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管理人の日記
大豆粉お好み焼きは、まず弱火で焼くことで、焦げ付きを防げたぞ。弱火でじっくり!

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このキッレキレのポーズは良かった |
「大逆転裁判」は、『1』の2話が終わるところまで進めた。既に、1話の時点でガバガバ具合がヤバかったが、今回の2話についても、それに匹敵するクラスの、シリーズ最低レベルのシナリオ展開であった。
…まず、良かったところから述べよう。それは、「シャーロック・ホームズ」との「共同推理」である。まず、現実世界(私たちがログインしている地球)の“シャーロック・ホームズ”は、コナン・ドイルの書いた人気推理小説シリーズの主人公(=
架空の人物)である。いっぽう、「大逆転裁判」では、作中世界で実在する人物となっており、探偵として、成歩堂たちに協力をしてくれる。小説の“シャーロックホームズ”シリーズも、彼の活躍をテーマとした物語として、作中世界に存在するようだ。
――そんなホームズだが、作中世界では、頭の回転が早すぎるためか、ぶっ飛んだ推理を、一行へ提供してくれる。その「名推理」は、あまりにも飛躍しすぎており、そのままでは利用できない。しかしながら、常人では見落としてしまう点に気付いていることは確かであり、それを訂正していくことで、真実へ近づくことができる。これをゲームシステムとして行うのが、「共同推理」である。そんな感じで、ホームズは、「大逆転裁判」シリーズを通しての、成歩堂の相棒となってくれるのであろう。主人公を女の子にするか、またはホームズを美少女化したほうが良かったのでは…。
さて、この共同推理の魅力は、とにもかくにも、芝居の効いたグラフィック表現である。
…というのも、第2話の成歩堂は、第1話に続いて、いつものように殺人事件の容疑者となり、ホームズについても、当初は成歩堂へと疑いを掛ける側として登場する。そんな感じで、再び重々しい雰囲気で物語が始まるのであるが、そんな中、共同推理の「カメラがグルグル動作する」「比喩でなく、光源としてスポットライトが当たる」「ホームズがキレッキレのモーションをする」「何故か成歩堂もそこに参加する」という絵的に楽しげな表現は、ゲームとしての面白さを取り戻してくれるように思えた。
――やれ、皆さまご存じの通り、逆転裁判シリーズは、文字を読むゲームであり、ストーリーが最重要なことは言うまでも無い。ただまあ、本ではなくゲームなため、グラフィック表現というのも大切である。かくして、この共同推理は、第2話における、数少ない清涼剤となったのであった…。
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龍ノ介「気にすんな、今のはカプコンが悪い」 |
というわけで、良いところはここまでだ。今回の『1』第2話についても、1話に引き続き、ガバガバすぎる!
前と同じ形式で、まとめてみよう。
●大逆転裁判1-2「友とまだらの紐の冒瞼」について
◯事件の大まかな流れ
・日本から英国へと向かう船の中で、以下の2つの事件が同時進行する。
@
A亡命犯が、その存在に気付いた人物を殺害する。発覚の理由は「猫が通気口を通って隣の部屋に入り込んでしまったこと」、殺人の動機は「亡命がバレて通報されると思ったこと」、手口は「突き飛ばしたところ、偶然ベッドの突起部に首を強く打ち付けてしまったこと」である。犯人と船員は、事件を隠蔽するため、同じ部屋に密航者として潜んでいた主人公(眠っていたので事件に気付いていない)を発見し、罪を着せるために、以下の偽装を行う。
・ロシア語でダイイングメッセージを残す
・成歩堂の潜んでいたクローゼットに、当初と同じようにシールを貼り直す
・@で客全員が眠っていることを利用し、「船の緊急停止を行う」という方式で、かんぬき型のカギを裏から掛け、密室とする。密室化した理由は、「部屋の中にいた成歩堂を、唯一の犯行可能な人物とするため」である。
・殺人事件の犯人(亡命者)は、事件が起きた隣の部屋にそのまま滞在させる。
◯それっておかしくないかな?
リスト
・成歩堂が、密航者として、英国へ向かおうとする。裁判モチーフのゲームで、正義側の人物が、それをやっちゃダメだろ!
・せっかく密室殺人の構図を作ったのに、ロシア語のダイイングメッセージを残すのは、極めて不自然である!!!
被害者の容姿からはもちろん、部屋の小物に使われている文字、その他にも、乗客リストなどを把握していれば、「少なくともロシア人ではない」ということは分かる。作中世界の犯人および共犯者が取る偽装工作として、100%完全に破綻しており、この一点だけでも十分に致命的である。マジで、シナリオ書いてておかしいと思わなかったのか?
