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パラダイムシフトなしクリアー (倉坂式)

 

《クイックリンク》
1. 序文検証 / 2. 主に使用したパラダイム / 3. キャラクター紹介 / 4. 仲間モンスター
5. 期待の新人 / 6. 環境の変化 / 7. 結果発表 / 8. 謝辞・引用資料
超長いです。「環境の変化」セクションは初プレイ故に書いた側面もあるので、
興味のない方は読み飛ばしても良いと思います。

■はじまりの言葉

単刀直入に言うと、バランス良くなってます。
雑魚はしっかり雑魚。ボスはしっかりボス。
レベル上げをしていないのに、雑魚一戦が10秒以内で終わるものもあります。
レベルを上げれば2秒とかもありました。
ボタン連打でクリアできる、いつものJRPGの感覚です。
逆にボスは、ちゃんと頭を使って、集中しないとクリアできない。

何より嬉しいのが、雑魚戦を回避することが容易になったことです。
自分は、ラスボスに行くまで可能な限りすべての敵から逃げましたが、
それが可能ということです。
音楽の件もあって、雑魚戦で受けるストレスが、
前作XIIIとは比べ物にならないくらい緩和されていますね。テンポがすごくいいです。

 (シャーマンふみいちのオラクルブログ
  2011/11/27「『FINAL FANTASY XIII-2』 プレイレポート【第六回】」より抜粋)



 さて、第一回の冒頭で、私は「ボタン連打でクリアできるいつものJRPGの感覚」である、というテストプレイヤーの言を検証する、という大義名分を掲げました。JUDGE 13――というかふみいち氏の記事の話題はここ「やり込み in FF」でも批判的に採り上げられましたし、つるさん自身も「FF13は本当に連打ゲーなのか?」という形で動画をアップロードしておられますが、それはまた別の話。
 既にJUDGE 13のページは閉鎖されており閲覧することは出来ませんが、各テストプレイヤー氏が個人で運営しているブログにも記事が投稿されていたらしく、現在でも掲載されていた記事を読むことができます。興味のある人は、探してみてはどうでしょうか。
 ――まあ、個人的には、何故発売3ヶ月で特設サイトを閉鎖してしまい、その後のフォローを公式で行わないのか、と言う点で疑問を呈さざるを得ないのですが。beatmaniaIIDXなんて、10年前の作品すらホームページが残ってるのに。
 ……正直なふみいち氏のレポートに対する感想を述べれば、プロ・ゲーマーとして評論家を名乗り活動しているくせに、辛口と悪口を履き違えているとしか思えない、と言うのが当時のものです。いやー「魅力的()なキャラクター」とかあっさり公式の宣伝で書いちゃうとかないわー、もっと評論家として選べる言葉あるだろー
 ニコ動の実況者あがりならばこの程度の文章しか書けないのか、と思わず戦慄したものです。それが当てはまるなら、自分もとびっきりのクズなのですが。同じ実況者あがりなのだから。

 では、この発言について、クリア後の視点から検証してみましょう。

>雑魚はしっかり雑魚。ボスはしっかりボス。
 逆に問いたいのですが、通常エンカウントする敵は雑魚敵でなければならないのでしょうか。確かに、FF13の通常エンカウントは敵が強めでしたので、従来のRPGと同じような進め方をしようとすると苦戦必至であるのは確かではあります。まあ、そんな「従来のFFとは違うバランス」に魅せられたプレイヤーも少なからずいるでしょうし、私もそのひとりでした。
 では13-2の雑魚敵がどうだったかと言うと、好意的に見るなら「ゲーム全体の攻撃力が下がったため、敵のHPもそれにあわせて減少した」と言えるでしょう。逆に言えば、ENH/JAMを駆使するプレイヤー、つまりFF13をしっかり考えてプレイした方々にとっては、それが“ヌルい”と言われる原因ではないかと思います。実際、私もパラダイムシフトを禁止しているからこそ頭をひねっていたと思います。
 今作は、いわゆる“レベルキャップ”が存在しません。通常プレイのステータスがどの程度かという目安は知りませんが、私のプレイはどちらかと言えば低ステータス寄りの路線でしょう。それでもパラダイムシフトを行わずにほぼ全てのダンジョンを踏破できます。多少のステータスの低さはパラダイムで補えるため、しっかりレベルを上げれば“雑魚は雑魚”なのでしょう。もっとも、ベヒーモスのようなFF8のアルケオダイノス的雑魚敵もいましたが。
 ――そしてボスも○ボタン連打で倒せると言うことは、本プレイで証明いたしました。
 しかしこれは「ボスも雑魚」というわけではありません。何も考えず、下準備も無しに○ボタン連打で倒せた、というボスはほとんどいませんでした。強いて挙げるとすれば、「パラドクス・アルファ」が該当するでしょう。

