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FF12HD/かんたん低レベルクリアー
(こいつ、直接脳内に…!) |
前回までで、この時点で戦えるHランクモブをキングベヒーモスを除いて倒せたということで、次はクリスタル・グランデ上層の攻略に挑んでみよう。
…ご存じ、「クリスタル・グランデ」は、古代都市ギルヴェガンの一部としてシナリオ攻略中に必ず訪れることになるが、その目的達成後に訪問できる上層には、非常に広大な迷宮が広がっている。その構造の複雑さはFFシリーズでもトップクラスであり、とりわけストーリー重視の親切設計になったPS以降のFFでは異質なデザインとなっている。敵も、純粋な強さではヘネ魔石鉱奥や大灯台地下に劣るものの、物語上のラストダンジョンである大灯台よりもレベルの高い相手が出現する。仕掛け的にも、位置や方向の区別がつかないうえに、制限時間付きのゲートがあるなど迷いやすく、難易度が極めて高い。
――そして、そのぶん報酬もたっぷりであり、特に両手剣の「エクスカリバー」については、オリジナル版とINT/PS4版で入手方法が異なるものの、よほど味方が弱くない限り容易にカンストダメージを叩き出すことができ、ゲームバランスそのものを左右しうるかのような強さを発揮する。その他、三大裏ボスの一角である「オメガmk.XII」が出現するなど、やりごたえバッチリの裏ダンジョンになっている。
というわけで。このクリスタル・グランデ上層は、個人的にはFF12を象徴する場所として初回プレイの時から強く気に入っているのだが、残念ながら一般的な評価は高いとは言えず、「迷って嫌になった」「めんどくさい」「何度も行きたくないので最後にまとめる」などという不評ばかりが目立っている。
…まあ、それはそれで理解できるのだが、とはいえ私としてはFF12の評価そのものを向上させるほどのダンジョンだと思っているので、皆にも気に入ってほしいと願うものである。というか、私自身も何故ここまで気に入っているのか分からないのだが、まあグラフィック・BGM・敵の強さから来る総合的な“裏ダンジョン感”に飲まれてしまったこと、そして久しぶりに探索面でやりごたえのあるダンジョンだったことなどが挙げられるだろうか。こういう、自分で遊び倒す感じのゲーム構成は、嫌いではないのだ。
そんなわけで、今回のPS4版の低レベルクリアーにおいても、このクリスタル・グランデの攻略を行っていく。
…目的は、INT版から大幅に性能が変わった「シカリのナガサF(旧名:ダンジューロ)」の入手と、そして召喚獣:“聖天使”アルテマの撃破である。まず前者に関しては、オリジナル版とINT版で武器の性能が大きく変更されたほか、PS4版では楽な入手法が変更されているため、今回は新要素を用いてサクッと手に入れてみることにしよう。また後者のアルテマ戦については、基本的に敵自体の内容はオリジナル版&INT版と変わらないのであるが、今回プレイではレダスという超小型新人が居るため、また異なる感覚で挑んでいくことができるだろう。
――そんなこんなで。FF12をプレイしたのが5年前ということで、このクリスタル・グランデに挑んでいくのも5年ぶりである。これまで、数々の名場面を作ってきたこの場所で、次はどんなドラマが生まれるのだろうか。それが自分で楽しみである。さあ、行ってみよう!!
フェニックスの尾やレイズでも倒せますが弱らせて分裂させることが重要 |
そんな感じで。古代都市ギルヴェガンからクリスタル・グランデへと進んでいく。まず行うことは、上層第2エリアのシルル層にて、ネクロフォビアを利用してラルヴァイーターを出現させ、パンネロの最強武器である「シカリのナガサF」を入手することだ。
…さて、この「シカリのナガサF」は、オリジナル版では「ダンジューロ」という名前であった。その内容は、ご存じの通り、短剣系統最強の武器であるが、攻撃力は僅か80と、店売り片手剣の水準である。もちろん、「スピードによっても攻撃力が上がる特性」や「CTの短さ」など、他の武器には無い特性もあるのだが、それらを完璧に活かしてギリギリ使えるかどうかというレベルであり、「裏ダンジョンに特殊な条件で出現するレアモンスターから極小確率で入手する」という入手難易度に見合っているとは言い難い性能であった。なお、ほぼ同じ境遇の装備に、「グランドヘルム」が存在する。
さて、そういった事情を考慮してか、INT版以降の「シカリのナガサF」は、オリジナル版とは別物とも言える強化を受けた。
…まず、攻撃力が80→104に、回避率が5→25に、それぞれ大きく上昇した。これらは、何かがぶち壊れたINT/PS4版のゲームバランスにおいてもなお強力と言える水準である。また、追加効果として「即死(70%)」というとんでもないものが用意され、耐性の無い雑魚をザクザクと切り刻んでいけるようになった。これまで、短剣カテゴリと言うと、ほぼ「マインゴーシュ」の印象しか無かったが、そこに登場した新たなる風雲児と言える存在であり、入手難易度に相応しい性能に強化されたと言って良いだろう。