・せっかく密室殺人の構図を作ったのに(2回目)、成歩堂が入っていたクローゼットのシールを貼り直してしまう。これにより、「成歩堂が出てきて被害者を殺害、そのあと、中に隠れ直す」というシナリオが崩壊してしまった。これもまた、トリックの破綻である。
・部屋は、かんぬき型のカギ(棒状の器具を横にスライドさせることで、前後に開く扉をロックする方式)で閉じられていた。このカギを、外側から掛ける方式が、「船の緊急停止を行うことで、慣性力によって、かんぬきをスライドさせる」という、現実なら絶対に選ばないであろう方式だ。睡眠薬により、客全員が寝ているからバレないだろうというのが理由だが、例えば被害者は実際に食事を取っていなかったため、同じような人が居た可能性もある。そもそも、緊急停止を行えば、必ずカギが掛かってくれるとも限らない。仕掛けが大規模な割には効果がショボい。密室を作るという目的が先行し、トリックに妥当性がないのである。
・真犯人が、被害者の隣の部屋に居続ける。密室トリックで絶対安全と思っていたのだろう。急に部屋から居なくなったら不自然?
いやいや、乗船時は睡眠薬で全員が寝ていたのだし…。
・犯人と、共犯者である船員たちは、「被害者の生死」や「その罪を成歩堂に着せること」には興味が無く、「亡命者=殺人事件の犯人の身を隠す」のみが目的であった。よって、取るべき行動は、殺人事件が起こってしまった時点で、「倉庫のような誰も調べられない場所に犯人を隠したうえで、被害者の部屋は密室とせず、開けたままにする」であり、この方式で、船に居た全員を容疑者にできた。「睡眠薬で、客が眠っている」という状況は、この偽装を行ううえで、極めて有利である。少なくとも、犯人の隔離だけは、絶対に行うべきだった!
目的に対し、トリックがあまりにも大規模かつ無意味で、結果、大量の証拠を残して自爆してしまっている。こんなマヌケを倒しても、ゲームとして面白いわけがない。
・小動物として、ヘビと猫の存在が語られるが、猫のほうは、何故か全くグラフィックとして出てこない。トランクがガタガタ揺れる演出があるので、少なくとも、「証拠隠滅のために処分された」という胸糞悪い展開ではないと思うのだが…。
・ヘビは、殺人事件と関係が無い。第1話の「2丁あった銃」と同じく、不要な構成物が出てくるのは、推理ゲーとしての詰めの甘さを感じる。え、「シャーロックホームズの小説のオマージュ」?
それ、私と関係あります??
・犯人は、「被害者を軽く突き飛ばした際に、偶然ネコが暴れ出し、それに驚いた被害者が転倒して、運悪く首を打ってしまった」と供述し、不幸な事故として物語が締まる。信用できるわけがない! 何せ、この犯人は、「自分は事件と無関係」→「ネコが隣の部屋に行ったことは認める」→「被害者の部屋に入ったことを認める」と、段階的に供述を変化させており、最後の「不幸な事故だった」というのも、疑って然るべきであろう。むしろ、「亡命の通報を防ぐ」という動機が存在し、打撲を負った被害者への救護を行わず、船員と協力して隠蔽しようとした事実は、明確な殺意を裏付けているように思える。しかし、その辺りは、特に作中では触れられず、この第2話は終わってしまう。まあ一応、この犯人は、のちに再登場する機会があるらしいが…。
・被害者は、当初、「外傷はなく死因不明」とされていたが、のちに頚椎の損傷であることが分かる。即死するほどに首を打ち付けていたら、内出血くらいは起こるであろう。診断をした船医も、“船のスタッフ”ということで共犯の可能性もあるが、その辺りは特に触れられなかった。
・即死と言っても、瞬間的に意識を失って死んだわけではなく、例えば数分くらいは動けた可能性があるが、そのことは特に考慮されなかった。というか、そうでなければ、ダイイングメッセージ(偽)が残せず、状況的におかしくなってしまうので、誰か1人くらいは言及してくれても良かったと思うが…。
◯これはおかしくないよ!