>レベル上げをしていないのに、雑魚一戦が10秒以内で終わるものもあります。
>レベルを上げれば2秒とかもありました。

 おそらくこれは、ネオボーダム等のネクトン+メイオベントスを奇襲した時の発言でしょう。確かに適正レベルでも10秒程度で終わります。
 が、下の行。私はEpisode 4クリア後、タバスコガマを仲間にするため一度ネオボーダムに戻っているのですが、この時の奇襲成功時の最短タイムが2秒程度でした。戦闘タイム2秒ということは、開幕の一撃で敵を倒しているはずです。この発言は、わざわざ過剰なレベル上げを行う十分に育った後で序盤のマップに戻り、一方的に敵を倒したという氏のプレイスタイルを表しているものと考えられます。
 おそらく、氏はJRPGについて「過剰にレベル上げをして、無双プレイをするのが基本的な遊び方」と断じているのでしょう。でなければ、「2秒で倒せた!」というような発言をわざわざしないはず。そしてこれで、氏が特にFF13のバトルが嫌いな理由が推測できました。レベルを上げられないのが嫌なんですね? 雑魚敵で苦戦するなんてありえないと、そんな幻想を抱いていらっしゃるのですね?
 そりゃあ、ポケモン赤緑で「カメール使えばタケシとか余裕だしwwwそもそもトキワの森に入る前に進化させるだろjkwww」みたいなプレイスタイルの人が何も考えずにFF13をプレイしたらそうなるわ、と。
 ペルソナシリーズの中では比較的難易度が低いと言われているらしいペルソナ4をやったことがあるのですが、それでも○ボタン連打なんてしなかった。まあ一周目ながら直斗(ヤマトタケル)でひたすらマハムドオンとマハンマオン(全体即死魔法)をばらまいてたんですが。私の方がタチ悪いかもしれない。

>何より嬉しいのが、雑魚戦を回避することが容易になったことです。
>自分は、ラスボスに行くまで可能な限りすべての敵から逃げましたが、
>それが可能ということです。
>音楽の件もあって、雑魚戦で受けるストレスが、
>前作XIIIとは比べ物にならないくらい緩和されていますね。テンポがすごくいいです。

 FF13も大体似たようなこと出来ますよね。FF13の場合に関する検証は、ポッチさんのCP最小クリアを楽しみにしております。
 しかし、個人的に雑魚戦で受けるストレスは今作の方が上です。
 確かに一般的な敵との雑魚戦回避は容易になりました。しかし例外もあり、鳥人種とエンカウントする場合、こちらのバックを取って高速で掘りに来るか、プレイヤーの目指す場所に重なるように出現するため、逃げ切るどころか先制攻撃を取ることすら困難です。いざ戦闘になると、ガンダヤクスやヤシャ等の武闘派鳥人はカット値が高いダウン攻撃やら打ち上げ攻撃やらを仕掛けてくるので、更にストレスが溜まります。また、Episode 4以降、チェーン耐性・ブレイク値に対してHPの低い敵が多く出現するようになり、FF13系のバトルの醍醐味である「ブレイクしてからの反撃」という爽快感溢れる戦いができなくなったのも辛かったところ。すぐに死ぬアポタムキンはともかく、ウドーはキツかった…。
 まあ、エンカウントそのものが最大の苦痛と感じる人も多かったであろう「新都アカデミアAF400年」「アガスティアタワー」については、ネタバレに足を突っ込んでしまうので書かなかったのでしょう。まあ、これは発売前の宣伝を含むレポートだし仕方ない。それとも、敵が弱いからばっさばさと薙ぎ倒すことに酔っていたのでしょうか?
 ……というか、FF13の通常プレイにおいて雑魚戦でストレス受けた覚えなんてないんですけども、きっとこれは感性の違いなのでしょうね。自分で言うのもなんだけど、FF13は従来作と違う点が多すぎて、人を選ぶゲームではあった。
 音楽については、氏の言う通り "Aggressive Mix" は良いアレンジでした。あと『疾走』は本作を語る上で外せないほど印象に残っています。

 エンディングについては、特に語りません。
 そういうのは、専門の考察の場に任せるべきでしょう。


 それでは、プレイ日誌最終回である今回は、主に活躍したパラダイムやモンスターについてまとめることにしたいと思います。


■主に使用したパラダイム

(A) 攻撃編
「[N] ATK+ATK      (初期パラダイム)
「[N] ATK+BLA+BLA  (ゴグマゴグ戦など)
「[X] ATK+ATK+ATK  (新都アカデミアAF400年)

