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管理人の日記
「エースコンバット」(ACE COMBAT)は、ナムコから発売されている“フライトシューティング”のシリーズである。プレイヤーは戦闘機のパイロットとなり、敵の飛行機をミサイルや機銃で撃墜しながら、謀略の渦巻くストーリーを進めていく。そのシンプルな操作性に奥深い内容、熱いシナリオや優れたBGMなどから、多くのゲーマーたちの心を掴み、PS〜PS2時代を代表するタイトルの一つと言えるほどの人気を博した。現在、20代前半くらいでやたらと戦闘機に詳しい奴が居たら、その半分程度はこの「エースコンバット」シリーズのユーザーであると言えよう。もちろん俺もその一人である。
・・・と、いうわけで。本日は、そんな「エースコンバット」シリーズについて、いつもの「思い出」という形で振り返ってみることにしよう。なお、現在でも一応「エースコンバット」シリーズは続いているのだが、様々な理由により、残念ながら俺にとっては完全に「過去のゲーム」となってしまった。そのことについても、本日は解説してみようではないか。
では、フライトシューティング:「エースコンバット」の魅力とは、果たして何なのだろうか。それは、簡単に言えば「シンプルな操作性と熱いストーリー」である。
・・・というのも、上にも書いた通り、このゲームでは「戦闘機を操縦する」ため、現実的には非常に難解な操作が必要となってしまう。が、このゲームではそういった部分をバッサリと省き、「戦闘機を飛ばして敵と戦う」という遊びやすさ・爽快感を重視した作りとなっている。そのような姿勢から、現実派軍オタには顔をしかめられることもあるが、もしリアルさを追及して「ミサイルは数発程度しか積めない」「何百キロも離れたところから一方的に攻撃すればOK」となってしまえばゲーム性もクソも無いため、ある程度は仕方無いというものであろう。だからこその「シミュレーター」ではなく、「フライトシューティング」なのだ。
――しかし、ゲーム性自体がシンプルなゆえに、それだけだと単純な作業ゲーとなってしまいがちである。それを補足するのが「熱いストーリー」なのだ。「エースコンバット」では、主人公は戦闘機パイロットの1人として国家同士の戦争に参加していくのだが、ただ敵を倒して終わるというものでなく、謀略の渦巻く戦場に様々な形で身を投じることになる。その一筋縄では行かないシナリオも人気であり、「どのようなストーリーが展開されるのか」、また「それがどのような視点で描かれるのか」ということが、ファンの間では毎回大きな関心事となっている。いわゆる「無線」は、シリーズの象徴と言える演出だろう。
・・・その他、「グラフィック・BGM演出」や「全体としてのボリューム感」「称号などの収拾要素」も抜群であり、プレイヤーの中ではタイムアタック・スコアアタックはもちろん、無誘導で射程が短く威力も低い「機銃」を逆手に取って、「機銃クリアー」という大胆なやり込みプレイを行う人もいる。この「エースコンバット」は、遊びやすく奥深い、まさに全てのゲームファンにお勧めできる大傑作になっているのである。
では、そのように優れた「エースコンバット」シリーズが、なぜ俺にとっては「過去のゲーム」となってしまったのだろうか。それは、ひとえに「ゲーム性の限界」(+発売ハードのゴタゴタ)というものにある。
・・・というのも、エースコンバットの“ゲーム部分”での内容は、要するに敵を順番に撃墜していくことであり、ミサイルで攻撃されてもグルグル回って回避すれば良いだけである。そのため、面白さの大きなポイントを占めるのが「シナリオ・BGM・グラフィックなどの演出」なのであるが、そのようなスペック面での進化はPS2の『5』で極まってしまったため、以降はいまいちパッとしない作品が続くことになった。そのうえ、当時の正統続編であった『6』がまさかのXboxでの発売となり、ここで多くのファンが一気に脱落してしまった。俺も『6』はプレイすることができず、そこから「エースコンバット」自体に急速に興味を失ってしまったのである。
――その後、一応2011年に『アサルト・ホライゾン』という作品がPS3でも発売されたのだが、その時の俺は既に「エースコンバットはもういいや」と考えてしまっていた。現時点でも、特に主体的に買おうという意欲は無いし、ネットの評判を見ても良い続編であったという声は聞こえてこない。似たような境遇の「バイオハザード」とは異なり、もはや完全に「エースコンバット」は過去のゲームとなってしまったのである・・・。
さて、俺にとって残念な結果になってしまった「エースコンバット」シリーズであるが、未だに「過去の名作」としての価値は健在である。そのため、もし遊んでみようと思った方が居たら、俺がプレイした『3』『4』『5』『ZERO』『X』はどれもオススメであるが、一つだけ挙げるとすればPS2の『5』であろう。2004年に発売された『5』は、シリーズの集大成と言えるようなゲーム性に、壮大なシナリオ演出、「FF」シリーズにも匹敵しうる大迫力のBGMなど、まさに「大作」と呼ぶに相応しい作品である。未プレイの方は、今からでも遅くないので、是非とも何らかの形で遊んでみてほしいものだ。
・・・ところで、この「エースコンバット」シリーズは、残念なことにPSアーカイブスでは一切配信されていない。このような傑作は、安価でいつでも入手でき、携帯機で手軽に楽しめるようにするべきだ。それは、まずはPS3・PSP・Vitaなどのユーザーにとって大きなメリットになるし、やがては「ゲーム業界」というもの自体に良い影響を与えてくれることだろう。
――やれ、現在では、PS・PS2時代のような大々的な“ゲームの進化”というものは、残念ながら望めなくなってしまった。だが、俺はまだ「ゲーム」という文化には伸びしろがあると思いたい。だから、ユーザー・業界ともに「エースコンバット」のような優れた作品に触れることで、何か突破口を作っていきたいものである・・・。
(2013年1月24日)
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