしまったのは残念だね…。
燃☆や☆し☆手☆爆☆誕 |
◆ヴァン ウーラン/黒魔道士 |
Lv.1 HP2182
/ MP284 賢者の杖 / サークレット / ローブオブロード / オパールの指輪 物理攻撃53 / 物理防御63 / 魔法防御60 / 物理回避8% / 魔法回避0% 力43 / 魔力76 / 活力29 / スピード24 |
(※装備は終盤の一般的な戦闘を想定したものです。以下他キャラも同様) |
◆「黒魔道士」について
ヴァンは、主に黒魔道士として、相手にステータス異常を掛け、その後に弱点魔法で攻撃するという役を担当していった。主な使用魔法は、「エアロ」「ファイラ」「サンダラ」「ブリザラ」「ファイガ」「サンダガ」「ブリザガ」「エアロガ」「ショック」「コラプス」「ブライン」「サイレス」「スリプル」などである。特に、「ブライン」系統は赤魔戦士が取得できないため、黒魔道士を投入する大きな理由の一つとなった。
FF12では、一部の裏ボスクラスの強敵を除き、メインシナリオおよびモブ狩りで登場する敵の大半には何らかのステータス異常が効き、弱点属性を持っている場合も多いため、そういった敵に対しては、黒魔道士が大活躍をする。低レベルクリアーにおいても火力は十分であり、最大MPは魔装備で補うことができ、弱点を突くことで強力な銃にも匹敵するダメージを与えることができる。反面、裏ボスクラスの相手になると、弱点属性が存在せず、ステータス異常も効きづらい場合が多いため、そういった戦いでは機工士のバルフレアにアタッカーの座を譲っていった。ステータス魔法に関しても、「ブライン」以外は赤魔戦士のアーシェで代用可能という点もある。結果的に、6人パーティで4番手と言える存在であったように思う。
そんなわけで、確かに終盤の超難関バトルのみを見た場合、活躍は限定的と言えるが、そこに至るまでの戦いでは素晴らしい成果を残しており、低レベルクリアーでも優先的に投入したいジョブであると言える。黒魔道士は単体で完成しているため、2ジョブ目は取れる戦略の幅を広げるものを選ぶと良い。
◆「ウーラン」について
ウーランは、槍と重装備で戦う前衛キャラであるが、このジョブに関しては全くと言って良いほど活かされなかった。
…理由としては、そもそも縛り無しの低レベルプレイにおいては、物理攻撃をする際は銃を使うのが大半であり、銃耐性を持つ相手と戦う場合も、バランスの良いナイトを用いる場合がほとんどである。また、オリジナル版のように「最強の矛」の早期入手で輝けるということもない。加えて、黒魔法と槍&重装備には、せいぜい「リフレクトメイル」の存在くらいしか噛み合わせが存在せず、同時に用いることができるメリットも皆無と言って良い。
総合して、活躍と言えば、せいぜい黒魔道士のヴァンにポーションの知識×2とフェニックスの尾効果UP×2を引き継げたくらいか。特に何の制限も無い低レベルクリアーにおいては、積極的に投入する理由は無いジョブだと言えるだろう。
◆総合
キャラ評価開幕で登場したのは主人公のヴァン君で、戦闘面での評価は上の通りである。個人的には、ヴァンは主人公らしく何をさせても似合うということで、黒魔道士というのもイメージにあっていたように思う。ウーランは知らない。
…また、シナリオ面での活躍については、序盤から終盤までとにもかくにも渋いセリフが目立ち、「いい加減にしろよ。お前と一緒に処刑なんて嫌だからな」「じゃあ、そっちは掟を守ってろよ。こっちが勝手に助けるんなら文句ないだろ」「わかった。ありがとな、レダス!」などなど、ある意味でFF12の主人公に相応しい存在となっている。この点、分かりやすく二枚目なセリフを言うバルフレアとは、評価が分かれるというものであろう。
――ちなみに、FF12関連でたまに聞く話として、「初期はバッシュが主人公だったが、途中でヴァンに変更された」というものがあるが、これは100%間違いである。その内容は、現在のバッシュとは全く異なる開発初期のテストモデルに「バッシュ」という名前が付いていたというだけであり、正式にシナリオが決まって最初にデザインされたキャラクターはヴァンである。これで「FF12は当初バッシュが主人公だった」と言い張るのならば、FF13の開発初期にはアーシェのモデルがテストとして用いられていたため、「FF13の主人公はアーシェだった」と言い張ることもできるだろう。ただの勘違いなら笑って済むのだが、これをもって「FF12のシナリオは改変されてグダグダだ」と叩き棒に使われることもあるのだから恐ろしい。人を呪わば穴二つである。
Nice body. |
◆バルフレア 機工士/弓使い |
Lv.2 HP3587
/ MP37 アルデバランY / ダークショット / デュエルマスク / ブレイブスーツ / リボン 物理攻撃70 / 物理防御58 / 魔法防御56 / 物理回避25% / 魔法回避0% 力30 / 魔力25 / 活力24 / スピード24 |
◆「機工士」について