 前作でも活躍した「ATK+BLA+BLA」は、レベル上げを控えめにした本プレイでは、そこまで出番のあるパラダイムではありませんでした。しかし「ゴグマゴグ」戦(死にゆく世界)での速攻に起用した他、序盤の戦闘はこれだけで終わるものも少なくありません。
 その一方で、悪い意味で今作の環境を物語っているのが「ATK+ATK+ATK」でしょう。FF13でも亀の頭をいじめる総攻撃に使ったことはありますが、まさかこれをデフォルトのオプティマにセットして戦う日が来るとは、まるで思わなかった……。
 また、「ATK+ATK」という初期パラダイムにも、感じ入る物があります。本プレイでは初回ぐらいしか使わなかった「後ろに下がる作戦」ですが、このパラダイムがなければ考えもしなかったと思います。


(B) 攻撃&回復編
「[N] ATK+BLA+HLR  (多くのボス戦で使用)
「[N] JAM+BLA+HLR  (ラストバトル4連戦、ゼノビア戦)
「[X] ATK+ATK+HLR  (新都アカデミアAF400年)

 こちらは、前作でも割とスタンダードなパラダイムとなっています。…最後の一つを除いて。
 今作のボスは「有効な弱体魔法がやたら少ない」「そもそもJAMが弱体化している部分がある」と言った理由から、JAMの採用は見送りがちでした。それでもラストバトル四連戦は全て「JAM+BLA+HLR」で乗り切っており、弱体化しているといえども未だその強さを誇っていました。


(C) 絶対防御将軍編
「[N] ATK+BLA+DEF  (各ロケーションでの雑魚戦)
「[X] ATK+ATK+DEF  (死にゆく世界)
「[W] JAM+BLA+DEF  (ヲルバ郷・カイアス戦)
「[N] JAM+DEF+HLR  (ブッカブーエース戦)

 防御を固めながら攻撃する、という点で、今回のプレイに独特なのが「ATK+BLA+DEF」でしょう。今作では敵の攻撃力・耐久力と比べ、耐久力が圧倒的なDEFがいくつか存在します。その特性を活かし、HLR無しでDEFを運用することも可能でした。これは、前向きに環境の変化と取っていいのかもしれません。
 前作の「オプティマ変更なしクリアー」では「JAM+JAM+HLR」「ATK+ENH+HLR」が他に挙げられていたのですが、今回はそのような「徹底的防御」を必要とされる作戦は立てず、またそれを強いられる敵と戦うことを避けてきました。
 また「JAM+DEF+HLR」は出番こそ少なかったのですが、ブッカブーエースという最良の仲間モンスターを入手するためには不可欠なパラダイムだったと言えます。


(D) ネタ編
「[N] ATK+HLR+DEF  (ランツクネヒト型戦)
「[N] DEF+DEF+HLR  (没・ウガルルム戦)

 そしてお馴染み「ATK+DEF+HLR」……なのですが、今回はゴブリンチーフや銀チョコボなど、非常に攻撃的な性質を持つDEFが存在します。そのため、一概に「ネタ」と言って良いかどうかは非常に迷うのですが、つるさんに倣いここにカテゴライズすることにしました。本編での使用はランツクネヒト型との戦闘の他、検討の末撃破そのものを後回しにしたオーディン戦、インヴィンシブル戦のみでした。
 しかし、本作ではそれを遥かに上回るネタパラダイムが存在します。それが「DEF+DEF+HLR」。攻撃手段を『リベンジガード』『リベンジチャージ』「シンクロドライブ」に頼るという驚愕のパラダイムであり、実用性はまず無いと言っていいでしょう。実用は不可能に近いと言えます。


■キャラクター紹介

 実を言うと、私のプレイ記録を残している場所を知っている方ならご存じかもしれませんが、私もクリア後にキャラ短評を書くようにしていました。やはりこれも、つるさんの影響が大きいものです。というか、自分がプレイ記録と配信の二足のわらじを履いてここまで続けてきたこと自体、つるさんへの憧れがあったからに他なりません。
 今回はどちらかと言えばモンスターの方が活躍していたのですが、人間キャラ2人にも見所があります。今回のプレイの観点から、評価してみたいと思います。