――ちなみに、アルファベットの付いていない「シカリのナガサ」は、セロビ台地で手に入れられるほか、大灯台地下層でソウルオブカオスから盗めるようになっているが、Fと比べると何もかもが劣るうえに入手時期まで遅くなっており、オリジナル版のダンジューロにも匹敵しうる空気装備である。まあそれはそれで、原作の特性を引き継いでいると言えるのだが…。
そんな「シカリのナガサF」は、もちろん低レベルクリアーにおいても実用的な装備であるため、ここで入手をしておくのである。
…さて、その「シカリのナガサF」については、オリジナル版のダンジューロと同じく、クリスタル・グランデ上層に出現するレアモンスターの「ラルヴァイーター」が落とす。確率は「低」区分であるため、チェイン次第とはいえドロップ率は5〜18%(オリジナル版では3〜12%)である。一応、この点だけに関して言えば、「超低」ドロップのよりも楽だと言えるかもしれない。
――ところがどっこい。このラルヴァイーターの出現条件が、「クリスタル・グランデ内で連続して倒したモンスターの数が256体以上に達した時、転移装置のあるエリアに出現(2体目以降は30〜255体、条件を満たせば下層でも出現する)」と非常に厳しい。再出現させるのに時間が掛かることはもちろん、普通にやっていてはチェインを繋げることもできないため、異様に入手難易度が高くなっているのである。
というわけで。何も考えずに戦っているだけでは、恐らく数十時間というオーダーで戦わなければならないため、それを少しでも楽にするために、オリジナル版の際から様々なテクニックが考案されてきた。
…その中の一つに、「毒殺子ネクロ方式」と呼ばれているものがある。内容は、「ネクロフォビアの分裂(子ネクロ)を倒した状態でマップ切り替えを行うと、モンスターの撃破数が1増える」という謎仕様と、「毒で相手のHPをゼロにした際は別種のモンスターの場合でもチェインが切れない」「古代都市ギルヴェガンでバロンを倒してチェインレベルを上げておくとラルヴァイーター撃破時にもそのチェインが引き継がれる」というテクニックを組み合わせ、「あらかじめバロンでチェインを繋ぎ、ネクロフォビアの分裂を毒で倒したのちにエリアチェンジを繰り返し、チェインレベル最大の状況でラルヴァイーターを繰り返し撃破する」というものだ。この方法は、オリジナル版/PS2INT版では、今なお最も効率の良いものとして利用されている。“ヘルヴィネック方式”と同じく、様々のプレイヤーの創意工夫の中で生み出された方法であり、バグか仕様か微妙なテクニックを組み合わせているところなど、まさしく“FF12らしい”と言えるものであろう。低レベルクリアーなどの制限プレイだけが、FF12のやり込みでは無いということなのだ。
開幕ウェーブパルサーで地味に崩されたりもする |
しかしながら。PS4版においては、新たに追加されたオートセーブ機能を用いることにより、これまでより遥かに簡単に入手をすることができる。
…やり方は簡単、まず使うのは、PS2版の時と同じく、「ネクロフォビアの分裂を倒した状態でマップ切り替えを行うと敵撃破数が1増える」というテクニックである。ただし、今回はオートセーブによってやり直しが非常に容易であるため、あらかじめバロンのチェインを繋げておく必要は無い(そもそもオートセーブではチェイン数は保存されない)。そのため、分裂したネクロフォビアも、普通にダメージを与えて倒すことができる。
――さて、ネクロフォビアは、物理攻撃と「死の宣告」「デス」「ダーラ」を組み合わせて攻めてくる。そのダメージは、さすがに裏ダンジョンに登場する敵ということで、まともに浴びているとそこそこ苦しいため、「ダーラ」をデモンズシールドや黒の仮面で吸収し、あとは暗闇状態を掛けたうえで、盾役のパンネロをデコイ+プロテス+シェル状態にして戦っていく。しっかり対策を練っていけば、そこまで恐れるべき相手ではないだろう。
そんな感じでネクロフォビアを倒したら、次は高速モードにして、転移装置のあるマップとのエリアチェンジを繰り返す。ちなみに、「分裂」で出現したネクロフォビアを2体以上倒していると、その分だけ敵撃破数も一度にカウントされる…かどうかは分からないが、高速モードとPS4の読み込み速度を活かせば、こちらもPS2でプレイしたときよりも素早く条件を満たすことができるだろう。
…そうしてラルヴァイーターを出現させられたら、いつも通りHPをギリギリまで削ったのちにエリアチェンジをして、オートセーブのデーターを作成する。これで準備は完了である。あとは、「オートセーブのデーターを読み出してラルヴァイーターを倒す」→「シカリのナガサFを落とさなかったらリセット」を繰り返せば良い。オートセーブ法の欠点として、バトルチェインを繋げられないことがあるが、そもそもチェインしない今回の方式では関係なく、入手率は5%のままであるが、1分程度で何度も簡単に繰り返すことができ、疲れた場合には中断することも可能であるため、PS2版の際よりも遥かに楽に入手をすることができる。問題点は、PS4版のクソみたいなセーブ/ロード画面のUIにイライラさせられるくらいだ。これから毎日ラルヴァを焼こうぜ!