機工士は、銃を使って戦うジョブであり、能力値に関係なく固定ダメージを与えられるということで、低レベルクリアー向けになっている。その強さは皆さまご存じの通りであり、強力すぎて低レベルクリアーの意味が半ば無くなってしまうため、制限付き低レベルの場合は必ず封印される武器である。
今回は、久しぶりに縛り無しの低レベルクリアーを行おうと決めていったため、中盤以降は「アルクトゥルス」「フォーマルハウト」「アルデバランY」などの強力な銃をとっかえひっかえ戦っていった。「銃・計算尺耐性」という弱点はあるものの、それ以外ではこれと言って苦手な場面が無く、状況を選ばずに強さを発揮してくれた。ボス戦は、早く終わりすぎるということで自主規制していったが、雑魚戦においては多くの戦いに参加している。HPも上がりやすく、INT/PS4版では「ブレイブスーツ」の強化もあって、非常に使いやすいジョブである。まあ、メインシナリオだけを攻略するならば間違いなくバランスブレイカーであるが、キングベヒーモスやオメガmk.XIIといった弱点の少ない強敵、およびトライアル攻略には欠かせない戦力になるであろうと思われるため、その辺りはプレイ方針に合わせて使うかどうかを決めていきたい。
ちなみに、2ジョブ目の選択は難しいところであり、魔装備を使ってダークショットの銃撃を強化・吸収するか、利便性で「HP満タン攻撃力UP」「瀕死攻撃力UP」を取るか、はたまた計算尺を活かすために盾を装備できるジョブを選ぶか(機工士単体では盾を持つことができず、計算尺を使う意義が非常に薄い)。ちなみに、バルフレアの機工士というのは初期装備であり非常にイメージに合っているが、実際は少しだけ攻撃モーションが長く、あまり向いていないんだとか。
◆「弓使い」について
弓使いは、その名の通り弓で攻撃するジョブであるが、そのダメージは力とスピードで決まるくせに防具が軽装備であるため、低レベルクリアーでは前向きな理由で選んでいくジョブとは言いがたい。今回プレイでも、弓を持って戦うことは一度たりとも無かった。
一方、機工士のサポートジョブと考えてみると、与ダメージ1.5倍に強化された「HP満タン攻撃力UP」を引き渡せたのは大きいが、「瀕死攻撃力UP」が無く、片手落ちという感がある。また軽装備同士の組み合わせというのもイマイチであり、「ダークショット」をコンボに利用していくことができない。
――ただ、意外なところとして、「亀のチョーカー」を装備したうえでの「レイズ」が物資の厳しいトライアル攻略で活躍してくれた。召喚獣など他のものを犠牲にせず、「レイズ」「HP満タン攻撃力UP」の両方を得られるのは弓使いだけの特権であり、実は機工士のサポートとしては悪くない選択だった…のかもしれない。その他、アイテム師としての能力は、「フェニックス効果UP」を唯一3つ取得できるなど、優れたジョブであるため、それらの点を考慮するのならば、サブジョブとして選んでいくことも悪くない選択となるだろう。
◆総合
機工士&弓使いと、遠隔武器同士の組み合わせとなったバルフレアであるが、弓要素はあまり活かされず、銃士としての活躍となった。銃のみの攻撃で十分に強力なのだが、それ以外に取れる行動が少なく、INT/PS4版ならではの制約を受けてしまうキャラクターである。しかしながら、「レイズ」がトライアルで大活躍したことなど、弓使いのほうも見えないところで活躍をしていたと言えよう。
…また、シナリオ面については、ご存じの通りシナリオで良いところを取っていく“主人公”なのであるが、必ずしも彼ばかりが名シーンを奪っていくのではなく、要所要所で他のキャラクターも活躍してくる。そういった部分を探していくのも、またFF12の物語の楽しみ方であると言えよう。
――やれ、個人的には、FFのシナリオは受動的というよりも能動的に楽しんでいくスタイルを取っているので、解釈の幅があるセリフのほうが好きである。そういった意味でのお気に入りは、大灯台での「そいつがとりついていたんだな」、エンディングの書き置きの「追伸:こいつを<女王様>に渡しといてくれ」あたりだろうか。ちなみに、後者は文字だけの台詞であり、PS2版の頃は字幕をオフにしていて全くの意味不明なシーンとなってしまった記憶があるのだが、PS4版ではこの手紙の部分だけは必ず字幕が表示されるという変更が為されたようだ。
ヴィエラ商人と化したフラン |
◆フラン モンク/もののふ |
Lv.2 HP4721
/ MP47 マサムネI / 源氏の盾 / デュエルマスク / ミラージュベスト / 盗賊のカフス 物理攻撃117 / 物理防御55 / 魔法防御55 / 物理回避53% / 魔法回避5% 力41 / 魔力34 / 活力36 / スピード34 |
◆モンクについて