◆セラ―― 活用したロール:ATK/BLA/JAM

 前作におけるライトニングの互換とでも言うべきキャラクターで、動作が速く、BLA/JAMを得意としている。個人的にはライトとヴァニラの平均ぐらいかなと思っている。
 前作のJAMについては、デスペルを除く弱体系を使いこなすライトニングの評価はそこそこ高かったが、これは今作においても言える。人間には使えない妨害系の出番は今作でもやはり少なめであり、必要な場合はJAMではなくサポテンダー等のシンクロドライブを使用する方が効率がいい。その一方で「全ての弱体魔法を使える」JAMというのがとりわけ少なく、人間のJAMはモンスターよりも優位な部分があるのだ。
 魔法攻撃を得意としており、ブッカブーエースとのシナジーも強かったのはメリット。
 ライブラ情報さえオープンされていれば、パラダイムシフトが無くとも後ろに下がることが容易であり、全体的に操作のしやすいキャラクターだったと言える。
 しかし不満もある。HPが低いことはまだしも、どうもダウンさせられると立ち上がるまでにかなりの時間を要してしまう。即座に受け身を取って立ち上がるノエルとは大きな違いだ…。

◆ノエル―― 活用したロール:ATK/BLA/HLR

 こちらは、前作とはまた異なるキャラクターなのだが、スノウとホープを足して割った感じのキャラクターというとまた違うだろう。得意ロールはおそらくENH/HLR。
 後ろに下がれない、という難点はあったが、こちらもまた強キャラである。本プレイの環境下で『ケアルダ』を使用できる唯一のキャラクターとして、後半戦ではHLRとして活躍した。――ただし、今回のAIの都合上、『ケアルダ』の使用頻度はそう高くなかった。
 また、ダウンからの立て直しが素早く見ていて爽快である。実際に動作を再開するまでの時間を計っていないので、セラと案外と差が無いかもしれないが……。
 JAMについては、セラからガ系を抜き、バッドタイムを失ったと言うと分かりやすいのだが、アビリティ修得が遅いため、ロールの獲得こそしていたが、レベルは上げていなかった。


■歴戦の英雄達

 今回のプレイにおいて自分が一つ残念に思っていることが、「やり込みプレイならでは!」と言う、奇をてらったモンスターの起用ができなかったことです。ここまでのプレイ記録を見ても分かると思うのですが、おそらくは“定番”とされているモンスターばかりが名を連ねています。
 しかし、それは同時に非常に強力な理由があるから使われているということです。
 数こそ絞られていますが、本プレイで活躍したモンスターを、おさらいも兼ねて紹介したいと思います。  やりにくいのでであるだ調で――ってなんか長え!

◆黄金の機兵―― DEF/「イェニチェリ」

 一通りのガード系アビリティを揃えた王道ディフェンダー。本プレイにおいて、Episode 3〜Episode 4のモンスターを仲間にする際、その攻撃を一手に引き受けた、最も信頼できるディフェンダーであった。
 Episode 2で仲間に出来るだけでなく、基本的なガード系アビリティを全て覚え、『エリアバリア』でメンバーを守り、『HP+25%』による耐久性もバッチリ。特に重要な仲間モンスターを集める際には、DEFとして最も信頼の置けるイェニチェリを起用してきた。
 実は、『リジェネガード』を早期に覚えられるDEFというのは貴重である。そもそも『リジェネガード』を覚えるDEFは全14種中たった6種類だけで、その中から低レベルで覚えるのは「ランツィーラー型」(Lv.1)「イェニチェリ」(Lv.12/720ギル相当)のみ。ランツィーラー型については出現地域がヴァイルピークスAF200と加入が遅く、次点はゴブリンチーフ(Lv.34/27,000ギル相当)や銀チョコボ(Lv.29/94,650ギル相当)になる。残りの二種類については成長コストが重すぎて40万ギル以上掛かるという奈落っぷりなのでそっとしておこう。
 そのため、本プレイにおいてDEFと言えばまずイェニチェリであり、そして本編をクリアするまでイェニチェリ一本で戦い続けた。イェニチェリがなければ、ブッカブーエースをはじめとした、本プレイで活躍し続けたモンスターは一切仲間にできなかっただろう。
 ボス戦での出番こそ無かったものの、仲間モンスターを集める度に、またダンジョンを進める度に戦線を支え続けたこの鋼鉄の機兵こそ、本プレイにおける最大の功労者である。まさしく黄金の鉄の塊。
 全く余談なのだが、仕方のないことではあると思うが、本作の仲間モンスターはATK(48種)>BLA(34種)>JAM(26種)>ENH(20種)>DEF(14種)>HLR(11種)の順で数が多い(DLC絡みの特殊なモンスターを除く)。もっとDEF・HLRの数は増やしてよかったと思うんだけど、差別化が難しいからか。