そんな感じで。エリアチェンジ際まで引き寄せたラルヴァイーターを倒し続け、無事に「シカリのナガサF」を入手することに成功した。
――さて、掛かった合計の時間は、最初のラルヴァイーターが出現した時から15分ほど、ネクロフォビアを倒し始めた時点から数えても40分程度である。オリジナル版では、あまりにも入手難易度が高く、一種の畏怖の念すら持たれていた超レアアイテムが、今ではここまで簡単に手に入れられるようになったのだ。便利な時代になったと考えるか、それともFF12の醍醐味が無くなってしまったと考えるか。人それぞれというものであろう。ちなみにレダスは経験値を回避できないので終始寝かせていました。
この方はまた今度 |
というわけで、その後はいつも通り、トレジャーを集めながら最深部のセーブポイントを目指して進めていく。
…さて、ここで入手できるアイテムについても、他マップと同じく、INT/PS4版にて大幅に変更されている。最も需要が高いと思われる「エクスカリバー」については、オリジナル版では微妙に分かりづらい場所に微妙な確率で置かれているという世にも微妙な物語となっていたが、ゲームバランスさえ左右しうる極めて重要な武器ということを考慮してか、INT/PS4版ではアルテマ戦のマップの中心という極めて分かりやすい場所に配置されるようになった。
――というわけで、情報無しでも取り逃す恐れは無くなったが、今度はアルテマを撃破しなければ持ち帰れなくなり、厳しい制限プレイでは使うことが困難になってしまったという欠点がある。また、白熱する召喚獣戦の最中にマップのド真ん中に堂々とトレジャーが置いてあるのにも、何ともいえない間抜けさを感じざるを得ない。拾って早速アルテマ戦で使えるわけでもないし(聖属性なので普通に吸収される)、この気持ちは何だろうか…。
その他のアイテムに関しては。今回プレイでは、セロビ台地で最強系をほとんど集めてしまったので、まだ未入手かつ実用性のあるものは、「シェルガ」「ヘイスガ」くらいのものだろうか。ご存じの通り、INT/PS4版では、一部の魔法はトレジャーからしか入手することができない。
…さて。このうち、「シェルガ」に関しては、「リボン」の入手難易度がとても高いINT/PS4版では、多数のステータス異常を発生させる敵との戦いで便利であるが、一方の「ヘイスガ」に関しては微妙なところである。というのも、ヘイスガを唱えられるのは時空魔戦士のバッシュ(とファムフリートを習得させた場合の機工士)のみであるが、最大MPが36しか無く、MPを上げる魔装備もできないため、「賢者の指輪」で消費MPを56→28に下げなければ決して唱えることはできないからだ。効果も、そもそもFF12のヘイストはあまり強力ではなく、使う場合も「ヘイスガの魔片」で代用できるとあって、魔法ヘイスガの立場は散々なものである。『10』では、使用者の次のターンが回ってくることがかなり遅くなる点を除けば、極めて強力な魔法だったのであるが…。
――やれ。恐らく、時空魔戦士はサポート系であるため、魔力も最大MPも必要以上に上げなくても良いということで、重装備でボウガンの火力を上げていく方向性になったのだろう。ところがどっこい、低レベルクリアーにおいては魔力MPカスかつ物理攻撃も中途半端という見事なまでの地雷ジョブになってしまった。2ジョブ制の今回ならともかく、1ジョブ時の低レベルクリアーにて前向きな理由で選んでいった人は居るのだろうか…?
初回プレイでこのセーブポイントが見えた時の気持ちは今でも覚えています |
そんな感じで。上層第4フロアの、セーブポイントが存在する「カンブル・ピス」に到着をする。ここの3つの分かれ道は、1つは真の最深部に進むためのゲートへ、もう1つは上層の入り口にワープするための転移装置へ、そして最後の1つはボスの待つ「クリスタル・ピーク」へと繋がっている。初回プレイの際は情報無しで探索を続けており、無限に続くかと思われた迷宮でセーブポイントを発見し、いたく安心したことを覚えている。
…が、ここは所詮道中が終わっただけであり、この先では召喚獣の聖天使アルテマが待ち構えている。また、三大裏ボスのオメガmk.XIIと戦うためには、更にゲートを開き、クリスタル・グランデの中央にある「デボン・ザイレム・サ」まで足を進めなければならない。これほど深いダンジョンの奥地にまで進んで、やっと探索の拠点となる場所を得たに過ぎない。まさしく、FF12の真骨頂と言える地点であろう。
――というわけで、次は召喚獣の“聖天使”アルテマへと挑んでいくのであるが…このアルテマは、設定上は三大裏ボスのゾディアークにも匹敵しうる力を持っているはずなのだが、実際のバトル面ではそれほど強力な相手ではないということがよく知られている。全13体の召喚獣のうち、最強は間違いなくゾディであるが、残念ながら2番手もアルテマとはならないだろう。その詳しい理由等も含め、また次回で詳しく扱ってみることにしようか…。
(2017年10月19日)
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