モンクは、低レベルクリアーにおいて、単独でHP+3035と全てのHPアップライセンスを取得できることが最大の特徴である。単体の戦力で見るべき点は無いので、基本的にはサポートジョブとして考えていくべきであろう。防具は軽装備、力強化は16個(全て)、「HP満タン攻撃力UP」「瀕死攻撃力UP」「瀕死防御力UP」、その他「レイズ」「アレイズ」も覚えられるが、ファムフリートかハシュマリムを消費するので、習得はよく考えたい。
…では、全てのHPアップライセンスを習得し、さらに軽装備でHPを極限まで上げたフランが今回プレイでどう活躍したかと言うと…アイテム稼ぎ要員ぐらいにしかならなかったのである。ネタとして用いる場合を除き、前向きな理由で戦闘に起用していった回数はゼロだ。他のキャラクターを温存するため、ひたすら逃げ回ってダンジョンを進んだり、盗賊のカフスを装備して「盗む(初期取得)」でアイテムを集めたりするほか、終盤で死都ナブディスにて「ハイエーテル」が買えるようになってからは、そこにひたすら参拝する役として活躍した。
――その他、当初の想定としては、「回避無視」を持った超強敵との戦闘では、特大のHPを活かして盾役として活躍できるのではないかと考えていたが、結局のところ最後までお呼びの声は掛からなかった。そういった戦いでも、盾による魔法回避やアイテム師としての能力を持ったパンネロが起用される場合が多く、ダークショットによる逆転回復(2ジョブ目のもののふの魔装備を使う)も、肝心の敵への攻撃能力が無くなってしまう場合が多く、結局一度たりとも採用には至らなかった。まさか、ここまで全く役に立たないとは。HPの高さだけでモンクを選んでいくかどうかは、よく考えたほうが良いだろう。
◆もののふについて
もののふは、刀と魔装備で敵を切り崩すジョブである。ウーランと同じ理由で、特に制限の無い低レベルプレイでは銃以外の物理攻撃ジョブは不遇であるため、使うかどうかはよく考えていきたい。
その内容としては、まず刀自体は確かに武器として強力であり、連撃値の高さには数値に現れない魅力が存在するが、「HP満タン攻撃力UP」「瀕死攻撃力UP」が両方無く、魔装備と魔力UPライセンスで大幅に魔力を上げられるものの一切魔法を唱えられない、HPを大きく上げられるものの「源氏の盾」以外の盾は一切装備できず盾役として使うことも難しい…などと、とにかくチグハグな面が目立つ。まあ、INT/PS4版においては、こちらの戦力の充実により、もののふを主力として戦っていくことも当然可能なのであるが、少なくとも強さを求めて選ぶものではないだろう。
今回プレイ的には、上のモンクの特性と合わせた結果、HPが高いだけで全てが中途半端なフランができあがってしまい、ネタ以外ではアイテム回収くらいにしか活かしていくことができなかった。決して弱いキャラクターではないのだが、他のキャラクターも強力で、特に銃以外の物理アタッカーとしては最もバランスの取れたナイトの存在が苦しく、やはり活躍は難しいだろう…。
◆総合
フランについては、意図したものではないが、運悪く不遇なジョブが2つ集まり、戦闘面では全く役に立たないキャラとなってしまった。まあ12ジョブをあみだくじで振ると、こういうキャラクターも出来てしまうということである。
…ちなみに、フランはシナリオでの活躍面が著しく少ない。こういうものにありがちなパターンとして、「空気」と話題にされる人物はそう言われているだけキャラが立っているのであって、それすら言われないキャラクターこそが真の「空気」である。エルトの里では当然メインとして活躍するのであるが、シナリオ上ではその他にこれと言った出番がなく、ヴィエラ族の特徴を活かしてミストや伝承の解説をするくらいである。終盤に2回、バルフレアとのロマンスが存在するが、今はこんな事をしている場合ではない。追い打ちで、これといった能力面での特徴が無いため、縛りプレイにおいての出番まで少ない。
――というわけで、フランは今回プレイにおいて、もっとも不遇なキャラクターであった。初期装備である弓こそ使えないものの、棒や刀を用いる戦士という役回りは、フランのイメージにぴったりではある。それがここまで活躍できないとは、もはやどうすることもできないのかもしれない…。
ここ以外では大灯台地下層でそれなりに活躍しました |
◆バッシュ 時空魔戦士/ナイト |
Lv.3 HP1893
/ MP36 ブラッドソードA / 最強の盾 / 魔力のシシャーク / グランドアーマー / 亀のチョーカー 物理攻撃92 / 物理防御67 / 魔法防御47 / 物理回避92% / 魔法回避60% 力60 / 魔力37 / 活力20 / スピード26 |
◆時空魔戦士について
ボウガンと重装備を身につけ、遠くから攻撃をしながら、状況に合わせてサポート魔法を用いていくジョブである。
…のだが、単体ではHPの上昇値が最少で回避率も極小、MPも上昇しないため魔法はすぐに息切れとなり、時空魔法も大半は魔片で代用できるとあって、著しく不遇なジョブである。「ストップ」「バヒール」などは使い方次第で輝くが、それだけのために1枠割けるかと言われると難しいのが実情だ。ボウガンも、結局今回は一度も使うことは無かった。どうする?