◆魔侯襲来―― BLA/「ブッカブーエース」

 続いて紹介するのは、ラストバトル4連戦やカイアス(ヲルバ郷)など、不死武士節々の重要なバトルで活躍した本プレイのエースである。
 振り返ってみると初期ステータスが飛び抜けて高く、無成長でもプレイ終了時の人間の攻撃力とほぼ同じであった。成長させることでその魔法攻撃力は900を超え、それを自らのシンクロドライブでさらに1.75倍にすることができるため、その実質的な攻撃力は1500を超える。プロテス・シェル効果も重要で、成長度合いの足りない人間を守るため、火力を高めるため、まさしく八面六臂の大活躍であった。
 本プレイの観点からバランスブレイカーを1つ挙げるならば、間違いなくこのブッカブーエースになるだろう。それほどの活躍をし、まさしく名前の通りエース級の活躍をした。

◆獣王驀進―― ATK/「ベヒーモス」

 ブッカブーエースよりも早期に仲間になり、対となるシンクロドライブを持つのがベヒーモスである。その攻撃力も(当時の)ノエルに比べて遥かに高い。そのため、序盤の戦闘においてはベヒーモスがATKを務め、人間はBLAやHLRを務めることも少なくはなかった。
 しかし欠点もある。システム上の問題だと思うのだが、今作の仲間モンスターは、ゲスト扱いであるスノウも含めて、『スマッシュアッパー』で打ち上げた敵を『たたかう』で追撃できないものが多い。そのため追撃は『ルイン』となるのだが、ベヒーモスは物理特化型のアタッカーであり、魔法攻撃力はパッとしないのだ。この点がどうにも噛み合わないのが難点となった。また、特にベヒーモスを起用した戦闘は、シンクロドライブが主目的であることが多かったため目をつぶっていたことなのだが、近接物理攻撃が届かないというケースも多かった。さらに、同額で圧倒的な攻撃力を得られるドラゴネル型や、シンクロドライブに無駄のないブッカブーエースの台頭もあり、枠争奪戦からは遠のいてしまった。
 システム的な制約に縛られ、最終評価を落とさざるを得なかったモンスターである。しかしアロアダイ戦における活躍は、特筆すべきであろう。

◆竜魂乱舞―― ATK/「ドラゴネル型」

 通常プレイでもその高い攻撃力を活かして活躍が期待されるモンスター。属性耐性も何も無い敵が相手なら、自力で1000を超えるダメージを叩き出すため、短期決戦には何かと有効である。
 本プレイにおいてもそうだったが、このモンスターの真価は「攻撃力が600まで上昇する」では無く、「安価に高攻撃力を得られる」という点であろう。
 また、ドラゴネル型は『たたかう』が遠距離攻撃であり、前に進みがちなノエルと距離を取れること、普通の『たたかう』が届かない位置にも物理攻撃が出来ることも特筆すべき点である。デミ・ファルシ=アダム戦やゴグマゴグ戦では、この特性が非常に役に立った。


■未来への投資

 本プレイでは日の目を見なかったが、使いどころはあるのではないか、と思うモンスターについても紹介します。これはあくまで自分が仲間にしたモンスターの内、という条件も付くため、探せばパラダイムシフトなしクリアーにもっと向いているモンスターがいるかもしれません。
 なお、ここでは一般に強力とされるモンスターがいくつか挙げられています。これは、本プレイでは「加入時のステータス」はもちろん、「成長にかかるコスト」「実際の成長具合」も考慮した上で壊れモンスターたちを採用していたため、投資額の重いモンスターは敬遠されていました。おおよそ、いわゆる「G1大器晩成」タイプのモンスターであれば、Lv.30までに即戦力と思えるだけのモンスターにならなければ採用していない(例:青チョコボ)し、BLAについてはブッカブーエースを外してまで採用したかったモンスターがほとんどいなかった、とも言えます。

◆ATK/「シルトパット月光」
 シンクロドライブに「挑発」の効果を含むATK。物理魔法半減の特性から、耐久型アタッカーとして期待を持っているプレイヤーもいたようだ。
 本プレイでは「複数のロールにまたがるシンクロドライブは強い」という観点から集めたかったモンスターの1体である。しかし出現率が地味に低く、旬な頃に仲間にすることは出来なかった。

◆ATK/「ウミウシモドキ」「メイオベントス」
 どちらもネオボーダムAF003年で仲間になり、かつ早い段階で『ブレイブ対抗』を覚えるアタッカーである。
 この『ブレイブ対抗』、敵のデスペル耐性を無視してブレイブ状態を奪い取るという特殊な性質を持っているらしく、限定的ではあるもののJAM内蔵のアタッカーとして運用できる可能性を秘めている。
 ではどこで使うかというと、ミュータントマト戦である。『あおすじプッツン!』の効果で永久ブレイブ効果を得るため、ここから自己強化して戦うことが出来る。もっとも、実際に使った訳ではないのでどのような動作を取るかはわからないのだが…。