リスト
・「@亡命者の乗船」と「A殺人事件の隠蔽」は、別の事件であり、乗客全員の食事に睡眠薬を混ぜたのは、@を安全に行うためだ。よって、ネットで見られる、「睡眠薬を飲ませて、Aの緊急停止トリックを使うのは、最初から殺人事件が起こることが分かっていたのか?」という指摘は、@とAの因果関係を正しく整理できていないものであり、誤りと言える。しかしまあ、そんな誤解が起こってしまうくらいに、トリックが常軌を逸しているということで…。
・犯人については、「被害者の殺害時に、片耳のイヤリングを握り取られていたこと」が、決定的な証拠となった。このイヤリングを奪い返さないのは、隠蔽工作として不自然である。しかし、「亡命行為の実施」、「それがバレる危機感」、そして「人が殺してしまったこと」などから、犯人は激しく動揺していた。よって、“イヤリングの紛失に気付かなかったこと”は、必ずしも不自然とは言えない。
・「寿沙都投げ」とその類似技で、成歩堂は合計6回も投げ飛ばされる。カメラが転倒する演出もクドく、印象最悪ではあるが、少なくとも4発目については、情けない主人公に発破をかけるためであり、むしろヒロインの仕事である。最後に「私を投げてください!」と要求してくるところで、罪滅ぼしもされている。むしろ、じゃあ痛くないように布団を敷いて…などと、妖しい雰囲気を想像してしまうところであった。
・“裁判がなく、探偵パートだけで物語が終わる”とは聞いており、実際にその通りだった。しかし、私は「逆転検事」シリーズをプレイ済みのため、この点について、特に違和感を覚えることは無かった。
・「亡命を秘密裏に成功させるために、乗客全員の食事に睡眠薬を混ぜる」というのは、ハッキリ言って異様であり、眠らない客が居たり、逆に効きすぎて昏眠や死亡するような客が出る可能性があり、リスクに対するリターンが見合っていないように思える。しかしながら、船員がロシア人であり、乗客もロシア系が多いことが示唆されている。作中世界から見ると100年後だが、ロシアでは「モスクワ劇場占拠事件」というのが2002年に起きており、軍の突入時に麻酔性ガスが使用され、人質側にも多数の死者を出している。現実世界で似たような手段が選ばれているのだから、ゲームの中では、むしろ有り得て当然である。この項目を書き忘れていて、翌日朝になってから追記するくらいであり、ロシアでは別におかしなことではないのだろう…多分…。
◯システム的な問題点リスト
・約4時間のプレイ時間(後述のやり直しを考慮しない)に対し、マップが3つしかない(被害者の船室・犯人の船室・それらを結ぶ廊下)。やれ、GBAの頃は、『1』『2』『3』ともに、容量が16MBしか使えず、キツかったらしいが、3DSではそういうことも無いだろう。せっかくの船旅なのだから、キレイな海や空、異国情緒あふれる個性的な船客、などで楽しませてくれよ。
・終盤の、被害者の写真の指摘で、初めてのゲームオーバーを経験した。私は、「頚椎を損傷して死亡したならば、仰向けで倒れているのが自然であり、うつ伏せに倒れているのはおかしい!」と指摘しようと、何度も背中を選択したが、受け入れてもらえなかった。すぐ近くから再開できると思いきや、かなり前に戻され、オートセーブがどこなのかも分からず、復帰に20分が掛かってしまった。なお、正しい選択先は「握られた左手」であり、その手にイヤリングが隠されていたことにより、犯人の殺人への関与が決定的になった。指摘を求められる理由は、「転倒による死亡なら、手は開かれていないと不自然」ということらしいが、そうだろうか?
この事件の全体的なおかしさの中では、そんなことは些細な問題である。
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「この人の胸は別に小さくないだろ」という指摘は、特に行われなかった(※妥当) |
というわけで。1話の時も、「絶対に使用がバレない毒を、わざわざ衆人環境のレストランで使う」「既に死んでいる被害者に、偽装目的のためだけに、銃撃を行う」などと、ガバガバ感が強かった。だが、2話についても、「ロシア人ではない被害者が、ロシア語のダイイングメッセージを残したよう偽装する」「密室を装うため、船の緊急停止によってカギを締める」などと、説得力の全く無いトリックが用いられていた。ゲームの世界ということを考えても、殺人の隠蔽手段として、例えようもなく不自然である。そんなものは、解き明かす過程はもちろん、全てが明らかになったあとも、まるで腑に落ちる感じがない。これでは完全に、推理ゲーとして破綻しているのである。
…さて、前にも書いたが、私は「大逆転裁判」について、“事実上、1&2の前後編である”ということだけが唯一の問題点と聞いていた。それが、ここまで、物語が終わっているとは、寝耳に水だったのである。やれ、これは確かに、「シリーズ屈指のシナリオ」と表現して、間違い無さそうだ。こんなにも酷いのは、逆転裁判4くらいだからな!
――はぁ、疲れた。これ、本当に、あと8コ話もやらないといけないの?
なんかもう、もっと面白いゲームに時間を使いたいんだけど…。
(2025年8月16日)

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