銃以外の遠隔武器にこだわった縛りプレイでもするか…?
最終的に、MP問題は「亀のチョーカー」で解決していき、それなりに戦闘には参加していったのだが、役に立ったのはナイトのほうの能力が大半であり、低レベルクリアーで時空魔戦士を戦力として活躍させていくのは難しいだろう。とはいえ、「行動時間短縮」×3を引き渡したことや、召喚獣前提ながらも「レイズ」を使えることは大きく、トライアルでもそれなりに戦えたため、サポートジョブとしては一定の役割を果たせたように思う。
◆ナイトについて
物理攻撃のスペシャリスト。「盾回避率UP」×3を得た片手剣+盾の組み合わせと、攻撃力の高い両手剣、その両方が使いやすく、安定性と強力さを併せ持っている。低レベルクリアーにおいて、銃以外ではもっとも安定した物理攻撃ジョブであり、特に「銃耐性を持つ強敵」との戦いで活躍していくことができる。さらに、PS4版においては、トライアル持ち込みで「ブラッドソードA」を早期入手できるという強化も為されている。
…のだが、今回プレイでは、「銃耐性を持つ強敵」の筆頭であるゾディアークを「ホーリーの魔片」で倒してしまったため、最大の見せ場が無くなってしまった。一応、それ以外でも活躍しなかったということは無いのだが、三大裏ボスの一角であるゾディアーク戦に比べると地味過ぎる出番であり、今回プレイでは“2軍”と表現せざるを得ない状況になってしまった。
――とはいえ、低レベルクリアーでの不遇な物理攻撃ジョブの中では最も安定していることは言うまでもなく、パーティに必ず1枠は欲しいキャラであると言える。どうする?
組み合わせ的には、モンクと組めば力強化が最大数の16個に達するうえに、ライセンス+軽装備でHPの上昇値も最大になるので、状況に合わせて物理攻撃と盾役を使い分けられるキャラになる…のだが、「マインゴーシュ」が装備できないので、「最強の盾」が入手できるまでの盾役としての能力は見劣りがする。うーん、こう考えてみると、「完璧なキャラが出来ない」という意味で、2ジョブ性というのもよく練られているのかも…?
◆総合
バッシュは、2006年の初代低レベルクリアーの時から、「エクスカリバーでゾディアークを殴り倒すキャラクター」という印象が強かったため、今回プレイで偶然ナイトが割り振られた時は運命めいたものまで感じた。しかしながら、そのゾディアーク戦ではレダスの都合により採用見送りとなってしまったため、最大の出番が奪われ、イマイチ役立ったイメージの少ないキャラになってしまった。時空魔戦士の魔法についても、一般的な戦闘では使いづらいものが多い。一応、銃耐性を持っている敵とのバトルには、それなりに参戦をしていったはずなのであるが…。
その他、シナリオ面でのバッシュは、言うまでもなく渋い役回りを演じているが、どちらかと言えば分かりやすい活躍をしているほうであり、FF12としては初心者向けの渋さである。特に序盤にDQN行為の目立つアーシェのサポート役という、苦労人としてのポジションが目立つ。好きなセリフは、古代都市ギルヴェガンでの「殿下、私は反対です。帝国といえども、滅ぼすなど」あたりか。そりゃそうだ。
――ちなみに、ご存じの通り、バッシュと帝国のジャッジ・ガブラスは実の兄弟であり、この事実を前提として物語が進んでいくのだが、初回プレイではそのことに全く気付いておらず、空中要塞バハムートでの「お前の問いに答えるのが、兄としての務めだな」というのを衝撃のカミングアウトであるかのように受け取っていた。いやあ、初回プレイでこの程度の理解力であったとしても、時が経てばじっくり物語を楽しめるようになってくるのですよ…。
トロの剣を構える姿はまさしく女主人公 |
◆アーシェ 白魔道士/赤魔戦士 |
Lv.3 HP1898
/ MP315 トロの剣 / サークレット / ローブオブロード / 亀のチョーカー 物理攻撃131 / 物理防御61 / 魔法防御60 / 物理回避50% / 魔法回避0% 力34 / 魔力67 / 活力24 / スピード26 |
◆白魔道士について
ロッドを装備し、白魔法で味方を支援する魔法使い。INT/PS4版では、オリジナル版で「緑魔法」に分類されていたもののうち、味方に強化ステータスを発生させるものが「白魔法」に割り振られている。主な使用魔法は「フルケア」「アレイズ」「プロテガ」「シェルガ」「ブレイブ」「フェイス」など。
ゲーム序盤から中盤に掛けては、ライセンスや装備による戦力の伸びが著しく、アイテムによる回復も強力であるため出番は少なめだったが、終盤から裏ボスクラスになると、強力な回復魔法や補助魔法が大きく活躍する。特に、「フルケア」は、これまで全く注目してこない魔法であったが、INT版では消費MPが98→72と軽減され、「ケアルガ」の回復量が弱体化し、PS4版で最大HPも伸びやすくなったこともあって、アーシェを投入する大きな魅力の一つとなった。またモンクも、ゾディアークのライセンスを消費するものの使用することができ、魔力に関係無く全員のHPを満タンにできるうえに、「亀のチョーカー」を前提とすればMP消費も問題なくなるので、一考に値する組み合わせと言えるだろう。