◆BLA/「ネクトン」
 シンクロドライブが強力なブラスターで、何故出番がなかったのかわからないと言う方もいたのではないだろうか。ブラスターとしては全体的にそうなのだが、ブッカブーエースが余りに強すぎて他のモンスターを食ってしまった。
 シンクロドライブによりJAMを内蔵しているブラスターであり、育てればなかなか強いモンスターである。また最終的に雷属性魔法も覚えられるため、継承無しの場合には複数属性の魔法が使えると言う点でも重宝されるだろう。

◆BLA/「ワサビガエル」
 こちらは、育てきれば最強BLA候補とされるほどのモンスターであり、シンクロドライブも強力。事実、何度か使用を検討している。
 しかし大器晩成のために必要とされる投資が高く長く付き、いわばストーリー攻略後の“コンプリートプレイ”向けのモンスターと言えるだろう。また、継承無しの場合はエアロ系のアビリティしか使えないのも痛い。
 唯一ミュータントマト戦で起用されたが、まだまだ起用できる場所はあるはずだ。

◆BLA/「ダウンプア」
 ブッカブーエースに比べ、極めて攻撃的なシンクロドライブを持つモンスター。
 最終局面でこそ継承を解禁したものの、ダウンプア自身はブリザドを覚えないため、自身のシンクロドライブや『オートエンブリザ』の恩恵にあずかりにくいのが難点となった。
 視点を変えれば、「レベルを上げないことで行えなかった戦術」の犠牲者と言えるかもしれない。

◆DEF/「ゴブリンチーフ」
 今回はつるさんの「オプティマ変更なしクリアー」よりもDEFが強力なのだが、その中でも『キアイをいれろ!』で神扱いの座に上り詰めたゴブリンチーフは、ほとんど出番がなかった。
 耐久力でイェニチェリにどうしても劣るのが理由と言えば理由なのだが、シンクロドライブが地味に使いどころのない感じだったのだ。物理攻撃したいタイミングってあんまりなかったからなあ…。
 しかし、やはり強力なモンスターであることは事実。どこかで使えないものだろうか…。

◆DEF/「ランドガレオン」
 初期から『挑戦状』を持ち、シンクロドライブで敵を押し出しながら挑発効果を与えるという、DEFとして堅固かつ優秀な特性を持っているモンスター。
 しかし成長アイテムがグレード4と入手が遅く高価で、アビリティも優秀なラインナップとは言い難いため、イェニチェリが優先された。


■環境の変化

 FF13からFF13-2にモデルチェンジした時に、いくつかの要素が追加、あるいは削除・調整されました。その点についても振り返ってみます。

◆ブラッドダメージ

 仲間モンスターを除く本作最大の追加要素は、やはりこのブラッドダメージでしょう。
 最大HPが削れるため、「ATK+DEF+HLR」のような長期戦志向のパラダイムは使用を制限されます。しかし今作は攻撃力の上がり方もマイルドになった分、敵のHPが全体的に低いため、ほとんどが短期決戦となりました。短期決戦については、その最たるものが死にゆく世界でのゴグマゴグ戦でしょうか。
 あまり意識されることがない事ですが、ブラッドダメージには上限があり、最大HPは元々の30%を割ることはありません。このため、育成の目安として「ブラッドダメージ上限でも攻撃を1回耐えられる」というHPは非常に重要なものでした。アイテムが使用できなかった故にブラッドダメージを効率よく回復する手段は一切無く、ブラッドダメージも作戦のひとつに組み入れての考察が必要となりました。いい調整だったと思いますが、アイテム蘇生で一気にブラッドも回復しちゃうのがなあ。

◆エンハンサー

 ブレイブ・フェイスの倍率が1.75倍となり、前作よりも大きく強化されました。
 しかしその一方でセラとノエルは防御系魔法しか使えなくなり、使い勝手が大きく悪化しました。
 ブレイブ・フェイスの調整は、やはり「モンスターの選択で悩んで欲しい」ということから、敢えて引き上げたのでしょう。デプロテ・デシェルは人間にも使えるから弱体化させたのでは、と思います。
 しかし、ブッカブーエース・ゴブリンチーフの存在により、本プレイでは存在意義を完全に奪われてしまった悲劇のロールとなりました。
 本プレイでは一度も起用されなかった上、セラとノエルはロールの解禁すらしませんでした。前作でしっかりと猛威を振るっただけに、この調整はどこか納得がいかないものがあります。