そんなわけで、白魔道士は、低レベルクリアーにおいても重要であり、必ず1枠は割いておきたいジョブであると言える。弱点としては、メイン武器である「ロッド」が貧弱であるため、そこを補えるような組み合わせにすると良いだろう。
◆赤魔戦士について
メイスと盾を装備し、様々な魔法で戦う魔法使い。他ジョブの中級までの魔法を使えるほか、「ダーク」系統と「デス」「アーダー」は赤魔戦士専用となっている。主な魔法は、白魔道士との重複分を含めて「レイズ」「プロテス」「シェル」「ファイラ」「サンダラ」「ブリザラ」「エアロ」「サイレス」「スリプル」「スロウ」「ドンムブ」「ドンアク」など。キュクレインを潰すが、「ファイガ」「サンダガ」「ブリザガ」「スリプガ」も習得できる。
赤魔戦士は汎用性がとても高く、特に「サイレス」「スリプル」や「ドンアク」「スロウ」といった、ステータス攻撃まで使えるというのが大きい。終盤においても、ガ系魔法や「アーダー」によって十分な火力を叩き出すことができる。弱点としては、最重要ステータス攻撃の一つである「ブライン」を使えないこと、白魔法に関しては上位魔法が使えないことが重くのしかかってくることなどが挙げられる。また、「最強の盾」を含む全ての盾を装備できるが、盾回避率UPのライセンスが無くHPもそれなりであるため、あくまでも保険としての盾機能となる。これらのどの部分を2ジョブ目で補っていくかであるが、今回プレイでは白魔法を習得し、サポート系の能力に特化していくキャラとなった。
というわけで、赤魔戦士に関しては、1ジョブしか選べなかったPS2INT版と比べると重要度は下がってはいるものの、依然としてその汎用性は魅力であり、積極的に投入していく価値のあるジョブだと言えるだろう。
◆総合
アーシェは、白魔道士&赤魔戦士というキャライメージにぴったりのジョブとなり、本編から裏ボスまでほぼ全ての戦いに参戦をしていった。今回プレイでは、基本的に「アタッカー2名+サポート1名」か「アタッカー+盾役+サポート」のどちらかの組み合わせで戦っていったが、この「サポート」の役にアーシェがハマってくれるのである。全ての能力が味方への支援に適しており、あらゆる戦いで万能の活躍を見せてくれた。
――そんなわけで、戦闘面では言うことなしであるため、ここでもシナリオ面について触れてみることにしよう。ご存じの通り、アーシェは一行の旅の目的である「帝国軍を打倒してダルマスカを再建する」を主導する役割であり、これで性別が男だったら間違いなく主人公に成りうるキャラクターであろう。しかしながら、恐らくは意図的にそういった王道キャラになることを避けてか、性別は女となり、初期の性格は直情的でDQN、国家の再興という重責に押し潰されているような描写も多く、いわゆる「主人公」にも「ヒロイン」にも当てはまらない。とはいえ、メインシナリオはアーシェの旅と成長を主題として進んでいくため、そういう意味では最重要人物であることは間違いない。FF12のシナリオについては、物語を主導する要素の多くが複数のキャラクターで分担されており、誰が主人公という意見も当てはまると言えるだろう。そうですね…やっぱり私は、王道を征くヴァンですかね…。
FF12はまず盾役を作るところから始まるゲーム |
◆パンネロ ブレイカー/シカリ |
Lv.3 HP4232
/ MP50 シカリのナガサF / 最強の盾 / デュエルマスク / ミラージュベスト / リボン 物理攻撃104 / 物理防御56 / 魔法防御56 / 物理回避93% / 魔法回避60% 力35 / 魔力27 / 活力34 / スピード34 |
◆ブレイカーについて
斧・ハンマー・ハンディボムを装備し、「○○破壊」系を操る戦士。ご存じの通り、「攻撃破壊」「魔攻破壊」はINT版からはボスにも命中するようになり、重ねがけによってあらゆる敵の火力を極小にすることができる。その強力さから、INT/PS4版で超強化された「リバース」さえ凌駕するバランスブレイカーとして知られるが、強敵を攻略する楽しみが全くと言って良いほど無くなってしまうため、特に意識しない通常プレイにおいても使用が敬遠されることが少なくない。ちなみに、技の「敵とのレベル差によって命中率が決まる」という特性から、低レベルクリアーにおいては破壊系は全く役に立たない。
――では、そんな初期レベルプレイにおいて、ブレイカーは全く使えなかったのかと言うと、そうでもなく、今回プレイでは、2ジョブ目のシカリに「盾回避率UP」×3と「最強の盾」のライセンスを引き渡す役として大いに活躍した。ただし、この特性はナイトもほぼ同じであり、ナイトはブレイカーと異なり非常に強力な片手剣・両手剣を装備できる。また、シカリ単体でも、実は「盾回避率UP」は2つまで取得できる。やはり、強さを求めるなら、シカリは中盤までの盾役と割り切り、裏ボスクラスの強敵相手ならナイト+モンクあたりを盾役として考えていったほうが良いのかも…?
◆シカリについて
「マインゴーシュ」を装備できる、全12ジョブで一番の盾役。今回プレイでも、ほぼ全ての戦闘に参加していった。
…シカリの特徴としては、とにかく中盤で入手できる「マインゴーシュ」の強みが大きく、回避率50という圧倒的な値で、瞬く間に最強の回避要員として活躍するようになる。また、HPが伸びやすいうえにアイテムでのサポートにも長けており、まさしく「盾役」に最も適したジョブだと言えよう。終盤では、「盾回避率UPが3つは無い」「最強の盾・血塗られた盾・シェルシールドといった最上位盾を装備できない」という弱点が露呈し、盾役としての能力に陰りが見えてくるが、その頃には「シカリのナガサF」や、召喚獣シュミハザを消費するものの「フォーマルハウト」を装備し、これまでとは異なる戦い方ができるようになる。特に「フォーマルハウト」は、「アルデバランY」が存在する今ではオリジナル版ほどの輝きは見せないと思いきや、シカリは「HP満タン攻撃力UP」と「瀕死攻撃力UP」の両方を自力取得できるため、機工士単体の「アルデバランY」にも匹敵する火力を叩き出すことができるのだ。
――そんなわけで、シカリは盾役として非常に適したキャラクターであり、低レベルクリアーにおいても前向きな理由で投入していくことができる。しかしながら、今回の「シカリ+ブレイカー」という運用に関しては一考の余地があると言えるだろう。確かに、シカリの盾役としての能力を補う面では悪くない選択であったが、上でも書いた通りその役割はナイトでも可能であるし、そもそも「盾回避率UP」×3+「最強の盾」のコンボができるのならば、シカリ一番の魅力と言える「マインゴーシュ」は必ずしも求められない(最強の盾だけで物理回避率が90%に達し、武器回避の意味が少ない)。そして、低レベルクリアーにおいては、モンク(と一応もののふ)が獲得できるHP+500のウエイトも非常に大きく、裏ボスクラスを想定した盾役ならばこちらのほうが有用である。そう考えると、「シカリ+白魔道士」「ナイト+モンク」といった感じで、盾役になれるキャラクターを2名作っておくことが良いのだろうか…?
◆総合
パンネロは、シカリのジョブの色がとても強く、中盤以降はずっと盾役として戦線を支え続けてくれた。そして上記の通り、シカリ単体での盾役としての能力は、終盤では見劣りがしてしまうのだが、今回は「シカリ+ブレイカー」という編成でその弱点をある程度は補えたこと、そしてHP最大のフランがHP以外には一切魅力の無いキャラクターとなってしまったことにより、最後までパンネロが盾役として活躍し続けた。フランとパンネロでは、バブル状態を前提とすれば最大HPが1000も違ってくるわけで、それでも優先してパンネロを使用していく理由があったのだ。
また、その他の面としては、オリジナル版の低レベルクリアーにおいては、パンネロは全メンバーでMPが最も高くなる(最大126)ため、真っ先に投入される性質があったが、INT/PS4版ではMP最大キャラの座はアーシェに譲っている。とはいえ、INT版では魔装備によるMP補正が非常に大きいため、初期パラメーターについてはそこまで神経質にならなくても良いだろう。その他のパラメーターについてもタイムアタックや極端に厳しい縛りプレイでもない限り、初期パラメーターの差まで考えてジョブを決めていく必要は無いと思われる。まあ魔力最低のバルフレア(魔力18)とアーシェ(25)くらいになるとさすがに無視できない差が出てくるが、抑えておくべきなのはそこくらいだろうか。
…ちなみに、シナリオ面でのパンネロの活躍はご存じの通りという感じであり、これと言った名場面が無い。ヴァンは「空気」と言われるだけまだ目立っているが、「それすら言われないキャラクターこそが真の空気」という枠に見事に当てはまっている。まあ、FF12と13では、「恋愛」と「人の死」というものが意図的に物語のメインテーマから外されている感があるため、このパンネロの扱いもその一環なのであろう。なんなら裏ボスを倒すと不思議な力でパンネロと結婚できるようにすれば良かったのだろうか?