◆ジャマー

 こちらはデプロテ・デシェルの倍率が1.3倍となり、前作よりも大きく弱体化しました。
 一方でバイオの威力が跳ね上がり、新要素のブラッドダメージを使いこなすロールとして、カイアス戦でお世話になった方も多いのではないでしょうか。
 本作でもバイオ・ウィークを目的に投入されることが多く、こちらは弱体化したとは言え前作に引き続き猛威を振るいました。一方で、雑魚戦においてはほとんど起用されませんでした。ブッカブーエースやベヒーモスなど、格上の敵を毒殺する時にしか使ってないなあ。

◆装備能力制

 意外と苦しんだのが、この装備能力制です。初期値50、その後70→90→100とクリスタリウムレベルアップボーナスで上昇させられますが、コスト30や40の装備が割と多く、コストを使い切ることはほとんどありませんでした。逆に言えば、この装備能力の上昇もレベルアップの目的に入っていましたね。
 「どの装備をするか悩んだ」という点では、なかなかいい調整だったのでは。
 アップデートやDLC的に、今後この装備能力の上限が上がるのではないかとも推測されていますが、おそらく本プレイで上限解除を扱うことはないでしょう。


■had a fun

 そんな「パラダイムシフトなしクリアー」、いかがだったでしょうか。
 主制限は「パラダイムシフトを行わない」のみとしたのはこれが私にとって13-2の初回プレイだったため見通しが立っていなかったのが主な理由でした。
 最終盤というかラスト4連戦は全て同じパラダイムという大問題な結果となりましたが、メインの制限を守りきってのクリアを達成しました。最後に、他の「努力目標」と実際の内容を比較してみます。

○メイン制限

「戦闘中にパラダイムシフト操作を行わない」
→達成できました。
 パラダイムシフトを行わず、無事にFF13-2本編のクリアに成功しました。

○努力目標

「『コマンド』による手動操作」「アイテム」「手動でのリーダーチェンジ」
→使用しませんでした。

「攻撃対象の変更」
→十字キー/左スティックを使用しての変更は行いませんでした。
 ただし、「パコ・アメシスト&パコ・ルブライト」戦で、
 「リーダーが戦闘不能になった時に攻撃対象が変更される」現象を利用しました。

「継承」
→『バハムート・ウォロー』戦において人間を低レベルに保つため、
 ブッカブーエースにモンスター5体を継承しました。

「フラグメント武器」「源氏シリーズ」
→可能な限り他バージョンでの再現を取れるようにするため、
 本プレイでは使用しませんでした。
(源氏シリーズのアクセサリは、ver 1.01以降でのみ購入できます)

「逸楽の宮殿ザナドゥ」
→ワイルドオーパーツを購入するためにのみ利用しました。
 なお、コイン自体は全てカジノチケットとギルによる購入で賄いました。

○その他

「×/△/□/R1ボタンの使用」
→特に禁止していなかったため、適宜使用しました。
 □ボタン(シンクロドライブ)はFF13-2特有の新要素であり、積極的に使用しました。


 一部プレイ開始時には全く考えていなかった要素を追記しましたが、第1話の冒頭で書いた「努力目標」は、その大半を守った上でのクリアとなりました。今作では特に「アイテム」を解禁した場合、グリモアハットなどの存在によりHLRを置かずに済むため、つるさんの「オプティマ変更なしクリアー」と同じく、これを最後まで使用せずに済んだ事は大きいと思われます。
 「攻撃対象の変更」については、どうも挙動不明な「リーダー死亡後にターゲットが変更される」現象を利用しましたが、これは矢印キーの入力を伴わない、再現性のある現象であったため、そのまま採用しました。本当にあれ、何なんでしょうね。得したから良いけど。

 今回解禁してしまった自主規制項目は、「継承」です。
 ラストバトル、バハムート・ウォローの『死にゆく太陽』の威力は非常に高く、当時の最大HPの2倍以上のダメージを受けてしまいます。これを耐え切るためにレベルを上げるとなると、現状の倍以上にレベルを上げる必要があったと思われます。これではここまで人間のレベルを低く保ってきた意味が無くなってしまうと判断し、「継承」を解禁することで人間のレベルを保って攻略することとしました。
 HPのラインとしては、おそらくこのあたりが限界ではないでしょうか。
 しかし、これは幸運だったとも言えます。前回の動画を見てくだされば分かる通り、セラのHPはギリギリ『裁きの太刀』で死ぬ程度でした。もしHPが2000台に達していれば、『死にゆく太陽』の前に殺しきることが出来たかどうか、非常に怪しかったと思います。