もうちっとだけ続くんじゃ |
◆「FF12HD/かんたん低レベルクリアー」 最終結果 |
◆メイン制限 ・極限低レベル(1,2,2,3,3,3 /「弱くてニューゲーム」不使用型) ◆主な自主規制項目 ・「手動操作」の使用(ただし、「リーダーチェンジ」に関しては、特に記載していない限り制限なし) ・「ミストナック」の使用 ・「召喚獣」の使用 ・「透明武器」の使用 ・「ニホパラオア」の使用 ・その他、「ダークエナジー」「ダークマター」等、安直すぎる固定ダメージ技の使用 ◆制限しなかったもの ・「トライアル持ち込み」(PS4版の新要素として積極的に使用) ・乱数調整のための外部ツールの使用(稼ぎの手間を軽減するものとして積極的に活用) ・銃/計算尺の使用(特に規制はしなかった) ・「○○破壊」の使用(そもそも低レベルでは命中しない) ◆部分的に解禁したもの ・手動操作/装備変更技/パーティ外蘇生など(トライアルモード中、Stage99までは積極的に使用) ・「リバース」の使用(トライアルモードのStage100でのみ解禁) ◆結果 ・本編シナリオのクリアーに成功 ・全召喚獣/全モブ/オメガmk.XIIの撃破に成功 ・トライアルモードのクリアーに成功 ◆制作環境 ・ハード:PlayStation4 Pro(SSD) ・ソフト:「ファイナルファンタジー12:ザ・ゾディアックエイジ」 ダウンロード版 ・ゲームバージョン:1.00〜1.05(発売日から随時アップデートしつつプレイ) ・PC:VAIO Pro13(2014) ・HDMIキャプチャ:MonsterX U3.0R ・主な編集ソフト: 「FrontPage Express」(HTML作成) 「Word 2007」(題名画像作成) 「AviUTL」(動画作成) 「IrfanView」(画像編集・圧縮) 「アマレコTV」「アマレココ」(動画入力・録画) 「GOM Player」(動画再生・静止画キャプチャ) ◆参考文献 「ファイナルファンタジー12 バトルアルティマニア」 ★ 「ファイナルファンタジー12 シナリオアルティマニア」 「ファイナルファンタジー12 アルティマニアオメガ」 ★ 「ファイナルファンタジー12/インターナショナル アルティマニア」 ★ 「ファイナルファンタジー12/ザ・ゾディアックエイジ アルティマニア」 「ファイナルファンタジー12のあるきかた」 (★…特に役立ったもの) ◆最終セーブデーター 「港町バーフォンハイム / 飛空艇ターミナル」 プレイ時間:102時間57分56秒 トライアルプレイ時間:7時間33分45秒 プレイ期間:2017年7月13日〜2018年1月8日 |
こんな感じで、今回の「かんたん低レベルクリアー」も終わりである。
…やれ、FF12の縛りプレイの恒例として、ゲーム中盤ではあまりに簡単すぎてどうしようかと思ったが、終盤の裏ボスクラスの敵相手には、それなりにやり込みらしい戦い方ができたように思う。また、ジョブシステムベースのFF12をプレイしたのは今回が2回目であるが、2ジョブ性によって12ジョブ全てを用いることができ、自分の中で新しい要素も数多く発見することができた。今回も、なかなかもって楽しいFF12のプレイであったように思う。
そして、「ファイナルファンタジー12:ザ・ゾディアック・エイジ」こと、PS4版FF12に関しての私の評価だが、純粋なリマスターとしては非常に高品質なだけに、やはりオリジナル版モードの未搭載が残念である。これまで何度も書いてきたが、オリジナル版とINT版ではゲームバランスの方向性が大きく異なるため、できれば両方を収録して欲しいというのが実情であった。とりわけ今回は、画質・音質・利便性の向上・日本語/英語音声の同時収録など、システム面では極めて良いリマスターが為されており、まさしく「FF12の決定版」と成りうる存在だっただけに、この「オリジナル版未搭載」という点が際立って強く悔やまれる。オリジナル版だって、後世に語り継ぐべき物語なのだ。
…とはいえ。今回プレイで、最終的にはトライアルモードなど高難易度のミッションにも挑戦することができ、少なくとも単品の作品としては満足の行くものであったように思う。難易度面では確かに「かんたん」であったが、まあ銃もHPアップライセンスもこれまで蓄積してきた知識も全て活用してしまえばオリジナル版であろうと楽勝になることは明白であるため、これだけをもってPS4版の難易度が低いと判断することは早計だろう。
ちなみに、やり込みプレイ未経験の皆さまが、本作の低レベルクリアーをその導入として用いることも有用である。
…理由として、PS4版は2ジョブ性を用いれば難易度的にはそれほど高くなく、「スフィア版なしクリアー」「クリスタリウムなしクリアー」など、他のFFシリーズで定番とされるやり込みと比べても、簡単なほうと言って良い。その元々の難易度の低さから、三大裏ボスの撃破やトライアルと言った難関要素に自然な流れで挑戦していくことができるし、自分なりの縛りを入れて楽しむことも容易となっている。また、装備やコマンドが制限されて戦略性が低くなっていると言っても、「オリジナル版に比べると低くなっている」というだけで、RPG全体としては依然として高い戦略性を誇っている。むしろ、できることが多すぎるオリジナル版に比べて、初心者にはこれくらいのほうが分かりやすいのかもしれない。
――その他、FF12の低レベルプレイでは、「詰み要素」「極端に長い稼ぎ作業」「難解なレベルアップ回避法や経験値配分」など、やり込みプレイ初心者に敬遠される要素が少なく、最序盤の経験値回避法(ダルマスカ砂漠での「ファイアフライ」の入手法、オリジナル版ならバルハイム地下道の脱出法)さえ把握しておけば、通常プレイの延長線上で楽しむことができる。ジョブ選びが少々悩ましいが、なんなら私のようにあみだくじで決めてしまっても良いだろう。総合して、「FF12の2周目プレイ」として違ったプレイ感覚を味わいたい場合に、そして「やり込みプレイの導入」として遊ぶ場合に、これほど優れた制限も無いというものであろう。そしてプレイ日誌を当サイトに投稿しよう!
待ってるよ!!
ちなみに。2017年から2018年のゲーム業界全体の流れはと言うと、ご存じの通り国内ゲーム産業においては、いわゆる「携帯電話向けゲーム」が「家庭用ゲーム」の5倍の市場規模にまで達しており、今後もこの流れは加速していくと思われる。また、ゲーム分野のみならず、メディア全体を通して「娯楽の大量消費化」が進んでおり、家庭用ゲームに興味を持つ人自体が少なくなってきている。さらに、海外の大作タイトルに比べ、国産ゲームの技術限界がますます顕著に現れるようになり、グラフィックは当然としてその他の面でも大幅な遅れを取っている。総合して、売り上げ面でも技術面でも、日本の家庭用ゲームは極めて厳しい状況に立たされており、この状況が改善される見通しも一切無いと言って良いだろう。
…そんな状況下で、かつてはその時代の最先端のRPGとして時代を切り開いてきた「ファイナルファンタジー」も、もはや役目を終えようとしている。紛い物ではない、ちゃんとした新作の“FF16”が出るという声は、未だに全く聞こえてこない。恐らく、PS4世代での発売は無理であろう。それどころか、「最先端のRPG」という意味でのFF完全新作は、もう永久に期待してはいけないのかもしれない。ましてや、それのマニアックな遊び方である「やり込みプレイ」など、言わずもがなという感じである。そもそも、「1本のソフトを深くやり込む」という価値観自体が、既に時代遅れのものになってしまったのだ。
――とはいえ。個人サイトでのやり込みプレイなど、既に化石のような文明であり、今さら少し市場が縮小したところでそれがどうしたという気持ちである。こういった、マイナー分野でも同好の士を集めて楽しめるのは、インターネット時代が作り出した新たな価値観である。だから、私がこのサイトをやめるなど有り得ないのだ。10年後も、間違いなくここで何かやっている。
ちなみに、私の次のやり込みに関しては、引き続き過去のFFシリーズに手を出したいという気持ちもあるのだが、それより前に、とりあえずは例のFF13企画を何とかしたいと思っている。元々、これはFF13の5周年記念としてスタートさせたものであったが(【日記:2014/12/17】)、いろいろあってプレイが伸びに伸び、3年以上が経った今となっても完結していないのである。
…その理由として、話数的には、既に大半が片付いているのだが、残った数バトルの難易度が強烈に高く、なかなか前に進めなくなってしまったのである。そして、長引いた結果として意欲も少しずつ低下してきてしまっており、このままでは未完で終わってしまう恐れすらある。だからこそ私は、FF12が終わったこのタイミングで奮起してやろうと決めたのである。それに、今でこそ閉塞感が物凄いが、何とかして一つ壁を壊すことができれば、その先は案外サクサクと進んでくれるものかもしれない。
――そして、ここを読んでいる皆さまにお願いなのだが、是非とも積極的にやり込みプレイを楽しみ、それを多くの人に伝えてほしいのだ。もちろん現在では、上記のように「娯楽の大量消費化」が進んでおり、「家庭用ゲームの縛りプレイ」という楽しみ方が著しく古くなっていることは認める。しかし、個人的には、「名作ゲームを違った視点から楽しむ」という遊び方は、今なお通用する価値があると思うし、そういった風潮が広まれば、また日本のゲーム業界がかつてのようなきらめきを取り戻せるかもしれない。どんな文化も、担う人が居なくなれば廃れてしまう。だからこそ皆さまにも、「やり込みプレイ」というゲームの面白さを、多くの人々へと伝える努力をしてほしいのだ。もちろん、私も全力を尽くすつもりである。
というわけで。長くなったが、約半年間に渡った「FF12HD/かんたん低レベルクリアー」の執筆も、これで本当に終わりである。
――さて。最後は、いつもの「ご愛読ありがとうございました!」で終わらせても良いのだが、今回は少し作風を変えて、別のネタで締めてみることにしよう。この締め方が、果たして定着するのか否か。それは後世の評価のみが判断することだ…。
(2018年1月8日)
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