■謝辞

 本プレイは「ニコニコ生放送で検討の様子を公開配信する」というスタンスで進めており、今までにも明記したように、私が発案したものではない戦術も利用させて戴いています。その最たるものがウォロー戦の『仲間戦闘不能で強化』です。
 このプレイは私一人のものではありません。先達のプレイヤー、攻略サイト、配信に足を運んでいただき、ご指導・ご声援をしてくださった視聴者の方々を総合した、メタアナリシス的なやり込みだったと言えます。本当にありがとうございました。
 謝辞の代わりとして、ここで活用させて戴いた情報サイト等を列挙致します。

◆やり込み in FF
 本記事を掲載していただき、ありがとうございます。
 その他、カイアスの行動パターンや、各種モンスターのシンクロドライブについて参考にさせて戴きました。
 私の記憶が正しければULTIMAGARDEN設立前後からここを見ていた覚えがあるので、非常に長くお世話になっています。最初に読んだの、何年前だっけな…

◆FF13-2 極限攻略データベース
 “庭師”の方々が集積した攻略サイトです。FF13-2の攻略サイトなのにアドレスがFF12とは…
 本プレイでは、ボス戦の一般的な攻略法や耐性、アルカキルティ大平原に出現する敵一覧の情報を活用させて戴きました。

医療の辺縁から「手術!」と叫ぶ男 / FF13-2 NCU動画&地域別モンスター
 ファルコさんの個人ブログです。2月末あたりはここを毎朝読んでたなあ…
 私が調べた限り、シンクロドライブの性能について比較しやすい形で列記しているサイトは他になく、モンスター集めの際の指針として大いに活用させて戴きました。
 記事としても読み応えのあるものばかりで、追いつきたいと思うプレイヤーの一人であります。

◆FF13-2 神攻略wiki
 最初見た時は名前で一瞬引いたのですが、便利な攻略サイトです。
 モンスター強化において、「このアビリティを覚えるための予算」が既に計算されており、非常に便利なサイトでした。また、継承の可不可も一目で分かりやすい構成となっています。

◆FF-GH.COM FF13-2攻略
 攻略としては、割と最後の方で参考にし始めたサイトです。
 仲間モンスターの耐性やシンクロドライブについてある程度詳しいことが書かれているサイトというのは、非常に貴重です。というか、攻略サイトと名乗るwikiのほとんどが、ゲーム内のヘルプメッセージの引き写しで終わってるんだよなあ…
 ちなみに、ひっそりと「ブラッドダメージに上限がある」ことに触れられていました。気付いている人は気付いているか…

◆ニコニコ生放送
 本プレイを配信する上でお世話になった媒体です。
 また、本プレイで使用した戦術のいくつかは、ここで寄せられたコメントを元に構築されています。
 特に「DEF+DEF+HLR」の可能性について語ってくれた方、「『死にゆく太陽』が来る前にウォローが倒せる」可能性を示してくださったリーザさん、「『仲間戦闘不能で強化』の使用」を提示してくださった方には、改めてこの場でお礼申し上げます。ありがとうございました。
 また、初回プレイで効率の悪い、つたないプレイを見守り応援してくださった全ての視聴者の方に、この場で再度お礼申し上げます。
 ……名前こそ出ていませんでしたが、つる師匠もあの場にいましたよね?

◆メモ帳(Windows付属アプリケーション)
 本プレイは、プレイ日誌の執筆からHTMLファイル化まで、その全てを「メモ帳」にて作成致しました。既に10年以上のつきあいでして、今更他のHTMLエディタを使う気にならないというのが理由と言えば理由なのですが…。
 これに際して、試験になったかどうかはわからないのですが、「Mahatmya」のスタイルシート機能を大いに活用させて戴きました。この機能を用意してくださり、ありがとうございます。


 さて、人間2人のレベルをある程度低く保っていても、○ボタン連打でFF13-2をクリアできることを証明致しました。
 とにかくきつかったのがウォロー戦で、次点はヲルバ郷のカイアス戦でしょうか。前作でつるさんが述べたように、ある程度の(キャラクター)レベルと忍耐力と連打力があれば、誰でもボタン連打でFF13-2をクリアできてしまうことでしょう。レベルと面白さを突き詰めるとなると、また違う味わいが出てくると思います。
 初回プレイでこれでしたが、頭をひねって作戦を立てるのが非常に面白いプレイでした。通常プレイは…やるのか、これ? このステータスでもDEF+DEF+DEFを駆使しないとちょっときついかも。


 ――ということで、恒例のアレを逝って、本プレイ日誌の締めとしたいと思います。



(;^o^)「なんだよ、FF13-2とか○ボタン連打でクリアできるじゃん。クソゲーだわ」






FINAL FANTASY XIII-2 パラダイムシフトなしクリアー
プレイ時間:54時間06分(ED後のヒストリアクロスで確認)

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。






 

(2012年3月30日)

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